静岡在住の私が北陸へ行こうとすると、真っ先に「北陸新幹線」が頭に浮かびます。静岡から東京に新幹線で出て、東京から北陸新幹線なら、乗り換えも東京で1回のみで楽ちんです。でもね、米原経由、高山本線、そして飛行機など、静岡から北陸へ向かうルートは決してひとつではありません。だからこそ、「何を大切にするか」で選び方が変わってきます。
では、何を基準に選ぶのか。
この記事では、私の視点(60代女性、旅はそこそこ優雅にがモットー)で、「静岡から北陸へ行くときのルートの考え方」を整理してみたいと思います。新幹線以外にも、こんな選択肢がある、ということに気づいていただけたらうれしいです。
静岡から北陸は、なぜこんなに迷うのか
静岡から北陸へ行くとなると、多くの人がまず思い浮かべるのは北陸新幹線ではないでしょうか。「北陸に行く=北陸新幹線を利用すればいい」、特に、ふだん時刻表の路線図を見なかったり、飛行機にあまり乗らない人ほど、そう考えがちだと思います。新幹線という分かりやすい交通手段があると、他の選択肢に目が向きにくいのかもしれません。
静岡から北陸には複数の行き方がある
私が北陸に行った時に利用したルートも含めて、どんなルートがあるかをまずは整理。北陸と言っても広いので、目的地を富山として考えてみます。
東京へ出て北陸新幹線 王道ルートで迷いたくない人にもおススメ
乗り換えが東京駅での1回で済む楽ちんルートです。移動距離は約572km。東京駅での乗り換え時間や、北陸新幹線が「かがやき」なのか「はくたか」なのかにもよりますが、だいたい4時間前後で到着。
静岡から西に向かい、米原経由で敦賀に出るルート
静岡からだと、東京周りで行くよりも、米原経由の方が距離は短く約495km。ただ米原と敦賀で新幹線と在来線との乗り換えが発生し、所要時間は4時間くらい。
高山本線を使うルート 下呂温泉や高山に寄りたい時におススメ
こんなルートで富山に行く人は少ないと思いますが、距離は約442kmと短いですが、新幹線区間が少ないので、5時間くらいかかります。一気に富山を目指すよりは、沿線の下呂温泉や飛騨高山など、観光スポットと組み合わて、沿線で1泊して富山に向かうプランがおススメです。高山本線は車窓も楽しめます。
富士から甲府、松本に向かい大糸線で糸魚川に抜けるルート
一つ前の高山本線ルートよりもさらにマニアックなルートですが、距離はこのルートが短くて約402kmです。ただほとんど新幹線区間がなく、松本から糸魚川までの大糸線は列車本数も少ないので、ほぼ1日がかりの移動となります。このルートは身延線からの富士山、中央本線からの南アルプス、大糸線の北アルプスの眺めが素晴らしいので、沿線で1~2泊するプランが良いと思います。
立山黒部アルペンルートを抜ける
このルートは北陸に行くためのルートと言うよりは、立山黒部アルペンルートが目的なルートですが、このルートでも北陸には行けます。
空路で一気に日本列島を横断する飛行機
羽田から富山空港に飛行機で飛ぶルートです。羽田から富山空港までは1時間ほど。座席に座っている時間としては一番短いですが、静岡から行く場合、羽田空港での待ち時間、富山空港に着いてからバスで富山駅まで移動する時間などがかかります。
静岡から北陸ルートをまとめると
どれも「裏技」という程ではないのですが、普段の生活で新幹線を使う機会が多い人ほど、東京から北陸新幹線を選んでしまいがち。
静岡という場所は、東にも西にも行けるし、東京からは空にもルートがあります。少し視点を変えるだけで、移動そのものが「ただの移動」ではなく、旅の楽しみの一部になることもあります。
私を悩ませる「おトクな切符」という選択肢
大人の休日倶楽部の北陸フリー切符
私はJR東日本の大人の休日倶楽部会員なのですが、そうすると北陸フリー切符というおトクな切符があるのです。2026年1月時点で、東京発の北陸フリー切符は4日間有効で、24,000円です。東京から金沢までの新幹線は片道14,380円なので、往復の新幹線より安いです。北陸滞在中は北陸地域の鉄道網はほぼこの切符で乗れるし、北陸エリアの新幹線は乗り放題なので、かなりおトク。
けれど、大人の休日倶楽部会員以外の人と旅する時には、私だけフリー切符というのも、なんとなく都合悪いので、同行メンバーによっては選択しにくいかもしれません。
https://jre-ot9.jp/ticket/hokurikufree.html
ジパング倶楽部の会員
私は大人の休日倶楽部のジパング会員です。そうすると、JR線は全国どこでもほぼ3割引き(のぞみやサンライズなどの一部の列車を除く)で乗れます。金沢までの単純往復で、北陸では鉄道にほとんど乗らないのなら、ジパングの割引使う方が、北陸フリー切符よりは安いです。
JR東海の北陸観光フリーきっぷ
JR東海が発売するおトクな切符で、行きまたは帰りのいずれかが、米原から北陸本線の特急しらさぎで敦賀へ。行きに特急しらさぎを利用したら帰りは高山本線の特急ひだで戻って来る切符です。敦賀と黒部宇奈月温泉の間の北陸新幹線は自由席ならフリーに乗れる切符です。利用期間は4日間で、静岡発の場合、米原までの新幹線や名古屋から新幹線も含めて20,290円とおトクな切符なのです。でもこの切符、2026年3月で発売終了です。残念。
フリー切符の良いところ
フリー切符はその切符を一回購入すれば、旅行中、いちいち切符を買う必要がない、というのが地味に便利です。
私の移動手段選択の基準
旅の交通手段を選ぶとき、「できるだけ安く」という考え方は、決して間違いではありません。ただ、60代になった今、私にとっての最優先は価格だけではないです。若いころは長時間座っていてもあまり苦になりませんでしたが、この年齢になるとちょっとつらい。なので移動そのものが負担になるような選択はなるべく避けたいと思っています。
またどのルートを選ぶにしてもそれなりに時間もかかるので、移動ルートを楽しめるポイントがあるといいな、と思います。
年齢を重ねると、移動の価値観も変わってきます。私がルートを考えるときに大切にしているのは、以下のような点です。
- 確実に座席が確保できている時間が長いか(1時間も立ったままというのは避けたい)
- 長時間座りっぱなしはないか
- 乗り換えが多すぎないか
- 景色が楽しめるか
- 安全か(この観点から高速バスは選択肢から外しています)
少し高くても、少し遠回りでも、楽で、疲れにくくて、景色も楽しめて、比較的安全。それは贅沢ではなく、これからの旅を長く楽しむための投資です。
最近は飛行機利用が増えたわけ
静岡から北陸へ向かうときの移動手段として、私は飛行機を選ぶことが多くなりました。これまでの旅の経験の中で、飛行機が一番、自分の旅のスタイルに合っていると感じるようになったからです。
飛行機=高い、という思い込みを手放す
私自身、長らく飛行機は高いという思い込みがありました。でも実際に自分で予約してみると、そんなこともない、ということに気づきます。鉄道の料金は年間を通じてほぼ一定ですが、飛行機は繁忙期と閑散期で料金にかなり差がありますし、早期に購入すると割引率が高く、航空会社のセールの時に乗りたい便があると、新幹線よりずっと安く移動できることもあります。
早割の活用
3か月先の羽田-富山の運賃を調べたら、10,460円からありました。東京から富山まで新幹線だと12,960円なので、飛行機の方が少し安いです。これが1週間後の切符になると、15,000円ほどに上がってきます。私は旅はかなり前から計画立てる方なので、割引率の高い飛行機チケットを買えることが多いんです。
以前友人と四国を旅した時、ちょうど特別セールに乗りたい路線が発売されていて、松山-羽田が片道9000円という破格のお値段で購入できました。
マイルの活用
マイレージの会員になっておくと、搭乗ごとにマイルが貯まります。でも乗って貯めるマイルってそうそう貯まりません。マイルは乗って貯めるより、いわゆるポイ活で貯めるものと思っていて、私の場合はクレジットカードのポイントをマイルに変えることでマイルが貯まっていく感じがします。ANAのマイルは特典旅行だけの利用ではなく、スカイコインに変換することで、航空券代に充てられます。
移動そのものが、旅の一部になる 北アルプスの絶景
東京から北陸に向かう飛行機のルートは、眺めが良いのです。私が飛行機を選択する理由はこれが一番大きいです。
天気に恵まれれば、眼下に広がる北アルプスの稜線が、機内の窓からはっきりと見えます。羽田から北陸へ向かうルートは、ただ移動するだけではなく、「空から日本の背骨を眺める時間」でもあります。新幹線ではこの絶景は拝めません。
この素晴らしい眺めを享受するには、翼の上を避けた窓側の座席を確保する必要があります。そのために早めに日程を立て、早割を利用するとともに、早々に座席の予約もしておきます。


飛行機は早い、楽、楽しい
北陸新幹線では東京から富山までかがやきだと2時間ほど、はくたかだと2時間半ほどかかります。飛行機だと飛んでる時間は1時間くらいです。富山空港から富山駅まではバスで30分くらいかかりますが、それでも移動にかかる時間は飛行機の方が短いです。
ただ静岡から飛行機利用で北陸に向かう場合、余裕を持って出発し、品川で京急に乗り換えて、空港でも手荷物検査を受け、搭乗口で待っている時間があるので、搭乗までに必要な時間も考慮すると、静岡を出発して富山に到着する時間はそんなに変わりません。
でも飛行機に乗る、という特別感が旅をより楽しくしてくれる感じがして、ついつい飛行機を選んでしまうのです。
私の旅の記録
最近は北陸に直接行く時は飛行機利用ですが、冒頭に紹介したルートも行きまたは帰りで使ったことはあります。どのルートを選んでも、それぞれに旅の楽しみがあります。
高山本線ルート
高山本線を完乗したくて行きました。途中下呂温泉で一泊しています。下呂温泉で泊まっている間に雪が降り、翌日下呂温泉から富山までの車窓は水墨画の世界でした。
大糸線ルート
晩秋に出かけたら、夜の間に雪に変わり、途中真っ白な山並みを堪能できました。
立山黒部アルペンルート
このルートを通るなら、是非室堂で一泊されることをおススメします。下界から観光客が上がってくる前の静寂の室堂は、みくりが池に映る立山連峰が神々しく、感動しました。
飛行機ルート
金沢に行くにも、富山行の飛行機で行きました。2026年1月の旅です。
こちらは富山のチューリップを見に行った時の記録。