小樽から特急ニセコに乗車する前日、北海道中央バスの定期観光バスで積丹ブルーを見に行ってきました。お天気はどんより曇り空ですが、なぜか青い海。積丹半島のはじっこの一つ、神威岬にも行ってきたのでご紹介します。
積丹半島とは
積丹半島は北海道西部にある日本海に突き出た半島で、以下の地図の線で囲った部分です。 海岸線に沿ってぐるっと道路がついているので、ドライブやツーリングでぐるっと半島を回る旅を楽しむこともできます。周辺には積丹ブルーと言われる美しい海が広がります。またウニ漁が盛んで、漁の時期には採れたてのうに丼が食べられます。鉄道は走っていないので、レンタカーかバスで行くのが良いでしょう。私は定期観光バスを利用しました。
定期観光バス
利用したバス会社は北海道中央バスです。こちらのバス会社で運行している定期観光のコースから、「絶景積丹岬コース」を選びました。
こちらのバスの出発点は札幌です。小樽から乗車する場合は、小樽駅前のバスセンターから乗車します。
バスは新しい観光バスでした。
車内はWi-fiも完備と言うのが素晴らしい。
ニッカウィスキー北海道工場
小樽を出て最初の立ち寄り地が余市にあるニッカウィスキー北海道工場。工場見学はしませんが、ウィスキーの試飲ができます。ウィスキーを飲まない人には試飲コーナーにアップルジュースやウーロン茶がサービスされていました。
こちらでは45分ほど自由時間があるので、その間に試飲したり、売店でお土産を買ったりします。この日は3連休初日ということで大型バスがズラリ。他にも個人で来ているお客さんもたくさんいました。売店はそんなお客さんでごった返していて、レジは長蛇の列。バスの出発時刻に間に合わないと困るので、買い物をする方は先に買い物を済ませた方が良いかも。
試飲会場は大賑わい。試飲するには試飲カードに名前を書いて受付で提出してグラスをいただく仕組みでした。私は飲まないので、紙コップでりんごジュースをいただきました。
飲まない私は試飲会場には長居は不要だったので、工場の敷地内を歩いてみました。敷地内にはニッカウィスキー創業者のまっさんこと竹鶴政孝氏のお家があったり。(応接室のみ入ることができます)
もちろんウィスキーの製造工程も見学できます。
正門は余市駅から徒歩5分程度の場所にあります。有形文化財の登録を受けているレトロな建物がステキです。
個人で訪問される場合は、事前にガイドツアーを予約しておくと、説明を聞きながら場内の見学ができます。詳しくはこちらから。
島武意(しまむい)海岸
ニッカウィスキーを見学した後は、1時間ほどバスに揺られ、島武意海岸に向かいます。途中右手にろうそく岩が見えます。
島武意海岸は「日本の渚百選」のひとつです。こんなトンネルの向こう側が島武意海岸です。
トンネルの中は照明がないので真っ暗です。距離が短いので出口が見えればぶつからずに歩けますが、大型バスが到着した後は団体で抜けるので、前方からの光が届かず、反対側から歩いてくる人の存在に気付かないこともありますから、十分気を付けて歩きましょう。
トンネルを抜けると絶景だった、を期待していましたが、この日はお天気がイマイチで素晴らしい絶景とはいきませんでした。
トンネルの出口は海岸の高台に出ます。下をのぞくと、お、青いですね。これも積丹ブルーでしょうか。遊歩道がついていて海岸まで行けますが、出発時間までに往復する自信がなかったので、上から眺めるだけにしました。
下まで降りなければ、観光にそれほど時間はかかりません。トンネルをくぐってまたもとに戻ります。駐車場の横に食堂があるので、個人で訪れた時にはこちらでランチというのも良いと思います。
そしてこちらには、積丹町のマンホールが設置されています。うにがデザインされているなんて、まさにご当地デザインマンホールです。
この後バスに乗り3分程度の食堂で昼食を食べます。私のように一人で参加の人は、お一人さまばかりのテーブルで。2人組の方は2人組ばかりのテーブルでいただくというスタイル。
メニューはもちろん海鮮丼です。
ウニ漁は8月までのようで、ウニは出てきませんでした。
神威岬
ランチを食べたらまたバスに揺られて神威岬へ。30分くらいでしょうか。おなかがいっぱいになったので、神威岬までウトウトしてしまいました。
神威岬は今回の観光コースの一番遠い地点です。駐車場から岬までの地図を見ると、結構距離があるのがわかります。私の足で片道20分くらいかかりました。観光時間として70分もらえますので、往復は可能でした。
では早速向かいましょう。駐車場からはまずこちらの道を上っていきます。
この坂を上ると眺望が開けると同時に、「女人禁制」の門を目にします。神威岬は日本海に突き出た岬です。岬の沖合は船の難所で、婦女子を連れて行くと船が転覆すると恐れられていたためこのような門があるようです。門の奥に小さく灯台の頭が見えていますね。あそこが神威岬の先端です。
うーん、かなり距離がありますよ。アップダウンもあります。行く前は本当に片道20分で行けるんだろうか、と不安になりましたが、ここまで来たらやっぱりはじっこを目指さねば。風が強いので帽子をかぶっている時には飛ばされないように気をつけましょう。
万里の長城みたい(行ったことないけど)と言うか、馬の背という感じの遊歩道なので、左右どちらにも日本海が開けています。浸食でちょっと変わった感じの海岸の景色を上から眺められます。
遊歩道は所々すれ違えないような幅の所や、階段の上り下りもあってなかなかハードです。
海を見下ろすと、おおっ、積丹ブルーかも。
振り返るとだいぶ歩いてきたことがわかります。よく来たなー。
ようやく灯台までやってきました。この灯台は1888年に点灯し、北海道の現存する灯台としては5番目に古いという歴史ある灯台です。点灯当時は職員3人が灯台で勤務していたそうです。整備された遊歩道を歩くのだって大変なのに、当時はこんな遊歩道はなかったでしょうから、ものすごく苦労をされていたと思います。1960年から無人化されています。
灯台を過ぎたらもう神威岬の先端です。神威岩を拝みましょう。この景色はネットなどではよく見ていたので、自分の目で見たかったのです。曇り空でしたが、積丹ブルーの海にすっくと立つ神威岩。北海道らしい絶景です。
駐車場を出発してだいたい20分くらいでつきましたが、かなりハードです。これから駐車場まで戻ります。この日はよく歩いた、という感じでした。
積丹水中展望船
神威岬からバスに乗り、来た道を引き返し、次の観光スポット積丹水中展望船の乗り場に向かいます。美国という町にあります。船の料金は定期観光バスの代金に含まれないので、乗りたい人はお金を払って乗ります。通常1400円のところ、定期観光バスのチケットを見せると、1100円で乗船できます。
こんな船に乗ります。
海面から下の部分に窓がついていて、海底を覗けるようになっています。海底を見るポイントに着くと案内があり、甲板から一つ下の階に下りて海中を眺めます。そこにはたくさんのウニがいました。時々魚が泳いでいるのも見えます。南国の海と違ってちょっと冷たい雰囲気があります。
その後船はさらに進み、奇岩が続く海岸へ。空はずっと曇り空でしたが、海は青いのが不思議です。
積丹ブルーを眺めたら船は港に折り返します。この帰りにもう一つイベントが。それはカモメへの餌やり。スタッフがパンの耳をバケツにいれて配ってくれるます。カモメもよくわかっていて、行の船にはあまり寄ってきませんが、港に戻る船には無数のカモメがついてきます。
どうせなら自分の手から餌を取ってほしい、と思うのが心理と言うもの。でもいざカモメが近づいてくると結構迫力があって怖かったりします。またカメラを構えながら餌を持って手を伸ばすと、船から落ちそうな気がしたので、餌やりはとなりのお客さんにお任せして、私は写真撮影に専念。無事、人の手からパンをもらうカモメを撮影できました。一緒にカラスも飛んできて、涸らすは放りなげたパンを空中で器用にキャッチしていきました。
パンがなくなる頃、船は港に戻ります。
余市の道の駅
船を下りたらまたバスに乗り、小樽方向に進みます。途中余市にある道の駅でトイレ休憩します。道の駅の手前でこんな銭湯を見かけました。宇宙の湯という先頭の建物の上に、スペースシャトルが乗っています。実は宇宙飛行士の毛利さんは余市出身なんです。こちらの銭湯は毛利さんの親せきの方が経営しているとか。
道の駅には宇宙記念館も併設されていて、この辺りは毛利さん一色という感じがします。町の名士ですね!
まとめ
これにて定期観光バスの立ち寄りスポットはすべて終了です。この後小樽駅を経由してバスは札幌に戻ります。私は小樽滞在なので小樽駅で下車しました。全部で8時間ほどのコースでした。料金は8000円。札幌から乗っても小樽から乗っても料金が変わりません。定期観光バスは主だったスポットを効率よく回れて良いと思います。レンタカーを借りて自分で行くことも考えましたが、安全を考えるとバスが正解だったと思います。3連休中の土曜日だったせいか、バスはほぼ満席。私は一人で参加しましたが、私の隣には3人で参加した人の一人が座っていました。当日の朝でも席に空きがあれば参加できますが、予約しておいた方が無難です。ただ予約の際、座席の指定はできません。バスに乗った時、横の景色しか見えないより、歳全席で前方も見える方が眺めが良いので、座席も選べるともっと良いのですが、グループで参加している人たちが近くに座れるよう、バス会社が座席を考えているのかもしれませんね。
積丹半島は本州とは異なる景色を見せてくれます。小樽に滞在されるのであれば、積丹半島まで足をのばすことをお勧めします。
翌日は今回の旅の目的の一つ、特急ニセコに乗りました。