隠岐は島根県の沖合40~80キロほどの日本海の浮かぶ島で、島後(どうご)と呼ばれる丸い大きな島と、島前(どうぜん)と呼ばれる3つの島から構成されています。隠岐全体が世界ジオパークの認定を受けていて、火山活動の痕跡や、美しい海の景色を楽しむことができます。鎌倉時代には後鳥羽上皇や後醍醐天皇が流された島でもあります。本土から離れていますが、空路、航路ともに毎日複数便があり、思っていたよりも行きやすかったです。人が少なく、それほど開発も進んでいないので、静かに大自然を楽しむにはとても良い場所でした。滞在したホテルも素晴らしかったです。2022年6月に訪ねたコースをご紹介します。一人旅が多い私ですが、今回は2人旅です。
- 1日目: 伊丹空港から島後へ
- 1日目: 観光タクシーで島後観光
- 1日目: 高速船で海士町の菱浦港へ
- 宿泊はスタイリッシュなEntô(エントウ)
- 2日目: 西ノ島の摩天崖陸と海から楽しむ
- 3日目: 知夫里島半日観光
- 3日目の午後は自転車で隠岐神社へ
- 4日目はチェックアウト後、松江城に寄って静岡に戻る
- 隠岐へのアクセス
- 隠岐のマンホール
- まとめ
1日目: 伊丹空港から島後へ
隠岐への行きは伊丹空港から1日1往復飛んでいるJAL便を利用しました。飛んでいる時間は1時間もなく、あっという間に到着です。到着前には上空から隠岐の島を眺めることができます。今回のフライトではまず島前の島々が左手に見えました。
島前の島をかすめて、島後にある空港に着陸します。着陸前には島後の入り江が見えましたが、海がとても美しいのに驚きました。
1日目: 観光タクシーで島後観光
飛行機の到着は14時20分。この後宿泊するEntoのある海士町に向かう高速船が島後の港を出るのは18時5分なので、4時間ほど余裕があります。この時間を利用して観光タクシーで島後観光をしました。2時間コースで13,000円と費用はかかりますが、空港から即出発できますし、レンタカーのように借りる・返す手続きやら満タン返しなどの手間がないのと、道路事情がわからなかったので、観光タクシーにしました。
2時間だとあまり多くを回ることができません。今回は島の西側のスポットを回りましたが、タクシーの運転手さんの話だと、西側を希望する人は少なくて、東側を回ることの方が多いそうです。
屋那の松原の舟小屋群
まずは屋那の松原の舟小屋群へ向かいました。
船のガレージなわけですが、今も現役で使用されているそうです。
港の防波堤を歩いてみましたが、海が本当に青くてきれいです。対岸の白い岩肌とのコントラストもきれいです。
遠くには島前の島が見えました。
那久岬
続いて向かったのは、島後の西海岸の中では眺めの良い岬の一つが那久岬です。タクシーで走っていると、道路はそれほど狭くはなく、信号もなく、交通量も少なく、レンタカーでもそう困らない感じです。那久岬の先端には白い灯台がありますが、駐車場にはかつて灯台の役割を果たしていた灯篭があります。
ただこの灯篭、横の看板を読むと、昔からの灯篭が残されているわけではなく、風雪にさらされ崩壊寸前だったものを復元したものだそうです。毎日この場所にある灯篭に火を灯しにきていた島民の方は大変だったと思います。
で、今の灯台はこちら。より岬の先端に立っています。灯篭がある駐車場からは遊歩道があり、行きは10分くらいでしょうか。帰りは上りになるのでもう少し時間がかかります。灯台の向こうの島影は島前の島々で、右側が切れ落ちている崖のようになった島は、明日向かう西ノ島です。摩天崖はあの崖の奥に隠れているのだそうです。
遊歩道を降りて灯台に向かいます。
この辺りは放牧場になっているので、途中に牛がいました。柵がない部分もあるので、脅かさないように歩きました。
灯台に到着です。
灯台からの景色も素晴らしい。
岬の反対側は断崖です。海の底が見えるほどの透明度です。
景色を堪能したら駐車場まで歩いて上ります。
日本海の浮かぶ島なので、本土よりはやや涼しい風が吹いていましたが、この高低差を上ると、やっぱり汗をかきました。
玉若酢命神社(たまわかすのみことじんじゃ)
島後観光の最後に、旅の無事を祈るために神社によっていただきました。寄ったのは玉若酢命神社です。
拝殿のしめ縄はとても大きくて、出雲大社のしめ縄を思い出しました。
境内には、「八百杉」と呼ばれる樹齢千数百年の杉の巨木があります。樹齢は1000年を超えていて、根元の周囲は11mもあるそうです。
神社の入り口にはこんなモニュメントも。ゲゲゲの鬼太郎の作者、水木しげるさんの本名は「武良(むら) 茂」さんと言うのですが、名字の「武良」は、隠岐の島後ある武良郷に縁があると考えられいることから、「隠岐は水木しげるのルーツ」とされているようです。
島後にはもう一つ、水若酢神社という神社があり、水若酢神社が隠岐一宮とのこと。次回訪れた時に行ってみたいと思います。
島後でBzがコンサートした
玉若酢命神社にお参りした後、高速船やフェリーが発着する西郷港に送ってもらったのですが、その途中、運転手さんが「ここでBzがコンサートしたんですよー」と教えてくれました。隠岐島文化会館という場所で、600人くらいしか入らないような会場です。○○アリーナとか、△△スタジアムのような大人数でのコンサートだと、遠くからは顔が見えない! てことになりますが、600人規模の会場だと、最後列からも顔が見えたそうです。こういう場所でもコンサートをやってくれるなんて、Bzもなかなか粋なことをしてくれます。
1日目: 高速船で海士町の菱浦港へ
2時間の観光タクシーはぴったり2時間で高速船乗り場があるフェリーターミナルに着きました。建物が新しくてびっくりです。
高速船の出発まで2時間ほどあったので、フェリーターミナル内のカフェでお茶でも、と思いましたが、この日は農作業に出ていてお休みです、の表示がありました。
ターミナルには隠岐自然館もあります。
高速船の出港は18:05。切符売り場が開いたら、乗船名簿を記入の上、乗船券を購入し、出港の5分くらい前から乗船できました。
島後から島前の海士町にある菱浦港までは30分くらい。高速船は船体を浮かせて航行するせいなのか、この日は海が穏やかだったからなのか、ほとんど揺れず快適でした。ただ甲板に出ることはできないので、景色は室内から楽しみますが、波しぶきが窓についています。大型のフェリーも別の時間帯に運行されていて、50分くらいかかります。
宿泊はスタイリッシュなEntô(エントウ)
菱浦港に到着後、隠岐の旅の宿、Entô(エントウ)まで歩いて3分。チェックインして翌日以降のアクティビティに備えました。宿泊記はこちらです。
2日目: 西ノ島の摩天崖陸と海から楽しむ
せっかくなので大型フェリーにも乗船
宿泊したEntôから摩天崖がある西ノ島へは船で海を渡る必要があります。島前の中ノ島、西ノ島、知夫里島の間は割と頻繁に内航船と呼ばれる船が行き来していて便利です。いわば路線バスみたいなイメージです。内航船は1回300円で乗れますが、せっかくなのでいろいろな船に乗ってみようと、この日はわざわざ本土から来ている大型フェリーに乗ることにしました。本土からのフェリーだと、西ノ島に渡るのに410円かかるので、内航船より少し割高です。
出港の際、デッキから五色のテープが伸びて、埠頭では大勢が手を振って、蛍の光の音楽とともに盛大にお見送りしてくれました。
毎回こんなことしていたら、大変じゃんと思ったのですが、後程Entôのスタッフに聞いたら、俳人の木割先生の旅立ちだったようです。私にも手を振ってくれているのかと勘違いして、私も調子に乗って盛大に手を振り返しました。
大型のフェリーが出港する際に方向転換をするのですが、海中からブワッと泡が湧き、海の色が変わります。
摩天崖トレッキングはタクシー利用が便利
数ある隠岐の絶景スポットの中でも特筆すべきがこちらの摩天崖。お天気にも恵まれ、まずは歩いて陸から摩天崖を楽しみました。
路線バスで摩天崖に行くこともできますが、上の写真の展望台まで歩いて上ることになりますし、またバス停まで下ってこなくてはなりません。タクシーを利用すれば、展望台まで車で行けて、1時間半後に下の駐車場でピックアップしてもらえるので、ハイキングはすべて下り基調となり、体力のない方にもおすすめです。タクシーは事前に予約をしておくのが無難です。私は宿泊したEntôのコンシェルジェさんに予約をお願いしました。
観光船で海からの摩天崖も楽しむ
午前中にハイキングで摩天崖を陸から楽しみ、午後は観光船で海から楽しみました。
摩天崖のトレッキングと観光船はとっても良かったので、こちらの記事に詳細をまとめました。
帰りは内航船に乗船
摩天崖を陸からも海からも楽しんだ後は、西ノ島の別府港から内航船でEntôがある菱浦港に戻ります。内航船は人と自転車だけが乗船できる「いそかぜ」と、車も積載可能なフェリータイプの「どうぜん」の2種類です。「いそかぜ」も「どうぜん」も人は1回300円で現金払いです。
こちらは車も乗れる「どうぜん」。
3日目: 知夫里島半日観光
3日目は島前の島の中で南に位置する知夫里島の観光に行きました。この日も事前にデマンドタクシーを予約しておいてもらい、内航船の到着に合わせて出発です。まずは標高325m「アカハゲ山」へ。山頂には展望台があり、カルデラを形成する隠岐の地形を眺められるはずでしたが・・・。
この日はお天気がいまいちで、山頂にガスがかかり、御覧の通り真っ白。周辺は放牧場なので、柵の向こうの牛は見えますが、期待していた絶景は拝めませんでした。
晴れていればこんな景色がみえるはず。島前の島々はいわば外輪山で、カルデラに海水が入って、このような地形になっているのが見えるはずでした。
赤壁
アカハゲ山での眺望をあきらめ、次は知夫里島のもう一つの観光スポットである「赤壁」に向かいました。
道路は一応舗装されていますが、途中からはすれ違いが難しい箇所も多い細い道となりました。山全体が放牧場なので、牛の中を通り抜けていく感じ。
車が牛にぶつかる寸前まで近づくとようやく道を空けてくれます。レンタカーで自分で運転してきていたら、ちょっと進めなかったかも。
知夫里島は、タヌキが多いことでも有名です。島民は600人くらいのようですが、タヌキは2000匹いるとも言われています。でもタクシーの運転手さんいわく、「実際に数えた人はいないのでは?」とのことでした。でもホント、タヌキはいたるところで見かけます。牛の餌を一緒に食べたりしているそうです。昔々の誰かが島外から連れてきたらしいです。
赤壁の入り口に到着です。ここから先200mくらいを歩いて向かいます。
到着です。ホントに赤い。
これも火山活動の結果で、赤いのは酸化鉄の色です。幾重にも重なった地層を見ると、何度も火山活動が繰り返されたのだろうと思います。崖の近くまで行けますが、運転手さんからは「くれぐれも落っこちないように」と言われていますので、あまりギリギリまで行くのはやめました。
振り返るとこんな景色も。
この後はEntoがある海士町に戻るため、港に送ってもらいました。1時間半の行程で7,500円でした。12時10分発の「いそかぜ」で海士町の菱浦港に戻りました。下の写真の後ろに写っている大きな船は本土からくるフェリーです。
3日目の午後は自転車で隠岐神社へ
菱浦港近くの「きくらげチャカポン」でランチを食べた後、港でレンタサイクルを借りて隠岐神社へ向かいました。電動アシスト自転車は出払ってしまっていたので、普通のママチャリです。
菱浦港から隠岐神社までは3.2キロなので自転車なら楽勝のはずでしたが、途中に一か所上り坂があり、アシストなしのママチャリは思っていたよりずっと重くて難儀しましたが、なんとか降りることなく超えることができました。
神社の前に到着です。自転車を借りる時に「盗まれることはないので、鍵はかけなくて良いですよ」とのこと。お言葉に甘えてそうさせていただきました。盗まれたとしても、そう簡単に島外に持ち出すこともできないでしょうからね。
緩い上りの参道を少し歩きます。さっき自転車で坂を上ったせいで、太ももに乳酸がたまっている感じがして、たいした傾斜ではないのですが、足ががくがくしてしまいました。旅の無事を感謝しました。
隠岐神社の隣には、後鳥羽上皇の行在所跡と、火葬塚があります。2022年の大河ドラマの中にも後鳥羽上皇が出てくると思いますが、隠岐は水が豊かで水産資源もあり、高貴な方を配流したとしても、すぐに亡くなってしまう心配はないだろうということで隠岐が選ばれたのだとか。
4日目はチェックアウト後、松江城に寄って静岡に戻る
4日目は6時45分から朝食を食べて、7時40分にEntoをチェックアウト。7時54分に菱浦港を出る高速船に乗り、帰宅の途につきました。この高速船が本土の境港に到着するのは9時58分。
出雲空港から静岡空港に向かう飛行機は14時過ぎなので、少し時間があります。松江城に寄って帰ってきました。
隠岐へのアクセス
今回は伊丹空港から飛行機で隠岐に向かい、帰りは高速船で本土に戻り、出雲空港に移動して飛行機で静岡空港まで帰ってきました。私が住んでいる静岡から行くには、伊丹空港までが時間がかかりました。次回は静岡空港からFDAで出雲に飛んで、路線バスで港に向かい、隠岐へ渡るルートも考えようと思います。東京からだと、朝一番の出雲行きのJAL便に乗って、出雲空港で隠岐行の飛行機に乗り継ぐのが一番効率よく行けると思います。境港は米子空港も近いので、米子空港経由で本土からは船で行く、という手もあります。次回静岡から行く時のために調べてみました。
隠岐への航路はこちらのサイトをご覧ください。
隠岐のマンホール
ご当地マンホールは隠岐にもあります。宿泊したEntô(エントウ)がある島前の海士町のマンホールはカラー版もありました。キンニャモニャの踊りがデザインされています。
こちらは知夫里島のマンホール。牛さんのデザインです。たくさん放牧されていますからね。
まとめ
初めての隠岐でしたが、Entôのコンシェルジェさんの素晴らしいプランニングのおかげで、とても思い出深い旅となりました。こんなに素晴らしい場所が日本にあったとは。往復にはそれなりに時間もかかるので、1泊2日だとちょっともったいなく、3~4泊したいところです。島旅と言えば、私はよく沖縄に行くのですが、サンゴ礁の海とはまた違う雰囲気で、隠岐をとても好きになりました。出会う人々はもともと隠岐出身の方もいれば、島外から移住された方もいて、皆さん隠岐愛に溢れていました。次回行く時には、美しい隠岐の海をカヤックやシュノーケリングでも楽しんでみたいと思います。