2021年10月にようやく緊急事態宣言が解除になりました。まだまだ新型コロナ対策をしながらの生活は続きそうですが、旅には出たいし温泉にも入りたい。最初の緊急事態宣言が明けてからは、自分なりに感染対策をしながら月に1~2回旅に出ていて、今のところ感染を避けられています。私の旅のNew Normalになった感じがありますので、まとめてみました。
密を避ける
新型コロナウィルスの予防には三密を避けることとよく言われます。旅でも極力密を回避するようにしています。
平日に旅に出る
いきなり「平日に旅は無理」と言われそうですが、昨年から働き方を少し変えたことで、平日に旅に出やすくなりました。定年まであと数年という私はぼちぼちWorkからLifeに軸足を移したくて、働き方を変えたのです。平日に出かけると、移動中も観光地でも、たいてい空いています。コロナの影響で人出が少ない、海外からの観光客がいないことも空いている要因ですが、人が少ないとストレスも少ない旅ができていると思います。宿の宿泊プランも、土曜日の夜だと一人旅プランがないこともありますが、平日泊なら一人旅プランがあるという宿も見かけます。
ただ難点もあります。一つは週末限定のお得な切符を活用できないこと、もう一つは各地の観光列車に乗車できないことです。観光列車は土日運行がほとんどなのです。金曜日も運行してくれると嬉しいのですが。それがちょっと残念です。
一人で出かける
私はもともと一人旅の人なのでNew Normalでもないのですが、コロナ禍での旅は一人旅の方が周囲の方々に安心感を与えるのではないでしょうか。移動中や宿で周囲を観察していると、一人旅の人は移動中も食事中も温泉も一人静かに楽しんでいて、会話というものがほとんどありません。つまり飛沫を飛ばす機会がとても少ないのです。宿にとっても交通機関にとってもかなり安全な客ではないかと思います。
なので宿の皆さんにも是非是非一人旅にもっと門戸を開いてほしいなと思います。以前よりは一人で泊まれる宿は増えたと思いますが、一人旅だと眺望がない部屋だったり、ビジネスホテルのシングルルームのような部屋に限定されている宿はまだまだ多いです。一人旅は宿にとっては儲けが少ないので仕方ないことだと思いますが、差額があっても良いので、眺めの良いゆったりとした部屋にも泊まれるプランがあるといいな~と思います。
一人泊でも部屋を選択できる温泉宿
一人旅だと部屋が限定される宿がある一方で、少し割高にはなるけど一人旅でも部屋を選べる宿もあります。一人旅で部屋が選べた宿で、居心地も良かった宿を上げてみました。
青森県 酸ヶ湯温泉
その名の通り強酸性の温泉がとても素晴らしい歴史ある宿。部屋は2019年リニューアルのツインベッドの洋室(トイレ、洗面所、コーヒーマシン付き)、トイレ付の和室、トイレなし湯治タイプなど種類があり、一人旅はどの部屋も選択可能です。次に行くのなら連泊して周辺も楽しみたい宿です。強酸性のお湯だとウィルスがいても消毒されそうな感じがするのは私だけかしら。
お値段抑え目の湯治棟の部屋でも十分満足できます。湯治棟3号館なら洗浄機能がついたトイレ付き。
栃木県那 須塩原温泉: 元泉館
塩原温泉郷の温泉街からは少し離れた山間の宿。塩原温泉郷のバスターミナルから無料の送迎バスがあるので、公共交通機関派も安心。硫黄の匂いがプンプンする温泉が館内に3か所。ワンコも一緒に泊まれる部屋もあります。
神奈川県 箱根湯本温泉: 養生館はるのひかり
一人旅を歓迎してくれる宿なので、そもそも一人旅が多い。斜面に立つ建物の最上階は一人旅用のお部屋で広々していて居心地も抜群。
食事は2食とも食事処だけど、皆さん静かに食べています。体に良さそうな食材主体のメニューも嬉しい。大浴場には温度が異なる浴槽が用意されています。可能なら連泊して楽しみたい。
長野県 湯田中温泉: 加命の湯
部屋数6室で、一つ一つ趣が異なる。一人で使うには十分な広さのお部屋で冬に泊まったら炬燵がありました。夕食は近くの歴史ある旅館「よろづや」の個室食。よろづやの名物温泉も利用可能。 朝食は宿の食事処。
混んでいる列車ではグリーン車を選ぶ
静岡県に住む私が平日に旅に出る時にまず乗るのが通勤時間帯の「こだま号」。朝のこだま号は普通車は全部自由席という列車もあり、東京に近づくにつれ自由席はかなり混雑します。なので、ちょっとコストはかかりますが、グリーン車を活用しています。普通に買うと普通車指定席よりかなり高くなりますが、いつもお得な切符情報を発信してくださるひささんのエントリを見て、なるほど、これは利用する価値ありと思った次第。
自宅の最寄駅から東京駅までの料金を比較すると、普通車指定席料金にプラス400円でグリーン車に乗れるんです。追加料金が400円なら安全代として払ってもいいかな、と思ったわけです。乗ってみるとこだま号グリーン車はガラガラでまったく密を気にする必要はなく、乗っていてもビジネスマン風の方が一人で乗車しているケースが多いので、話し声一つ聞こえてきませんでした。
東京までのこだま号はほぼ100%グリーン車を活用。東北新幹線はそれほど密になっていないので今のところは普通車指定席。またはやぶさが利用できる区間はなるべくはやぶさを利用します。全席指定席なので、仮に混んだとしても通路に人があふれるようなことはないのが安心材料です。
こんな宿を選んでいます
部屋数の少ない宿に泊まる
温泉宿には不特定多数の人が集まります。なるべく人との接点を避ける方が感染予防になると思うので、なるべく部屋数の少ない宿に泊まるようにしています。そういう宿は団体客がいないので、食事処での食事でも、大きな声でわいわいやっている人がいなくて良いです。大浴場で会う人数も限られるので、人との接点を減らせます。私は30室以下を目安にしていますが、20室以下だとなお良いと思います。
静岡県船原温泉 山あいの宿うえだ
こちらは静岡県の中伊豆、船原温泉にある「うえだ」という宿で客室数は7室。なのに男女別の内湯に加えて貸切できる露天風呂が2つもありました。食事は食事処でしたが、密とは無縁の世界でした。
トイレ付きの部屋に泊まる
最近の宿は共同のトイレもウォシュレットできれいなので、コロナ禍前はトイレなしの部屋にも泊まっていましたが、緊急事態宣言が明けからはトイレ付きの部屋に泊まっています。宿では定期的に掃除・消毒をしていても、お客さんが使用の都度消毒というわけにはいかないし、部屋にトイレがついていれば、使用前に自分でアルコール消毒しておけば、あとは安心して使えるし、部屋にトイレがあれば、いちいち部屋に鍵をかけて共同トイレに行く必要もないので便利です。
部屋食や個室食の宿を選ぶ
部屋食に対応しているプランがあれば、部屋食を選ぶようにしています。追加料金が発生することもありますが、かかってもプラス1000円程度。安全代と割り切ります。食事処の方が熱々の料理をいただけるとか、部屋ににおいがこもらないなど、食事処のメリットはありますが、一人旅だと賑やかな食事処よりは落ち着いて食事ができます。個室食と書かれている宿も他のお客さんとの一緒にならなくて安心です。
無料の貸し切り湯があるとさらに良い
大浴場は源泉かけ流しだろうがそうでなかろうが、ほぼたくさんのお湯が供給されているので、仮にウィルスがいたとしてもどんどん洗い流されていくと思うので、浴室内での感染はあまり心配していませんが、狭い脱衣所が密になる可能性はあります。無料の貸し切り湯があると他のお客さんとの接点がないのでのびのびと入れるのが良いです。
部屋数が少なく部屋食か個室食で無料の貸し切り湯がある宿
ここまで上げてきた条件に見合う宿を上げてみました。
秋田県大館市:日景温泉
部屋数は23室。一人旅用の部屋も広く、部屋にはトイレ付き。食事は完全個室でいただきました。硫黄の香が漂う白濁の温泉には何度も入ってしまいました。無料の貸し切り湯もあります。
福島県会津東山温泉: 向瀧
部屋数は24室。夕食・朝食ともに部屋食で会津の素材を使った会津らしいお料理がとても美味しい。お湯も新鮮で素晴らしく、無料の貸し切り湯が3か所ある。25,000円くらい。
新潟県越後長野温泉:嵐渓荘
部屋数は17室。重要文化財の趣ある本館がお客さんをお迎えします。渓流沿いの建物にはトイレ付きの部屋があり、食事は夕・朝食ともに部屋食。ものすごーく濃くてしょっぱい温泉が特徴です。山間の宿ですが、上越新幹線の燕三条駅から無料の送迎バスが1本あるので、アクセスはハードル低いです。
神奈川県箱根仙石原温泉: みたけ
部屋数15室。夕食・朝食ともに部屋食でにごり湯の無料の貸し切り湯が2か所。建物と設備に古さを感じるし、食事はオーソドックスな湯宿のメニューなので、新しくきれいな宿や豪華な食事を望む人には向かない。2食付きで15,000円くらい。
www.frostmoonweb.com
静岡県修善寺温泉: 新井旅館
部屋数は31室。重要文化財の指定を受けた建物がレトロ感たっぷり。お値段は1人2食付きだと3万円以上だけど、たまにはこんな宿に泊まってみても良いかなーと思う。
大分県長湯温泉: 丸長旅館
客室数は6室のみ、大浴場はなく3か所の貸し切り湯で、日本では珍しい炭酸泉を楽しめます。料理は夜も朝も完全個室でいただきます。温泉街自体が静かでくつろげる宿です。
その他に気を付けていること
アルコールスプレーや除菌効果のあるウェットシート、手洗い用の石鹸、ポリ手袋を持ち歩いています。
このセットをこんな具合にグラナイトギアのスタッフバッグのケースに入れて持ち歩いています。
石鹸はチューブ入りの石鹸を持ち歩いています。手洗い用せっけんがない時に使用しています。
まとめ
以上が私の旅のNew Normalです。旅はコロナが完全に収まってから、というのも選択肢の一つと思いますが、いつ戻るかわからないし、戻った時に自分が外出できる状態にあるかどうかわかりません。もうじき60歳になる私としては今が一番体力・気力ともにある時なので、感染対策を取りながら旅することを選択しています。グリーン車を使ったり、部屋食の宿を選ぶと割高になることもありますが、30年以上も働いてきた自分へのご褒美と安全料と割り切ることにしました。老後に向けての貯金も大切ですが、自分のためにお金を遣うことも大事かと思います。2021年も私の旅のNew Normalで旅に出ようと思いますが、コロナがおさまり、以前のように自由に旅に出かけられる日が早く来ることを願います。