2023年8月、夫婦で湯河原にある、オーベルジュ湯楽さんにお泊りしてきました。湯河原温泉は湯量豊富な温泉地で、自宅からも近いので、お気に入りの温泉地の一つです。特にお料理が素晴らしいと評判のオーベルジュ湯楽さんには、以前から泊まってみたいと思っていましたが、なかなか私が泊まりたい日に空室がなく、行く機会がありませんでした。今回やっと宿泊できました。評判に違わぬ素晴らしいお料理と、源泉かけ流しの新鮮なお湯を楽しむことができました。
宿の概要
- 客室数は18室(楽天トラベル情報)
- 温泉は源泉かけ流しで、加水・加温・循環・消毒ALLなし。無料の貸し切り湯がある。深夜は入浴不可。朝は6時から10時まで入れる
- オーベルジュというだけあってお料理は秀逸
- お部屋でのWifiは快適
- 湯上りどころでコーヒーや麦茶のサービスあり
- チェックイン15時、チェックアウト11時
- 今回は2人で宿泊したが、一人旅プランもあり
宿の公式サイト
12畳和室のお部屋に宿泊
今回私たちが宿泊したのは205号室です。ロビーで宿帳を記入した後、スタッフの方がお部屋まで案内してくれます。
お部屋は12畳の和室です。障子の奥には横に長い広縁があります。チェックインした15時隙からは西日が入って暑いので、障子を閉めてあります。
広縁側から見るとこんな感じで、テレビや空気清浄機もあります。
2023年8月は猛暑の夏で、宿泊した日も猛暑日でした。こうなると空調が各部屋ごとにコントロールできるのかどうかは大変気になる所です。幸いお部屋ごとにエアコンの設置があり、好きな温度に調整できるお部屋でした。ホッとしました。
お部屋の中は個別エアコンで良かったのですが、廊下部分にはエアコンがなく、2023年夏の猛暑では、さすがに扇風機だけでは気温が高く、お風呂から出た後、部屋に戻るまでに汗が出ました。
お部屋でWifiも快適に使えましたが、お部屋のコンセントは2人で泊まると数がちょっと足りないかも。旦那さんは広縁のコンセントでスマホの充電をしていました。下の写真ではコンセントが3口ありますが、感覚が狭いので、最近の充電器だと他のコンセント口に干渉してしまうんです。空気清浄機のコンセントを抜いて使いました。
こちらのお部屋には洗面台とユニットバスがついています。トイレは洗浄機能付きですが、暖房便座ではないので、気になる方向けに便座カバーが用意されていました。夏の暑い時期だったので、便座カバーは使用しませんでした。
洗面台には歯ブラシやヘアブラシ、コットンセットなどとともに、化粧水や乳液などの用意がありました。ありがたいのですが、ぼちぼち使い捨てのプラ製品は撤去して有料化しても良いのではないかと思いました。
クローゼットの中には浴衣もタオルも、1人につき2枚用意されていました。湯上りに汗をかいて浴衣が湿るので、替えの浴衣があるのは嬉しいサービスと思います。
お部屋の鍵も2本用意してくださり、2人で泊まる時には大変ありがたいです。
広縁にはテーブルとイス以外に、姿見と冷蔵庫が用意されています。冷蔵庫にはボトル入りのお水が冷やされていました。ペットボトルの水とビールは有料です。
お茶請けの菓子はきなこを使ったお菓子でした。
源泉かけ流しの温泉
こちらの宿には大浴場が1つ、古代檜風呂が1つあり、この2つを時間帯で男女別にして利用します。その他に予約制の貸切風呂が2か所ありました。貸切風呂はチェックインの時に予約するシステムです。
大浴場
チェックインした時には大浴場が女湯でした。大浴場は2階から渡り廊下を渡り、レストラン横の階段を下りた先にあります。
暖簾が女湯であることを確認して入ります。夜11時半までが女湯です。
暖簾をくぐった所でスリッパを脱ぎます。スリッパクリップがありました。
脱衣所は明るく清潔な印象。
洗面シンクもまだ新しい感じがします。基礎化粧品やコットン、ドライヤー完備でした。
貴重品を入れるロッカーは脱衣籠の棚に設置されています。体を洗うタオルが用意されていたのが嬉しかったです。
浴室内には大きな浴槽が一つ。外からの光がよく入って明るく気持ちの良い大浴場です。奥の壁の上の方から源泉がかけ流されていて、うたせ湯のような感じなのですが、60℃以上の高温の源泉が落ちているので、触らないようにという注意書きがありました。
お湯の温度はやや熱め。41℃くらいな感じでした。アルカリ性のお湯がとても気持ち良かったです。
貸し切り湯
貸し切り湯は2か所あり、「露天風呂」と「石風呂」です。無料で入れるのはどちらか一方なので、私たちは「露天風呂」を翌日の朝の時間帯で予約しました。
露天風呂は古代檜風呂のすぐ下に出入り口があり、外履きに履き替えて向かいます。
フロントで鍵を借りるわけではないので、予約外の人が入浴してしまわないよう、出入り口に入浴中の看板置いておきます。
外を少し歩きます。お花が咲いていました。大雨だとちょっと億劫かもしれません。
湯小屋の扉に中から内鍵をかけて使用します。
とても広い浴槽のお風呂でした。脱衣所が2か所あったりして、以前は真ん中に仕切りをいれて2つの浴室にしていたのではないかと思いました。
両サイドに水風呂の小さい浴槽もあります。こちらの水風呂はそんなに冷たくなく、露天風呂のお湯で温まった体を少し冷まして、もう一度温泉で温まるのが気持ち良かったです。
こちらも源泉かけ流しで嬉しい限り。
周囲の緑を眺めつつお湯を楽しめます。この露天風呂は西向きに位置しているので、夕方入ると西日をもろに受けるレイアウトと思います。朝風呂だと日光は背中側からなので、眩しくなくて快適でした。
もう一つの貸切風呂は今回利用しませんでした。またチェックアウトする日の午前中に女湯になる、古代檜風呂も利用しませんでした。
お部屋のインフォメーションブックの中に写真がありました。古代檜風呂は次回利用してみたいですが、貸し切り湯は次回も露天風呂を選んでしまうかも。あの広々した湯船はとても魅力的です。
シェフ渾身のお料理が素晴らしい
宿の名前がオーベルジュと言うだけあって、お料理は本当に美味しくて楽しめました。夕食・朝食ともにレストラン「ピノクラーレ」でいただきます。宿泊しなくてもお食事のみも楽しめるそうです。宿泊客は浴衣にスリッパで利用可能です。
夕食
湯楽特選コース、イタリアンコース、シェフ特選コースの3つのコースがあり、宿泊予約する時にどのお食事コースかを確認して予約します。私はイタリアンコース選びました。夕食のスタート時間は18時または18時半で、チェックインの時に選びます。時間になってレストランに行くと、係の方がテーブルに案内してくださり、サービスのドリンクの注文から始まりました。お酒が飲める方にはシャンパン、飲めない私たちはノンアルコールのワインをいただきました。
メニューはこちらです。材料だけが記載されていて、どんな料理が出てくるのかは運ばれてきてからのお楽しみです。
まずは前菜。青野菜・メロン・甘えびを使ったガスパチョです。見た目が涼し気です。
私達が選んだイタリアンコースは自家製パンがチーズと共に運ばれてきます。パンはお代わりできます。
続いての前菜は、鶏肉を使ったお料理です。
続いて相模湾でとれたお魚3種類のカルパッチョに、エルディブフラワーを添えた一品。お皿の上の物はすべていただくことができます。
この辺で最初にいただいたサービスドリンクを飲み終えてしまったので、ノンアルコールカクテルやノンアルのスパークリングを注文しました。ノンアルコールドリンクのメニューが豊富で大変嬉しいです。
続いて牛肉とピーナッツ南瓜のお料理。
続いてお魚料理です。
お肉料理の前にはお口直しのシャーベット。この日はスイカのシャーベットでした。
お肉料理はA4ランクの和牛のリブロースのソテーです。
最後にデザートとコーヒーでディナーは終了です。お酒を飲まない私たちは、食事のペースも早いのですが、それでもたっぷり2時間かかりました。
朝食
朝食も夕食と同じレストラン、同じテーブルでいただきます。夕食がイタリアンコースの場合、朝食は和食か洋食を選ぶことができます。どちらを選択するかは、前日の夕食の時間帯に確定させます。私達は旦那さんが和食、私が洋食をチョイスしました。
洋食でも和食でも、まずはサラダ、熱いほうじ茶、キウイとマンダリンのジュースが運ばれてきました。体を目覚めさせてくれます。
サラダには自家製の玉ねぎドレッシングをかけていただきました。
洋食は自家製のパンとパセリとクリームチーズの塩ケーキが。
おかず類は和食も洋食も箱に入って運ばれてきます。箱の蓋の部分には、洋食はパンにつけるジャムやバターとともに、スープが乗っていました。スープには細かく刻んだマッシュルームが入っていました。スープもお代わりできます。
こちらは洋食のおかず。生ハムやサーモンのマリネなど4種類。しらすにはオリーブが添えられています。
和食は蓋にご飯とお味噌汁、干物がのり、箱の中には卵焼きや青菜のお浸しなどが入っています。和食はご飯とお味噌汁はお代わりできます。
温泉卵はよく旅館で出てくる玉子にだし汁ではなく、特製ミートソースがかかった一品です。洋食・朝食ともに同じ温泉卵です。
最後にデザートとコーヒーまたは紅茶が出て朝食は終了です。
湯楽文庫でくつろげる
館内に湯楽文庫という一角があります。
文庫と言う名前の通り、図書が用意されています。
本はお部屋に持って行くことはできません。
こちらに無料で利用できるコーヒーマシンや麦茶、冷水器の用意があるので、文庫内でコーヒー飲みながら読書するのも良いです。
大型のエアコンで文庫内がいい感じに冷えていたので、湯上り後はこちらでしばらく休むのが快適でした。
文庫内にはオーディオ設備もありました。気に行ったCDを楽しみながらくつろぐ人の姿もありました。
アクセス
静岡方面から車で向かう場合
今回は夫婦旅だったので車で行きました。宿に向かう前に熱海の天ぷら屋さんでランチを食べたので、熱海から湯河原に向かいました。
湯河原温泉のバス通りを下から上がって行くと、右斜めに入る細い急な上り坂があるので、そこを登って行きます。案内の看板があります。道路沿いに立つ「光陽館」というコンクリートの建物の裏側の道を上がっていきます。
この道が狭いのです。
バス通りからの距離は短いですが、対向車が来るとどらちかが下がらないとなりません。幸い行きも帰りも対向車には出くわさずに済みました。
坂の途中に宿の看板があり、宿の敷地内が駐車場です。
敷地内と言ってもそれほど広いスペースではありません。この日は10台の車を敷地内に駐車させることになっていて、スタッフさんが翌日のチェックアウトの時間を確認しながら、駐車場所を指示していました。私達は翌朝はチェックアウトタイムの11時くらいまでのんびりしてようと思っていたのと、この日の予約者の中では3番目くらいの到着だったので、一番奥の建物の下に位置するガレージっぽい所に駐車できました。
夜、レストランに行く途中に階下を見ると、縦列駐車で敷地内は埋まっていました。
箱根越えルートも楽しい
帰りは箱根越えルートを走りました。湯河原と箱根の間は「湯河原パークウェイ」という有料道路があるのですが、2021年7月以降、道路の一部崩落のため通行止めです。なので県道75号線、「椿ライン」という名称のルートを使いました。地図の通り、大変クネクネした道路ですが、センターラインがある道路です。道路わきの草が伸びている個所がありますが、車の交通量も土曜日の割に少なくて、箱根までは渋滞知らずでした。最後国道1号線の合流で混んだのみでした。
湯河原パークウェイについてはこちらをご参照ください。
公共交通機関の場合
公共交通機関の場合はJR湯河原駅から路線バスで向かいます。最寄りのバス停は「公園入口」です。
バス停から宿までGoogle mapだと徒歩5分と出ています。最後の坂は斜度もあるので、荷物があるともう少し時間がかかるかもしれません。
まとめ
建物はやや年季が入っている感じですが、お掃除がきちんとされていて、快適にすごせました。人手不足が叫ばれていますが、スタッフの人数も十分と思いましたし、応対もとても自然な感じがしました。こちらの宿はなんと言ってもお料理が素晴らしく、是非また泊まりに行きたいと思います。今回は楽天から予約しましたが、チェックアウトする時に割引券とメンバーズカードをいただきました。割引券やメンバーズカードでの割引は公式サイトからの予約、もしくは電話予約の際に有効とのこと。次回は公式サイトの予約で泊まってみたいと思います。
湯河原温泉はお気に入り
静岡県東部に住んでいる私にとって、湯河原温泉はアクセスが良く、温泉の湯量もあって好きな温泉地の一つです。新幹線の駅がないせいか、熱海や箱根に比べると静かな温泉街なのも気に入っています。客室数が少なく、歴史ある宿が多いのも雰囲気が良い要因なのかもしれません。
自家源泉の上野屋さん
上野屋さんは、有形文化財の建物と自家源泉を楽しめる宿。老舗旅館らしい雰囲気が好きです。温泉はやや熱め。私が泊まった当時は、土日でも1人旅プランがありました。
エクシブ
日本各地にリゾートホテルを展開しているエクシブも湯河原にあります。一度泊まったことがありますが、めちゃくちゃ大きな宿泊施設で、ちょっと私の好みではなかったです。
湯河原温泉で泊まってみたい宿
湯河原温泉のお湯を楽しむのなら、客室数が少ない宿でお湯を静かに楽しみたい。ということで、こちらの宿にも泊まってみたいです。
藤田屋さん
明治15年創業の老舗旅館です。客室数は16室と少なく、自家源泉のお湯を楽しめる宿。2023年8月時点で1人旅プランがないのが少々残念。
富士屋旅館
赤い欄干の橋を渡った先の広い敷地に楼閣風建築の「旧館」や新館などがある温泉宿。客室数は14室で、2023年8月時点で検索すると1人旅プランもありました。