鉄道と自転車でプチ冒険に出よう

平日は会社員、休日は鉄道(乗り鉄)と自転車での旅行を楽しんでいます。旅先での温泉とご当地マンホールの捕獲も楽しみ。旅行記メインのブログです。

MENU

伊豆箱根鉄道で行く、世界遺産「韮山反射炉」

静岡県伊豆の国市にある「韮山反射炉」は2015年に「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界遺産に登録されました。登録された世界遺産の中には山口県萩市にある反射炉も構成資産の一つですが、萩市の反射炉で保存されているのは煙突部分のみです。実際に大砲が製造され、しかも反射炉の全体が残っているのは世界で唯一「韮山反射炉」だけとのこと。大変貴重な資産です。三島と修善寺を結ぶ約20キロの鉄道旅で訪れることができるのでご紹介します。

反射炉へのアクセス

「いずっぱこ」で伊豆長岡駅へ

韮山反射炉の最寄駅は、伊豆箱根鉄道駿豆線の「伊豆長岡駅」です。駿豆線は地元では「いずっぱこ」と呼ばれて、通勤通学など生活の足として利用されており、だいたい15分に1本程度で列車が走っています。三島から「いずっぱこ」に乗ると、伊豆長岡駅の手前に「韮山駅」という駅がありますが、「韮山反射炉」までは距離がありますので、あわてて「韮山駅」で下車しないようにしましょう。下車する駅は「伊豆長岡駅」です。

f:id:noririn3103:20190421154024j:plain

三島駅で発車を待つ「いずっぱこ」の列車

東京からは特急「踊り子」号が「いずっぱこ」に乗り入れていて、伊豆長岡駅にも停車しますので、首都圏からは乗り換えなしで在来線特急でアクセスも可能です。なお、特急「踊り子」号の自由席には、「いずっぱこ」区間内は特急料金無しで乗車できるので、三島から「いずっぱこ」に乗る場合は、特急「踊り子」号に乗ってみるのも良いかも。でも一日に1~2往復くらいしかないのと、車両はかなりの年季物です。

f:id:noririn3103:20190420214904j:plain

いずっぱこ路線を走る特急「踊り子」はこの車両

Suica不可

「いずっぱこ」ではSuicaなどの交通系ICカードは使えないので、券売機で切符を買う必要があります。また東京などJR東海以外の地区から三島に来た場合、JRの会社が異なるため精算が発生します。三島駅で降りる時は毎度精算所に長蛇の列ができているので、乗り換えには余裕をもって到着するか、券売機で切符を買ってくるのが良さそうです。幸い私はJR東海地区の住人なので、三島まではSuicaでGoです。

f:id:noririn3103:20190421154327j:plain

三島駅改札で精算のための行列

伊豆長岡駅からは「歴バスのる~ら」が便利

伊豆長岡駅から韮山反射炉までは2キロ弱。アップダウンもなく、徒歩でも30分程度なので、季節の良い時は歩いていくのも気持ちよさそうですが、私は一日300円で乗り放題の「歴バスのる~ら」を利用してみました。乗車券を見せると、反射炉の入場料が割引になったりするお得な特典もあります。反射炉に縁のある江川邸にも行くし、韮山駅にも立ち寄ってくれるので、なかなか便利。うまくマップに表示できていないけれど、赤い①が伊豆長岡駅、②が反射炉、③が韮山駅です。ぐるっと伊豆長岡まで戻っても良いし、反射炉の後は韮山駅でバスを降りて、「いずっぱこ」で次の目的地に移動ということもできます。

「歴バスのる~ら」はこんなバスです。

f:id:noririn3103:20190420211233j:plain

こんなバスが走っています

伊豆長岡駅の改札を出て左手にある観光案内所の前が乗り場です。

f:id:noririn3103:20190420211005j:plain

伊豆長岡駅の観光案内所

観光案内所の前に「歴バスのる~ら」のバス停があります。

f:id:noririn3103:20190420211040j:plain

「歴バスのる~ら」のバス停

2019年4月現在で、朝9時15分発が朝一のバスです。そのあとだいたい1時間に1本のペースで、最終は14:20発です。このバスを利用するのであれば、バスの時間に合わせて「いずっぱこ」の乗る列車を決めると待ち時間が少ないと思います。ただ「歴バスのる~ら」は土日祝日のみの運行です。学校の春休み期間中みたいな時の平日は運行されるようですが、基本的には平日に行く時には使えないのが不便です。 

乗車券は1日乗り放題で300円。バスの車内で運転手さんから買うのですが、現金のみ。通常の路線バスのように両替機がついているのですが、私が乗車したバスは両替機が壊れていて、おつりも出せないとのこと。運転手さんが「観光案内所で売っているのでそちらで購入してください」と言うので、私は観光案内所で買いました。ちょっとあわてちゃうので、300円ぴったりを持って乗った方が無難かも。静岡県内はまだまだ現金決済の観光地・交通手段が多いのが残念。交通系ICカードが使えるようになるともっと良いのに。静岡県内の観光地はまだまだ現金決済が多いのが課題に思います。

f:id:noririn3103:20190420211123j:plain

「歴バスのる~ら」の一日乗車券

乗車券の裏側には時刻表が書いてありました。

f:id:noririn3103:20190421155733j:plain

乗車券の裏側には時刻表

伊豆長岡駅から韮山反射炉までは約10分です。反射炉が見えてきました。

f:id:noririn3103:20190421171928j:plain

バスから見えた反射炉

レンタサイクルという選択肢もある

今回はバスを利用しましたが、徒歩でも行けそう。でも徒歩だと往復で1時間かかります。先ほど乗車券を購入した観光案内所ではレンタサイクルがあるので、自転車で行くのも手です。レンタサイクルは予約が必要と書いてあります。当日は貸してくれるのかな?自転車なら反射炉だけでなく伊豆長岡の温泉地の足湯に行ったりするにも便利そうです。

世界遺産「韮山反射炉」

反射炉って???

反射炉は江戸時代末期から明治にかけて、外国からの脅威に対抗するため、軍事力強化が必要だった日本において、鉄製大砲を作る必要があり、そのための施設が反射炉です。鉄から大砲を作るには、鉄をどろどろに溶かした、型にいれて固めて作るのですが、どろどろに鉄を溶かす役目をしたのが反射炉です。わかりやすく言うと「溶解炉」というわけです。現地にある「ガイドセンター」の中でCGを交えた映像で説明があります。とてもよくできた映像でわかりやすいので、訪問した際には是非ご覧ください。韮山反射炉は1857年(安政4年)11月に完成しました。

入場料

反射炉を見学するには、入場料が大人1人500円かかります。ただアクセスする際に「歴バスのる~ら」を利用すると、200円割り引いてくれて300円で入場できます。結構お得かも。

f:id:noririn3103:20190421171659j:plain

反射炉への入り口

ガイドセンター

入場料を払わずとも、敷地外からも反射炉の煙突を眺めることはできますが、中に入ってガイドセンターの説明を見たり、ボランティアガイドさんの説明を聞く方が、この反射炉の役割や貴重さを理解することができます。それにしても立派なガイドセンターができていたものです。昔来た時にはこんなガイドセンターはありませんでした。

f:id:noririn3103:20190421172058j:plain

展示コーナーの入り口

映像コーナーでは15分おきくらいに8分の動画が流れて、反射炉の仕組みや大砲ができるまで、大砲の試射や韮山反射炉の生みの親「江川英龍」についての説明があります。映像はなかなかよくできていますので一見の価値ありです。

f:id:noririn3103:20190420202927j:plain

映像コーナー

 展示もしっかり。

f:id:noririn3103:20190421225618j:plain

ガイドセンターの展示

こちらは実際にこの反射炉で造られた大砲の説明です。うーん、幕末って感じがします。大河ドラマにでてきそう。苦労して造ったのでしょうけれど、世界の大砲はきっともっと進んでいたのでは・・・と思います。

f:id:noririn3103:20190421225640j:plain

ガイドセンターの展示

反射炉見学は無料ガイドをお願いするのがオススメ

ガイドセンターで事前勉強をしたら、反射炉に向かいましょう。花の季節はつつじが植えられてとてもきれいなアプローチ。

f:id:noririn3103:20190422212124j:plain

つつじと反射炉

反射炉の敷地に入る手前にボランティアさんのガイドさんがいます。こちらが一人でも対応してくれるので、是非お願いしましょう。所要時間は20分程度です。とても丁寧に説明していただけます。

f:id:noririn3103:20190420204118j:plain

反射炉入口

反射炉

ガイドさんに最初に案内された箇所はこちら。焚所風入口と灰所。石炭を燃やす焚所に風を送ったり、燃えカスの灰を落とす場所です。手前のレンガは最近のものですが、奥の味のあるレンガは建設当初のレンガだそうです。

f:id:noririn3103:20190422083703j:plain

焚所風入口・灰所

続いて、燃料の石炭や、原料の鉄を投入する投入口です。

f:id:noririn3103:20190422083952j:plain

石炭や鉄の投入口

こちらは反射炉の裏側ですが、2基の反射炉がほぼ直角にレイアウトされています。炉は4つあり、両方の反射炉からとけた鉄が出てきて、鋳台の上の型に流れ込むようになっています。

f:id:noririn3103:20190422084423j:plain

反射炉は2基、炉は4つ

煙突の高さは約16mあります。

f:id:noririn3103:20190422214333j:plain

青空に伸びる煙突

こんな大砲を実際に造ったんだそうです。ただしこの大砲はレプリカです。中に弾も入っていました。当時の大砲は砲身の中にライフルが切られていなかったそうなので、命中させるのは苦労したのではないかと思います。火薬でドーンと弾を飛ばし、その弾があたったところを壊すだけの大砲だったそうで、破壊力と言う点でも今一つだったようですよ。

f:id:noririn3103:20190422084600j:plain

製造した大砲のレプリカ

こちらの反射炉では銅による鋳造もしていたそうです。こちらは実際に製造された実物だそうです。

f:id:noririn3103:20190422084818j:plain

銅製の大砲

反射炉の敷地には桜が植えられていたので、桜の時期は桜と反射炉のコラボ写真が撮れそうです。

f:id:noririn3103:20190422212237j:plain

桜の植えられている反射炉の敷地

反射炉の歴史

「韮山反射炉」はもともとは伊豆半島の南部にある下田に建造されるはずで、着工もしていました。しかし下田に入港していたペリー艦隊の水平が敷地内侵入する事件があり、反射炉建設の秘密が守れなくなる、ということで、建造にあたった江川氏の敷地である韮山の地に建設したということです。

f:id:noririn3103:20190423094157j:plain

江川氏と反射炉

「韮山反射炉」の完成は1857年でした。日本国内には何基か反射炉が作られましたが、このように完全な形で現存するのは「韮山反射炉」だけです。大砲製造の役目を終えた後も、地元の方々が保存活動をしたおかげです。煙突の外側にがっちりした鉄骨が組まれていますが、こちらは1957年の補修の時につけたようです。同じ世界遺産の構成資産の一つに、萩の反射炉がありますが、こちらは煙突のみが残っているようです。山陰乗り鉄旅の時に見に行けると良いな。

反射炉の周辺

レストランやお土産物屋さん

反射炉の周辺にはレストランやカフェ、お土産物屋さんがあります。一度外に出てしまうと再入場はできないので要注意。

f:id:noririn3103:20190422212634j:plain

反射炉隣接のレストラン

伊豆鹿肉なんていうメニューがありますね。ご当地グルメですね。

f:id:noririn3103:20190422212701j:plain

レストラン

物産館ではお土産の販売や、静岡らしくお茶の無料サービスがあります。

f:id:noririn3103:20190422213023j:plain

お土産物屋さん

こちらではビールの醸造もしています。またお茶摘み体験もできます。茶娘の衣装も貸してくれます。

f:id:noririn3103:20190422213240j:plain

反射炉ビールの醸造もしている

お茶摘み体験している団体がいました。

f:id:noririn3103:20190422213354j:plain

お茶摘み体験

カフェ

カフェらしい建物もありました。今度行ったら寄ってみよう。

f:id:noririn3103:20190422213533j:plain

カフェ

富士山と反射炉が見える展望デッキ

静岡県と言えば富士山。富士山と反射炉のコラボ写真が撮れる展望デッキが茶畑の中にあります。案内表示があります。

f:id:noririn3103:20190422214426j:plain

展望デッキへ向かう

茶畑の中に展望デッキがあります。

f:id:noririn3103:20190422214621j:plain

茶畑の中に展望デッキ

こんな眺めが見られます。晴れていれば右の山の向こうに富士山が見えるようです。私が訪れた日は雲の中でした。

f:id:noririn3103:20190422214658j:plain

この日は富士山が見えず

展望デッキに富士山が見えた時の写真が置いてありました。

f:id:noririn3103:20190422214754j:plain

富士山と反射炉

見学の所用時間

見学の所要時間は、結構丁寧に見ても60分あれば足りそうです。ガイドセンターの動画が15分おきくらいに上演されます。動画が終わったばかりの時に入場してしまうと、次の上演時間まで少し待つかも。動画そのものは8分程度です。ボランティアのガイドさんを頼んで見学しても20分くらいでしょうか。展望デッキも下から5分も歩かないで到達できます。「歴バスのる~ら」を利用して移動する場合は、1時間に1本しかバスがないので、乗りそびれないように時計を見ながら回るのが良いでしょう。私は「歴バスのる~ら」で到着し、一通り見た後、ちょうど次の「歴バスのる~ら」に乗ることができました。

まとめ

大きな施設ではないですが、世界遺産登録されたこともあり、きちんと整備されています。伊豆長岡駅からは土日であれば「歴バスのる~ら」でのアクセスが楽ちんです。しやすく、お天気がよければ田舎の道を歩くのも気持ちよさそうです。今度は自転車でこの付近を回ってみたいです。