鉄道と自転車でプチ冒険に出よう

平日は会社員、休日は鉄道(乗り鉄)と自転車での旅行を楽しんでいます。旅先での温泉とご当地マンホールの捕獲も楽しみ。旅行記メインのブログです。

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湯河原の老舗旅館「上野屋」には土曜日の夜でも1人泊プランがある -建物と温泉編-

湯河原温泉は神奈川県にある温泉。東京からは在来線でも2時間かからずにアクセスできる温泉です。かといって最近賑わいを見せている熱海ほどごった返している感じはなく、奥へ行けばいくほど静かな温泉街が広がります。首都圏から近いこともあり、夏目漱石や島崎藤村などの文豪や芸術家にも愛された湯河原温泉には古くからの温泉旅館もあります。その中の一軒「上野屋」は、昭和5年に建築された木造4階建ての本館を含めてすべてが国の登録有形文化財という、なんとも私好みの温泉旅館です。建物も素敵ですが、温泉も接客も素晴らしく、なのにお値段は2万円しないと言う、一人旅にはものすごく素敵な宿だったのでご紹介します。まずは歴史ある建物と、自家源泉の素晴らしい温泉をご紹介します。

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歴史ある上野屋の建物

上野屋は創業300余年を数え、その昔、水戸光圀公も湯治に立ち寄られたという由緒正しいお宿です。館内には光圀公から贈られた紋章入りの重箱と矢立もあるのだとか。通りから見た上野屋には風格を感じさせます。 

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上野屋

古い絵地図が掲示されていました。

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昔の湯河原の絵地図

この時代から「上野屋」が記載されています。上野屋の隣に「伊豆屋」という宿があります。伊豆屋も現在営業中でした。上野屋の右側にある「天野屋」は、それはそれは素敵な日本建築の宿でしたが、今は解体され、跡地にはエクシブ湯河原が近代的な建物でドーンと建っています。

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上野屋の記載がある

現在宿泊できる建物は本館・別館・玄関棟の3つの建物からなり、すべてが国の登録有形文化財となっています。こういう歴史を感じる建物の宿は私の好みなのです。

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The 旅館という感じの玄関

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建物すべてが国の登録有形文化財

 玄関に等間隔で整頓されたスリッパ。こういうところにも老舗旅館らしさを感じます。

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等間隔に並べられたスリッパ

玄関に入ると、昔ながらの帳場があります。いいですねー、こういう雰囲気。

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昔ながらの帳場

玄関の右側には、洋風の談話室がありました。 

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談話室

私のお部屋は一番古い本館の4階。4階に向かう楠の階段はピカピカに磨き上げられていました。この急な傾斜が古い温泉旅館の雰囲気です。

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磨き上げられた急傾斜の階段

4階から下を見ると、こんな感じ。もう最高ですねー。廊下はけやき造りです。

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本館の階段と廊下

急傾斜の階段を上り4階に到着。こちらの扉の中が今夜のお部屋です。庇がついているのがユニークですね。

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庇のついた玄関

室内の様子は別記事でご紹介しますね。先に「上野屋」自慢の温泉を紹介します。

何度でも入れる無料の貸切湯もある自家源泉の素晴らしい温泉

上野屋には敷地内に自家源泉があります。男女別の大浴場と、2か所の貸切湯、そして足湯には新鮮な源泉がかけ流しで注がれているのです。源泉から近いだけあって、どのお風呂も注がれているお湯が新鮮です。泉質は

大浴場はいつ行っても必ず入れるので、無料の貸切湯がある場合は、まずは貸切湯から入るのが私の流儀。では貸切湯から紹介します。

貸切湯の入り方

本館4階の暖簾の先に2か所の貸切湯「洗心の湯」があります。使用可能なのは、夜10時半まで。翌朝は朝6時から9時までです。広い方が「藤木」、もう一方は「千歳」という名前です。どちらも湯河原温泉を流れる川の名前なのですが、藤木川ってどこにあるのかわかりませんでした。もしかしたら両方とも同じ川で、上流部分が藤木川で途中から千歳川になるのかも。

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暖簾の向こうに2か所の貸切湯

上野屋の貸切湯は、お客さんがたくさんいる時にはチェックイン時に予約が必要と案内に書かれていたのですが、この日は空いていれば何度でも入れます、とのこと。嬉しい!

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この日は何度でも入れるとのこと

貸切湯のシステムですが、よくあるのが、出入り口に「入浴中」と「空いています」という表示を掲げて、内側からカギをかけるシステムです。「上野屋」のシステムは、うちカギは一緒ですが、使用中の表示に一工夫あります。

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内側からカギをかける

脱衣所の電気をつけます。そうすると、暖簾の外にある表示灯に電気がともります。電気がついていたら使用中、消えている時は空いています、という合図です。

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廊下の表示灯 点灯しているのは使用中の合図

私の部屋はこのランプの真正面だったので、部屋から顔を出して「あ、消えている」と分かればすぐに入りに行くことができてとても便利でした。

貸切湯「藤木」

では大きい方の貸切湯「藤木」に入ります。まずは脱衣所。洗面段にはドライヤーがありました。化粧水や乳液、シャワーキャップなどのアメニティはありません。 f:id:noririn3103:20190725210311j:plain

 

 早速浴室へ。浴室は半露天という感じです。完全に屋根がついていますから、雨が降っても大丈夫。けれど外の空気は入ってくるという感じです。一応目隠しがついていますが、エクシブ湯河原など、山沿いの宿の部屋が見える場所もあるので、向こうからも見えちゃうんでしょうねぇ。

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貸切湯 藤木

洗い場もあって、カランとシャワーは2つあります。DHCのシャンプー、コンディショナー、ボディソープが用意されていました。

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洗い場

からだを洗って、いざ入浴。清潔な湯船に源泉かけ流しの新鮮なお湯がとても気持ち良いです。温度は41度くらいでしょうか。ゆっくり入れる湯温です。

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素晴らしいお湯です

湯口からは新鮮な源泉が注がれています。湯口の周辺にはびっしり温泉成分がついています。

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湯口には成分がびっしり

 温泉にきた~という感じがします。最高のお風呂でした。

貸切湯「千歳」

もう一つの貸切湯にも入ってみました。「藤木」とは入り口はお隣同士です。「千歳」の方が浴室も脱衣所も小さいです。脱衣所は割愛して、いざ入浴。

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「千歳」の湯船

お湯に手を入れて熱さを確認したら、これがすっごく暑くて、すぐには入れません。なので、湯もみ棒で撹拌しました。 

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熱くて湯もみしました

 何杯もかけ湯をして体を慣らしてから入りました。こちらも湯口には温泉成分がびっしりついています。

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入浴

湯もみしてもまだまだ温度は高く、長くはつかっていられなかったのがちょっと残念。貸切湯はどちらも脱衣所にエアコンがなく、扇風機のみです。温泉が熱いので、せっかく汗を流しても、湯上りにまた汗をかいてしまうのがちょっと残念ではあります。古い建物なので、廊下も空調がないので、涼むのは部屋に戻ってからになりますが、私は貸切湯の隣がお部屋だったので、さっと浴衣を着て部屋に戻って涼みました。

内風呂「六瓢の湯」(むびょうのゆ)

つづいて大浴場に行ってみました。大浴場は「六瓢の湯」という名前がついていて、男女別に分かれています。夜10時に暖簾が入れ替わり、一晩中入ることができます。場所は玄関のすぐ近くです。

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「六瓢の湯」

先に女湯になっているのは、桧のお風呂、最初に男湯なのは、御影石のお風呂で趣が異なりますので、是非両方楽しみたいものです。「六瓢の湯」の「瓢」の字は、ひょうたんの「ひょう」の字。ひょうたん”は古来、縁起ものとして親しまれていることから、内風呂を「六瓢の湯」(むびょうのゆ)と名付けましたそうです。また「むびょう」は「無病」とも音が同じ。温泉で無病息災を、ということですね。

ではまずは先に女湯になっている方からご紹介します。こちらは桧の湯船。新鮮な源泉が注がれています。

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六瓢の湯 桧の湯船

かけ湯をしてつかりましょう。肌触りも良くすっごい気持ち良いお湯です。トロリ感はないですが、肌がツルツルする感じ。

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六瓢の湯 気持ちいい

瓢箪からは新鮮な熱いお湯が注がれています。瓢箪には温泉成分がびっしり。

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瓢箪から源泉が注がれている

 源泉だけではかなり熱いのですが、タンクで冷ました源泉も注がれていて、加水しないで温度が調整されています。源泉100%なのがとても嬉しいです。お湯がとても新鮮で気持ち良いです。

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冷ました源泉も注がれる

ちょっとなめてみたら、やや塩気を感じました。

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お湯はかすかに塩分を感じました

温度計が壁に設置されていました。41度くらいでしょうか。体感も41度くらいと思いました。

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湯温計

洗い場も掃除が行き届いていて気持ち良く使えます。

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洗い場

つづいて先に男湯になっている方のお風呂も紹介します。こちらは御影石の湯船で、温度が異なる湯船が二つあるのが特徴です。右奥の小さい湯船は大きな湯船に比べると熱いです。わずか1度くらいの差なのですが、体感はずいぶん違うものです。

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湯船が二つある六瓢の湯

どのくらい熱いか触ってみたら、確かに熱い。でも入れそうです。

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小さい湯船は熱いお湯

びっくりするような熱い湯ではなかったので、入ってみました。湯船の切欠き部分からザバザバ~っとお湯が流れていきます。

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源泉かけ流しです

脱衣所はどちらも同じようなつくりです。

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脱衣所

洗面台にはドライヤーがありますが、乳液・化粧水などはありません。シャワーキャップと綿棒は置いてあります。

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脱衣所内の洗面台

鍵付きのロッカーと冷水が入ったタンクが設置されていて、湯上りに冷たい水をいただけます。

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冷水のポットと鍵付きロッカー

「六瓢の湯」にの脱衣所にはエアコンが設置されているので、熱い湯から上がったあとに汗をまたかいてしまう、ということはないのですが、実は早朝に入りに行った時には、エアコンがとまっていて、スイッチの場所もわからず、また汗をかいてしまいました。

これで上野屋のお風呂すべてに入浴しました。源泉は一つなので、お湯の感じはどこも一緒で、さっぱりした感触の新鮮なお湯という印象。多少温度に差があるかな。湯上りはお肌がすべすべして、実は化粧水や乳液をつけるのを忘れておりました。

仄幸の湯(そくさいのゆ)

最後にご紹介するのは上野屋にある足湯です。こちらは本館の5階にあった客室を改装して造っていて、位置としては貸切湯の真上と言う感じ。つまり私が泊まった部屋からはすぐ行ける場所でした。

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「仄幸の湯」は足湯

急な階段を上って行ってみます。

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急な階段を上って5階へ

 かつては最上階の客室だったと思われる場所に出ました。冬場でも足湯に入れるよう、半纏が用意されていますね。この日は7月で半袖でOKなので、そのまま右手の自動ドアを通りテラスに出ましょう。

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最上階の客室だった場所

こちらが足湯です。全部で3つの湯船があり、それぞれにベンチが設置されています。今日はどこの温泉行っても貸切で嬉しいです。

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足湯

なかなか熱いお湯ですが、温度調整用に源泉の冷まし湯も用意されています。親切です。

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足湯につかる

足湯からはこんな景色が見えるんです。

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足湯から見える景色

上野屋の源泉の櫓も見えました。あ、櫓の上に鳥がいますね。

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上野屋の源泉の櫓

ヒヨドリかな?

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櫓の上にいた鳥

番外編:ままねの湯

ところで上野屋周辺を歩いていたら、電柱に「霊泉ままねの湯」という気になる看板が出ていました。

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電柱に「霊泉ままねの湯」の看板、気になる

霊泉と言うタイトルが気になり、路地を入って行ってみました。すると、ありました、「ままねの湯」。こうしてみると、上野屋のすぐ隣です。そういえば最初の方で紹介した古地図にも出ていましたね。

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ままねの湯は上野屋の隣

この日は定休日でした。上野屋の仲居さんに聞いたのですが、10のつく日、つまり10日、20日、30日はお休みなのだそうです。

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10のつく日は定休日

階段に置かれた表示を見ると、開業当初からの源泉かけ流し。銭湯ではなく治療目的のお客さま限定と書かれていました。「ままねの湯」をご紹介したのは、実はこちらのお風呂は上野屋の源泉を使っていると前述の仲居さんが教えてくれました。半端なく熱い温泉だそうです。以前は通常の日帰り温泉施設として営業していたこともあったそうですが、熱いお湯を水でうめるお客さんが多く、一時休業。その後再開した時には、治療目的限定にしたんだと言っていました。Webを検索すると、入浴体験記が出てくるので、治療目的でないと本当に断られるのかどうかわかりませんが、ぬる湯好みの私には一生入れないかも(笑)

建物と温泉のまとめ

上野屋の建物と温泉、私好みでとても気に入りました。古い建物を維持していくのは大変と思いますが、ピカピカに磨き上げられた廊下や階段に、老舗旅館の誇りを感じます。温泉もちょっと熱めですが、肌に優しく温まる温泉です。自宅から新幹線使わずにアクセスできるので交通費もかからないし、金曜日の午後半休を取ってくるのも良いな~などと思いました。是非また来たいと思います。 

客室やお料理、アクセスはこちらの記事で紹介しています。

www.frostmoonweb.com

上野屋の公式サイトはこちらです。

www.uenoya-net.jp

それでは皆さまも良い旅を~