2025年2月にパタゴニアという地域を旅しました。パタゴニアは南米のアルゼンチンとチリに跨る南緯40度より南の地域を指しますが、今回はその中でも南の方を回りました。最初に訪れたのはアルゼンチン最南端の町、ウシュアイアです。ウシュアイアでの観光などについてまとめました。
- ウシュアイアの場所
- 世界の果てで乗る観光列車
- 世界最南端の郵便局は休業中
- パンアメリカンハイウェイの終点
- 最果ての町
- ウシュアイアのシンボル、オリビア山
- 滞在したホテル
- ウシュアイアまでの道のり
- まとめ
- 関連リンク
ウシュアイアの場所
ウシュアイアはGoogle mapで示すとこんな場所。下の方から延びている角のような場所はもう南極大陸の一部です。
東にあるアフリカ大陸が地図に表示されていませんが、アフリカの喜望峰よりずいぶん南にあるんだな、というのが私の印象です。ウシュアイアまでの道のりは末尾に記載していますが、日本からはメチャ遠いです。
世界の果てで乗る観光列車
「世界の果て号」の概要
観光列車の「世界の果て号」はウシュアイアを代表する観光の一つです。もともとはウシュアイアにあった刑務所の囚人に薪を採取する労働をさせるため、囚人を運ぶのに使われていて、全長は25kmほどありました。現在観光列車として使っているのは、最後の7km部分です。
こちらが公式サイトです。
乗車記
こちらが出発駅です。
駅舎の外にチケット売り場があります。私達はツアーなので添乗員さんと現地のガイドさんがすべて手配してくれました。
こちらの案内によると2クラスあるようで、プレミアムクラスだとお食事も楽しめるようです。私達は食事がつかないツーリストクラスで、大人一人62,000アルゼンチンペソ(当時のレートで約8600円)というお値段です。
駅舎の中にはお土産物屋さんも入っています。乗車時間までに時間があればお店を眺めて見るのも良いと思います。列車の中にトイレがないので、出発前に済ませておきましょう。
出発時刻が近くなったので改札に並びました。ホームへの入場はグループごとです。改札を通る時に、車内で使用するイヤホンを受け取ります。
改札を過ぎると記念撮影コーナーがあります。この鉄道はもともとは囚人を運んでいたこともあり、囚人服のスタッフと一緒に写真が撮れますが、撮ってもらうと途中駅で購入してくださいと、ちょっと押しが強いセールスに出くわします(観光地でよくあるヤツです)。
ホームにはすでに列車が入っています。どの車両に乗るかはあらかじめ指定されているので、自分の車両を探して乗車します。
車内はちょっとクラシカルな雰囲気。景色が楽しめるように大きく窓がとられていました。車両の幅は狭くて、大人が横に3人並んで座れるだけのスペースしかありません。
改札でもらったイヤホンを各自の座席にあるジャックに刺して案内を聞きます。いろいろな言語がチャンネルに割り当てられています。日本語の設定がこちらの表示にありませんが、この時の車両には日本人のグループが乗車していることが伝わっているせいか、日本語の案内が、7番だったかな? 割り当てられました。
車窓から見える景色は荒涼としていて、世界の果て感があります。
出発して15分くらいでしょうか、中間駅のマカレナ駅に到着します。ESTACIONはスペイン語で駅という意味です。
こちらの駅では20分ほど停車してくれます。近くに小さな滝があるのでそこまで行ってくることも可能です。景色が荒涼としているし気温も低くて夏という感じがしませんが、こうして花が咲いている景色を見ると、やっぱり夏なのかも、と思います。
滝までは歩いて5分くらいですが、ずっと上りです。
滝へ向かう途中の小屋で、出発前に撮影した写真を売っています。私達のグループはノリノリで撮影したけど、誰も買わなかったので、スタッフの皆さんが列車出発の直前まで「なんで買ってくれないのー」とセールスに一生懸命でした。
駅に停車中に機関車の撮影。小さいけど、なかなか本格的かも。


マカレナ駅を出発した後も、荒涼とした景色が続きます。
切株が並んでいますが、囚人たちが切り出した跡なのでしょうか。もしかしたら説明があったかもしれませんが、この日は朝3時前にブエノスアイレスのホテルを出発してウシュアイアに到着し、ランチを食べた後にこちらの列車に乗りに来たので、もう眠くて眠くて・・・。終点に到着するまでしばしお昼寝タイムになってしまいました。列車の震動が気持ち良いんですよね。
やがて列車は終点のフエゴ島国立公園駅に到着しました。出発駅と異なり、こちらの駅には売店などはありません。トイレも簡易式のものです。
世界最南端の郵便局は休業中
「世界の果て号」に乗車した後に向かったのは世界最南端の郵便局。こちらもウシュアイアの観光名所の一つです。とても郵便局に見えませんが、こちらが世界最南端の郵便局です。
ちゃんとポストもあります。
私が訪れた時には営業していませんでした。かつてはおじいさんが小屋の中で切手の販売などもしてくれていて、ここからハガキを出すこともできたのですが、そのお爺さんも高齢となってしまい、早めに営業時間を切り上げたり、終日お休みだったりという状態のようです。
海岸は風が強く、パタゴニアが風の大地と呼ばれるのもわかる、という感じがしました。
海の向こうはチリです。
世界最南端の郵便局と紹介しましたが、もうちょと南に「プエルト・ウィリアムズ」というチリの町ができて、今は「プエルト・ウィリアムズ」が世界最南端の町です。もしかしてそこに郵便局があると、ウシュアイアのこの郵便局は世界最南端の郵便局ではなくなってしまうのかも。ことの真相はわかりません。(Google mapにはプエルト・ウィリアムズにも郵便局がありました)
パンアメリカンハイウェイの終点
パンアメリカンハイウェイは北米のアラスカからウシュアイアまでを結ぶ幹線道路網です。ところどころ繋がっていない部分もあるらしいですが、ウシュアイアにはブエノスアイレスから続く3号線の終点があります。
国道3号線終点の看板の奥には遊歩道が整備されていて散策できるようになっています。ウシュアイアで見る景色はどこも荒涼とした風景だと思いました。
遊歩道の脇には鋭いとげがたくさんついた植物を見かけます。これは「カラファテ」という名前で、春には黄色の花をつけるそうです。私達が訪れた2月にはブルーベリーのような実がついていました。お土産物屋さんに行くとカラファテのジャムをたくさん見かけます。私もお土産に買って帰りました。
写真家の松井章さんのブログでも紹介されていました。本当に写真がきれいで素敵です。
最果ての町
ウシュアイアはアルゼンチン最南端の町で緯度は南緯54度ほど。日本の稚内が北緯40度、ロンドンが北緯51度ですから、ずいぶん極に近いです。南極に近いので、南極クルーズがウシュアイアから出ています。港には大きな船も停泊していました。
南極クルーズに行く人なんて、お金持ちが多いと思うので、ウシュアイアの町は最果ての町というイメージとは異なり、結構栄えています。レストランも美味しいし、いろいろなお店も並んでいます。
お肉料理のレストラン
こちらのレストランでランチをいただきましたが、ステーキは美味しかったです。アルゼンチンでは農牧業が主産業なので、お肉は美味しいです。
店頭で焼いていました。
シーフードレストラン
ウシュアイアは海に面していて蟹もとれるそうで、夕食で蟹を食べに行きました。Freddyという人気店で、行くなら予約した方が良いです。
ウシュアイアの中心街にあります。
店頭の水槽には大きな蟹が。
メニューにはパスタなどもあります。サラダを2人でシェアし、パスタとノンアルコールのドリンクを一人ずつ注文して、2人で9,500円くらいでした。クレジットカードで払いました。
テーブルのシートにも蟹。
蟹を注文した人の前には、大きな蟹の足がドーン。
なんか食べにくそうに見えますが、お店の方がハサミで手際よく全部ハサミで身を出してくれました。
町の様子
中心街を少し歩いてみました。ウシュアイアは坂の町です。
上で紹介したシーフードレストランのフレディからスーパーまで2ブロックくらいですが、そこも結構な坂でした。
こちらは町中のスーパーです。


海と並行にはしる通りはこんな感じで、ホテルやレストラン・お土産物屋さんがたくさんあって、この通りを歩いていると世界の果てという感じはしません。
ウシュアイアのマンホール
町を歩いていたらマンホールもありましたが、日本のようなデザインマンホールではありませんでした。ペンギンとかオタリアの図案だったら良かったのにね。
郵便を出すのなら
世界の果てまで来たので、日本にはがきを出したい人もいるでしょう。世界の果ての郵便局は休業のことが多いので、ウシュアイアの町中の郵便局ではがきを出すことができますが、切手を買おうとしたら、アルゼンチンペソしか受け付けておらず、USドルしか持っていない私は、郵便局では切手が買えませんでした。近くのお土産物屋さんで切手を販売していたので、クレジットカードで切手を購入しました。
郵便局の場所はこちらです。
ウシュアイアのシンボル、オリビア山
ウシュアイアは緯度が高く、夏と言えどもぐずついた天気が多いようですが、晴れるとかっこいい山も見えます。下の写真の中央に見える三角形の山がオリビア山、その背後に霞んで見える山がシンコ・ヘルマノス山です。5人の兄弟と言う意味で、山頂がボコボコしているのを兄弟と表現しているのでしょう。この山のおかげで、スペイン語の5はシンコというのだ、と覚えました。
滞在したホテル
ウシュアイアには2泊しました。宿泊したのはこちらのホテルです。
全体的に建物が新しく、清潔なホテルでした。初日の夕食はホテルのレストランで食べましたが、食事も美味しかったです。
ただパタゴニア内のホテルはどこに泊まってもそうなのですが、以下の共通点があります。
- トイレにトイレットペーパーは流せない
- 部屋にケトルがなく、コーヒーカップもない
- バスタブにお湯をためて日本のお風呂のようにつかることはできない(これは排水の構造がそういう設計になっていないから、とのことでした)
こちらのホテルは高台にあるので、海側の部屋だと眺めが良いと思います。ただ中心街から離れているので、町のレストランに行くにはタクシーなどの足が必要です。
ツアーの場合は添乗員さんがタクシーの手配もしてくれましたが、個人旅行で行くのなら、町中のホテルの方が買い物も食事も便利だと思います。
ウシュアイアまでの道のり
2025年2月のパタゴニアの旅で最初に訪れた町がウシュアイアでした。正直メチャ遠いです。パタゴニアまでのルートは、まずアメリカやメキシコ、中東を経由してブエノスアイレスまで行きます。そのあと国内線で3時間半ほど飛んでやってウシュアイアに到着です。私は中東ルート(ドバイ)で行きました。
まずは成田空港からエミレーツ319便でドバイまでが12時間ほど。
ドバイからブエノスアイレスまでは途中、リオデジャネイロで給油してから向かうので、リオまでが14時間半くらい。リオで90分ほど機内待機させられます。
その後3時間ほど飛んでブエノスアイレスに到着です。
ブエノスアイレス空港には夜9時過ぎの到着なので、その日はブエノスアイレスに1泊し、翌日の朝の飛行機でウシュアイアに来ました。ホテルを朝3時頃出発する強行軍でまいりました。
そんなわけで、日本からの移動に3日くらいかかっていた印象です。
まとめ
とーっても遠かったけれど、私の好きなはじっこに来た感じがして、なかなか楽しめました。風が強く、いつも曇りや小雨が多いそうです。2月は夏ですが、日本の静岡県の冬とそう変わらない気温で、夏と言う感じはしませんでした。私も外を歩く時には冬の下着にウールのシャツ、アウターはユニクロのダウンを着ていました。そんな気候もあり、景色を見ていると最果ての地という感じがしましたが、食事は美味しかったし、町も賑わっていて、そういう点ではあんまり最果て感は感じませんでした。なかなか行ける場所ではないので、貴重な体験ができたと思います。
関連リンク
ウシュアイア滞在2日目には、この地の体表的な観光の一つ、ビーグル水道クルーズでペンギンのコロニーを見に行きました。
こちらは世界遺産のペリト・モレノ氷河観光の様子です。絶景でした。
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