日本最北端とか、最南端とか、そういうはじっこを目指すのが好きな私です。以前日本最北端の駅である稚内駅を訪れた時に、「北と南の始発・終着駅」という看板がホームありました。そこには最南端の始発・終着駅は枕崎駅と表示されていて、それ以来行ってみたい駅の一つとなっていました。枕崎駅は鹿児島中央駅を起点とする指宿枕崎線の終着駅です。指宿枕崎線には指宿までは乗ったことがありましたが、まだ完乗していないこともあり、思い切って出かけることにしました。指宿枕崎線そのものは100km未満と短いので、日帰りでも往復できますが、今回は温泉も楽しみながら2泊3日で出かけてきました。観光列車に乗ったり、マンホールカード収集もできましたので、旅行記をまとめました。2023年2月の旅です。
- 枕崎駅がある指宿枕崎線はこんな路線
- 途中下車できる切符を用意した
- 初日は指宿枕崎線で宮ヶ浜駅まで
- 最南端の始発・終着駅の枕崎駅へ
- ついに枕崎駅に到着!
- 自転車で枕崎市内を巡る
- 指宿のたまて箱で締めくくり
- 今回の旅で宿泊した宿
- 今回集めたマンホールカード
- 空路で鹿児島まで行くのなら
- まとめ
- TVでも放送してました
- 関連リンク
枕崎駅がある指宿枕崎線はこんな路線
鹿児島中央駅から薩摩半島の東岸から南岸に回りこみ、枕崎までを結ぶ87.6kmの路線です。
鹿児島中央駅と指宿の一つ先の山川駅までの間はそこそこ本数がありますが、枕崎駅まで行く列車の本数は1日6往復程度と少ないです。
走っている車両
全線非電化なので、走っているのは気動車です。黄色いボディの車両と白に青い帯の入った2種類の車両を見かけました。
こちらはもうちょっと古い感じがするキハ40系。
もう一つ、観光列車も走っています。こちらは最終日に指宿から鹿児島中央駅まで乗車しました。特急料金がかかります。
途中下車できる切符を用意した
今回は鹿児島中央駅と枕崎駅との間を往復する時に、途中で乗ったり下りたりがありました。こちらの路線はほとんどの駅が無人駅で、乗車時に整理券をとって降車の際に運賃箱に運賃を入れる方式です。途中で乗ったり下りたりがあると、その都度現金を用意しなくてはならず手間だったので、途中下車可能な切符を持っていると楽ちんです。でも鹿児島中央駅と枕崎駅の間は100キロ未満なので、この区間の切符を購入しても途中下車できません。100キロ未満だとジパングの割引も適用されないので、今回はあえて重富駅から枕崎駅を往復する切符を買いました。この区間だと100キロ超えるので、途中下車もできるしジパング割引も効きます。
ちなみに、鹿児島中央駅-枕崎駅間の運賃は1,850円。重富駅-枕崎駅は2,170円ですが、ジパングで3割引きなので片道1,510円でした。
初日は指宿枕崎線で宮ヶ浜駅まで
初日は鹿児島中央駅から指宿枕崎線に乗車して、指宿駅より少し手前の宮ヶ浜駅へ向かいます。黄色いボディの列車がやってきました。
この日は雨女の私にしてはお天気が良く、車窓の景色を期待していましたが、列車の窓がこの状態でちょっと残念でした。すりガラスのような窓の向こうには、錦江湾と桜島の景色が広がっているのですが。窓の汚れが火山灰の影響だとすれば致し方なしです。
宮ヶ浜駅で列車を下り、宿に徒歩で向かいました。
ホームから海が見えますが、そこには長渕剛さんのゆかりの地であることを示す横断幕が掲げられていました。
最南端の始発・終着駅の枕崎駅へ
初日の宿をチェックアウトし、宮ヶ浜駅から指宿枕崎線に乗り、ちょっと指宿で寄り道をした後、いよいよ最南端の始発・終着駅である枕崎を目指します。キハ40系の車両に乗りました。
車内はこんなボックスシートで、ローカル線情緒を味わえます。一人旅も二人旅も、だいたい一つのグループで1ボックス占有という乗車率でした。
昨日乗ったのと同じようにやっぱり窓の汚れが残念ですが、幸い古い型の車両なので窓を開けることができます。お客さんの数が少ないのと、さすが鹿児島、暖かいので、時々窓を開けさせていただきました。
日本最南端の駅、西大山駅
指宿駅から先の駅は無人駅ばかりで、乗り降りするお客さんもほとんどいません。ただ西大山駅だけは別です。なぜならここは日本最南端の駅だからです。ホーム上にはたくさんの人がいます。でも列車に乗るわけではないんです。観光バスも来ていますし、私も前回来た時にはタクシーでここまで来ました。
ホームには最南端の駅を示す標柱があり、その向こうには開聞岳がくっきり。ここに列車が入るとインスタ映えする写真になるので、この人だかりも頷けます。みんな同じポーズしているのが車内から見ているとなかなか楽しいです。
乗換案内のアプリの情報では、西大山駅着は11時52分、発は11時54分と2分の余裕があったので、私もホームに下りて一枚撮りました。
同じことを考えている乗客は他にもいて、中には乗り遅れた人もいました。運転士さんが気が付いてもう一度扉を開けてくれたので乗車できましたが、ここで列車を逃がすと次まで結構時間があって大変です。
美しい開聞岳
西大山駅の手前から開聞岳がよく見えてきます。枕崎に向かって左側の窓の方がよく見えますが、日中は結構陽射しが入って眩しくもあります。
帰りにはダイヤモンド薩摩富士のような感じにもなりました。うまく日没時刻と重なると面白いかも。
薩摩半島の南側では、海岸ギリギリを走るわけではありませんが、時々海も見えます。そして立神岩という岩が見えてきたらもう日本最南端の終着駅です。
ついに枕崎駅に到着!
指宿から1時間26分、枕崎駅に到着しました。窓の先には車止め。
稚内駅で見たのと色違いの看板もかかっています。枕崎駅を右側に書いた方が実際の配置としっくりくるように思うのは私だけでしょうか。稚内駅は右手方向にはないと思うのですが、南との北の始発・終着駅という語順だと、枕崎を右側に表示するしかなかったのでしょう。奥のカツオの群れに枕崎らしさを感じます。
こちらは稚内の駅にあった看板で、こちらの看板の稚内と枕崎の位置関係はしっくりきました。
駅は無人駅ですが、オシャレな待合室が建っています。
あちこちに最南端の始発・終着駅を示すものがありました。こちらにはカメラを置く台も用意されていますので、是非記念撮影を。
稚内駅との距離も示されていました。3099.5kmもあるのですね。
こちらの石畳の中にはハートの石が埋め込まれたいるのだそうですが、私は見つけられませんでした。ネット上に位置を示した写真も出ていたので、これから枕崎に行かれる方は事前に場所をチェックして、是非現地で見つけてください。
自転車で枕崎市内を巡る
枕崎駅に到着して、すぐに折り返すことも考えましたが、はるばる来たので、ランチを食べたり、市内を回ることにしました。マンホールカードも欲しいしね。
観光案内所
まずは記念のマンホールカードをもらいに駅近くの観光案内所へ。駅前ではなく、駅を背にして右手方向にあります。徒歩1分くらいで、灯台が目印です。
市内を回るのなら観光案内所で自転車を借りると便利です。電動アシストがついていて便利でした。
今回はリュックを持ったまま自転車で回りましたが、観光案内所の隣にコインロッカーがあります。正直預けた方が良かったですが、そう思ったのは出発してからなので今回は荷物を籠に入れたまま走りました。
枕崎の観光案内所の公式サイトはこちらです。
枕崎市のマンホールカード
観光案内所ではマンホールカードを配付しています。なかなか来る機会のない場所なので良い記念になりました。枕崎名物のカツオと立神岩がデザインされたカードです。
カードと同じマンホールの蓋は市内に2か所設置があります。1つは駅の近く、ステーションホテル前の歩道を少し港方向に下った所に設置されています。駅から徒歩1分程度です。
もう1枚は港にある枕崎お魚センターの道路の反対側の歩道上にあります。歩くとちょっと距離がありますが、電動アシスト自転車だとすいすい行けました。
お魚センターでは食事処もあるそうですが、今回は中には入りませんでした。
もう一つ、珍しいマンホールが観光案内所の近くにあります。こちらは国土地理院が設置しているようです。こういうマンホールがあることを私は知りませんでした。
ランチはカツオラーメン
枕崎駅についたのは13時近くてお腹が空いていました。観光案内所でランチのおススメを聞いたら「だいとく」さんが人気ですよ、とのことなので、自転車で行ってみました。
駅から歩いても行ける距離で、私と同じ列車で枕崎に到着されたご夫婦が先に入って食べていました。少し待つくらいの混雑ぶりでした。
なんとなくラーメンが食べたかったのと、枕崎に来たらやっぱりカツオだよな、と思い、両方が叶えられる「カツオラーメン」というのを食べました。スープにカツオだしが使われていますが、んー、ラーメンはやっぱりこってり系が私は好きかも。カツオはタタキ丼とかで食べた方が美味しさがわかりそうな気がしました。
立神岩
鉄道で枕崎駅に着く手前で見えた立神岩をもうちょっと間近で見たいと思い、自転車をこぎました。ホントは火の神公園まで行けば大きく見えることと思いますが、電動アシスト自転車とは言え、片道4キロ、帰りの列車までに火の神公園を往復するだけの自信がなかったので、今回は花渡川にかかる橋の上から眺めるにとどまりました。
こちらが花渡川の橋の上から見た立神岩です。そういわれてみると、誰かの立像のように見える岩です。
薩摩酒造花渡川蒸留所
鹿児島県と言えば芋焼酎。私はお酒を飲まないので、酒蔵とか醸造所に関心がないのですが、お酒が好きな方には薩摩酒造を訪れるのも良いかと思います。こちらは明治の頃から薩摩焼酎を作り続けてきた老舗。蔵見学もできるそうです。
詳しくはこちらをご覧ください。
鰹節を作る香りが漂う街
その後も自転車で港周辺を走っていると、突然香ばしい良い香りが漂ってきました。これは鰹節をつくる香だと思います。鰹節が名物だとは思いますが、買って帰っても削る道具はないし、削ったものはかなりがさがあるので、今回は枕崎でのお土産は買わずじまいでした。
青空美術館
枕崎の市内を自転車で走っていると、あちこちに個性的な芸術作品が設置されています。青空美術館として整備しているそうで、かなりの点数がありました。
指宿のたまて箱で締めくくり
枕崎を訪れた後は指宿まで戻り、指宿で一泊し、3日目は指宿から観光列車の「指宿のたまて箱」に乗車して鹿児島中央駅に戻りました。全席指定で特急料金が必要です。私は土曜日の午前中に指宿を出る列車に乗りましたが、満席でした。
扉が開く時に、煙が出る遊び心が気に入っています。たまて箱を開けた時の煙を表現しているんですよね。逆光でうまく写っていませんが(笑)
2両編成で1号車と2号車では座席のレイアウトに少し違いがあります。おススメは海に面したかうたー席ですが、私が予約した時にはカウンター席に空きはなく、山側の2人掛けのシートの窓際でした。
乗車時間は1時間弱と短いので食事の提供はないのですが、スイーツやプリン、指宿サイダーなどを車内で購入できるので、おやつを楽しむのが良いでしょう。
私は「いぶたまプリン」をいただきました。白と黒のツートンに塗られた列車を模したプリンです。車内販売では交通系ICは使用できませんが、paypayは使用できました。結構揺れるので、現金でおつりが発生すると、アテンダントの方が大変そうでした。
指宿のたまて箱については、こちらをご覧ください。
今回の旅で宿泊した宿
初日の宿は指宿市の錦江楼
初日は指宿の中心からは少し離れた場所にある一軒宿の「錦江楼」に泊まりました。
1人でも泊まれて、温泉も食事もスタッフの対応も部屋からの眺めも良い宿でした。宿泊記はこちらです。
2日目は指宿休暇村に宿泊
2日目は枕崎駅を訪ねた後、指宿枕崎線で折り返してきて指宿駅で下車し、休暇村に宿泊しました。1人部屋は山側のお部屋で眺望は楽しめませんでしたが、貸し切り湯付きのプランにしたので、のんびり海を眺めながら指宿の濃い温泉を楽しめました。こちらの温泉は高張性のお湯でした。
今回集めたマンホールカード
今回の旅では枕崎市以外にもマンホールカードをいただきました。
指宿市
2日目の宿をチェックアウトした後、枕崎まで行く列車まで時間があったので、指宿市のマンホールカードをいただいてきました。
鹿児島市
鹿児島市は2023年2月現在、3種類のマンホールカードを発行しています。鹿児島中央駅からサクッと歩いて行ける「観光交流センター」で配布しているマンホールカードをいただいてきました。何やらかわいいキャラクターがデザインされています。
空路で鹿児島まで行くのなら
今回の旅はANAのキャンペーンを利用して、羽田から鹿児島までANAを利用しています。この日は錦江湾側からの着陸だったので、A席からは桜島がよく見えました。
鹿児島空港は鹿児島市外からは離れた場所にあります。市街に向かうにはリムジンバスを利用します。地方空港の割におおよそ15分に1本の頻度で鹿児島中央駅への直行便があり、この点は便利でした。
鹿児島中央駅まで1,400円です。事前にチケット売り場で乗車券を購入するシステムです。5千円札や1万円札もつかえる券売機でした。私は現金で買ってしまいましたが、クレカも使えたかもしれません。2023年2月現在で、交通系ICカードが使用できないのが残念です。でもVISAのタッチ決済は使えそうなポスターが貼ってありました。飛行機が到着した直後のバスは混み合います。私が乗った時には補助席まで使用していました。
帰りも鹿児島空港から羽田に戻ってきました。少し早めに空港に到着して暇だったので展望デッキから滑走路を見ていると、鹿児島空港は国内線だけでも飛行機が出たり入ったりして楽しめました。この日はJALはディズニーがデザインされ、私が帰りに利用したANAは鬼滅デザインでした。また背景には霧島連山がどーんと見えて、飛行機ウォッチングにも良い空港と思います。
まとめ
超はじっこ駅である枕崎駅にやっと行くことができました。無事指宿枕崎線の完乗も果たせ、温泉もマンホールも楽しめて充実した2泊3日でした。やっぱり九州は温泉がいいですねー。また九州を旅しようと思います。
TVでも放送してました
このブログをupした前日に、BS朝日の新・鉄道絶景旅で指宿枕崎線の放送がありました。私よりもあちこち立ち寄っているので、参考になります。
関連リンク
日本最北端の始発・終着駅を訪れた旅
本文中でも触れましたが、日本最北端の始発・終着駅は北海道の稚内駅です。北海道には駅だけでなく、宗谷岬と言う日本最北端もあります。
日本最南端を訪ねる旅
宗谷岬が日本最北端なら、日本最南端は沖縄県の波照間島にあります。
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