富士山静岡空港(以下「静岡空港」)は静岡県の中部に位置していて、静岡県東部に生息している私は羽田を使うことが多く、正直、静岡に空港はいらないんじゃないの? と思っていたのですが、いざ空港ができてみると意外に便利で、私自身、すでに何度も利用しています。
この記事では発着便数が多い富士ドリームエアライン(以下FDA)を利用した旅プランを自分の経験も含めてご紹介します。(本記事内の時間や金額は2023年11月時点のものです)
- 静岡空港のメリット
- 九州行きの飛行機を利用するプラン
- 出雲空港行きを利用して出雲大社+αの旅
- 北海道行きの飛行機を利用するプラン
- 大井川鉄道とのコラボ企画も楽しそう
- 静岡空港出発のプランを考える時のコツ
- FDAはなかなか良い航空会社です
- まとめ
静岡空港のメリット
静岡空港は小さな地方空港ですが、小さい空港ならではのメリットもあります。
- 搭乗後、離陸までの時間が短い
- 着陸してからターミナルを出るまでの時間がとても短い
- 駐車場が広くて無料エリアもある
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
九州行きの飛行機を利用するプラン
静岡空港からはFDAが福岡空港に1日4往復、熊本と鹿児島には1日1往復飛んでいます。
静岡から九州に新幹線で行こうとすると、博多駅まで4時間以上かかり、お値段も静岡駅から博多駅間は21,050円というお値段。
FDA利用で福岡空港までは、1時間半ほどで到着でき、お値段も安いプランを利用すれば14,000円ほど。静岡県民が九州に行く時には、静岡空港からFDAを利用するのがとても便利でお得です。
九州にFDA利用で行く場合、複数空港に就航しているので、行きは鹿児島空港に向かい、帰りは福岡空港から戻ってくる、なんていうプランも可能です。
鹿児島空港IN, 熊本空港OUTで妙見温泉と阿蘇観光2泊3日の旅
鹿児島空港行きの飛行機は、静岡空港をお昼過ぎに出発し、鹿児島空港には14時くらいに到着します。
14時到着だとその日の観光はちょっと厳しいので、空港近くの妙見温泉に宿泊します。妙見温泉には川沿いの静かな温泉で、湯量豊富な温泉が素晴らしいです。空港からタクシーで20分ほどと近いのも嬉しいポイント。
おりはし旅館は一人旅プランがないので、2人以上で行くなら、とてもおススメの宿です。
石原荘は一人で泊まりました。源泉が近いのでお湯がとても新鮮です。
妙見温泉に1泊した翌日は、鉄道で阿蘇に移動します。阿蘇駅近くのレンタカー屋さんでレンタカーを借りて、阿蘇の絶景を楽しみます。
阿蘇駅近くには、内牧温泉という温泉街があり、こちらの温泉宿に2泊目の宿を取ります。阿蘇の火山の恵みを感じられるパワフルな温泉、という感じがしました。
最終日は熊本空港から静岡空港に戻ります。レンタカーを熊本空港に返却するプランにすると、宿をチェックアウトしてから夕方まで車で自由に観光ができて便利です。熊本空港から静岡空港に向かう便は、18時40発なので帰る日もたっぷり観光できます。
福岡空港IN, 熊本空港OUTで由布院と阿蘇を巡る2泊3日の旅
静岡空港から福岡空港にはFDAが1日4往復飛んでいます。朝の便を利用すれば午前中に九州に到着できてしまうというのは、新幹線ではできない芸当です。鉄道の玄関口、博多駅へも地下鉄で5分程度と大変便利が良い空港です。博多駅から特急「ゆふ」に乗ると、由布院の宿のチェックインにちょうど良い時間に到着できます。
由布院で1泊したら、由布院駅近くのレンタカー屋さんでレンタカーを借りて、絶景ルートをドライブしながら阿蘇に向かい、途中の黒川温泉で宿泊するプランです。黒川温泉に泊まった後は、阿蘇を観光して、熊本空港でレンタカーを返却して静岡空港に戻ります。詳しくはこちらをご覧ください。とてもおススメのルートです。
鹿児島空港IN, OUTで指宿温泉2泊3日
FDAの便を利用すると鹿児島空港には14時頃到着します。
鹿児島空港から鹿児島中央駅まではバスで40分ほど。鹿児島中央駅からはJR線で指宿に向かうと17時前には指宿駅に到着できます。指宿温泉に2泊して、2日目を観光にあてるプランです。観光情報や宿情報はこちらのサイトをご覧ください。
私は観光タクシーで日本最南端の駅や長崎鼻という景勝地を訪れました。こちらをご参照ください。
指宿から鹿児島中央駅に戻るには、この区間を走る観光列車の指宿のたまて箱がおススメです。
指宿駅を10:56に出発するたまて箱に乗車すると、鹿児島中央駅には11:48に到着できるので、鹿児島空港を14:40に出発する静岡空港行きのFDAに乗ることができます。指宿のたまて箱については、こちらのサイトをご覧ください。
福岡空港IN,OUTで長崎2泊3日の旅
福岡空港行きは早朝便があり、午前中に福岡空港に到着できます。博多駅まで移動して、鉄道で長崎に移動すると15時頃には長崎駅に到着できます。長崎に2連泊すると、じっくり長崎観光が楽しめます。
世界文化遺産に登録された軍艦島を訪れるツアーもおススメです。
福岡空港IN,OUTで長崎1泊、壱岐1～2泊もおススメ
長崎に1泊して長崎を観光した後、長崎空港から壱岐に飛行機で飛び、壱岐に2泊して濃い温泉を楽しむのもとてもおススメです。長崎空港から壱岐行きの飛行機は15:40出発なので、お昼過ぎまで長崎に滞在が可能です。
長崎空港から壱岐まではオリエンタルブリッジのプロペラ機で飛びます。
壱岐は海の透明度も白砂の砂浜も美しい島です。濃い温泉と新鮮な食材も楽しめます。小さな島なので、1泊のみでもレンタカーで半日回り、最後は船で博多港に向かい、福岡航空から静岡空港へ戻ってくることが可能ですが、2泊されるとより充実した島観光ができます。
福岡空港IN, OUTで長崎とハウンテンボス
福岡空港IN, OUTは、午前中に福岡に到着でき、帰りは夕方から夜出発なので、1泊2日でも九州滞在時間が長くとれるのが魅力です。ハウステンボスを訪れるプランも可能です。私はハウステンボスのホテルに1泊し、翌日は日本最西端の駅を訪ねて、福岡空港を18時頃出発する飛行機で帰ってきました。
出雲空港行きを利用して出雲大社+αの旅
静岡から出雲に向かうには、静岡空港利用がとても便利です。出雲空港には朝10時前に到着でき、帰り便は15時過ぎに出雲空港を出発するので、出雲大社参りだけなら、日帰りも可能なのですが、せっかく出雲まで行くので1泊2日以上の日程でプランをご紹介します。
出雲大社参拝は、到着日に参拝してもよし、帰ってくる日の午前中に参拝しても良しです。
現存12天守の一つ、国宝の松江城へは公共交通機関のみでOK
お城ファンでなくとも、堂々たるお城には誰もが惹かれるはず。現存12天守の一つです。中は急階段ですが、天守からの眺めは格別です。船に乗ってのお濠巡りも楽しいです。
庭園が素晴らしい足立美術館
出雲空港から向かうにはレンタカーがある方が便利です。公共交通機関の場合は、松江城へ行くのに利用する松江駅行きのバスで松江駅まで行き、そこからはJR線で安来駅まで移動します。安来駅から足立美術館までは無料のシャトルバスが割とたくさん走っています。
世界遺産の石見銀山
2007年に世界遺産に登録された鉱山遺跡です。銀山での採掘時代に栄えた街並みも保存されています。出雲空港からちょっと距離があり、レンタカーがある方が良いでしょう。車で1時間半くらいの距離です。
私は足立美術館、石見銀山、出雲大社を2023年10月に2泊3日で回りました。こちらの記事で紹介しています。
出雲大社近隣の温泉
出雲周辺には温泉もあります。私が実際に宿泊した温泉宿も含めてご紹介します。
玉造温泉
美人の湯として古くから人気があり、温泉街も発達しています。私は小ぶりな宿が好みなのですが、玉造温泉には大型旅館が多く、小さな宿となると玉井館くらいと思います。でもこちらの宿、お湯良し食良し接客良しの素晴らしい温泉旅館でした。古き良き温泉旅館がお好きな方にはおススメの宿です。お子様は宿泊できません。
大型旅館が良い、子供と一緒に泊まりたい、という場合は選択肢が多いです。私は大きな露天風呂がある長楽園に泊まったことがあります。
日御碕温泉
星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」の宿が、2022年11月にオープンしました。日本一高い白亜の日御碕灯台のすぐ近くにあります。日本では珍しい成分量が多い高張性の温泉です。
湯の川温泉
玉造温泉よりも出雲市駅に寄った所にある温泉で、玉造温泉と並んで美人の湯として有名ですが、玉造温泉のように賑やかさは全くなく、温泉宿が数軒営業しています。その分静かに過ごせます。私は5月に行きましたが、カエルの声だけが響いていました。
出雲空港を利用して隠岐の島を訪ねる
島根県の北方約50キロほどの沖合いに浮かぶ隠岐の島は4島からなる島で、かつては後鳥羽上皇や後醍醐天皇が流された歴史があります。島の外側と内側の景色が異なり、火山活動の跡をあちこちで見ることができる風光明媚な島々です。
島に渡る方法は飛行機と船があります。私は伊丹空港からの飛行機を利用して隠岐に渡り、帰りは出雲空港から飛行機で静岡空港に帰ってきました。
夏は往復出雲空港を利用しても成立します。出雲空港に9時40分頃に到着したら、9時45分発の空港連絡バスで松江駅へ。松江駅には10時20分頃の到着です。松江駅10時40分発のバスで境港に向かえば、境港を12時に出る高速船で隠岐に行くことができます。ただし松江駅を10時40分発の境港行きのバスは冬場は運行されていないので要注意です。
北海道行きの飛行機を利用するプラン
北海道の空の玄関、新千歳空港へはFDAが毎日、ANAは季節運行で1日1往復飛んでいます。FDAは新千歳空港にお昼前に到着するので、到着後に旭川あたりまでは移動が可能です。札幌と旭川を結ぶ特急は本数が多いのも便利です。
旭山動物園と旭岳温泉
FDAで新千歳空港に到着した後、旭川まで移動して旭川で1泊。翌日は旭山動物園に行き、帰りは旭川空港から羽田に戻るコースだと1泊2日でも行くことができます。旭川空港発を16時ごろ出発するJALの便を利用すると、最終日も時間に余裕ができます。
www.city.asahikawa.hokkaido.jp
動物園よりは景色を楽しみたい、という方には美瑛はいかがでしょうか。夏のパッチワークのような景色もステキですが、冬の白一面の景色も素晴らしいです。
2泊3日ならば旭山動物園を見た後に、旭川駅を13時頃でるバスで旭岳温泉に向かい、旭岳温泉にもう一泊するのもおススメです。旭岳は北海道の最高峰で、ロープウェイを使うと中腹まで簡単に行くことができます。絶景です。
日本最北端を訪ねる旅
北海道には日本最北端の地があります。宗谷岬です。私はFDA利用ではなかったのですが、静岡空港から出発し、札幌で一泊、鉄道で稚内まで行き稚内でも一泊。最終日に定期観光バスで宗谷岬を訪れ、帰りは稚内空港から羽田に戻るルートで訪ねました。
小樽に泊まって積丹ブルーを楽しむ
夏季限定になりますが、FDAは千歳空港よりもっと札幌駅に近い丘珠空港に飛んでいます。静岡空港を朝9時半に出発するので、お昼前には札幌に到着できます。かなり時間が有効に活用できます。私はこの便を利用して、小樽や積丹半島の絶景を見たり、函館本線の鉄道旅を楽しみました。
大井川鉄道とのコラボ企画も楽しそう
鉄道と飛行機両方好きな方にはこんなプランも出ています。これは私も参加してみたいツアーです。
静岡空港出発のプランを考える時のコツ
九州に向かう時に熊本行きを選ばない
静岡空港発熊本空港行きの現地到着時刻は18時過ぎ。これだと熊本の温泉旅館を予約していたとしても、夕食に間に合いません。初日の時間が有効に活用できないので、福岡空港行きか鹿児島空港行きを選びましょう。
静岡空港から出発し羽田に戻るプランだと自由度が増す
静岡空港は駐車場が広く、マイカーで空港に行き、駐車場に停めたまま出発することが多いのですが、駐車場に車を停めておくと、静岡空港に戻ってこなくてはなりません。
静岡空港まで公共交通機関で行けると、帰りは静岡空港ではなく羽田や中部国際空港・小牧空港に戻るプランが設定可能となり、旅の自由度が増します。
早朝に出発する福岡空港行きや出雲空港行きに公共交通機関でアクセスするのは難しいかもしれませんが、千歳行きは10時ごろ、鹿児島空港行きはお昼過ぎに出発するので、公共交通機関でも間に合う方もいるでしょう。
こうなると、福岡空港IN, 大分空港OUT とか、千歳空港IN, 旭川空港OUT という周遊プランも考えられます。
またご家族に静岡空港まで迎えに来ていただけるのであれば、行きは羽田から出発し、帰りに静岡空港に戻る、というプランも可能です。
FDAはなかなか良い航空会社です
静岡空港の発着便数が多いので、静岡空港利用の場合はFDA利用になることがほとんどです。小さい飛行機ですが以下の理由で私は結構気に入っています。
- 座席ピッチに余裕がある
- 飲み物に加えて朝はパン、その他はクッキーなどのお茶菓子がでる
- 操縦室からのアナウンスが丁寧(その時の操縦士によります)
- 旋回が小気味良い
就航している空港が限られているので、静岡県以外の方は搭乗未経験の方も多いと思いますが、なかなか良い航空会社と思います。
まとめ
ということで、私自身が実際に旅したプランも含めてご紹介しました。特に九州に行く時にはメチャお得で鉄道よりもずっと早く九州に到着できるので、これからも静岡空港発のFDAにはお世話になると思います。静岡県民の皆さんも是非静岡空港とFDAを活用して旅に出てみて下さい。
