2025年2月に南米のパタゴニアを旅しました。パタゴニアは国の名前ではなく、アルゼンチンとチリに跨る南緯40度付近を流れるコロラド川から南の一帯を指します。毎日が絶景の連続で、本当に旅ができて良かったと思っています。
この記事で紹介するペリト・モレノ氷河も絶景の一つです。ペリト・モレノ氷河は動くスピードが速く、場所によっては1日に2mも移動するのだとか。なので生きている氷河と言われることもあります。最近は地球温暖化の影響で後退してしまう氷河が多いですが、ペリト・モレノ氷河は後退していない貴重な氷河でもあります。動画などで氷河が轟音とともに崩れ落ちるシーンを見たことがありますが、そんなシーンを見ることができるのでしょうか。
ペリト・モレノ氷河とは
パタゴニア地域にはたくさんの氷河があり、その面積は南極、グリーンランドに続き世界第3位の面積と言われています。ペリト・モレノ氷河はその氷河の中の一つです。場所はこちら。私達はカラファテという町に1泊し、1泊2日の両日とも見学に行きました。
氷河観光
1日目は陸から
氷河観光の初日は、前日の滞在地、ウシュアイアから国内線でペリト・モレノ氷河の最寄りの町、カラファテに移動しました。ウシュアイアからカラファテまでは飛行機で1時間ほどです。アルゼンチン航空を今回の旅で何度か利用しましたが、ほぼ定刻でなかなか優秀です。
カラファテ空港からはバスに乗り換えて、カラファテのホテルに大きな荷物を置いてから、ペリト・モレノ氷河に向かいました。カラファテの町からは1時間半くらいです。
車窓に見える青い湖はアルゼンチン湖で、琵琶湖の倍くらいの大きさです。ペリト・モレノ氷河から溶け出した水がこの湖にも流れています。
アルゼンチン湖を離れて暫く行くとバスが停車しました。国立公園の入り口のゲートです。
アルゼンチンの国立公園は入場料が必要です。日本も見習っても良いのではないでしょうか。$67500.00と表示されていますが、これはアルゼンチンペソでの表記です。当時のレートでだいたい9300円くらい。私達は2日氷河に通いましたので、この金額は2日分です。
2日券というのはないのですが、2日連続で入場すると2日目の料金が50%オフみたいな説明がこちらにありました。
ゲートを過ぎて暫くすると、進行方向左側の川と言うか湖(リコ水道と言う)に、氷河のかけらが浮かんでくるようになります。いくつかカーブを曲がり、遠くに氷河が見えてきました。展望台があり、フォトストップということで、バスを降りて写真撮影タイム。氷河が青白く輝いています。
展望台からもう少し走って、ビジターセンターに到着。
ここでバスを降り、ビジターセンターでトイレを済ませたら遊歩道を歩いて展望台に向かいます。
途中、遊歩道のコースがどのように伸びているか、ガイドさんから説明を受けました。
遊歩道は色分けされて表示されているのですが、案内板にも遊歩道の支柱にも、各ルートが色で表示されていて分かりやすくなっています。


まずは遊歩道を下って氷河に近づきます。展望スポットはあちこちにあります。下の展望台にいる人と比べると、氷河の大きさが際立ちます。
氷河を正面にした時に、右の方に伸びる青いマークの遊歩道に行ってみることにしました。テンパノス水道が広がっています。奥の方向はアルゼンチン湖につながっています。
遊歩道の途中からもこんな感じにペリト・モレノ氷河が見えます。大迫力です。
案内板によると、水の上に出ている部分だけでも70mの高さがあるそうです。
青で表示されている遊歩道は、終点まで行くにはちょっと距離があるので、途中で引き返してきました。
時々氷河が崩れるドドドーンという轟音が聞こえるのですが、音が聞こえてから氷河を見ても、すでに崩落は終わってしまっています。音の方が後から届くんですよね。音がした方向を撮影してみたら、わずかに水煙があがっているのがわかりました。
崩落の音はかなり大きな音がしますが、実際崩落している氷河の量は大したことがない感じです。柱のような氷が崩れ落ちる時には、一体どんな音がするのでしょうね。
氷河の上の部分の凹凸がすごいことにも驚きました。スイスアルプスの氷河を見たことがありますが、その時には表面がこんなに凸凹しているとは気が付きませんでした。
1日目の氷河観光は午後からの観光で、午後5時くらいまでいましたが、日没が夜9時頃なので、午後からの観光でも十分楽しめました。この後また1時間半ほどかけてカラファテの宿に戻りました。
2日目は水上から
初日の氷河観光の後、一度カラファテのホテルに戻り、翌朝ホテルをチェックアウトした後、もう一度ペリト・モレノ氷河観光に行きました。この日は船から観光します。乗船前にもう一度昨日と同じビジターセンター付近を散策したら、虹がかかっていました。
クルーズ船も動いています。
クルーズ船は2か所から出発します。ツアーではテンパノス水道側のクルーズ船にお昼前に乗船する予約をしてあったのですが、氷の大群が桟橋に押し寄せていて船が出航できないとのこと。
急遽リコ水道側のクルーズ船に変更しました。午前中の便はすでに満席だったので、ランチを済ませた後に13時発のクルーズ船に乗船しました。
船はこちらです。
出航時は着席を求められますが、10分くらいすると自由に甲板に出ても良いというアナウンスが流れます。
私達も皆さんと共に2階の甲板に出ました。ぐんぐん氷河に近づきます。
水面に出ている部分が70mくらいあるので、もし仮に70mの柱が倒れて来ても、クルーズ船に被害を及ば差ない距離をとって観光します。
陸の展望台から見ている時には、氷河の下の方にこんなにいくつも洞窟のような穴があいているのに気が付きませんでした。
穴の上の氷は水の上にせり出していて、今にも崩落しそうに見えるのですが、なかなか崩落しません。見えたのはパラパラっと落ちる氷の破片だけでした。
クルーズ船にはいろいろな国からの観光客が乗っていて、皆さん大興奮。船は右側のお客さんにも左側のお客さんにも氷河が見えるよううまく回りながら走行します。
氷河を歩くツアーもあります。確か65歳以下が条件だったと思います。クルーズ船からも歩いている人が見えました。
ズームアップしてみました。
私達のクルーズ船もそろそろ終了。桟橋に戻ります。
クルーズ船とすれ違いました。お客さんが乗っていないようだったので、先ほどの表がの上を歩くツアーの皆さんのお迎えだったのかも。
2日目のランチ
ペリト・モレノ氷河は2日に渡って観光しました。2日目は朝ホテルを8時に出発し、13時からクルーズだったので、現地でランチを食べています。なかなか素敵なレストランでした。
テンパノス水道沿いにあり、氷河を見ながらお食事ができます。
お食事も美味しい。


場所はこちらです。
2日目のクルーズは、こちらのレストランでランチを取り、レストランの先にある桟橋から船に乗って、テンパノス水道をクルーズする予定だったのです。
桟橋のある所は、ペリト・モレノ氷河の展望台からの青色で表示されていた遊歩道の終点にもあたります。
まとめ
世界遺産のペリト・モレノ氷河を2日に渡り観光しました。1日目は午後だったので、太陽が西に傾き始める時間帯、2日目は午前中の日差しの中、観光できました。陸からの観光と船からの観光と言うことで、視線の位置も変わり、同じ場所に2日間行きましたが、全く飽きることはありませんでした。とても行程だったと思います。
こんなに間近に氷河を見たのは初めてで、神秘的な青さにも感動しました。迫力ある氷河の崩落は見えませんでしたが、時々轟音が響いてきて、その音にも感動しました。日本からは遠いけれど、是非見に行っておきたい絶景の1つだと思います。
ガイドさんによると、崩落を見るには、よく観察することが大事とのこと。崩落する前には氷の割れ目部分がだんだんと開いてくるようなので、そういうポイントを探すと良いそうですが、割れ目は無数にあるので、なかなかそういう割れ目を探すのは難しいです。他にもキュルキュルという音がするという説もあるようですが、崩落を何度も目撃していないと気づけないかも。崩落に遭遇できたらラッキーくらいの気持ちで臨むのが良さそうです。最後にYoutubeにあった崩落動画のリンクを貼っておきます。
関連リンク
2025年2月のパタゴニアの旅の記事です。
アルゼンチン最南端の町、ウシュアイアの観光です。
こちらも同じくウシュアイアの観光で、世界最南端の鉄道の紹介。
ペリト・モレノ氷河観光を楽しんだ後はバスでエル・チャルテンに移動し、パタゴニアのシンボル、フィッツ・ロイを見ながらのハイキングを楽しみました。