2023年11月、九州の鉄道旅に出かけました。九州へは何度か鉄道旅を楽しみに来ていますが、まだ未乗車区間が結構あるんです。今回は日南線に乗ってみようと思い、JR九州が誇るD&S列車の一つ、「36ぷらす3」と組み合わせた鉄道旅を計画しました。
「36ぷらす3」の乗車記と夜行フェリー乗船記はそれぞれ単独の記事にしましたので、こちらの記事では今回の旅の全体に行程を紹介しています。
- 「36ぷらす3」で在来線で博多から鹿児島中央駅へ
- 鹿児島市のマンホールカードと鰻
- 鹿児島中央駅から志布志へ
- 志の看板
- 志布志港からフェリーで帰宅の途につく
- 今回利用したホテル
- まとめ
- 九州鉄道旅の旅行記
「36ぷらす3」で在来線で博多から鹿児島中央駅へ
旅の初日は博多から始まりました。と言っても前日に飛行機で福岡空港に到着し、博多駅近くのホテルに1泊していますので、家を出てから数えると2日目ですが、鉄道旅のスタートを1日目としました。
博多から鹿児島に向かうには、いつもは九州新幹線を利用していますが、今回は在来線で鹿児島中央駅まで行きます。JR九州のD&S列車の一つ「36ぷらす3」に乗車するためです。
こちらに乗車記をまとめました。
鹿児島市のマンホールカードと鰻
鹿児島中央駅到着後は、駅前のホテルに宿泊しました。鹿児島中央駅周辺は飲食店も多いので、どこで食べるか迷います。そんな時タイミングよく、月山ももさんのブログで鹿児島の鰻が食べられるお店が紹介されていました。いつも素敵なお店や宿を教えて下さり、ありがとうございます。
お店の名前は「雅咲亭」(「がしょうてい」と読む)と言います。雅咲亭さんは鹿児島市の繁華街である天文館付近にあります。鹿児島中央駅からは歩いても30分かからない距離なので、雨が降っていなければ歩いて行こうと思いましたが、雨模様だったので、市電を利用しました(帰りは徒歩で戻ってきました)。鹿児島の市電はSuicaなどの交通系ICカードが使えません。知らずに乗車して慌てましたが、VISAのタッチ決済で乗車できました。
鰻の前にマンホールカード
食べログで雅咲亭さんのアクセスを見ると、市電の最寄り駅は甲東中学校前駅のようですが、私は天文館にある観光案内所でマンホールカードをもらうという目的があり、市電は2系統に乗車して、天文館通駅で下車しました。
鹿児島市のマンホールカードは数種類あるのですが、こちらの観光案内所ではこんなカードを配布しています。
雅咲亭さんで炭火で焼いた鰻を食す
マンホールカードをいただけたので、歩いて雅咲亭さんに向かいました。歩いて10分かからないくらい。お店につきました。
昼間の様子はこんな感じのようです。
当日でも食べログから予約ができ、カウンター席があるので一人でも入りやすかったです。お酒を飲まない私はソフトドリンクを1つお願いし、うな重を注文。鰻が焼きあがるまでの間に、本日のおすすめの中にあったキビナゴのお刺身をいただきました。
鹿児島県は鰻の養殖量が日本一なんです。実はお茶の生産量も多くて、お茶と言えば私が生息する静岡県と思っていたら、日本一を鹿児島県に奪われたことがありました。なんだか静岡県と似ているところがあるようで、親近感がわきます。
そして炭火で焼かれた鰻がのったうな重が運ばれてきました。鰻の下のご飯は、カウンターの目の前の土鍋で炊きあがったばかりで、鰻もご飯も熱々です。
大変美味しくいただきました。ごちそうさまでした。鹿児島に来た時にはまた寄りたいと思います。
鹿児島中央駅から志布志へ
志布志へは、日豊本線と日南線を乗り継いで向かいます。鹿児島中央駅から志布志駅までは212.2kmなので4400円かかりますが、200km超えているのでジパングの割引が使えて、3割引きの3080円ですみました。同時に購入した特急券とグリーン券も3割引きとなりました。
「特急きりしま」で南宮崎へ
9時59分発の特急きりしま8号に乗車するため、5番線へ。案内表示によると、4番線には指宿に向かう「指宿のたまて箱」がいそうです。
特急きりしまが入線している5番ホームに行くと、隣に指宿のたまて箱がいました。
グリーン車は1号車の半分です。宮崎に向かう場合は最後尾です。後ろは運転台なのでグリーン車のお客さんしか入ってきません。とても静かに過ごせました。足元にコンセントもあるし、座席は腰の部分と背中のまん中あたりがそれぞれリクライニングするゆったりしたシートでした。
他にもお客さんがいたので車内の写真はほとんどないのですが、座席は1×2列で、2列側が桜島側です。私は1列側にしたのですが、誰も座っていない2列席があったので、桜島も眺めることができました。
桜島を離れると、列車は市街地を走り、隼人駅を過ぎると進行方向左手遠くに霧島連山が見えてきました。
グリーン車の座席を取る時、あえて桜島とは反対側の1列座席を予約したのは、車窓から霧島連山が見えるかなー、と期待してのことでしたが、ちらりと見える程度でした。列車はやがて山あいに入って行きます。
途中対向してくる特急の待ち合わせがありましたが、すっごい山の中でびっくりしました。下り基調に変わると、やがて霧島神宮駅です。いつか初詣旅で来てみたいと思っている場所ですが、その時はレンタカーできちゃうかも。
その後、車窓はこれと言った絶景ポイントもなく、南宮崎に到着です。
宮崎駅まで特急にちりんで移動
南宮崎駅から志布志に向かう快速列車を待てば良いのですが、1両と聞いていて、せっかくなら外の景色を楽しめる座席を確保したいのが鉄道トラベラーの願いです。なので宮崎駅まで移動します。乗車券を鹿児島中央駅から宮崎駅までと、宮崎駅から志布志駅まで分割して購入すると、ジパング割引が適用できる距離にならないので、南宮崎と宮崎駅間は別途乗車券を購入しました。
南宮崎駅と宮崎駅の間は、特急に乗車したとしても、自由席に座っていれば特急料金は不要です。
宮崎駅から日南マリーン号に乗車
なんだかホーム上が混雑していて、進行方向左手のボックス席は確保できず、ロングシートに座ることになりました。この混雑は青島あたりまで続きました。
ロングシートに座ると、景色を見るには振り返らなくてはならず、ちょっと窮屈です。宮崎駅を出て間もなく大淀川を渡ります。この川を渡ると間もなく、先ほど特急きりしまから下りた南宮崎駅です。
南宮崎駅を出ると、日豊本線から分かれて日南線に入りました。南宮崎駅の一つ先の田吉駅を出ると、宮崎空港が見えました。ちょうど離陸していく飛行機がいました。
ヤシの木が並んでいて南国の雰囲気です。
青島駅でたくさんの人が下りてボックス席が空いたので、ボックス席に移動しました。
内海駅を過ぎて線路が海岸沿いに出ると、ちょっとかわった景色が広がりました。日南線の車窓のハイライトだと思います。
もう一つのハイライトは油津駅を過ぎてから海岸線に出たところでしょうか。岩が屏風のように並んでいて、紀伊半島の橋杭岩を思い出しました。
大堂津駅の前後で見える景色も素敵です。
こちらは大堂津駅を過ぎたあたりで見える海の景色。こちらも美しい。
南郷駅から先は線路が内陸に入ってしまい、海は見えなくなりました。次に海が見えてくるのは、福島今町駅あたりからでしょうか。志布志湾の中なので、終点の志布志駅まではあと少しです。
宮崎から2時間25分かけて快速マリーン号は終点の志布志駅に到着しました。宮崎を出る時には2時間25分は長いなーと思いましたが、途中美しい海岸の景色を見ることができたからか、そんなに長く感じませんでした。
ここから先、線路はありませんので、車止めも入れて記念撮影。
駅舎はこんな感じで、駅舎の中に観光案内所があります。駅前にはレンタサイクルと思われる自転車がとまっていました。コインロッカーもありました。
志の看板
志布志駅に到着したのが14時55分でした。この日はフェリーに乗ることになっていて、駅前からフェリーターミナルに行くバスは15時34分に駅前を出発します。その間に診ておきたいものがありました。こちらの看板です。
こちらの看板は志布志市役所前にあります。
駅から歩いて11分ということで、大きなリュックはコインロッカーに入れて歩いて往復しました。
こんな看板には興味がない、という鉄道好きな方には、鉄道公園も良いでしょう。SLが保存されているようです。私は市役所往復で時間を使ってしまい、鉄道公園には行けませんでした。
志布志港からフェリーで帰宅の途につく
博多駅から観光列車や在来線の特急、快速列車を乗り継いで志布志駅まで到着した後は、夜行フェリーに乗って帰ります。初めて夜行フェリーを利用したので、乗船記をまとめました。なかなか良い船旅でした。
今回利用したホテル
九州の中で2泊しています。いずれもビジネスホテルっぽいホテルで、駅から近いホテルを選びました。
博多駅近くのテンザホテル
外観がガラス張りのスタイリッシュなホテルです。博多駅の筑紫口から徒歩3分と、鉄道旅には大変便利な立地です。ホテルの隣には7-11が営業していました。
ベッドにデスク、1人で1泊するだけなので、十分な広さでした。部屋のカテゴリーとしては一番下のスタンダードクィーンというお部屋です。ベッドサイドにスイッチ類やコンセントがあり機能的。1泊朝食付きで16,000円くらいでした。
ナイトウェアは上下分離タイプで着やすかったです。
冷蔵庫、電気ケトルの用意があり、お部屋の飲み物にはドリップバックタイプのコーヒーの用意がありました。ホテルだと間違いなくコーヒーカップがあるのは助かります。温泉旅館だとお湯のみのみの宿も多いので、コーヒーカップ持参しています。
水回りはトイレとバスが同じ室内にあるタイプで、トイレはやや古いタイプという印象ですが、洗浄機能はついています。バスタブは私には十分な広さでした。
朝食は1800円で食べられます。ビュッフェスタイルです。
鹿児島中央駅前のソラリア西鉄ホテル鹿児島
「36ぷらす3」で鹿児島中央駅についた日は、駅前のソラリア西鉄ホテル鹿児島に宿泊しました。駅とは地下道で接続しているので、雨が降っていても傘を差さずにホテルまで行けます。
フロントは7Fにあり、エレベータを下りたら右手に桜島が見えました。駅からホテルを見た時には桜島が見えなかったので、ちょうどホテルの向こう側にある、という感じなのでしょう。
お部屋は桜島側か駅側かで、私のお部屋は駅側でした。
シンプルなシングルルームで、西日が射すのでカーテンが閉められていました。ありがたかったのは、お風呂が洗い場付きだったこと。使いやすいですね。
部屋着はワンピースタイプ。電気ケトルと冷蔵庫もあり、スマホの充電器も用意がありました。素泊まりで11,000円ほどでした。
まとめ
日南線は台風などで被災し、半年とか割と長い期間運休になることがあり、なかなか乗る機会がありませんでした。今回は「36ぷらす3」の予約が取れた時に全線運行していたので、やっと日南線に乗って、志布志市志布志町の志布志駅を訪れることができました。観光列車に乗り、日南線にも乗り、締めは夜行フェリーと、乗り物好きにはなかなか良いコースと自画自賛なのでした。
日南線は多くの駅でホームが雑草や周辺の木などに侵略されつつあり、利用客が少ないローカル線なのかなと思いましたが、途中駅では中学生がたくさん乗り降りしていたり、幼稚園児が遠足の帰りに乗っていたりして、思っていたより乗客が多かったです。ずっと海沿いを走るのかなと思っていたら、内陸を走る区間もけっこうありましたが、線路が海沿いに出ると、ちょっと変わった海岸線が美しかったです。ヤシの木が並んでいる場所もあり、南国の感じがしました。
今度九州の鉄道旅をするなら、宮崎と大分の間を乗っていないので、乗ってみたいです。
九州鉄道旅の旅行記
九州は温泉も良く、絶景路線もありちょくちょく鉄道旅を楽しみに来ています。以下に過去記事へのリンクをまとめておきます。
日本最南端の始発・終着駅「枕崎」を訪ねる旅
こちらでは帰りに「指宿のたまて箱」に乗車しています。指宿市のマンホールカードも貰いました。
JR九州の観光列車乗り継ぎ旅
今となっては肥薩線の観光列車は走れなくなってしまいました。路線としても良いので復活を期待したいのですが、ちょっと厳しいかも。この時も「指宿のたまて箱」に乗っています。
豊肥本線と阿蘇
豊肥本線から見える阿蘇のカルデラの景色は日本有数の絶景と思います。温泉もありとても好きな路線です。
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