2025年10月に北海道大雪山国立公園にある旭岳温泉の宿「湧駒荘」に宿泊しました。この辺りは日本で最も早く紅葉が始まる場所としても有名です。前回はひとり旅でしたが、旭岳からの眺めが素晴らしく、これは旦那さんにも見せなくては、と思い今回は夫婦旅で訪れました。
前回は別の宿に泊まりましたが、旭岳温泉の中でも歴史がある湧駒荘は源泉かけ流しの温泉が素晴らしいと評判で、是非泊まってみたいと思っていたのでした。噂に違わぬ名湯を堪能しましたので宿泊記をまとめました。

湧駒荘(ゆこまんそうと読む)の概要
- 旭岳温泉の温泉宿。標高は1000mくらい
- 5本の自家源泉からの100%かけ流し温泉が素晴らしい
- 旭川空港、旭川駅からの路線バスでもアクセスできる
- 部屋数は32室(日本の秘湯を守る会のサイト情報)で、ベッドのお部屋も多く、1人泊もOK
- スタッフは皆さん親切で接客も安心だった
- 10月の平日に夫婦2人で宿泊し、2食付きで1人25,000円くらい
- スノボの竹内智香選手のご実家でもある
公式サイト
チェックイン
旭川空港でレンタカーを借りて宿に向かいました。宿の建物の前の宿泊者用駐車スペースに車を停めていたら、スタッフの方が出て来て下さり、荷物を持っていただけました。

玄関を入ると右手にフロント。目の前には広々としたロビーがあり、奥には暖炉の火が燃えています。

宿泊したお部屋
予約した時にはモデレートツインというお部屋を予約していましたが、ちょっと広めのツインルームに変更してもらえました。部屋の種類は聞きませんでしたが、たぶんスーペリアツインというお部屋なのだと思います。4階のお部屋でした。

こちらが室内です。

お部屋は広々していて、大きなスーツケースも窓際のスペースに広げることができました。
ベッドだけでなく、ソファスペースもあります。ただソファに座ると、テレビが見えないというのが残念。

電気ポットやコーヒーカップなどは戸棚の中に用意があります。コーヒー豆とミルの用意もあり、コーヒー好きには嬉しいサービスですが、1階のラウンジにコーヒーマシンがあったので、お部屋のコーヒー豆はお土産に持ち帰りました。

冷蔵庫も小型のものが用意されていまして、中には自慢の湧き水がピッチャーに入れて冷えていました。

お部屋にはトイレと洗面がついています。古い旅館だとユニットバスが組み込まれていることがありますが、こちらの宿はそういうこともなく居室にスペースが割いてあるのも良いなと思いました。
洗面台も天板部分が広くて、化粧品などを置くスペースがあり使いやすかったです。

洗面台の天板には蛇口から出てくる水についての説明書きも。美味しい水が飲めるのは嬉しいです。

トイレはもちろんウォシュレット付き。リフォームしてそんなに時間がたっていない感じです。

クローゼットの中には、浴衣や半纏、タオル類が用意されています。

アメニティポーチには歯ブラシやヘアーブラシなどが入っています。

お部屋の中でWifiは問題なく使用でき、こんなコーナーがあるので、PC仕事もできそうです。

ベッドのスイッチ部分にはコンセントやUSB-Aタイプの差し込み口もあるので、寝ながら充電も問題ありません。

温泉
旭岳温泉に泊まるのはこれで3回目ですが、今回こちらの宿を選んだのは温泉の泉質・鮮度が素晴らしいと評判だったからです。

本館の大浴場
なかでも本館にある大浴場「ユコマンの湯」では5種類の源泉をかけ流しで楽しめるという、温泉好きにはたまらない温泉なのです。本館の大浴場は「ユコマンの湯」と「シコロの湯」の2か所があり、時間帯によって男女が入れ替わります。

浴室内の撮影は不可なので、様子は公式サイトをご覧ください。いろいろな泉質を適温で楽しめるのが本当に素晴らしいです。
内湯から行ける露天風呂があり、屋根がついているので雨でも入れます。
洗い場にはシャンプー、コンディショナー、ボディソープはありますが、洗顔フォームはないので、気になる人は自前の洗顔フォームを持ち込みましょう。
別館の大浴場
本館から渡り廊下でつながる別館にも大浴場があり、こちらは「神々の湯」という名称です。こちらは日帰り入浴でも利用が可能です。


お食事
夕食・朝食ともに1階のレストランでいただきます。

夕食
まずはお品書き。

テーブルにはあらかじめ、食前酒から先付や名物のメロンヴィシソワーズが並んでいました。

まずは食前酒で乾杯。

ノンアルコールドリンクメニューには果物のジュースが数種類あったので、ジュースをいただきましたが、炭酸水も良かったかも。

お料理は先付からいただきます。桃太郎トマトを丸ごと1個使ったお料理です。白ワインで煮てあるそうです。

メロンのヴィジソワーズはお吸い物の位置付けです。メロンの果肉を崩しながら中央のポタージュ部分と一緒にいただきます。意外な組み合わせで美味しかったです。メロンを半分食べることになるので、お腹にもたまる感じがしました。

お造りは奄美産の本マグロ。少量ですが、自家製の燻製醤油でいただくと、とても美味しかったです。

ここまで冷たいお料理でしたが、ここで意外な一品、十勝産のジャガイモ「インカのめざめ」を使った熱々のコロッケです。ホクホクしていて美味しい!ナイスな一品でした。


続いて焼き物です。塩釜を割ると、中には昆布に包まれた鮑が入っていました。


ちなみに私は貝が食べられない人です。事前にお伝えしたところ、おおきなホッケに差し替えていただけました。食べごたえがありました。

焼き物を食べ終わる頃、箸休めのゼリーが運ばれてきました。こちらの宿で使用している湧水を利用しているそうです。

次に茶碗蒸し。こちらはトウモロコシ(とうきび)が使われていました。

鍋は豚しゃぶです。あらかじめはってあるだし汁でしゃぶしゃぶしていただきます。お肉が思っていたより量があり、お腹いっぱいになりました。

お食事はご飯ではなく、麺でした。お肉の出汁も合わさったスープで麺をゆでていただきます。

最後にデザートが出て夕食は終わりです。大満足の夕食でした。

朝食
朝食も夕食と同じ会場、同じテーブルでいただきました。おかずはテーブルに並んでおり、ご飯はビュッフェ方式で、自分でお茶碗によそります。ご飯の台には、生卵や納豆、朝の飲み物として、トマトジュースや牛乳などが用意されていました。

汁物はみそ汁ではなく、中央のコンロに乗っている寄せ豆腐鍋なのです。
そして何と言ってもこちらの宿の名物は卵掛けご飯。大変美味しくいただきました。


館内
ラウンジ
本館の1階の奥にはラウンジがあります。温泉は日帰り入浴も可能ですが、ラウンジは宿泊者専用になっていました。

こちらにはコーヒーマシンがあり、氷の用意もあったので、アイスコーヒーも作ることができました。

湧き水のサービス
ロビー内には近くで湧いている湧き水が飲めるコーナーも。

湧き水は屋外にもあります。

竹内智香さんのギャラリー
竹内智香さんは、ソチ五輪のスノーボード女子大回転にて、日本はもちろんアジアでも”初”となる銀メダルを獲得した選手です。
こちらの宿は竹内さんのご実家なのです。ちょっとびっくり。本館5階には竹内さんゆかりの品や競技中の写真やビデオなどが展示されています。

アクセス
湧駒荘は北海道の最高峰である旭岳の麓に位置します。公共交通機関で行く場合は、旭川駅から旭川空港を経由して旭岳温泉に行く路線バスが便利ですが本数は多くありません。車を運転できる方は、レンタカーで向かうと便利ですし、こちらの宿の前後の観光や宿泊にもレンタカーの方が便利でしょう。
私達は羽田から旭川空港に飛行機で入り、空港でレンタカーを借りて全体としては3泊4日で大雪山系の紅葉を楽しみました。

空港から宿までは1時間弱。ダム湖畔の駐車場からは、ドーンと旭岳を見ることもできました。

宿から旭岳ロープウェー乗り場までは歩くと20分くらい。歩くつもりでいたら、平日で空いていたせいか、宿の方が乗り場まで車で送って下さいました。
まとめ
泉質が異なる自家源泉が5本もあり、しかも加水も循環も消毒もなしで楽しめるなんて、なんかもう奇跡と言えそうな温泉宿です。温泉好きにはたまらない宿だと思いました。お料理も贅沢ではないけれど、メロンのスープやほくほくのコロッケなど、北海道らしい食材に工夫が凝らされていて楽しめました。
宿のスタッフは皆さん親切でプロフェッショナルな感じがして、快適に過ごすことができました。建物は古いけれど、お部屋の水回りのリノベをしたりして、大切にされている感じを受けました。
旭岳は日本で最初に紅葉が始まる地域です。緯度が高いので森林限界も低く、ロープウェイで上がるとそこは絶景。また足を運びたい場所です。
関連リンク
旭岳には一人旅で来て、登頂もしました。その時の旅行記はこちらです。