一般人が行ける最北端と最東端は行ったので、今回の旅では日本最南端に行ってみました。最北端と最東端は北海道にあり、最南端と最西端は沖縄県にあります。東西南北の中では、最南端が船の欠航が多かったり、船酔いがひどいという話を聞いていて、一番ハードルが高いと思っていましたが、お天気に恵まれ、ラッキーにも簡単に行けました。石垣島の港から船で約70-90分で到達できます。初めての場所だったのでガイドツアーに参加し、一人旅では知ることができなかった日本最南端を知ることができました。
- 一般人が行ける最南端はどこにある?
- 安栄観光のバスツアーに参加
- 船は揺れるのか?
- 日本最南端を訪れる
- 天国のような波照間ブルー
- その他の観光スポット
- 日本最南端の○○あれこれ
- 波照間島で気を付けること3つ
- 悲しい歴史
- お土産を買うのなら
- マンホールも必見
- 波照間の植物
- ランチは居酒屋「あがん」で食べました
- まとめ
一般人が行ける最南端はどこにある?
一般人が行ける日本最南端は沖縄県の波照間島にあります。地図で見ると、沖縄本島より台湾の方が近いような距離です。
波照間島には空港はあるものの、定期便の就航はなく、石垣島から安栄観光の船で向かいます。2022年3月現在、船は1日3往復出ています。が、船がよく欠航するんです。私が行ったのは2022年3月でしたが、私が行った3日前は全便欠航でした。海が時化ると欠航します。
安栄観光のバスツアーに参加
高低差があまりない島なので、レンタサイクルで自力で観光される方も多いのですが、私は初訪問だったことと、13:15発の便で石垣港に戻りたかったので、時間が読みやすいバスツアーを利用しました。石垣港を8時に出る船で島に向かい、9:30くらいに波照間島に到着。その後ガイドさんとともにマイクロバスで島内を回り主な観光スポットを降りて観光します。これがだいたい90分くらい。そのあとランチを食べて13時頃に波照間港で解散です。ちょうと乗りたかった帰りの船に間に合うスケジュール。このツアーは石垣港を11:45に出発する船でも行われます。料金は1人15,100円です。
ホテルによっては送迎してもらえます。私が滞在したホテルは送迎の対象だったので、港まで行くタクシー代が節約できました。
もちろん帰りも送ってもらえますが、13:15波照間島発の船に乗って、石垣港についたのが14:20くらいで、次のバスが15:10。ちょっと待ち時間が長いので、帰りはタクシーで戻りました。
船は揺れるのか?
波照間島に向かう船は石垣島の離島ターミナルから出発です。具志堅さんがいることで有名です。
石垣島から波照間島への航路は、海流と風の影響で揺れることで有名です。船酔いする方も多いと聞いていたので、出発の30分前に酔い止めを服用して乗船しました。
結論から言うと、私が乗った日の船は行きも帰りもそれほど揺れず、薬のせいなのか揺れが少なかったせいなのかわかりませんが、船酔いはせず、他の乗船客を見ていても気持ち悪くなった人はいなかったように思います。私は朝8時出港の船に乗りまして、たいていこの朝8時の便は大型の「ぱいじま」という船になることが多いようです。船自体が大きいので、安定しています。
帰りは、ちょっと小さめの船で、座席に座ったら「腰椎圧迫骨折をするという事故が発生しています」なんていう表示があり、ちょっとビビりました。
今回は思っていたほど揺れませんでしたが、窓の外に目をやると、盛大に波をかぶる時もありました。
それではここからはバスツアーで立ち寄った場所をご紹介していきます。
日本最南端を訪れる
波照間島を訪れる目的の一つは、一般人がたどり着ける日本最南端に行くことだと思います。最南端にはこちらの碑がたっています。ガイドさんの話では、日本最北端には碑があるのに、最南端に碑がないのはおかしい!!ということで、波照間島でバイトしていた学生?が資材を投じて建てたそうです。
反対側から見ると、こんな感じ。遠くに星空観測タワーが見えています。
この地にはいろいろな碑がありまして・・・。
波照間の碑
こちらは波照間の碑への入り口です。
通路の両脇に石が積んでありますが、上から見ると2匹の蛇がからみあったような形になっています。
こちらは蛇の頭の部分です。
蛇と蛇が交差しているところには、いろいろな都道府県の石が埋め込まれていました。
通路を歩いていたら蝶が飛んでいました。
お待たせしました、こちらが波照間の碑です。
虎の口
波照間の碑の入り口から海辺に下りて行くと、岩場にぽっかりと穴が開いていて、岩場の下の海が青く見える場所があります。ちょうど断崖のところに目のようなくぼみがあり、虎が口をあけているように見えるんですね。
柵とかはないので、断崖ギリギリまで行けますが、くれぐれも落っこちないように気を付けましょう。
最南端の絶壁に立つ
虎の口からさらに海沿いに行くと、波照間島に打ち付ける太平洋の荒波が見えます。はるばる来たぜ!!という感じです。
足元を見ると、昨年噴火した海底火山の軽石が浮いていました。
日本最南端平和の礎
もう一つ碑があります。大きさはこの碑が一番大きかったです。
ということで、こちらには「日本最南端の碑」「波照間の碑」「日本最南端平和の碑」という3つの碑が同じ場所にあるのでした。
天国のような波照間ブルー
波照間島の魅力の一つは波照間ブルーとも呼ばれる美しい海です。最南端側の海は断崖に荒波がうちよせる大海原でしたが、波照間にはサンゴ礁に囲まれた美しい白砂のビーチもあります。その代表がこちらのニシ浜。島の北側にあるのに、なんでニシなんだと思うかもしれませんが、こちらの方言でニシは北のこと。ちなみに「西」はイリと言います。西表島の読み方を見るとわかりますね。
駐車場から浜に向かう途中に東屋があり、東屋から撮影すると、ちょうど額縁効果で写真もきれいに撮れます。と、ガイドさんが教えてくれて撮っていただきました。こういうのもガイドさんがいて下さるからこそです。
ニシ浜ではシュノーケリングが楽しめるとのこと。3月中旬に訪れましたが、すでに海水浴している方もいました。東屋の横にトイレや水道もあるので、せめて足だけでも海に入れる格好でくれば良かったとちょっと後悔しました。
本当に海の色がこの世のものとは思えない美しさで、天国のようだと思いましたが、まだ天国に行ったことがないので、本当に天国がこんななのかはわかりません。
その他の観光スポット
ガイドツアーで巡るその他の観光スポットをご紹介します。
コート盛で三角点タッチ
最初のスポットはコート盛というひのみやぐらのような場所で、海上の監視などを担い、のろしをあげる場所だったそうです。
てっぺんには三角点がありまして、思わず登山の時にやってしまう三角点タッチをしてしまいました。
星空観測タワー
国のコミュニティ・アイランド事業を活用して1994年に完成しました。波照間島と言えば南十字星が見える島としても有名です。周辺に民家がないので、夜は真っ黒になって観測条件は良さそうです。スタッフの方がいれば売店などもあるようですが、この日はまだ営業開始時間前でした。プラネタリウムもあるのですが、故障中なんだそうです。
波照間空港
波照間島には実は空港があります。でも定期便の就航はなく、急患が出た時のドクターヘリとか、訓練機の離発着、たまにプライベートジェットというのが利用状況のようです。石垣島から飛行機が飛んでくれると、船酔いの心配なく来島できそうです。空路なら15分くらいで石垣島から波照間島まで来られるようです。
ターミナルビルの屋根の上にはシーサーがいまして、午後になってシーサーの顔の方から太陽の光が差すと、目がブルーに光るのだそうです。目に青いガラスがはめ込んであるとのことでした。午後に波照間空港を訪れる方は、是非屋根の上にも注目してください。
2022年4月30日から石垣空港と波照間空港の間に飛行機が就航予定だったのですが、ちょっとトラブルがあり、就航は延期になってしまいました。
日本最南端の○○あれこれ
最南端の島にあるものはほぼすべてが日本最南端の○○になりますね。
日本最南端の駐在所
なんと特徴的な建物でしょう。日本地図が掲げられて、波照間島の位置が示されているユニークな駐在所です。
日本最南端のエネオス
島の中心部を歩いて観光する時に見かけました。
日本最南端の小学校と横断歩道
こちらも波照間の中心地にあります。本州では小学校前の横断歩道に信号がつきものですが、波照間島には信号機はないそうです。


日本最南端の公衆トイレ
波照間島には観光スポットに公衆トイレが設置されています。中でも一番南にあるのがこちら。星空観測タワーの近くの公衆トイレが日本最南端の公衆トイレだそうです。水洗トイレなのに驚きです。


日本最南端のテーブルとベンチ
こちらのテーブルとベンチは日本最南端の碑のすぐ近くにありました。テーブルには日本最南端の文字が彫られています。青い大海原を見ながらの休憩も良さそうですが、結構風が強くてお弁当広げるのはつらいかもしれません。
灯台は最南端ではないけれど
中心地から最南端に向かう途中、サトウキビ畑の中ににょきっと生えているような白い灯台があります。かつては日本最南端の灯台でしたが、2007年に沖ノ鳥島に灯台が設置されたため、日本最南端ではなくなってしまいました。が、沖ノ鳥島は無人島です。有人島としてはこちらの灯台が今も最南端です。
波照間島で気を付けること3つ
1) 神聖な場所に立ち入らない
波照間島にはお祈りをささげる神聖な場所があります。たとえばこんな所。
入口に「立入禁止」というブロックが置かれている通り、この場所は神様の御つかいのようなごくごく限られた方だけが入れるところなのです。立入禁止のブロックが足元にあるので、気が付かずに敷地に入ってしまう方もいるようですが、これは要注意です。
神様にまつわる場所で、奥の石垣に少しへこみがありますが、神様の通り道と言われているようです。
お祈りをささげる場所にはこんな感じに鉢のようなものが置かれています。
先ほどご紹介したコート盛のてっぺんにも、三角点とともに鉢が置かれていたので、鉢側には立たない方が良いのかもしれません。
こうした地元の神様にまつわる習慣は尊重したいものです。ガイドツアーでなく一人で自転車などで観光していたら気づけませんでした。
2) 道路標識はブロックに表示されている
本州で見かけるような細い支柱の先に標識がついている道路標識は波照間島にはありません。台風で壊れてしまいますからね。こんな具合にブロックに表示されています。地面に近い所にあるので、見逃さないようにしましょう。
3) 水を大切に
波照間島には水がありません。海水を濾過して作ったり、雨水をためて使っています。なので水はとても貴重。なのに公衆トイレは水洗でありがたいです。訪問した際には水を大切にしましょう。
悲しい歴史
Googleで検索すれば波照間島の戦争にまつわる悲しい歴史はいくつも記事が出てきます。でも私はガイドさんに聞くまでこの歴史を知りませんでした。観光協会のHPには悲しい歴史まで触れていないし。戦時中、波照間島の人が強制的に西表島に移住させられ、移住先ではマラリアの流行で多くの島民が命を落としました。最北端の地を訪ねた時も、海の向こうは樺太、最東端の沖には歯舞諸島があり、日本の端っこには絶景とともに、戦争の悲しい歴史があるのだなと実感しました。
お土産を買うのなら
まぼろしの酒「泡波」
コート盛のあと、20分ほど散策時間があります。この近辺が波照間島の中心街とのこと。次に向かったのはまぼろしの酒と言われていたこともある「泡波」という泡盛の販売店です。
場所はこちらです。
「泡波」は那覇空港などでも販売はあるようですが、プレミアムがついて高いのだそうです。また作る量が限られているので、販売も制限があり、この日は一升瓶の販売はなく、2合瓶は1人2本までという制限がありました。私は飲まないのでお土産に100mlほどのミニボトルを購入しました。ミニボトルは購入制限がありませんでした。1本340円でお土産にも良いです。たくさん買うとちょっと重いけど。
波照間のサトウキビ100%のお砂糖
波照間島ではあちこちでサトウキビが栽培されていて、刈り取ったサトウキビはニシ浜近くの製糖工場でお砂糖になります。波照間島のサトウキビ100%で作られたお砂糖も島内の売店で購入できます。こちらも300円程度だったと思います。
ちなみに波照間の売店はお昼休みが長く、シエスタタイムがあるとガイドさんが教えてくれました。なのでお昼になってから何か買おうと思っても買えない!ということがあるので気を付けましょう。
マンホールも必見
旅先でのマンホールウォッチングは欠かせません。波照間島のマンホールは波照間島らしいデザインです。是非マンホールカードも発行してほしいし、どこかにはカラーの蓋も設置されるといいな~と思いました。
ちなみに農業用のマンホールは波模様です。
波照間の植物
ガイドさんのおかげで、通り沿いの植物の名前を知ることができました。
虫よけなどに活躍する月桃
沖縄のお土産物屋さんにも月桃を使った虫よけやコスメが売られています。
島とうがらし
バナナ
パパイヤ
マンゴーの子供
ランチは居酒屋「あがん」で食べました
ランチは居酒屋「あがん」で用意されていて、こちらでいただきました。
ソーキ蕎麦ともずく、野菜炒めの小鉢がつき、まだ食べられる人には炊き込みご飯が付きます。どれもとても美味しかったです。
こちらの居酒屋さんのサイトはこちらです。
まとめ
ガイドさん付のツアーはその分費用はかかりますが、ガイドさんがいるからこそわかる現地の情報と言うのもあり、今回はガイドさんと回れて本当に良かったです。戦争の歴史や波照間の水事情、神聖な場所についてなどは事前のリサーチから漏れていましたし、波照間の植物の名前もガイドさんに教えていただけました。帰りの船の時間までに時間コントロールもしてくれるし、初めての土地でランチを食べるお店に悩むこともありません。ガイドさんの価値を実感できる旅でした。
尾瀬に行った時にもガイドさんのありがたみを感じました。
最北端を訪ねた時の旅行記はこちらです。
東西南北の端っこの駅を訪ねた時の旅行記です。
今回の宿
今回の旅ではANAインターコンチネンタル石垣リゾートに宿泊。奮発してクラブデラックスのお部屋にしました。クラブフロアゲスト専用のラウンジやプールがあり、また2020年7月開業と新しいこともあり、とても素敵な滞在となりました。詳しくはこちらをどうぞ。