日本最南端とか最北端とか。そういうはじっこに、なぜか惹かれます。鉄道旅を初めて間もなく、東西南北の端っこにある駅があることを知りました。愛犬が天国に行ってしまってから鉄道旅を楽しむようになって3年。はじっこの駅に行けたので振り返ってみました。50歳過ぎてから始めた乗り鉄初心者の私にも行けたので、これから乗り鉄始める人にも案外行きやすいのかもしれません。
最南端の駅
初めてのはじっこ駅は、最南端の駅でした。最南端の駅は何県だと思いますか?沖縄県?鹿児島県?ちょっと迷いますね。2本の線路の上を走る鉄道としては、鹿児島県に最南端の駅がありますが、モノレールも鉄道とすると、沖縄県に最南端の駅はあります。
2本線路の最南端「西大山駅」
2本の線路を走る鉄道の最南端の駅は、鹿児島県を走る指宿枕崎線の「西大山駅」です。最南端の碑の向こうに見える開聞岳が美しい。
指宿枕崎線は本数が少なく、特に西大山駅まで走ってくる列車は日に8本。鉄道旅デビューしたての私は駅で何時間も待つ根性がなく、指宿からタクシーで来ちゃいました。そういう意味では乗り直しに行かないといけないかもしれません。
西大山駅には「幸せの黄色いポスト」というポストがあります。ここから手紙を出すと幸せになれるんだったか、ここから出した手紙を受け取った人が幸せになれるんだったか・・・。ちょうどテレビが取材に来ていて、投函するシーンがほしいとのことで、駅前の売店で絵葉書を買って出してみました。
西大山駅そのものは、1面1線の無人駅で、いかにもローカル線の駅というたたずまいですが、最南端の駅がウリになるのか、大型観光バスがやってくる観光地と化していました。私が利用した観光タクシーのコースにも「西大山駅」は最初から入っています。
この時の旅は、前日の肥薩線に乗り矢岳越えの日本三大車窓を楽しむはずが、雨と霧でまったく見えずに残念でしたが、西大山駅に行った時には快晴ですばらしい開聞岳の景色を楽しめました。タクシーだったこともあり、西大山駅近くの観光地「長崎鼻」も回れて良かったです。
モノレールも含めた最南端の駅「赤嶺駅」
モノレールも鉄道として扱うと、最南端の駅は沖縄県にあります。那覇空港と首里城近くの首里駅を結ぶ沖縄都市モノレール線、通称「ゆいれーる」の駅です。
駅舎内にも最南端の表示がありました。
赤嶺駅は最南端の駅ということで下車したこともありますが、もう一つ目的が。ここから瀬長島に行くシャトルバスが出ているんです。瀬長島は那覇空港の南側に位置し、飛行機ウォッチングには絶好の場所です。
最西端の駅
最西端の駅も範囲をどこまでにするかでいくつか候補駅が出てきます。2本線路なら松浦鉄道の「たびら平戸口駅」。JRに限定すれば「佐世保駅」。モノレールも含めると沖縄県の「那覇空港駅」です。
2本線路の最西端「たびら平戸口」駅
最西端の駅は最南端同様、九州にあります。有田焼で有名な佐賀県の有田と長崎県の佐世保を結ぶ松浦鉄道の「たびら平戸口駅」が鉄道最西端の駅です。松浦鉄道はかつてはJR路線でしたが1988年に第三セクター路線になりました。
ホームが2つあって3番線まであり、最南端の駅の西大山駅と比べると大きな駅です。
最西端を示す碑がありますね。
駅前は何にもなく、実はコンビニでおにぎりでも買おうと思っていましたが、駅周辺に発見できず、結局待合室にあった小さな売店でクリームパン1個を買い、お昼にしました。
JRの最西端駅は「佐世保駅」
2本の線路の鉄道も、JRの中でと限定すると、最西端の駅は佐世保駅です。駅舎内にJR最西端を示す表示があります。
佐世保と言えば港のイメージがあります。駅前がもう港なので、乗り継ぎの合間に港見物も良いかも。この日は海上自衛隊の船が停泊していました。
また佐世保駅には、JR九州の観光列車「或る列車」がとまっていました。
モノレールも含めた最南端の駅「那覇空港駅」
鉄道にモノレールも含めると、最西端の駅は沖縄県の「ゆいレール」の出発駅、「那覇空港駅」です。
空港を出るとすぐにモノレールの駅。とても便利です。
ちなみに、ゆいレールに乗ったのは2月でした。この時期、沖縄近海にはくじらが出産と子育てのために来ていて、ホエールウォッチングを楽しみました。
ホエールウォッチングをやっているショップはたくさんありますが、私はこちらのショップを選びました。ホテルへの送迎もしてくれ、スタッフの皆さんはとても親切で良かったです。(夏はダイビングショップのようです)
最東端の駅
西と南の駅が九州なら、東と北の駅は北海道だろう、ということは簡単に思いつきますね。北海道で東にある場所と言ったら、根室ですが、駅としての最東端は根室駅の隣の駅である「東根室駅」です。根室本線という路線にあります。
板張りのホームが郷愁を誘います。
本土最東端にも行ってみる
せっかくなので、本土最東端の地にも行きました。本当にはじっこです。
この岬に立つ灯台も、もちろん本土最東端の灯台です。
鉄道と本土最東端は離れているので、何かしら交通機関を利用しないと本土最東端には行けません。東根室駅の前にはタクシーもバスもないので、本土最東端を目指すには、根室本線の終点、根室駅に行く必要があります。根室駅は有人駅としては日本最東端の駅ですね。
東根室駅に行くには、延々と根室本線に乗り続けていくのですが、沿線の景色が素晴らしく、今まで私が行った鉄道の旅の中で、最高の絶景路線でした。
最果ての地、という感じです。
釧路湿原のカヌーは是非体験を!
この時の旅では、釧路に一泊し、翌日は釧路川をカヌーで下りました。このアクティビティは本当に素晴らしく、オススメします。半日のツアー、一日のツアー、いろいろあります。私はこちらのツアーに申し込みました。家族総出で案内して下さり、素晴らしい体験ができました。
オジロワシを見たり
釧路湿原ノロッコ号との遭遇もありました。
最北端の駅
いよいよ最後は、最北端の駅です。空路、千歳空港に入り札幌で一泊したあと、札幌から特急宗谷で稚内駅に向かいました。
札幌からは長旅ですが、後半には車窓に天塩川が見えたりして、景色も楽しめます。
特急に乗ること約5時間。5時間も走る特急って、そうそうないかもと思いながら乗っていました。ようやく最北端の駅、稚内駅に到着しました。はるばる来たぜ~という感じです。
もう一つの最北端の駅
せっかくの最北端なので、稚内に一泊して周辺の観光もしました。到着した日はレンタカーを借りてオロロンラインなどを走りました。その途中に寄った抜海駅は、無人駅の最北端の駅かつ最北端の木造駅舎でもあります。鉄道でこの駅に来るのは本数が少なくてちょっと難易度が高いので、レンタカーで行くのが楽ちんです。オロロンラインでは日本離れした景色が楽しめるので、是非走っていただきたいです。
日本最北端の地にも行こう
最北端の駅まで来たら、日本最北端の地「宗谷岬」まであと少し。定期観光バスで行けば、稚内の主要な観光スポットを回りながら行けます。
最北端到着の記念にマンホールカード
稚内市は日本最北端のマンホールカードを配布しています。市役所で配付していますが、土日も守衛さんが対応してくれます。稚内駅から徒歩6分で行けるので、旅の記念に是非どうぞ。稚内の観光の様子も含めてこちらにまとめました。
まとめ
鉄道旅をするようになって間もなく、最東西南北の駅に行きたいな、と思っていたので、3年のうちにそれぞれの駅を訪れることができたのはとても嬉しいです。はじっこにあるだけあって、そこへたどり着くまでの景色も良く、鉄道旅の目的地にはなかなか良いかも、と思いました。一方で最北端と最東端の駅は北海道にあるのですが、戦争の悲しい記憶が残っていることも知り、ちょっと物悲しい気持ちにもなりました。
東西南北の範囲を本州で、とかJR四国圏内でと限定すると、最東西南北の駅はもっと増えてくるので、今度は範囲を変えてたどってみたいなと思いました。