2025年2月に南米のパタゴニアを旅しました。ツアーの日程は出発日・帰国日を含めて14日間のツアーでした。パタゴニアは日本の国土の3倍ほどの面積があるので、見どころを回るにも長時間の移動が伴います。ツアーの中盤8日目は、アルゼンチンのエル・チャルテンからチリのパイネ国立公園へ約430キロをバスで走ります。国境もバスで越える体験をしました。帰りもパイネ国立公園からカラファテまで約260キロをバスで走って戻ってきました。行きも帰りも移動にまる一日かかった感じはしますが、パタゴニアの景色やら名物料理を楽しみつつ移動できたので記録に残しておきます。
- エル・チャルテンからパイネ国立公園へ
- フィッツ・ロイに別れを告げて
- 長時間移動にも快適な大型バス
- 名物料理のランチ
- 国境越え
- パイネ国立公園へ
- パイネ国立公園
- 途中で見かけた野生動物
- まとめ
- 関連リンク
エル・チャルテンからパイネ国立公園へ
この日は大移動日で、以下の地図の通り、約430kmをバスで走行します。Map上には5時間45分と表示されていますが、途中休憩したり、出国・入国審査もあるので、ほぼ12時間かかりました。
フィッツ・ロイに別れを告げて
フィッツ・ロイの麓の町、エル・チャルテンのホテルを出発するのは朝7時。この時間までに朝食を済ませます。前日はフィッツ・ロイの雄姿を楽しむハイキングに出かけて3万歩歩いて疲れていたので、正直朝7時出発はつらかったのですが、なんせ12時間くらいかかる、と聞いていたので、頑張って起きました。
朝7時だと、まだ日の出前という感じ。
今朝もフィッツ・ロイはモルゲンロートで私達を見送ってくれました。
しばらくは、一昨日カラファテからエル・チャルテンまで移動してきた道を戻る形になります。来る時にトイレ休憩したラ・レオナで今回もトイレ休憩です。
長時間移動にも快適な大型バス
駐車場に止まっているバスを見たら、車輪に不思議な装置がついていました。ドライバーさんの話を聞くと、運転席からタイヤの空気圧をチェックしたり、調整できるらしい。
ネットで検索するとこちらの記事が見つかりました。この記事の中ではブラジルで見かける、とありますが、南米では一般的な装置なのかな。
ところで、私達が乗っているこのバスはメルセデスのバスで、大変快適でした。パタゴニアの荒野ではスマホの電波が拾えない場所が多かったのですが、このバスにはスターリンクが装備されていて、移動中もネット環境が整っていました。もちろんUSB充電ポートもあります。座席は1人で2座席使用できる余裕のスペースだったこともあり、長時間乗車でも疲労が少ないです。
休憩後、バスは南下を続けると、アルゼンチン湖が見えてきました。ペリト・モレノ氷河に行く時に見えていた大きな湖です。この湖に展望台から一旦別れを告げます。チリから戻って来る時までさようなら。周囲の景色が荒涼とした風景になっています。
名物料理のランチ
この日は終日バス移動で特に観光もないという一日。でもそこはさすが旅行会社のツアーです。ランチに名物料理を組み込んでくれていて、これがメチャ美味しかったです。
立ち寄ったのはChali Aikeという名前のレストランです。牧場を経営しているようです。庭先では子羊を炭火でじっくり焼き上げていました。
牧場主のお宅でいただくランチ、という感じでした。ベッドルームもあったので、宿泊もできるのかもしれません。
まずはサラダやエンパナーダをいただきながら、メインの登場を待ちます。


じゃじゃーん、こちらが名物のラム肉です。私はもともと家でラムチョップをソテーして食べたりするので、特に抵抗はないのですが、ご一緒したお客さんの中には、ラムはちょっと苦手、臭みが・・・という方もいらっしゃいましたが、皆さんこちらのラムは大絶賛。まったく匂いなど気にならず、美味しくいただけました。さすが本場のラム肉といった感じでした。
羊さん、ありがとう。美味しくいただきました。
国境越え
さてお腹も満たされバスに揺られて2時間ほどでしょうか。15時くらいにアルゼンチン側の検問所にやってきました。


出国に必要な書類は旅行会社さんがあらかじめ用意して下さっていました。一人ずつ窓口でパスポートと書類を提出すると、こんなレシートのような紙をもらいます。この紙はチリから戻ってきた時に必要になるので、なくさないようにとの指示がありました。
アルゼンチンとチリの国境は、同じ場所に出国・入国審査する場所があるわけではなく、最初にアルゼンチン側で出国手続きをします。その後、チリの検問所がある7キロほどの区間は緩衝地帯になっています。
アルゼンチン側の検問所で手続きをして、再び乗ってきたバスに乗り、チリ側の検問所に向かいます。途中まで未舗装路でしたが、チリに入った途端、舗装路となりました。両国の経済事情の違いを思い知らされます。
さぁ、初めてのチリです。
舗装路をしばらく走ると、チリ側の検問所に到着します。ここで入国手続きをします。添乗員さんによると、混雑していると3時間くらい待たさせることもあるのだとか。
幸いこの日は私たち以外のツアー客はおらず、チリへの入国審査は、バスが預かる書類が1枚足りないというトラブルがありましたが、入国審査自体はスムーズに終了できました。
パスポート見せて手続きした後、チリ入国時には手荷物検査があります。犬が検査する日もあるそうですが、私達の時はX線での検査でした。
ここでアルゼンチンから乗ってきた快適な大型バスと現地ガイドさんとはお別れで、一回り小さなバスに乗り換えました。それでも1人2座席は確保されていて、くつろげました。国境を通過したのは16時半くらいでした。
パイネ国立公園へ
快適な舗装路をバスは飛ばしていきます。
チリに入ってから1時間ほど走ると、遠くにトーレス・デル・パイネと思われる岩峰が見えてきました。頭が雲の中なのがちょっと残念。
30分くらい走った所で、バスがわき道にそれました。ガイドさんが言うには、ピューマがいるらしいとのこと。
ホントかよ、と思いましたが、たくさんの人が同じ方向を向いて待っています。ガイドさんが聞いてくれた話だと、道路わきのやぶの中で昼寝をしているので、皆さんピューマが起きてくるのを待っているのだそうです。結局見ることはできず、私達は目的地に移動しました。
でもほんとにピューマがいたら、ちょっと怖いよねぇと思いましたが、私達は帰りに目撃することになったのです。
パイネ国立公園
パイネ国立公園が近くなってきました。こちらの湖はアマルガ湖といい、トーレス・デル・パイネの展望台もあります。ここで写真ストップしました。朝7時にエル・チャルテンを出発し、約 10時間。この日の宿まであと少しです。
行きはトーレス・デル・パイネは山頂に雲がかかっていましたが、帰りにはばっちり見えました。しかも無風で逆さトーレス・デル・パイネまで見えました。風の大地なのに、これは奇跡です。
思わずこんなことしちゃうのも、気持ちわかります。
パイネ国立公園のゲートでトイレ休憩をして、私達はこの日から2連泊する湖上の絶景宿を目指します。
その途中にもパイネの素晴らしい景色を見ることができました。行きはお天気がイマイチだったので、帰りの景色も含めてご紹介。眺めの良い場所には車を停められるスペースが用意されいます。
下の写真、左がパイネ・グランデ、その右のツートンカラーの山がクエルノス・デル・パイネ(パイネの角という意味)、右側の山はニエト(孫という意味)という名前です。
ほんと、ほれぼれしちゃう景色でした。奥の青い湖は、ノルデンフェールド湖。
こちにはパイネ・グランデと奥の方にサルト・グランデという滝が見えています。奥の湖、ノルデンフェールド湖から、手前のパイネ湖へ流れ落ちる滝です。ここまで来ると、宿はもう少し。
滝をズームしてみました。結構な水量です。ハイキングでこの滝も見に行く予定でしたが、ハイキング当日の風が強すぎて、トレイルがクローズで行けなかったんです。
サルト・グランデの展望台からホテルまでは4キロ弱。見えてきました。
ホテル到着は午後7時過ぎで、やっぱり出発から12時間かかりました。
途中で見かけた野生動物
グアナコ
パタゴニアの草原にいる動物と言えば、グアナコ。行きも帰りもハイキング中も遭遇しました。アルゼンチン側よりチリ側の方がたくさんいたように思います。
ニャンドゥ
チリに入って間もなく、ガイドさんが道路わきにニャンドゥ(ダチョウの仲間)の群れを見つけてくれて、バスを停めてくれました。
コンドル
コンドルもパタゴニアで見かける動物です。
悠然と空を舞うコンドルも。
キツネ
コンドルがいた場所でキツネも見かけました。何か餌があったのかなー。
ピューマ
ピューマは南米に生息する動物の中では最強で、食物連鎖の頂点にたつ動物です。アルゼンチンからチリのパイネ国立公園に移動する途中、野生のピューマを見ようと待っている人たちを見かけましたが、その時はピューマを見ることはできませんでした。
が、パイネ国立公園からアルゼンチンに戻る日に、パイネ国立公園内で見ることができました。と言っても、かなり遠くです。現地のガイドさんがピューマウォッチングの人を見つけて「彼らは私有地の地主にお金を払って、ピューマを探している」とのこと。
人間の位置は私もバスの中からわかりましたが、藪やら草地の中のどこにピューマがいるのかさっぱりわかりませんでしたが、ガイドさんが人間の右の上の方だというので、適当にズームしてシャッターを切ると、なんと写っておりました。しかも2頭。
国立公園内をハイキングしていたら、ピューマに注意の看板を見かけました。日本で言ったら、熊注意というところだと思いますが、私はまだ熊に出くわしたことはありません。ここには本当にピューマがいたのには驚きでした。
まとめ
アルゼンチンからチリに向かう時は、走行距離が長くほぼまる一日バスに乗っている日でしたが、ランチが名物料理で大変おいしく、変化の少ない移動日に良いアクセントとなりました。
野生動物はチリ側の方がたくさん見えた印象です。現地ガイドさんはどの辺にどういう感じで動物がいるのかよくわかっているので、同じ景色を見ていても、私一人では全く気が付かないんですよね。こういう時はツアーで来てよかったと思いました。
アルゼンチンは経済が不安定なこともあり、国境付近ではアルゼンチン側だけ舗装されていなかったり、2年くらい前の洪水で流出した道路が補修されないままになっていたりなど、アルゼンチンとチリとの経済格差のようなものも体験できました。
関連リンク
2025年2月に出かけたパタゴニアの旅の記事です。