2025年7月、私たちは妹夫婦と私たち夫婦の4人で、カナディアンロッキーへのプライベートツアーに参加しました。通常のパックツアーや個人手配とは違い、自由に観光スポットを選べ、好きな場所で写真を撮ったり休憩したりできる贅沢な旅です。日本人ガイドさんが同行してくれるので、観光案内も安心。今回は、このプライベートツアーの魅力を、体験談を交えながらご紹介します。

旅のスタイル比較
まず初めに、旅のスタイルについて触れておきます。以下は私が捉えている旅のスタイルの違いなので、旅のスタイルはこの3つ以外にも分かれているのかもしれませんが、ここでは私の視点から書きます。またメリット、デメリットは私が考えるメリット、デメリットです。
パックツアー
旅行会社が航空券やホテルの手配、現地の移動手段などをあらかじめ予約して、参加者を募集するスタイルです。
メリット
- 手配の手間が省け、添乗員さん付きならトラブル時も安心
- 現地の移動手段が確保されていて、自力での移動が難しい国では安心
デメリット
- 最少催行人員に満たないとツアー自体が実施されないため、行きたかった旅行に行けないことがある
- 行程が決まっているので、もう1日ここに滞在したい、とかもう少しこの場所を見学したい、という自由度が少ない
- 初対面の人との旅になるので、どんな人がいるかわからない。(合わない人がいるとストレスの元になる)
- 食事つきだと、1人ひとりに前菜・メイン・デザートがサーブされ、私の年代では半分残してしまいフードロスとなる。好きなものが食べられない。
個人手配
自分で航空券、ホテル、現地での移動手段など、すべてを自分自身で手配するスタイルです。
メリット
- 好きなように出発日や行程を組むことができるので、自由度が高い
- 飛行機で貯めていたマイルを消費して航空券の手配が可能
- 知らない人と一緒にならないのでプライベート感がある
- 食事もその時の体調や好みに合わせて自由に選択できる
デメリット
- 飛行機、ホテル、現地での移動手段、食事のすべてを自分で手配するのはかなりエネルギー使う
- 旅のトラブルも自分で解決する必要がある
- 費用が高くなる
プライベートツアー
こんな旅がしたい、という希望を旅行社に伝えて、自分のためのツアーを作ってもらうスタイルです。
メリット
- ほぼ好きなように行程を組むことができるので、自由度が高い
- 現地情報に詳しい旅行社に手配をお願いできるので、自分で調べるよりも詳細な情報が手に入り、安心感もある
- 知らない人と一緒になることもなく、プライベート感がある
デメリット
- 自分がイメージする旅を実現してくれる旅行社を探す必要がある
- 現地ガイドの質が、旅のクォリティにダイレクトに効いてくる(今回のガイドさんはスーパーガイドさんでメチャ良かったです)
- 行き先によっては、日本語ガイドがいないこともある
プライベートツアーでの旅の実際
今回の旅は、パックツアーではなかなか自分の希望に合うツアーが見つからなかったこと、妹夫婦との4人旅だったので、4人だけのプライベート旅行にしたかったことなどから、カナダに強い旅行社を探して、プライベートツアーを組んでもらいました。
旅行社を探す
ここが一番悩みました。ネット上にはいろいろな会社が表示され、名前を聞いたことがある大手から、初耳の会社まで。今回依頼したのは初めて聞く旅行社でしたが、こちらからの質問に迅速に丁寧に回答してくれたので、信用して旅の手配をお願いしました。
今回お願いした旅行社は「カナディアンネットワーク」という旅行社です。「カナディアンネットワーク」の公式サイトはこちらです。
希望を伝えて見積もりをとる
今回の旅で私が求めていたのは、以下の内容。これを伝えてまずはプランと見積もりをお願いします。
- 7泊9日、滞在地域はカナディアンロッキーに限定
- バンフ、レイクルイーズだけでなく、ジャスパーまで足を延ばしたい
- 移動は専用車を希望
- ホテルはフェアモント系ホテル
- 飛行機のシートクラスは私達はビジネス、妹夫婦はプレエコ
メールでやりとりしながら最終工程を固める
希望を伝えると、旅行社側からプランが提示されるので、何度かメールでやりとりしながら最終プランにまとめました。
当初の希望日程だと、飛行機がとれない、ホテルが確保できないという事態が発生し、日程を1日短縮しました。宿泊場所は3か所を予定していましたが、どこの宿泊場所を短縮するのが良いかは、旅行社から提案がありました。現地をよく知っているからこそ、こちらの満足度が上がるプランを提案してもらえて良かったです。結局ジャスパーを3泊から2泊にしたのですが、そのおかげでジャスパーからの帰りも専用車で戻れて大変良かったです。
料金を支払いチケット類を受け取る
準備を始めて間もなく、申込金を支払います。だいたい全体金額の10%くらい。出発の1か月くらい前に残金を支払いました。この辺りはパックツアーと同様です。残金を払うと、旅行社からホテルのバウチャーやeチケット控えなどが送られてきます。
旅の準備開始時期
2025年7月中旬に出かける旅の準備を始めたのは、前年の8月くらいに旅行会社探しを始めました。9月くらいには一度プランを作ってもらいましたが、ジャスパーの山火事の影響で泊まりたい宿に泊まれないかも・・・ということで、一旦見送り。けれど、営業再開の連絡をいただき、11月くらいから具体的なやりとりを始めています。
随分前から準備をするものだと思われる方もいると思いますが、今回の旅で利用したフェアモント系ホテルは人気があり、私が具体的な手配を始めた11月の時点で、ジャスパーのスタンダードクラスのお部屋は完売で、ジュニアスイートの部屋しか残っていない状況でした。トップシーズンに出かけて、宿にこだわりがある場合は、早めに準備を始めるのが良いと思います。
空港では自分でチェックイン
添乗員付きのパックツアーだと、航空会社のチェックインカウンターでも添乗員さんが面倒みてくれますが、プライベートツアーの場合は添乗員さんがいないので、自分でカウンターの場所を調べてチェックインします。これは海外旅行の経験があれば、特に問題なくチェックインできます。
帰りの飛行機のチェックインも自分たちで行います。

現地空港でガイドさんと落ち合う
今回の旅では、カルガリー空港到着からずっと同じガイドさんと専用車をお願いしていました。カルガリー空港で荷物をターンテーブルが受け取り、入国手続きを自分たちで済ませて、出口を出たところでガイドさんを探します。ガイドさんもこちらの名前を書いたボードのようなもので探してくれます。
今回は到着から現地出発までほぼずっとガイドさんと共に行動していたので、あとはガイドさん任せ。ホテルのチェックインも手伝ってもらえました。
実際の費用
今回のプライベートツアーの内容とかなり近い内容のパックツアーを大手旅行社が出していました。私のツアーとの違いは、飛行機がバンクーバー経由でバンクーバーにも宿泊していましたが、カナディアンロッキーではバンフ、レイクルイーズ、ジャスパーの3か所でフェアモントに泊まっていました。
パックツアーの料金は150万円ほどでした。私のプライベートツアーは、ビジネスクラス利用で160万円ほどでした。これに現地での昼食・夕食代、自分たちで観光した時のゴンドラ費用などが追加でかかります。
カナディアンロッキー6泊8日の旅の全体像
1日目は成田からカルガリー直行便で出発
1日目は成田からカルガリー行の飛行機に搭乗して終わりました。直行便は時間が有効に使えて便利ですね。機内サービスも良かったです。
2日目のお昼過ぎにカルガリーに到着
2日目のお昼過ぎにカルガリーに到着。ここでガイドさんと落ち合い、専用車でバンフに向かいました。この日からバンフ・スプリングスホテルに2連泊です。
3日目は自分たちでバンフ観光
この日はガイドさんはお願いせず、自分たちがバンフ観光を楽しみました。
4日目は絶景のアイスフィールドパークウェイを走ってジャスパーへ
バンフとジャスパーを結ぶアイスフィールドパークウェイにはコロンビア大氷原のような定番の観光スポット以外に、点在する湖の絶景、どこまでも連なる山並みの絶景などを楽しめます。パックツアーの大型バスだと、小さな駐車場に車を停めて、というのはなかなか難しいですが、プライベートツアーだと大型バスでは入れない場所にも行けるのがとても良かったです。
5日目はジャスパーで観光
ジャスパーには2連泊しました。定番のマリーン湖クルーズや、ピラミッド湖観光などを楽しんでいます。ジャスパーの山火事の影響が残っていました。
6日目はレイクルイーズ滞在
ジャスパーから再びアイスフィールドパークウェイを走ってレイクルイーズへ。レイクルイーズ周辺の大自然を堪能しました。
7日目に帰国の途につく
7日目はホテルをチェックアウトしてカルガリー空港へ。帰国の途に着きました。日付変更線を越えて、日本には8日目に到着しました。
まとめ
今回初めてプライベートツアーというものを旅行社に準備してもらいましたが、大変クォリティの高い旅ができたと感じました。特に良かったと感じたのは以下の点です。
- 質の高い日本人ガイドさんを確保できた
- 移動がミニバンだったので、大型バスでは入れない道路や駐車場にも入れて、観光の自由度が増した
- 移動中も食事中も親族+ガイドさんなので、変な気を遣わずとも済み、ストレスがなかった。
- 食事は自分たちが食べたいものを適量注文できた
- レイクルイーズでは湖側の部屋が確保された(団体ツアーだと、ツアー客の中で不公平感が生まれないよう、一部のお客さんにだけレイクビューというのは難しい)
旅のスタイルの使い分け
パックツアーも個人手配もプライベートツアーも、それぞれに良しあしがあります。3つのスタイルを経験して、これからはこんな感じに使い分けて行きたいという、私の考え方を紹介します。
パックツアーを選ぶのはこんな旅
予約困難な鉄道やホテルを利用する
大手旅行社はある程度まとまった人数で予約を入れているので、例えばスイスの氷河特急エクセレントクラスに乗りたいとか、部屋数が少ない高級ホテルに泊まりたい、というのは旅行社のパックツアーが有利です。
治安に不安がある場所
これはもう添乗員さん同行のパックツアーが良いと思います。エジプトに行った時にそう思いました。
移動が大変な国や地域
南米のパタゴニアは治安はそれほど悪いとは思いませんでしたが、とにかく広大な大地を移動するのが大変。路線バスもないことはないけど、本数が少ない地域はパックツアーが楽ちんです。
個人手配を選ぶ旅
現地での移動があまりない
現地の空港について、30分くらいでホテルに到着でき、その後もずっと同じホテルに滞在し、地下鉄や路線バスで観光できるような都市なら、個人手配を選びます。行き帰りの飛行機は貯めていたANAマイルを使うと、オトクに行けます。
スイスは個人手配でも行ける
日本並みに正確な鉄道網が広がるスイスは、個人手配でも行けました。と言っても、最初にパックツアーで行っていたので、土地勘があったことも有利でした。もっとこの土地に滞在したい、という思いが実現できました。
ただスイスに着いてからツェルマットで大洪水があり鉄道が運休してしまったり、同行者の体調が悪くなったというトラブルがありました。個人手配の場合はこういうトラブルも自力で解決する必要があります。
プライベートツアーを選ぶ旅
今回のカナダは治安は特に問題がなかったのですが、カルガリーからジャスパーまでの交通機関がバスまたは鉄道しかなく、鉄道は日本ほど正確ではないし、バスは本数がとても少ないということもあり、個人手配での旅は選択肢にありませんでした。
かといってパックツアーでは日程や現地でのスケジュールに制約があり、これも今一つ。ということでプライベートツアーとなりました。あれこれ手配ごとを全部お願いできるので、思っていた以上に準備が楽で、しかも満足度の高い旅ができました。
これからも行き先の治安や現地での移動の足の確保のしやすさなどによって、プライベートツアーを考えたいと思います。
まとめ
初めてプライベートツアーを経験したことで、どんな所にどんな旅をしたいかで、使い分けが体感できました。カナディアンロッキーを堪能するのに、プライベートツアーは大変良かったです。