乗り物好きな私にとって未体験の旅がクルーズ船の旅でした。定年退職した方が、退職の記念と伴侶への感謝の気持ちを込めて、ご夫婦でクルーズ船の旅を楽しむ、というのが私の頭の中のイメージでして、私も晴れて定年を迎えたので、夫ではなく妹を誘って、初めてクルーズ船の旅に出かけました。こちらではクルーズ初日の様子をまとめました。
コースの概要
選んだツアーは、北海道の小樽港を出港し、宗谷岬を回って知床半島の羅臼までを3泊4日で往復するツアーです。にっぽん丸のツアーとしては、もう何度も開催されている定番のツアーです。出発日を変えてA~Eまで5コースが用意されています。私が参加したのは8/31出発のBコースです。
小樽を出発した後、2日目の朝に利尻島に到着し、その後宗谷岬沖を通って知床に行き、知床からは同じルートで小樽に戻る船旅です。2日目の本来の寄港地は利尻島の沓形港でしたが、天候悪化により入港がかなわず、稚内港が代替地となりました。
乗船受付
今回のクルーズの出発は19時で、乗船受付は17~18時の間に行われます。私が参加したのは8月31日出発のBコースですが、Aコースのにっぽん丸が小樽港に戻ってくるのは同日の11時半です。Aコースのお客さんを下ろした後に、船内の清掃などをしてBコースのお客さんを迎える準備をするわけですね。なので集合場所に早くついても乗船はできません。
受付は小樽港第3ターミナルのクルーズターミナルで行われました。小樽にはお昼ごろついていたのですが、この日の小樽は35℃の猛暑。暑くて出歩く気になれず、コメダ珈琲でしばらく涼んでいて、16時過ぎくらいにクルーズターミナルに到着しました。
クルーズ船のターミナルなので、エアコンが効いてることを期待して少し早めに着いたのですが、残念ながらエアコンはなく、建物の中は暑かったです。もともとあった倉庫を改装したようです。椅子もパイプ椅子が並べられているだけで、しょぼい・・・。これから豪華客船の旅が始まる、という高揚感がそがれた感じです。
内部はがらーんと広かったですが、手前3分の1ほどのスペースがにっぽん丸の待合所になっている感じでした。椅子の数は160個ほど並んでいて、受付が始まる時にはほぼ席は埋まっていました。トイレは後付けで設置した感じですが、新しいものでした。
受付が始まるまでの時間を利用して、にっぽん丸と記念撮影。
用意されたパイプ椅子がほぼ埋まった16時45分頃から、乗船受付が始まりました。乗船はグレードの高いお客さんから順に呼ばれ、受付台で乗船証を受け取り、乗船します。
ちなみににっぽん丸にはスイートが13室ありました。150人くらいが座っている中から、「スイートのお客様どうぞ」のアナウンスで何組か立ち上がって受付台に行くシーンは、船旅は階層社会なんだ、という感じです。ちなみに下船もグレードの高いお部屋と車いす利用のお客さんから順に下船します。
私達も呼ばれて受付台に向かい、乗船券と引き換えに乗船証を受け取ります。ちなみにお部屋番号は乗船券に記載されていて、乗船する前から自分の部屋番号がわかる仕組みでした。事前に送付する荷物にも、乗船券に記載の部屋番号を書いて送ります。乗船証はお部屋の鍵になっています。
私は食物アレルギーがあり、ツアー申込時に書類を提出していました。そういう人にはアレルギーのカードも乗船証と一緒に渡されます。食事のところでご紹介します。
春頃までは、乗船前に抗原検査だったかPCR検査があったようですが、2023年8月のクルーズでは検査はなく、マスク着用も乗船客の判断にゆだねられていました。
デラックスベランダのお部屋
乗船証を受け取ったら船内へ。入り口でお出迎えされたのち、案内に従ってエレベータに乗ると、エレベータを下りた所にもスタッフがいて、迷わずに自分たちのお部屋までたどり着けました。
今回のお部屋はデラックス・ベランダというお部屋です。5階がデラックスルームのフロアです。お部屋の鍵がないとフロアの出入り口のドアが開かない仕組みです。私達は509号室で、奇数部屋が右舷、偶数部屋が左舷に配置されていました。
こちらが客室内です。ベッドが2台とソファーセットがあります。ベランダ含めて24㎡ほどの広さです。一般的なホテルのツインルームと同じくらいな印象です。
なぜか入り口からの写真がなく、下の写真はソファーセット側から入り口方向を撮ったものです。事前に送付した荷物もきちんと部屋の中に届いていました。
ベッド上の花毛布は初日のみでした。
スーツケースのような大きな荷物は、ベッドの下に格納できる点も機能的です。
ベッド横のソファーセットのテーブルの上には、ウエルカムドリンクのスパークリングワインとクッキーやドライフルーツが用意されていました。私達はお酒を飲まないので、フロントに電話してノンアルコールタイプのボトルに変更してもらいました。
ベッドの反対側には引き出しやデスクがあり、引き出し上のカウンターは飲み物を準備したり、カメラやスマホの充電をしたりと、なかなか便利に使えるカウンターでした。
コーヒーメーカーはUCCの物でカプセルは4種類ありました。使用したカプセルはお部屋の清掃の際に追加してもらえます。コーヒーメーカーの下には、小型の冷蔵庫があり、冷蔵庫内にはサービスのお水に加えて、リンゴジュース、野菜ジュース、ビールが用意されていて、無料でいただくことができました。DVDデッキもついていました。
コーヒーメーカー上のキャビネットにはグラスやコーヒーカップなどの食器が入っていますが、一番上の段には双眼鏡の用意がありました。テレビの下のビニールっぽいのは、ポンチョです。
せっかくベランダつきのお部屋にしたので、ベランダに出てみました。奥行きはあまりないですが、小ぶりのテーブルに椅子が2脚あります。ベランダがあると、パジャマ姿でも外の空気を吸えるのが良かったですし、開放感抜群です。
にっぽん丸の客室には全室ウォシュレットのトイレ・シャワー付きですが、デラックスとスイートはバスタブ付きです。
シャワーは水圧も高く、お湯がすぐに出てきて感動しました。にっぽん丸には大浴場がありますが、私は3泊ともお部屋のバスを利用しました。妹は一度大浴場を利用して、手足を伸ばせてお湯につかれるので、とても気持ち良かったと言っていました。次回乗船する時には私も大浴場を利用してみようと思います。
なおお部屋の蛇口から出る水は飲用には適さないとのことなので、お水を飲みたい時には、冷蔵庫に用意されているペットボトル入りのお水か、船内所々に設置されているウォーターサーバーのお水を飲みましょう。
バスアメニティもそろっています。
入浴剤もバスルーム内の棚に用意されていました。
タオル類はバスタオル、フェイスタオルはバスタブの上の棚に用意されています。
洗面台横にはハンドタオル、歯ブラシやヘアブラシなどが用意されていて、竹製でした。
お部屋に基礎化粧品の用意はないですが、フロントにお願いするといただけます。保湿が乳液ではなく、クリームタイプでした。
クローゼットの中に、スリッパとバスローブの用意がありましたが、パジャマや部屋着の用意はないので、必要な方は持参しましょう。
wifiは有料
港に入港している時や、陸に近い場所を航行している時には、4Gや5Gの電波が入りますが、沖に出ると全く通信サービスはありません。wifiを利用したい場合は、デラックス以下の船室の場合は有料です。
コンセントの数
コンセントは枕元にはないのですが、デスクやカウンターの上にありました。今回2人で利用したので、特に足りないようなことはありませんでした。
客室の空調
空調を自分で調整できるのは、快適な旅には欠かせないと私は思っています。今回の客室は、個別エアコンではないですが、お部屋内に温度調整のつまみがあり、左に回すとグッと気温が下がるのがわかりました。室内気温が下がると、半袖では寒いくらいまで下げることができ、快適な客室内となりました。
乗船証はマグネットフックでつるす
客室のドアや壁はマグネットが効くので、マグネットフックを持参して、部屋の鍵にもなる乗船証をこんな感じにつるしておきました。ドアの表側にキャラクターがついたマグネットをつけたり、ポストカードはったりしておくと、お部屋の目印になると思います。
清掃は1日2回
お部屋の清掃は1日に2回行われることに感動しました。初日は食事前にシャワーを浴びて、バスタオルなどを使用したのですが、ディナーから戻ると、新しいタオルに交換されていました。交換不要と思って、タオルハンガーにかけておいたのですが、新しいタオルに交換されていて、寝る前にお風呂に入った時も新しいタオルにバスマットで快適でした。
1日目の夕食
にっぽん丸にはレストランが2か所あり、夕食は客室のグレードによって利用できるレストランが異なります。デラックス以上は6階の「春日」というレストランでいただきます。朝食は客室のクラスに関係なく、どちらのレストランで食べることができます。
夕食の時間は毎日発行される船内新聞に表示されています。この日の「春日」での食事は18時から食べることができ、19時15分までに入って下さいとのこと。
お部屋のバスでシャワーを浴びて、ざっと汗を流したのち、18時から食べられるということで、レストラン「春日」に向かいました。「春日」の手前にはお寿司のカウンターがありますが、お寿司は有料です。
レストラン入り口のスタッフに部屋番号を伝えると、席に案内されます。映画などでは、6-8人くらいのお客さんで同じテーブルを囲み、楽しく談笑しながら食事を楽しむシーンを見かけていたので、見ず知らずのお客さんと、おしゃべりしながら食べるのはちょっと苦手と心配していたのですが、幸い2人だけのテーブルでした。と言っても隣のテーブルとはほとんどくっついている状態で、おしゃべしようと思えば、盛り上がれる近さでしたが、幸いお隣さんも2人旅で、周囲に干渉されたい感じもありませんでした。
初日のメニューは洋食で、通常コースとカロリー控えめのヘルシーコースから選択します。私達は通常コースを選択しました。前菜から始まり、魚料理、お口直しのシャーベット、肉料理にデザートとフルコースです。
こちらのメニューの裏側は、こんなデザインで、大阪商船株式会社の文字が記されていました。
テーブルの上には、ナイフとフォークがズラリ。こんなセッティングの食事をしたのはいったいいつ以来でしょう?
初日はノンアルコールスパークリングワインを注文(有料)して、乾杯して夕食をいただきました。
まずは前菜が2品。ウェイターさんはほとんどが外国人ですが、お料理の名前などは日本語で○○○○です、などと説明しながらサーブしてくれます。日本語難しいと思うのですが、皆さん素晴らしい。
つづいてお魚料理。メニューにはドーバーソールと表示されていました。なんのお魚だろうと、普段ならスマホで調べますが、すでに出港して陸から離れていたこともあり、スマホも圏外。帰宅後調べたら、ドーバー海峡で獲れるヒラメのようです。
お口直しのシャーベットはブドウのシャーベット。
メインは牛フィレ肉の赤ワインソース。お客さんの年代が高いせいか、量が少なめで助かります。
お肉料理の時に、コース外ですがにっぽん丸特製のローストビーフをいただくことも可能です。こちらも無料です。メインがやや軽めとは言え、フルコースディナーなのでかなりお腹はいっぱい。にっぽん丸側もそこは承知していて、ハーフや4分の1サイズの用意がありました。私は4分の1サイズをお願いしました。
最後にデザートが出て夕食は終了です。コーヒー・紅茶・ハーブティーなどと一緒にいただきます。
夕食の後、2階のレストランで夜食の提供もあるのですが、夕食食べたらすっかり満腹になりました。
初日のディナー次回への反省
勝手がわからない私たちは、18時に夕飯食べに「春日」に向かったのですが、18時35分からは避難訓練があり、そのあとボンボヤージュサービスという出航イベントがあるのです。18時から食事していると、どちらも食事中で参加できません。レストランには19時15分までに入って下さいとありました。ボンボヤージュサービスに参加してからレストランに行っても良いのかわからず、18時にレストランに行ってしまったのですが、ボンボヤージュサービスに参加してからでも十分間に合いました。19時15分直前にレストランにやってくるお客さんもいたので、次回は出航イベントにも参加したいと思います。X(旧Twitter)に、同じ日ににっぽん丸に乗り合わせていた方が、出航時セレモニーの様子をupして下さっていました。
太鼓!#にっぽん丸#小樽 pic.twitter.com/O2Kx9FjKgO
— おせあにっくびいなす🛳 (@CNM1vWfDv4Lokg1) August 31, 2023
アレルギーへの対応
ツアー申込時に、食物アレルギー有無の登録をします。アレルギー有の場合、何に対してのアレルギーがあるかを申告しておくと、乗船受付の時に食物アレルギーのカードを渡されます。レストランに入る時に、スタッフの方に見せたり、テーブルに出しておくことで、お給仕してくれる方がその日のメニューの中からアレルギー対象の食材がある場合に、他の食材に変更するなどの対応をしてくれました。外国人スタッフもこの点はよく理解されていて、一度のミスもなく美味しくいただくことができました。
2階レストラン「瑞穂」のメニュー
2階のレストラン「瑞穂」のメニューです。こちらも洋食のフルコースですが、少し「春日」とは内容が異なります。
食後はドルフィンホールで翌日の説明と落語
船内のホールでは毎晩何かしらイベントが開かれます。初日の夜は翌日の利尻島上陸に備えて、30分のレクチャーと三遊亭圓丸師匠の落語を楽しみました。この夜のイベントは、時間帯を変えて2回開催されていました。2回開催されるのは、2階のレストラン「瑞穂」での夕食タイムが2回設定されているためと思いますが、初日は「瑞穂」の夕食も1回制でした。
初日を終えて
ワクワク・ドキドキのクルーズ初日が終わりました。初日は17時からの乗船受付から始まるので、それほど長い時間ではありません。私たちの初日は17時までがメチャ長かった感じがします。
船内には無料で使用できるランドリーがあり、乗船してすぐにランドリーで汗かいたものを洗濯しました。この設備は荷物を減らすのには大変ありがたい設備です。
2日は楽しみな利尻島観光ですが、船長のアナウンスで、停滞前線の影響で天気が悪く、利尻島入港は、明朝の判断で決める、という放送がありました。寝る前の時点で船が揺れている感じもしませんでしたが、これから荒れるのかもしれないと思い、酔い止め薬を飲みベッドに入りました。さて2日目はどんな一日になるのでしょう?