2023年5月に日本三景の一つ、天橋立を訪れました。日本三景のうち、松島と宮島は行ったことがありましたが、天橋立は今回が初訪問です。天橋立に夕方到着した後、一泊し、翌日の朝から観光しました。天橋立を13時5分に出発する観光列車を予約してあったので、3時間で駆け足での観光でしたが、天橋立を眺める景勝ポイントの五大観のうち、2つを楽しめました。半日しか観光時間がない! という私と同じような状況の方もいらっしゃると思いますので、私の駆け足観光記録をまとめました。
天橋立とは
- 何千年もの歳月をかけて自然がつくりだした砂嘴(さし)の上に緑の松が生い茂る、白砂青松の景色が美しく、日本三景の一つ
- 周辺には温泉宿や展望台があり、食事処やカフェなどの飲食店も豊富
- 日本海に面した京都府丹後半島の根元にあって、首都圏からは距離があるが、「天橋立駅」という鉄道駅があり、鉄道でのアクセスは良い。京都駅から直通の特急が走っている。
天橋立の代表的なビューポイント「五大観」
天橋立は昔から歌に詠まれたり、絵に描かれたりしてきました。文人たちはどこから見た天橋立を描いていたのでしょう。こちらに代表的な「五大観」が紹介されています。
今回は傘松公園からの「昇龍観」と天橋立ビューランドからの「飛龍観」を楽しみました。
3時間駆け足観光
前日に天橋立に入り、朝9時から観光をスタートしました。天橋立の両サイドに股のぞきの展望台があり、両方を短時間で巡るには自転車と観光船利用が体力的に楽なのと、行きは陸路、帰りは海上からと、違った景色を楽しめるからです。
天橋立観光船がレンタサイクルも営業しているので、活用しました。こちらのレンタサイクルは、天橋立の反対側の観光船乗り場で自転車を返却可能なので、帰りは船で戻ってくるというわけです。
観光船乗り場では数種類のチケットがあり、行きは自転車・帰りは船・傘松公園のケーブルとリフトのセット券を購入しました。こんなチケットです。
私が利用したチケット以外にもいくつかおトクなセット券があるので、こちらのサイトをご覧ください。
天橋立をサイクリング
天橋立の砂嘴は3.6キロほどあり、砂嘴の上を歩いて渡ることも可能ですが、歩くと片道1時間ほどかかります。今回は13時5分発の列車に乗るために、対岸へはレンタサイクルを使うことにしました。観光船乗り場で借ります。
場所はこちらです。駅から歩いて4~5分とアクセスも良いので、大きな荷物は駅のコインロッカーに入れました。
観光船乗り場の近くには、知恵の輪も。
廻旋橋を渡って、天橋立の中に入ります。
この橋は漢字を見てもわかる通り、船が通る時にくるりと回るんですが、私がいた時間帯には船がなく、回転するところは見えませんでした。昔は人力で回していたようですが、今は電動のようです。
天橋立の砂嘴は対岸まで1本ではなく、大天橋と小天橋の2つに分かれていて、廻旋橋を渡るとまずは小天橋です。小天橋にはハマナスの群生地があると言うので、ちょっと行ってみたのですが、砂浜に入ると自転車が進まないので、入り口だけで引き返しました。それでもピンクの花が咲いていて、これが群生していたらとてもきれいなのでは、と思いました。
天橋立の中を行く道は日本の道百選にも選ばれているという看板がありました。
もう一つ橋を渡って大天橋の中に入ると、なるほど日本の道百選なのも頷けます。あえて舗装していないそうですが、自転車で走るのに特に問題はなく、スイスイすすめます。松林がきれいですね。
ところどころに休憩所やトイレも整備されていますし、文人の歌碑などもありました。でも大砲があるのはなんででしょうね?
与謝野蕪村や松尾芭蕉の句碑、与謝野寛・晶子夫妻の歌碑など、道路沿いに碑がありました。
天橋立内を停まらずに自転車を漕げば、20分くらいで追加できそうですが、句碑を見たり、景色を眺めたり、写真を撮ったりするともう少し時間がかかります。
ということで、天橋立を渡り切り、対岸の観光船乗り場で自転車を返却しました。
宮津市のマンホール
観光船乗り場付近には、デザインマンホールのカラーの蓋もあるので、忘れずに捕獲しましょう。宮津市というのは、天橋立がある自治体です。
宮津市はマンホールカードも発行していますが、ちょっとデザインが異なる印象です。
傘松公園からの「昇龍観」
続いて傘松公園の展望台に行きます。まずは傘松公園に向かうケーブルカーやリフト乗り場がある府中駅に向かいます。観光船乗り場を背にして歩き、国道に出たら左折します。府中駅までは徒歩5分ほどです。
国道から府中駅に向かう道は、両サイドにお土産物屋さんが並ぶ坂道です。
こちらがケーブルカーやリフト乗り場の府中駅です。私はレンタサイクルを借りるところでセット券を購入しているので、府中駅ではチケット売り場には並ばず、そのまま乗り場に向かいました。運良くちょうどケーブルカーが出発する直前だったので、行きはケーブル、帰りはリフトにしました。リフトは帰りに利用する方が、空中散歩しながら天橋立の景色を眺めることができます。
下から見上げるとかなりの急こう配です。前日は六甲山でケーブルカーに乗りましたが、この日もケーブルカーに乗れて嬉しいです。乗り物大好き。
途中のすれ違いの儀。
山頂側の傘松駅に到着しました。
展望台に出ると、眼下には天橋立が一直線に見えます。この日は雨の予報でしたが、明るい曇り空で景色が楽しめました。
股のぞきの台もあったので、覗いてみましたが、ここだけ柵がなくて、ふらついて落っこちないかちょっと心配でした。
展望台にはテーブルとベンチ、レストハウスなどがあり、軽食などを食べることもできます。建物の屋根付近にはライブカメラもありました。自分が映っている画面のスクリーンショットを撮るのも良いかも。
さて、傘松公園側からの天橋立を眺めたので、次は反対側の展望台であるビューランドに行ってみましょう。まずはリフトで下山します。ケーブルカーは待ち時間が発生しますが、リフトは自分の好きな時間に乗り場に行けば乗れるのが便利です。
帰りはお土産物屋さんの坂道を途中まで下ったのち、丹後一宮 元伊勢 籠神社の境内を通って観光船乗り場に戻りました。
観光船で対岸に戻る
傘松公園の観光を終えたら、次は対岸にある天橋立ビューランドに向かうため、観光船で戻ります。
観光船はほぼ30分に1本の割合でありました。雨が降る前だったので、乗客は皆さん2階のデッキに出て、カモメの餌やりを楽しんでいました。餌は乗り場で売っていました。
こんな具合にたくさんのかもめが寄ってきます。
最初はかもめばかりでしたが、途中からトンビも参戦。かもめに比べて精悍な感じがするので、トンビは特に男性に人気のようで、男性は積極的にトンビに向かってかっぱえびせんを投げていました。かもめはくちばしで餌をキャッチしますが、トンビは足でキャッチするのが見ていて良くわかりました。中には手に持ったえびせんを直にトンビに狙われて、足の爪でひっかかれている男性もいたので、空中に放り投げてキャッチしてもらう方が良さそうです。
天橋立ビューランドからの「飛龍観」
観光船を下りたら、ビューランドのリフト・モノレール乗り場までは徒歩で向かいます。歩いて10分もかかりません。
こちらが出発点の乗り場です。こちらでチケットを購入して、リフトまてはモノレールでビューランドに上ります。
今回も帰りにリフトに乗りたかったので、行きはモノレールにしました。定員があり、定員を超えると次の便になってしまいます。ケーブルカーは車両が2台ありましたが、このモノレールは1台しかなく、出発直後だと、出て行った車両が戻ってくるまで待合室で待つことになります。時間がない方はリフトの方が良いかもしれません。
モノレールの車両内はケーブルカーと異なり、座席もありません。
こちらのモノレールも傘松公園のケーブルカーに負けず劣らず結構な急こう配を上ります。
ビューランドからはこんな眺めで、傘松公園からの天橋立の景色とはまたちょっと違った眺めです。
傘松公園からの天橋立はまっすぐに橋が伸びている感じでしたが、ビューランド側からは手前部分がちょっとくねくねっとしてるのが特徴です。この眺めのことを飛龍観と言うようです。
ここにも知恵の輪がありました。
天橋立ビューランドはちょっとした遊園地のようになっていて、観覧車やミニSLなどもあるのです。大人の一人旅ではあまり乗りたくなる遊具もなかったので、飛龍観回廊へ。股覗きの位置よりももう少し高い場所から天橋立を眺めることができます。追加料金は不要です。
回廊の上からは眼下に天橋立駅も見ることができました。
天橋立の景色を両サイドから堪能できたので、リフトで降ります。隣のモノレールは上って行くところですが、車内はかなり密な状況になります。密を避けたい場合は上りも下りもリフトも方が良さそうです。
散策マップ
宿などに観光マップがいくつかありましたが、私はこちらのマップを手に観光しました。
まとめ
9時にレンタサイクルを借りて、傘松公園とビューランドからの天橋立の「昇竜観」と「飛龍観」を楽しんで、ビューランドの山麓駅についたのが12時ということで、3時間で回りました。が、この後乗車する観光列車は13時5分発なので、もうちょっとゆっくり観光しても良かったな、というのが反省点です。
観光船が営業を始める9時に活動を開始したおかげで、それほど混雑に巻き込まれなかったように思います。特に鉄道の駅から離れた傘松公園にはまだ団体客がおらず、ケーブルカーともリフトも待つことなく乗れましたが、後から行ったビューランドはお客さんが結構いました。
天橋立に京都から到着する特急は、10時40分着です。この列車で大量のお客さんが天橋立に到着し、そのあとビューランドに足を運ぶ人が多いと思うので、この時間より前に観光できると、比較的ゆっくり観光できるのではないかと思います。
傘松公園もビューランドも運行時間が決まっているケーブルカーやモノレール以外にリフトがあります。雨でなければ、上りも下りもリフトを選択すると、待ち時間が少なくてすみます。
前後の行程情報など
「くろまつ号」に乗車
天橋立観光の後に乗った13時5分発の観光列車は京都丹後鉄道のくろまつ号です。乗車記はこちらです。
前泊情報
天橋立には前日の夕方到着していて、「オーベルジュ 天橋立」という宿に宿泊しました。夕食はホテル内のレストランでフルコースに近いお食事が出ますが、お風呂と朝食は隣の天橋立ホテルを使うというちょっと変わったスタイルの宿でした。
後泊情報
天橋立からは前述の観光列車「くろまつ号」に乗車して西舞鶴駅まで行きます。そのあとJR線に乗り換えて東舞鶴駅で降りて、こちらのホテルに宿泊しました。結婚式ができるような立派なホテルでしたが、意外にお安く泊まれました。レストランの食事が美味しかったです。
舞鶴港観光船で軍艦ツアー
くろまつ号に乗車した後、わざわざ舞鶴に宿泊したのは、舞鶴港の観光船に乗ってみたかったからなのです。アテンダントのおばちゃんが停泊している船に詳しくて、大変楽しめました。
乗船記はこちらのまとめました。
こちらは舞鶴観光協会のサイトです。
今回の旅の全体行程
今回の旅はジパング倶楽部の3割引きを活用して、静岡から、有馬温泉→姫路城→天橋立→舞鶴→米原と一筆書き乗車券で3泊4日の旅をしています。一筆書きの分の移動距離は750キロほどと思います。赤が新幹線、緑はJR在来線、青は京都丹後鉄道です。黒い短い部分は、一筆書きからはみ出て別売りで乗車券を買った区間です。
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