昨年訪れた阿蘇の絶景をもう一度見たくて今年も静岡空港からFDAを利用して出かけました。現地ではレンタカーを借りて、阿蘇くじゅう国立公園内を走るやまなみハイウェイをドライブし、景色と温泉を楽しみました。旅行記を紹介します。2021年11月の旅です。
- 静岡から九州はFDA利用が便利
- 博多駅でラーメン食べて特急ゆふで由布院へ向かう
- 金鱗湖に寄りながら宿に向かう
- 贅沢だけどコスパが良い「楓の小舎」
- レンタカーで絶景の「やまなみハイウェイ」をドライブ
- 黒川温泉 旅館山河に宿泊
- 阿蘇のダイナミックな絶景を堪能
- 熊本地震からの復興のシンボルに寄る
- まとめ
静岡から九州はFDA利用が便利
今年も地元の富士山静岡空港からFDAでの出発です。富士山静岡空港からは九州方面には、福岡空港、熊本空港、鹿児島空港に就航便があり、新幹線で行くよりもお値段も時間もグッとおトクなのです。福岡空港行きは4往復あって、午前便なら11時前に福岡空港に到着できるので、九州旅にはとても便利です。熊本と鹿児島行の便は静岡を午後から夕方にかけての出発なので、とことん九州を旅するにはちょっと不便なので、他の九州便も是非午前中出発にしてほしいところです。
FDAの朝便では、飲み物に加えてパンのサービスがあります。座席の間隔も割と広くてリクライニングしなくても快適です。機長のアナウンスが丁寧なのも良いです。
静岡空港を離陸して2時間弱で福岡空港です。静岡からひかりに2時間乗っても大阪くらいまでしか行けないので、九州行く時にはいつもFDA利用です。料金は14,000円/人でした。同行者に誕生月の人がいると、バースデー割という料金も使えて、機内でお誕生日プレゼントももらえます。
博多駅でラーメン食べて特急ゆふで由布院へ向かう
初日の宿は由布院です。博多から由布院に向かうには、特急ゆふの利用が便利です。12時20分発なので、乗車前に博多駅でラーメンを。ShinShinというお店が大行列だったので入ってみました。
麺が細いのはとっても良いのですが、味は案外あっさりしています。あっさり系が好きな方には良さそうですね。こちらはちゃんぽんです。ちゃんぽんの麺は太麺でした。
腹ごしらえもできたので、ホームに向かいます。博多駅では特急ゆふ以外にもデザイン性のある特急があって見ていて楽しいです。
今回乗車する特急ゆふがホームに入線してきました。今回のゆふは2両編成で、先頭の1号車が指定席、2号車は自由席という編成です。
特急ゆふの車内です。前の座席にテーブルがあり、シートはリクライニングします。
11番C/Dという席に座りました。博多から由布院に向かう場合は、進行方向に向かって右側の席です。お昼の特急だと、C/D席は日が射してまぶしいのですが、途中、天ケ瀬駅を過ぎたところで、慈恩ノ滝が見えます。ただ奇数番の座席は支柱がちょっと邪魔なので、偶数番の座席の方が眺めが良さそうです。
豊後森駅はかつて機関庫があったこともあり、立派な扇形車庫が保存されています。
こちらの扇形車庫と転車台は以前九州を旅した時に立ち寄っています。機銃掃射を受けてガラスが割れたりしている跡が生々しいです。
博多駅から2時間20分ほどで由布院駅に到着です。
駅の改札で駅員さんから「観光案内所で切符を見せると、1000円分のクーポン券をもらえます」と案内があったので行ってみました。とてもオシャレな建物でびっくりしました。クーポンは有効期間が延長になっていて、無事使用できました。あまり観光地で買い物をしない私ですが、こういうクーポンがあると何か買おう! とか、普段なら使わないサービスを使ってみよう、という気持ちになるので、観光業界のサポートとしてとても良いと思います。私の場合、旅行に行く以上、宿泊代を払うことに抵抗はないのですが、それ以外の出費は抑えようと、お土産物屋はスルーするし、食事の飲み物も頼まないことが多いのです。クーポンがあると使わないと損という気持ちになって、とりあえず買っておこうとか、食事の飲み物を追加しようという気持ちになり、宿泊代以外のところのサポートになると思います。
金鱗湖に寄りながら宿に向かう
この日の宿は駅までの送迎をしてくれますが、歩いても30分くらいです。なので金鱗湖に寄りながら歩くことにしました。
金鱗湖まではほぼまっすぐ由布岳方向に歩けばよいのですが、1.6kmとちょっと距離があります。荷物がキャスター付きのスーツケースの場合はちょっと大変なので、有料にはなりますが、駅から宿までの配送サービスを利用するのが良さそうです。
手荷物配送サービスはこちらを参照してください。
金鱗湖に向かう道にはたくさんのお土産物屋さんやカフェが立ち並ぶので、ついつい寄り道してしまいますが、私達は金鱗湖で休憩することにしました。立ち寄ったのは、CAFE LA RUCHE (カフェラリューシュ)というお店です。
こちらのカフェでは外にテーブルと椅子があり、金鱗湖を眺めながらほっと一息つくことができます。なかなか良いロケーションです。カフェの公式サイトはこちらです。
金鱗湖には遊歩道があるので、休憩した後に散策してみました。金鱗湖には温泉が流れ込んでいて早朝に朝霧がでることで有名ですが、もう午後3時過ぎで霧は全くありません。
金鱗湖ほとりの料理店のお庭では、紅葉が楽しめました。
贅沢だけどコスパが良い「楓の小舎」
初日の宿は由布院の「楓の小舎」という宿に泊まりました。由布岳に抱かれるように建っています。
こちらの宿は部屋数が10室と少なく、すべてが離れ形式のお部屋で、全室に源泉かけ流しの内湯・露天風呂、岩盤浴がついているという、かなり贅沢な造りです。
居室も2間続きで広々。食事は夕食・朝食ともに部屋食で見た目も味もとても良い食事ですが、2人で泊まって1人27,000円ほど。今までたくさんの宿に泊まってきた経験から、この内容だと35,000円と言われても仕方ないなー、と思いますので、コスパの良い宿だと思いました。
詳しい宿泊記はこちらをご覧ください。
レンタカーで絶景の「やまなみハイウェイ」をドライブ
2日目は由布院駅近くでレンタカーを借り、やまなみハイウェイという道路を走って、黒川温泉に向かいます。ハイウェイという名前ですが、一般道です。由布院からまっすぐ黒川温泉に向かうと早くつきすぎてしまうので、途中で寄り道しながら向かいます。
九重“夢”大吊橋
まずは九重“夢”大吊橋に向かいました。いくつかルートがありますが、やまなみハイウェイ経由で向かいました。やまなみハイウェイは県道11号線です。
途中の蛇越(じゃごし)展望台付近には駐車場があり、由布岳の眺めがきれいです。この日はどこに行っても靄がかかっていて、もうちょっとすっきり見えるとさらに良かったのですが。
朝日台展望台からは久住の山並みを眺めることができます。この地は昭和天皇・皇后陛下も立ち寄られたようで、記念碑が立っていました。
由布院から40分ほどで九重“夢”大吊橋に到着。無料の広い駐車場があります。駐車場は無料ですが、橋を渡るには500円必要です。
橋の長さは390m、高さ173m、幅1.5mで、歩道専用として『日本一の高さ』を誇る吊橋でなのだそうです。渡ってみると幅が狭いこともあり、かなりスリリング。橋の上からは「日本の滝百選」にも選ばれた、「震動の滝・雄滝」や「雌滝」を眺めることができます。かなり落差のある滝です。
橋を渡ると、そこにはデザインマンホール。せっかくなのでマンホールカードがあると良いのに・・・。
この日は橋のたもとで猿回しが行われていて、観光客が戻ってきたな~というのを感じました。
九重“夢”大吊橋の公式サイトはこちらです。
九重“夢”大吊橋は日本一の高さとのことですが、日本一長いつり橋は、私の地元静岡県にある三島スカイウォークです。こちらは橋の上から富士山を眺められます。
エル・ランチョ・グランデで乗馬体験
阿蘇くじゅう国立公園内をドライブしていると牧場の看板を目にします。中には体験乗馬ができる牧場もあるので、乗ってみることにしました。
向かったのはエル・ランチョ・グランデという牧場で、つり橋からは車で5~6分という近さです。
係の人に馬を引いてもらいながら、馬場の中を歩く簡単なコースもありましたが、せっかくなので自分で手綱を握って、外もお散歩できる30分のコースを選びました。1人6,780円です。馬に乗る前に手綱の握り方と、馬に方向を示す方法や停止させる方法のレクチャーを受けますが、あんまりはっきり聞き取れず、えええー、この状態で乗っていいの?という理解度で乗馬することに。スタッフが30分間ずっと馬の前を歩きますが、スタッフが馬を操作することは基本的にはありません。ちょっと緊張です。
お天気も良くてあっと言う間の30分でした。体験乗馬お勧めしますよ!
長者原(ちょうじゃばる)ビジターセンターからタデ原湿原を散策
次の立ち寄り地は長者原ビジターセンターです。先ほどの牧場からは絶景ルートをドライブしながら向かいます。久住の山並みに向かってまっすぐ道路が伸びるこの辺りが、やまなみハイウェイのハイライトゾーンではないでしょうか。
先ほどの牧場からは車で10分ほどで到着です。
ビジターセンターのすぐ裏手には、ラムサール条約登録湿地「タデ原湿原」が広がり、遊歩道を散策することもできます。遊歩道は20分コース、40分コース、60分コースとなっていて、体力と時間に合わせてコースが選べます。私は40分コースを歩きました。ずっと木道が整備されているので、アップダウンもなくとても歩きやすいです。
山並みの中には噴煙?湯気?があがる山もあります。こちらは硫黄山ですね。
久住連山は登山道もいくつかあるので、体力があるうちに登れるといいな~と思いました。ビジターセンターの近くにはモンベルショップもありました。
黒川温泉 旅館山河に宿泊
2日目の夜は黒川温泉の旅館山河に泊まります。タデ原湿原の散策を終えた後、車で30分ほどで到着します。
やまなみハイウェイから黒川温泉に向かうために右折しますが、その前で阿蘇の山並みが見えてきます。
黒川温泉は30軒ほどの温泉宿があり、温泉街全体がまるで一つの宿のように、というコンセプトで盛り上げ策に取り組んでいて、最近はおもてなしが良い温泉街として人気です。旅館山河は温泉街からは1.5キロほど離れた雑木林の中にあります。中心地から離れているので、温泉街散策を気軽に楽しむことはできませんが、その分静かに温泉を楽しめます。日本の秘湯を守る会の会員宿でもあります。
お部屋によっては内風呂や露天風呂がついたお部屋もありますが、今回は温泉は宿の大浴場や露天風呂で楽しむことにして、お風呂無しのお部屋を選択しました。トイレはどのお部屋にもついています。
夕食は部屋食、朝食は広間でテーブルと椅子での提供でした。熊本らしく、夕食には馬刺しが出ました。
こちらの宿には、男女別の内風呂や露天風呂、無料の貸し切り湯など温泉が豊富です。泉質の異なる源泉を楽しむことができるのも魅力です。
こちらの宿についても宿泊記を後日upしたいと思います。ちなみに料金は2人で泊まって、阿蘇牛のステーキプランで1人2万円くらいでした。
阿蘇のダイナミックな絶景を堪能
3日目はいよいよ阿蘇のダイナミックな景色を楽しみます。
大観峰
まずは最初の観光スポット、大観峰。黒川温泉からは車で30分ほどで到着です。
大観峰は名称からも連想できる通り、阿蘇の広大な景色を堪能できるスポットです。靄がかかっていて、阿蘇五岳がくっきりとはいきませんでしたが、中岳からのぼる噴煙も確認できます。
ぐるっと見渡すと、外輪山の断崖が続いていて、阿蘇のカルデラの大きさを実感できます。カルデラの中に街があるなんて、すごい規模です。
上空にはパラグライダーが飛んでいました。大観峰にも体験ライドのポスターも貼ってありました。大観峰の草原を走って段階から飛び出せば、風に乗れるような気もしますが、ちょっと勇気がなくてこちらの体験はパスです。
阿蘇東登山道とパノラマラインも絶景ドライブウェイ
大観峰の跡はいよいよ阿蘇中岳に向かいます。中岳に向かう道路も快適な道路で、標高があがって樹林帯を抜けると、絶景が広がります。ギザギザの稜線が特徴的なのが根子岳。
カルデラの中も見渡せます。
こちらも荒々しい表面が特徴的な山ですが、これが杵島岳かな?
ヘリコプターで中岳火口を観光
中岳駐車場手前の広い空き地に車を停めて中岳の噴煙を撮影していたらヘリコプターが下りてきました。2日くらい前から噴火警戒レベルが3から2に下がったことで、ヘリコプター遊覧が再開されたのです。
3分程度のプランで5000円と、お値段は高いのですが、めったにできない経験です。現在中岳は火口近くまでは入ることができないので、これはお金を払う価値あると判断し、乗ってみました。
火口が近づいてきました。なかなかの迫力です。
ズームで寄ってみると、警戒レベル1の時に入れた火口付近の建造物は灰をかぶっているようです。先日大きな噴火がありましたからね。
5000円のフライトはあっと言う間に終了なのですが、火口付近まで入れたとしても、なかなか火口の中までは見えないので、ヘリで上空から眺められるのはなかなか貴重な経験です。乗って良かったです。
草千里のパノラマは展望台から
中岳に向かう途中に草千里レストハウスという施設があり、ここには名前の通りレストハウスやトイレの設備もあります。草千里を馬で散歩なんてこともできます。が、草千里のパノラマを楽しむのなら、レストハウスの手前にある展望台がおススメです。数台の駐車スペースがありますが、混んでいます。回転は悪くないので、少し待っていると空きます。
中岳もよく見えます。
プリンみたいな形の米塚も見えます。
阿蘇の火山情報
阿蘇の絶景を十分楽しめるかどうかは、火口の規制状況にもよります。最新の情報はこちらに掲載されているので、事前に確認しましょう。
熊本地震からの復興のシンボルに寄る
帰りは熊本空港から空路、静岡空港に戻るのですが、熊本を18:45発とゆっくりなので、新阿蘇大橋を通り、熊本城まで足を延ばしました。阿蘇から熊本城までは車で1時間40分ほどかかり、熊本城から空港までは来た道を戻る感じで40分ほどかかるので、少々慌ただしいのですが、熊本地震で被害を受けた後の復興を見ることができました。
まとめ
今回はレンタカーで由布院からやまなみハイウェイを通り、黒川温泉に泊まり、翌日は阿蘇と熊本城を観光して熊本空港で返却するというコースでした。阿蘇くじゅう国立公園の中を走るので、絶景が目白押し、ドライブを楽しめました。ただ由布院で借りて、熊本空港に乗り捨てると乗り捨て料がかかり、1泊2日のレンタカーでも22,000円とちょっと高額です。路線バスも運行されているので、やまなみハイウェイの絶景を楽しみつつ由布院から黒川温泉に移動するのであれば、路線バスという手もあります。
旅の間は全体的に靄がかかったような気象で、くっきりすっきり見えなかったのは残念ですが、それでもダイナミックな火山の景色を楽しめました。阿蘇くじゅう周辺には、今回宿泊した黒川温泉以外にも温泉があり、絶景とお湯を楽しめます。昨年はカルデラの中にある内牧温泉に泊まりました。
久住の山並みを見ていると、次回は麓の温泉に泊まりながら、登ってみたいなという気持ちにもなりました。