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京都丹後鉄道くろまつ号、ランチコースの乗車記

京都丹後鉄道が運行する「くろまつ」「あおまつ」「あかまつ」号はJR九州の列車などをデザインしている水戸岡鋭治氏がリニューアルを担当したオシャレな車両で運行されます。今回乗車した「くろまつ号」は、ランチコースやスイーツコースなど、お食事やカフェタイムを楽しめる観光列車として運行されています。以前から乗ってみたいと思っていたくろまつ号に、初めて乗車できたので乗車記をまとめました。くろまつ号のルートは時々変更になるようです。この記事の内容は、2023年5月時点のものです。

くろまつ号の概要

  • 京都丹後鉄道が運行するレストラン列車で、金土日と祝日が運行日。時間帯によってランチ、モーニング、スイーツなどのコースがある
  • 全席予約制。ネットからの予約が可能
  • 車内のドリンクやお土産の精算は現金のみ。クレジットカードや交通系ICは使用不可
  • 詳しくはこちらのサイトから。

travel.willer.co.jp

天橋立駅から乗車

くろまつ号には、モーニングコース、ランチコース、スイーツコースという3つのコースがあり、私が今回乗車したランチコースは天橋立駅から西舞鶴駅までを走るルートです。途中での乗車・下車はありません。

天橋立駅

くろまつ号の出発は13:05です。

くろまつ号の出発は13:05

専用の乗車チケットが必要なので、駅の窓口で自分自身の氏名を伝えて、チケットを発行してもらいます。このチケットを受け取って、初めて自分の座席番号がわかります。乗車の予約はWEBサイトからしますが、その時には座席を選ぶことはできないのです。

専用のチケット

まだくろまつ号は入線していませんが、寒くもない気候だったので、改札を通り、ホームの椅子で待つことにしました。ホームの案内表示にもくろまつ号の時刻が表示されていますが、時々こんなマークでの表示になり、かわいいです。下段は普通列車ですが、ワンマン運転のことをConductorlessって言うんですね。勉強になりました。

上段がくろまつ号の表示

発車の15分くらい前になると、くろまつ号が入線してきました。

12時50分頃に入線

黒いボディがカッコいいです。くろまつ号は1両での運行です。

くろまつ号

車内

入線後、少し車内を整える時間があり、そのあと乗車できるようになります。

こちらが車内です。水戸岡 鋭治氏のデザインらしく、木材をつかった内装になっています。通路を挟んで4人掛けと2人掛けのテーブルが並びます。私が乗車した時には、2人掛けテーブル側が日本海側でした。

くろまつ号の車内

私の席は2人掛けのテーブルで、乗車人数を制限していたせいか、相席にならず一人でテーブルを占有できてラッキーでした。日本海の景色も見えますしね。テーブルにはすでに前菜がセットされていて、埃よけのセロファンがかかっていました。

あらかじめ用意されている前菜

記念乗車証もお皿の横に用意されていました。

記念乗車証

窓には木製の日よけがついていて、入線した時には下りています。出発前に開けて景色を楽しみましょう。

日よけも木製

キャリーケースのような大きな荷物は出発前にアテンダントさんが預かってくれて、車両の前方にまとめて置いておいてくれます。終点ではアテンダントさんがホームに荷物を下ろすところまでやってくれます。

大きな荷物は前方のスペースにまとめて置ける

ランチコースの内容

今回のランチコースのメニューはこちらです。お客さんの声を聴く機会が多いアテンダントさん考案のメニューだそうです。私が食べられない食材のお料理もありますが、そこはよけて頂くことにします。

ランチコースのメニュー

ドリンクメニューもありまして、アルコールは種類も豊富。飲めない私はノンアルコールから選ぶのですが、ちょっとメニューが物足りない。お食事と一緒に飲むので、ご当地サイダーがあれば良かったのですが。今回はリンゴジュースにしました。注文はアテンダントさんがテーブルまで注文を取りに来てくれて、テーブルまで運んで来てくれます。ドリンクの精算は終点につく前にアテンダントさんが席をまわって、現金で精算します。

ドリンクメニュー

時間になってくろまつ号が動き始めたので、テーブルの前菜をいただくことにしました。

前菜からいただきます

食べ終わると手際よくアテンダントさんが前菜を下げて、お造りを運んで来てくれました。

お造り

お造りが運ばれてきたころ、ちょうど宮津駅に到着しました。ホームにはくろまつ号の旗を持った人とかがお見送りしてくれるのですが、しばし停車時間があり、ホーム上の人だかりの前でお造りを食べるのはちょっと気が引けました。

私の後ろの席のおばさんが、ホームのお見送りの人たちに向かって「羨ましいでしょ~」とか言っちゃって、ちょっとびっくり。こういうおばさんにはならないよう、気をつけたいと思いました。

宮津駅ホームでのお見送り

宮津駅を出て間もなく、進行方向左手に天橋立が見えます、というアナウンスがあります。道路と民家の向こうに見えました。

天橋立を真横から見る

宮津駅を出で5分ほどで栗田(くんだ)駅で停車しました。

栗田(くんだ)駅

この駅で実は40分も停車します。後発の普通列車にもここで道を譲ります。

栗田駅では40分の停車時間がある

栗田駅は特に景色が良いというわけではないのですが、この時間帯を利用して一気にお料理が進みます。できれば移り変わる車窓の景色を眺めながら美味しいお食事ができるのが希望ですが、くろまつ号は進行方向左側に絶景ポイントが多いので、この駅でお食事を終わらせて、この後やってくる絶景ポイントでは右側の席も方も席を立って景色を楽しめるよう、この駅で長時間停車する運営なのだと思います。

お料理は蒸し物とお魚料理が運ばれてきました。

蒸し物とお魚料理

蒸し物は温め中の状態で運ばれてきて、加温が終わった頃を見計らってアテンダントさんが蓋を外してくれます。なので熱々をいただくことができるのです。

海鮮茶碗蒸し

続いてメインのお肉料理です。サーロインステーキを列車の中でいただけるとは感激です。ただ、ここまでのお料理が冷たいものは冷たく、温かいものは温かく提供されてきたのに、ステーキはやや冷めていたのが少し残念ではありました。でも岩塩と山葵でお肉を食べさせてくれる配慮はとても嬉しいです。お肉は柔らかく焼けていて美味しかったです。

サーロインステーキ

ステーキを食べ終わるとお食事が運ばれてきました。

お食事

お食事を食べ終わり、40分ほどの停車時間も終わって列車は西舞鶴に向かって動き始めます。進行方向左手に日本海が見えてきました。海の向こうに煙突がある建物が見えます。関西電力の宮津エネルギー研究所で火力発電所ですが、今は発電は停止しているそうで、魚っ知館という水族館を併設して広報施設として運用されているのだそうです。

海の向こうに宮津エネルギー研究所

やがてくろまつ号はこのコースでの絶景ポイント奈具海岸沿いの線路上で15分ほど停車します。

絶景ポイントで15分停車

私が乗車したくろまつ号は、進行方向左側に海の景色が広がるので、左側の窓側席はお食事しながら景色が楽しめますが、右側の人は海の景色が楽しめません。食事はあとはデザートのみの状態なので、この停車時間では右側の席のお客さんもカメラを手に景色を写真に収めていました。

奈具海岸の沖には沓島、冠島が見えるのですが、この日は雨まじりのお天気があまりはっきりは見えませんでした。

沓島と冠島

絶景ポイントでの景色を楽しんだ後にはデザートが出てランチコースは終了です。デザートの時にはコーヒーが提供されますが、事前にコーヒーが苦手な方がいないかをアテンダントさんが一人一人に確認していました。コーヒーが飲めない人にはお茶など別の飲み物が提供されていたようです。こういう気づかいは嬉しいですね。

デザート

丹後鉄道ではコーヒーを商品化していて、全部で4種類のコーヒーがあります。この日は福知山ブレンドが提供されました。

丹鉄コーヒーは4種類の中から提供される

車窓には由良海岸のビーチが見えてきました。夏場は海水浴客が賑わいを見せそうなビーチですが、山椒大夫に登場する安寿姫が水を汲む苦役を強いられた場所と言う伝説があるそうです。

安寿姫と厨子王の伝説がある由良海岸

こちらの駅は丹後由良駅です。

丹後由良駅

丹後由良駅を過ぎると、間もなく由良川橋梁を渡りますが、ここも京都丹後鉄道の絶景ポイントの一つでしょう。事前にアテンダントさんから案内があり、前方も後方も撮影OKです、とのことで、乗客は前方後方に分かれてカメラを構えます。由良川橋梁が見えてきました。

由良川橋梁

なんかもう興奮しているおじさんもいて、見ず知らずの乗客に「この先鉄橋を渡る所がすごいんです、もうこれを撮るためにこの列車に乗ったんです」と語りかけていましたが、語りかけられていたお客さんはちょっと困り顔でした(笑)。撮影場所が前後に分かれているとはいえ、結構な密状態なので、譲り合っての撮影です。列車は親切にも徐行運転してくれます。

宙に浮かんでいるような由良川橋梁

由良川橋梁を渡ったあたりから、乗車記念グッズの販売と飲み物の精算が始まります。私はコーヒーが好きなので、丹鉄コーヒーを1袋購入しました。4種類ともワゴンにありましたが、マンデリンがベースの京丹後ブレンドを購入しました。

列車上で購入した飲み物・物品の精算は現金のみ

最後に乗車のお土産に、ということで金平糖をいただきました。

お土産の金平糖

14時50分、定刻通りに西舞鶴駅に到着し、くろまつ号の旅は終了です。

終点の西舞鶴駅に到着

まとめ

天橋立から西舞鶴までは30キロほどの距離で、普通に乗車すると40分くらいで到着できます。そこをくろまつ号は2時間近くかけて走行するのは、途中駅や絶景区間で1時間ほど停車時間があるからです。

本文中にも書いたとおり、私としては流れる車窓の景色を楽しみながらお料理をいただきたいところですが、左右両方に絶景が広がる区間ではないこともあり、食事は停車中になるべく終わらせて、お食事を楽しむ時間帯と景色を楽しむ時間帯とを分けることで、海側ではない座席のお客さんにも景色を楽しめる工夫をされているように思いました。

お料理はアテンダントさんが考えて提案されたものだとか。地元の食材を使ったメニューでどのお料理も大変美味しくいただきました。乗車ているアテンダントさんも3人ほどいて、お客さんへのサービス行き届いている感じです。乗客は自分で立ち上がって飲み物を取りに行く必要はなく、すべてアテンダントさんがサービスしてくれるので、JRだとグリーン車扱いかな、という感じがしました。

2023年5月のランチコースは天橋立駅を13時5分発なので、午前中に天橋立観光をしてから乗車ということもできました。

天橋立に立ち寄る際には、前後に京都丹後鉄道の観光列車を組み入れると変化のある楽しいプランになると思います。

お食事できる列車の旅のリンク

昔から食堂車で食事をしながら旅をすることにあこがれていました。以前は新幹線にも食堂車がありましたが、最近は通常運行の日本の列車で食堂車付きの列車はありません。今回のような観光列車の予約を取って出かけるわけです。

JR九州の36ぷらす3

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JR四国の四国まんなか千年ものがたり

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JR四国の伊予灘ものがたり

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しなの鉄道のろくもん

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スイスの氷河特急

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