長野県の湯田中渋温泉郷はいくつかの温泉街が集まっています。2022年12月の大人の休日倶楽部パスの旅では、この辺りの温泉宿でじっくり温泉を楽しみたいと思って探していたところ、こちらの宿が見つかりました。安代館がある安代温泉は、湯田中温泉と渋温泉の間にあり、宿が5軒のみの小さな温泉街。渋温泉のような賑わいはないけれど、静かに温泉を楽しめそうな雰囲気に惹かれました。源泉かけ流しの温泉に心のこもった手料理と気さくな女将さんのおもてなしが心地よく、なんだか親戚のおばちゃんちに泊まりに来たような感覚でくつろげました。一人旅も受け入れてくれる安代館の宿泊記です。記事内の情報は宿泊した2022年12月時点のものです。
安代館の概要
- 公式サイトによると客室数8室。お部屋にトイレ付き
- 無料Wifiあり。大量のマンガがあり、自由に読める
- 男女別の内湯は夕食後に暖簾が入れ替わる。お湯はかなり熱め。源泉かけ流しで夜中も入浴できる。露天風呂はない
- 木曜日の夜に1人で泊まって2食付きで1人18,000円くらい(お食事プランによってもう少し高い場合あり)
- クレジットカード不可
公式サイト
建物と宿泊したお部屋
宿の建物は歴史を感じさせる3階建て。玄関横にはその日宿泊するお客さんの名前を書いた歓迎ボードが出ています。
玄関をガラガラっと開けると、気さくな感じの女将さんが出迎えてくれ、お部屋まで案内してもらいました。
今回宿泊したのは2階の「なんてんの間」です。
メインの客室は8畳+広縁に加えて、入り口との間には次の間もあるお部屋です。最初からお布団が用意され、12月に入っていたこともあり、炬燵がありました。嬉しい!
公式サイトによると、12月1日から3月31日までが炬燵期間とのこと。その分暖房費もかかりますが、こたつでほっこりには代えられません。
通りに面して広縁があり、テーブルと椅子が用意されています。お布団の右側の床の間部分は、石庭になっていて少し不思議な感じもします。
お部屋の水回りは新しくしたばかりな感じでした。基礎化粧品やヘアブラシなどのアメニティはないですが、シャワーキャップやコームなどはお風呂に用意があります。私は自分に必要なものは持参する方なので、アメニティはなくても問題なし。トイレも新しいウォシュレットタイプで快適です。
お部屋の冷蔵庫には有料ですがあらかじめ飲み物が入っています。料金表が手書きで、ほほえましい。
寒い時期で暖房はこたつ以外に、ファンヒーターが稼働中。
エアコンもあったので、夏はこちらが活躍するのかもしれません。
お部屋にWifiとコンセントはありました。ただコンセントはすでに暖房器具に使用されていたり、枕元灯につかってしまったりで、寝ながらスマホ充電のためには、どれか一つコンセント抜かないと、という感じでした。夜中は炬燵には入らないので、炬燵を抜いて、デジタルガジェット充電しました。
浴衣は色浴衣がお部屋に用意されていました。好きなのを一つ選びます。
まずは一息つきましょう。お部屋には緑茶とお饅頭が用意されています。温泉旅館の定番です。ポットは保温機能のみのタイプです。
安代温泉の熱いけどお肌ツルツルのお湯を楽しむ
一息ついたらまずは温泉です。温泉は滞在中ならいつでも入れます。
この日は私しかお客さんいないのですが、一応通常の営業通り、女湯・男湯に分かれていました。私が宿泊した時には、小さい方の「古代風呂」が女湯でした。
赤い橋を渡っていく古代風呂
温泉街には赤い欄干の橋を見かけますが、安代館の中にも赤い橋がありました。この橋を渡って古代風呂に向かいます。
脱衣所はまだ新しく、リニューアルしたばかりのようです。最初に行った時、脱衣所の電気が消えていて、どこにスイッチがあるのかわからなかったのですが、脱衣所の奥に壁にスイッチがありました。
いざ浴室へ。古代風呂にはタイル張りの浴槽と、もう一つ小ぶりですが檜の浴槽があります。檜の湯船は手をつけてみたらめちゃ熱くて全く入れず・・・
タイル張りのお風呂もかなり熱いのですが、何度も何度もかけ湯をし、何度も何度もかきまぜ棒で混ぜたら、なんとか入れました。
入った途端にお肌がツルツルしてくるのがわかるお湯です! これは嬉しい。
源泉かけ流しで新鮮なお湯が常に投入されているので、じっと入っているとだんだん上の方が熱くなってきます。その都度かき混ぜますが、そう長くは入っていられません。あっと言う間に体が真っ赤になりました。この日は私一人だったので、水を足したりもしましたが、古代の湯は湯船はそれほど広くなくて、他にお客さんいると、熱いお湯が苦手な方は入るのに苦労するかもしれません。
竜宮の湯
もう一つの内湯は広い浴槽が一つあるお風呂で、夜8時くらいから女湯に変わります。
古代の湯の浴槽よりかなり広い湯船です。が、やっぱり熱い。古代の湯の湯船は小さいので、少し水を足すと温度が調整できましたが、こちらの湯船は大きいので、ちょっと水を足しても熱いままです。何度かけ湯して、体を慣らしつつ入りました。
湯口からは不規則にごぼごぼっと源泉が投入されています。ホント、新鮮なお湯という感じでした。
シャワーキャップやコームなどはお部屋にはないですが、お風呂の脱衣所に用意があります。
竜宮の湯は湯船も広いですが、脱衣所も古代の湯より広いです。
泉質
脱衣所には温泉の成分表が掲示されていました。泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉でpHは8.1とのこと。ナトリウムが含まれている塩化物泉なので、なめるとちょっとショッパイ感じもしました。湯冷めしにくいお湯です。
外湯と言う手もある
安代温泉には2つの外湯があり、鍵を借りて行けば無料で入ることができます。私はあえて外湯には入らなくてもいいかな、と思って出かけませんでした。
もう一つの外湯もごくごく近くて、徒歩何十歩、というレベルの距離でした。
ご主人と息子さんの手料理がとても美味しい
お食事もとても良かったんです。女将さんに聞いたら、お食事はご主人と息子さんが作っていらっしゃるとのこと。地元の食材を使ったお料理で、体に優しく感じました。
夕食
夕食はお部屋食です。こたつに入っていただきました。なんか温泉に来た! という感じがします。お品書きはなく、女将さんが一つ一つ説明してくれましたが、メモしきれず・・・。
前菜は一つ一つ手作りでとても美味しかったです。
お鍋と蓋の器の中はこんなお料理。鍋は鴨だったような記憶があります。
川魚の塩焼きと茶碗蒸しはできたてが運ばれてきます。
この日はリンゴで育った信州牛のステーキがつくプランで予約していました。このプランだと+2000円くらいです。
お食事は炊き込みご飯で、最後にデザートが運ばれてきました。
朝食
朝食は通常1階の食事処でいただくのですが、この日は私しかお客さんがおらず、広い食堂を暖房するのはエネルギーがもったいないということで、朝食もお部屋でいただくことができました。鮭や湯豆腐、大好きな納豆もあります。
特に美味しかったのは、「やたら」という地元のお料理。やたらご飯が進むからということで名付けられたのだとか。味噌漬けの大根やナス、ミョウガなどが入っていて、確かにご飯が進みます。
お味噌汁の具の根曲がり筍は、クマザサをかき分けて採取されたものだとか。こうした地元の食材をその土地らしい食べ方で頂けて、とても美味しかったです。
食事を済ませて部屋の電話からフロントに連絡すると、コーヒーとリンゴが運ばれてきました。
どのお料理も派手ではないけれど、丁寧に作られた感じがしました。とても美味しかったです。
マンガ読み放題
こちらの宿には温泉、食事に加えてもう一つ楽しみがあります。それは大量のマンガです。
お部屋に持って行って読むことも可能です。この日は私しかお客さんいませんから、他の方に遠慮することなく読み放題です。鬼滅の刃を最後まで読みたかったので、部屋に持ち帰って、お風呂に入っていない時はマンガ読んでました。
アクセス
最寄り駅は長野電鉄の湯田中駅で、宿の送迎は2人からとのこと。雨や雪ではなかったので、私は駅から歩きました。
安代温泉のバス停があるので、たぶん路線バスもあると思います。
帰りは女将さんが9時20分ころなら駅まで送って下さるとのことでしたが、居心地が良くてチェックアウトギリギリの10時まで温泉入ったりしていたかったので、帰りも歩いて駅まで戻りました。
途中こんな観音様を見たり、お土産買ったりしました。
まとめ
お値段の割にとても満足度の高い宿でした。昔ながらの温泉宿という感じの建物は、古さはありますが、大事に使われていますし、ご家族で対応されているので、ご主人や女将さんの気配りが行き届き、心意気も感じられる宿でした。こういうお宿、大好きです。お湯良し、食良し、接客良しで大満足でした。温泉が熱いので、寒い冬に入りに行きたくなる宿です。
こちらの宿には2022年12月の大人の休日倶楽部パスを利用して行きました。旅の道のりはこちらです。