2022年11月に長崎県の軍艦島と壱岐島に3泊4日で出かけてきました。軍艦島は正式名は端島と言いますが、外観が軍艦「土佐」に似ているということで軍艦島と呼ばれるようになりました。軍艦島は2015年に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として世界文化遺産に登録された際の構成遺産の一つとしても有名ですが、私にとっては、大好きな007映画の聖地巡礼的な目的から訪れたかったのです。
聖地巡礼と言っても実際の撮影が軍艦島で行われたわけではなく、軍艦島の廃墟をモチーフにしたセットを組んでの撮影だったようです。
今回は天候に恵まれ、無事上陸することもできたので、ツアーの様子をブログにまとめました。
軍艦島コンシェルジュさんのツアーに参加
軍艦島に上陸できるクルーズは全部で5つありますが、そのうち1つは長崎市街からは遠いので、実質4社となります。私はその中から船が大きくて、ちょっとリッチな気分が味わえる「軍艦島コンシェルジュ」さんのツアーを利用しました。
こちらのツアーでは、スタンダード、プレミアム、スーパープレミアムと3つのクラスに分かれていて、料金や座席指定の有無などが変わります。プレミアム以上だと、事前に座席の予約ができること、受付場所が宿泊するホテルの近くだったので、こちらのツアーを選びました。
申し込みはお早めに
私がツアーに申し込みをしたのは、利用日の40日くらい前でしたが、希望の便の残席数が一桁でびっくり。平日のツアーだったのに人気があります。こちらのツアーのスーパープレミアムは座席数も少ないので、予定が決まっているのなら早めの予約が良さそうです。
軍艦島デジタルミュージアムで受付
ツアーの受付場所は軍艦島デジタルミュージアムです。ツアー出発前の事前予習もこちらでできます。荒天で出港できない時なども、こちらのミュージアムで軍艦島の様子を知ることもできます。
乗船へ
デジタルミュージアムで事前学習をした後、徒歩5分ほどの桟橋に徒歩で移動して乗船となります。こちらがクルーズ船のジュピターです。スタンダードの方は1階、プレミアムとスーパープレミアムのお客さんは2階に案内されます。
2階席はこんな座席です。窓側2列がスーパープレミアム、中央の3列席がプレミアムです。出港すると船後方のデッキに、スーパープレミアムのお客さん、次にプレミアムのお客さんの順で移動させてくれます。私は予約が出遅れて、スーパープレミアムの通路側の席しか空いていなかったのですが、通路側の方が、ぱっと立って後方デッキに行け、デッキで眺めの良い席を確保しやすかったので、便利でした。
進行方向右側の席がおススメ
軍艦島までは40分ほどかかりますが、その間にもガイドさんが軍艦島以外の世界遺産を紹介してくれたり、軍艦島の歴史などを映像を交えて説明してくれたりと、まったく飽きることなく乗っていられるのは素晴らしいホスピタリティだと思いました。進行方向右手に見どころが多くあるので、船のデッキに出たら右側の席を確保しましょう。
出港して間もなく見えてくるのはジャイアント・カンチレバークレーン。
占勝閣の建物や、長崎造船所第三船渠も構成遺産です。写真撮り忘れたので、Google mapを貼っておきます。
こちらは第一、第二船渠で船が入っていました。
こちらはメチャ大きな船ドック。以前は三菱の物でしたが今は他社に売却されたようで、三菱のマークが入っている部分は塗りつぶされていました。この塗りつぶされた部分はテニスコートと同じくらいの面積なんだそうです。(帰りによく見えます)


こちらも帰りに見える世界遺産構成資産の一つ、小菅修船場跡です。進行方向右手に見えました。
長崎の港を見つめるモアイ像も帰りに見えました。こちらは世界遺産とは関係なさそうです。
上陸前に島の外から観光
出港から約40分、軍艦島が近づいてきました。
別のクルーズ会社の船が停泊しているのが見えます。5社あるツアー会社が時間を割り振って、交代で桟橋を使うので、どこか一社のツアーが見学に時間がかかると、他のツアー会社に迷惑をかけてしまうことになります。
他のクルーズ船のお客さんが上陸している間に、こちらの船は軍艦島の周りをまわります。
上陸できる範囲は限られているので、上陸しても見えない部分を中心に見せてくれます。手前の白っぽい建物はかつての学校です。
こちらの学校は、角度が変わると、反対側の光が透けてみえます。ものすごい廃墟感があります。奥側に夕日が沈むような時間だと、さぞ美しいのではないでしょうか。
先ほどの桟橋とは反対側に回ります。建物が壊れたように木材が散らばっていますが、よーくみるとお地蔵様が鎮座しています。昔ここにはお寺があったのだそうです。
こうやってみると、確かに軍艦ぽく見えます。
波が50センチ以下でないと上陸できない
軍艦島に上陸するには波の高さが50センチ以下でないと許可がでないのだそうです。波高50センチって、ちょっと風が吹いたらもう越えてしまうレベルです。軍艦島コンシェルジュさんのtwitterの動画で紹介されている通り、この波でも上陸できないとなると、上陸できたらラッキーくらいにとらえても良いのかもしれません。
本日のドルフィン桟橋🛥✨
— 軍艦島コンシェルジュ&デジタルミュージアム (@gunkan_con_gdm) December 11, 2022
伊王島手前ではイルカも姿を表してくれました😊
残念ながらこの波でも上陸ができませんでした😭💦#軍艦島クルーズ #gunkan_con_gdm軍艦島コンシェルュ#長崎 #長崎観光 pic.twitter.com/ZX3YL2bGh4
前日は、午前便も午後便も上陸できず、島の周囲を周遊するのみだったそうです。この日は海が穏やかで良かったです。
軍艦島コンシェルジュさんのサイトには、毎月の上陸率も紹介されていました。
いよいよ軍艦島上陸
桟橋に船をつけて下船します。乗船・下船中の撮影は不可でした。カメラを海中に落とす人がいるからなのかもしれません。こんなトンネルのような通路を通って島を囲む防波堤の中に入ります。
上陸しました。正面の建物は小中学校で、その手前にベルトコンベアーだった部分が見えています。
ちょっとズームしてみました。なかなかの廃墟っぷりです。
上陸後最初の説明を乗船客全員で聞きます。船が大きいとお客さんの数も多いので、集合させるにも時間がどうしてもかかってしまいます。ガイドさんはじめスタッフの皆さん、そこは慣れていて、お客さんをてきぱきとまとめていました。
山の上に身分の高い人たちの宿舎があったので、その説明をしているのですが、手元には間取り図も用意してくれていて、とてもわかりやすい解説です。かなり贅沢なお家だったことがわかります。
つづいて2つめのガイドポイントに移動します。この辺りは地下の炭鉱に向かうエレベータや、総合事務所があった場所です。
地面のコンクリートが奥に向かって続いているのは、地下に排水管とか、炭鉱への道とかがあったのかな?
続いて第三見学広場です。こちらからは正面に日本で最長老の鉄筋アパートが見えています。こちらのアパート、私が訪問する数日前に、見学の最中に一部崩壊というニュースを見ました。
こちらは一般人のアパートです。6畳一間でトイレは共用という間取り。先ほどの身分の高い人たちのお宅とは雲泥の差なのがわかります。
炭鉱夫の仕事はかなり危険な仕事で、当時としてはお給料は良かったようで、どの家にもテレビがあったそうです。当時は共同アンテナという仕組みがなく、各家庭でアンテナを立てていたので、こんな状態だったとか。
第三見学広場での説明が終わると上陸ツアーは終了で、船に戻りました。
ガイドさんの解説が素晴らしい
今回のツアーではガイドの浜口さんの解説がメチャ詳しくて、上陸中はもちろんのこと、行き帰りの船でも全く飽きることはありませんでした。
こちらのtwitterアカウントの主が軍艦コンシェルジュさんのガイドさんだと思います。
2022年11月24日 午前便&午後便
— Tsuyoshi Hamaguchi (@tsuyosykes) November 24, 2022
余命宣告過ぎた、日本最古のRCコンクリート高層建築:軍艦島30号棟の今日。#端島 #軍艦島 #軍艦島30号棟 #軍艦島コンシェルジュガイド浜口 #ハマ口先生の長崎歴史科学倶楽部 – 軍艦島デジタルミュージアムにて pic.twitter.com/ZmBbId1eqM
おそらくどのツアーに参加してもプロのガイドさんがメチャ詳しく説明して下さると思います。とても勉強になります。
まとめ
ずーっと行きたいと思っていた軍艦島に、雨女の私が晴天のもと、無事上陸まで果たせて、大満足のツアーでした。軍艦島コンシェルジュさんのツアーは、ガイドさんが詳しい以外にも、船にスタッフが複数名乗っていて、サービスや安全面のケアも行き届いている印象を持ちました。
関連リンク
今回の一人旅は、全体では3泊4日の行程でした。1泊2日で長崎市に滞在し、軍艦島ツアーに参加した後は、長崎空港から飛行機で壱岐へ。壱岐は2泊3日の日程でした。旅行記などはこちらにまとめました。手前味噌ですが、楽しい長崎旅を計画・実行できたと思います。
いろいろな乗り物にも乗れる旅でした。
軍艦島ツアーを実施している会社のサイト
私が利用したのは軍艦島コンシェルジュさん。
長崎市街に集合場所があるその他のクルーズ会社は以下3社。
こちらのツアー会社は長崎市からはかなり距離がある場所からの出発です。