鉄道と自転車でプチ冒険に出よう

主に鉄道で行く温泉を楽しみ、旅の記念にマンホールの捕獲を楽しんでいます。宿の宿泊記やマンホールカードを紹介しています。

MENU

中国地方の非電化路線を気動車でゴトゴト行くローカル線の旅

2023年5月の鉄道旅です。ちょうどANAが70周年記念のどこへ飛んでも7000円というキャンペーンをやっていて、羽田-米子のチケットを購入できたので、以前から乗ってみたかった、非電化路線の木次線・芸備線・姫新線を気動車でゴトゴト行く旅に出かけました。1日目は米子空港に到着後、湯の川温泉に宿を取り、2日目から鉄道旅がスタートしました。乗車券は湯の川温泉近くの荘原駅から静岡まで一筆書き乗車券をジパング割引で購入しての旅です。

おろちには乗れなかったけど木次線を完乗

木次線は島根県の宍道駅と広島県の備後落合駅を結ぶ80キロほどの路線です。距離は短いですが、普通列車に乗ると3時間くらいかかります。

全線非電化の単線で、宍道駅と途中の木次駅の間はそれでも一日10往復くらい走っていますが、備後落合駅まで行こうとすると、4往復くらいしか走っていません。

こちらが出発駅の宍道駅です。駅員さんがいる駅でした。

宍道駅

駅構内には豪華列車「瑞風」の絵が飾られるなど、瑞風の停車駅になっている感じです。

瑞風の大きな絵が飾られた改札

そういえば、前日松江駅で瑞風を見かけました。

松江駅で前日に見かけた瑞風

宍道駅がある山陰線はいろいろな特急列車が走っています。木次線の列車を待っている間にも、サンライズが東京から1時間遅れで到着したり、上りの特急やくもも停車したり。

サンライズと岡山に向かう特急「やくも」

サンライズが去った後には、爆走特急のスーパーおきもやってきました。

スーパーおき、爆走中

宍道駅のホームの屋根や柱はレトロな感じがします。木次線が発着する3番線側には、2023年度で運行を終了する「奥出雲おろち」の幟もありました。

宍道駅のホーム

特急が駆け抜ける山陰線のこの区間は電化区間なので架線がありますが、木次線が使用する3番線はALL非電化なので架線がなくすっきり見えます。奥の方、線路が左に分岐していますが、あの線路が木次線の方向です。なんか、草ぼーぼーだなぁ。

木次線は3番線

11時11分発の普通列車が入線してきました。宍道駅を出発する時には2両編成ですが、この先の駅で後ろ1両は切り離されます。備後落合駅まで行く場合は、前の車両に乗るのが良いでしょう。

今回乗車した列車

車内はロングシートとクロスシート混在型です。トイレもついている車両でした。3時間を超える乗車ですが、途中、15分くらい停車時間がある駅が2か所ほどあるので、駅のトイレを利用することも可能です。

シートはクロスシートとロングシート混在

出発時間になると、運転士さんがホーム上に乗り遅れている人がいないか、確認してからの出発でした。とその時が、改札を抜けて走り込んできた外国人のお客さんがいまして、木次線の列車に乗るというジェスチャーを示しました。跨線橋を渡らないとこちらのホームには来られないので、結局2分くらい遅れて発車しました。この列車を逃すとと、次は2時間以上列車がないので、良かったよかった。別の駅でも同様のことがありました。運転本数が少ないので、1~2分の遅れは問題ないのかも。

宍道駅を出発した時には1両目の車両にはお客さんは結構乗っていました。皆さん木次線にわざわざ乗りに来た感があります。

乗車した列車の車内

出発して35分くらいすると木次駅に到着しました。駅名標の木次が木♥になっているのがかわいい。

木次駅

私が乗った列車は木次駅で5分停車時間があり、運転士さんが交代しました。木次駅には車両基地もあるようです。職員の方が車両を手洗いされているのも見えました。車両も洗ってもらえると窓がきれいになって景色を眺めやすくてありがたいです。

木次駅の留置線

運転士さんが交代して出発です。緑のトンネルを抜けたり、田植えが終わったばかりの田んぼを見ながら、エンジンをうならせながら標高を上げていきます。

緑のトンネルやら田んぼやら

時々川に沿いながら走ります。この辺りの川は日本海に向かって流れています。分水嶺はまだ先のようです。

川に沿う場所もある

砂の器に登場する亀嵩駅に到着しました。ここで降りるお客さんが数人いました。列車の本数があれば私も途中下車してみたかったのですが、列車の本数が少ないので断念です。駅舎内にはお蕎麦屋さんがあるようで、幟が出ていました。

亀嵩駅

続いて出雲横田駅に到着。立派なしめ縄があって、出雲大社風な駅舎です。

しめ縄が立派な出雲横田駅

この駅で後ろの車両の切り離しが行われます。停車時間も20分ほどあるので、私はトイレタイム。

切り離しの儀

駅前には旅館やお店もあり、もしかしたら20分の停車時間の間にお蕎麦くらいなら食べられるのかも。

駅前にはこんなマンホールもありました。

出雲横田駅前のマンホール

20分の停車時間が終わり、1両のみとなってさらに標高をあげて進みます。単線の木次線ですが、隣に線路が見えてきました。木次線のスイッチバックポイントの出雲坂根駅が近づいてきました。

木次線のスイッチバックポイント

標高565mの出雲坂根駅に到着しました。ここで備後落合から下りてくる列車との列車交換があるので、20分弱の停車時間があります。

スイッチバックの駅 出雲坂根駅

駅前の道路を渡って、階段を数段下りたところに、延命水が汲み放題になっていました。

延命水汲み放題

備後落合からくる列車は奥出雲おろち号です。こちらの出発時間のほんの少し前に駅に入ってきます。ホームでおろち号を待っていると、遠くから列車の音が聞こえてきて、木立の合間からおろち号の車体を見ることができました。

木立の合間からのおろち号

おろち号が出雲坂田駅に到着です。

奥出雲おろち号

おろち号のトロッコ車両は人でいっぱいでした。私もこのおろち号に乗ってみようと、指定席発売日に窓口に行きましたが、8分で完売していますと言われました。もしかしたらキャンセルが出るかもと思い、2週間後くらいに窓口に再度行きましたが、やっぱの満席。今年11月で運転を終了することもあり、大人気のようです。

出雲坂田駅からは私が乗ってきた列車の方が先に出発します。おろち号の乗客の皆さんに見送られ、備後落合方向に向かいます。

大人気の奥出雲おろち号

備後落合駅からはスタッフの方(オレンジ色のジャケットの方)が乗車して、見どころなどを紹介してくれました。おろち号からこちらの列車に乗り換えて再び備後落合方向に向かう方もいて、車内はちょっと混雑しています。

スタッフの方が見どころを紹介

とはいっても、観光案内のために乗車されたというよりは、備後落合から先の新見駅方面に向かう人がどれくらいいるかを確認してるようでした。備後落合から芸備線に乗り換えて新見駅に向かう場合、土砂崩れで不通区間があるのです。代行バスやタクシーに乗るのですが、乗車人員を確認しているようでした。

先ほど列車交換した出雲坂根駅がずいぶん下の方に見えます。かなり標高を稼いだ感じです。

眼下には先ほど停車していた出雲坂根駅

木次線の車窓の名物、おろちループが見えてきました。

奥出雲おろちループ橋

こちらの赤い橋は三井野大橋。

三井野大橋

木次線とおろちループ付近の国道との関係はこんな感じです。

宍道駅を出発して3時間20分ほど、終点の備後落合駅に到着です。芸備線との接続駅です。

備後落合駅

芸備線は代行バスでスタート

めったに来られない秘境駅ですから、駅探索とかしたかったのですが、この先新見駅に向かう代行バスへの乗り継ぎ時間はわずか3分。列車を下りたらそのまま代行バスに乗り込みました。

代行バスで東城駅へ向かう

芸備線の備後落合と東城駅間は私が旅をした2023年5月時点では運休していて、代行バスによる運行でした。当初5月末に復旧予定と出ていたのですが、その後情報がupdateされ、もう少し長くかかるということで、私が旅した時にはまだ代行バスでした。代行バスは上の写真の大きなバスは、内名駅に寄ったのち、東城駅まで行きます。それ以外の駅に向かう方はタクシーでしたが、タクシーに乗車した方はいませんでした。バスには14名のお客さんが乗っていました。

JR西日本が発表している芸備線不通区間の状況はこちらです。

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230509_00_press_geibisen_8.pdf

 

東城駅にはほぼダイヤ通りに到着し、ここからは気動車に乗り換えて新見駅に向かいます。東条駅を出発して40分弱、時刻表通りに新見駅に到着しました。

新見駅に到着

ホームの時刻表を見ると、新見駅から備後落合に行く列車は一日に3本。新見駅から備後落合を経由して宍道駅に行く場合は、よくよく時刻表を確認する必要がありそうです。

備後落合行きは1日に3本

新見駅に到着したのは16時2分。宍道駅を出発したのが11時11分。5時間弱のローカル線の旅を堪能しました。この日の鉄道旅はここまでです。

新見駅周辺と宿泊した宿

駅から近くて快適なグランドホテル みよしや

この日はグランドホテルみよしやさんに宿泊しました。基本的にビジネスホテルですが、部屋は荷物を置く台やデスクもあり、お値段の割に広くてくつろげました。

シングルルーム

www.niimi-miyoshiya.co.jp

駅から徒歩2分と言う近さが魅力です。

こちらのホテル、館内に1か所大浴場がありますが、大浴場のあるフロア全体を改装中ということで使用できませんでした。お部屋のバスでも特に支障はなく、快適に過ごせました。フロント前には自由に飲めるコーヒーの用意があったのも良かったです。1泊朝食付で9900円くらいです。近くにローソンがあるので、素泊まりにしても良いかもしれません。

ホテルの朝食

夕食は外食で困らない

グランドホテルみよしやさんの食事は朝食のみなので、夕食は外食です。フロントで夕食が食べられる食事処や居酒屋、レストランなどを地図と共に案内してくれます。小雨模様だったので駅横の「味の庄 伯備」というお店でいただきました。

夕食はこちらでいただきました

飲まない私には居酒屋よりは定食が食べられる食堂ぽっいところがありがたく、このお店は飲まない人にも飲む人にもなんでも揃うお店でした。

メニューも豊富

川魚定食も魅力でしたが、無難に天ぷら定食にしました。煮物や小鉢に茶碗蒸しまでついて1760円でした。

天ぷら定食 1760円

ホテルに荷物を置いた後、周辺をぶらぶらしてみると、新見駅から徒歩10分圏内にいくつか飲食店がありました。1泊する際の外食するにはこまらない街という印象でした。ビジホも私が宿泊したホテル以外にもあり、ビジネス利用客が多い街なのかもしれません。

ホテルや駅周辺に飲食店あり

国道が通っていることもあり、宿泊したホテルから徒歩3分ほどの場所にローソンもありました。

高梁川と甌穴

新見市は岡山県の西北に位置し、西側は広島県、北は鳥取県に接しています。市内を流れる高梁川には遊歩道が設けられていて、壁画が描かれています。

高梁川沿いの壁画

高梁川沿いを歩いていると、ちょっと変わった川の景色が。甌穴という標示がありました。甌穴は川の流れによって川底が削られる自然現象で、案内板には自然の彫刻とありましたが、まさにそんな感じです。

高梁川の甌穴

新見市のマンホールカード

新見市ではマンホールカードを発行しています。配布は駅前の観光案内所です。

新見市のマンホールカードと実物の蓋

ただ実物の蓋は駅前にはなく、駅から歩いて10分ほどの新見美術館前にあります。新見美術館は高台にあり、入り口まではかなりの急こう配なんですが、頑張って行ってきました。

デザインマンホールがある新見美術館

姫新線完全乗車の旅

新見で1泊した翌日は、新見駅と姫路駅を結ぶ姫新線完全乗車の旅です。姫新線は160kmほどの距離で、全線が非電化です。

全線を通しで走る列車はなく、姫路に近い区間は本数もありますが、新見駅から出発しようとすると、7時18分の次は9時53分発の津山行きなので、9時53分1択という感じでした。新見駅から姫新線に乗るには2番線からの出発です。

新見駅の姫新線乗り場は2番線

新見駅には姫新線以外にも特急が走る伯備線や、芸備線もあるので、駅自体はホームが2本あって大きな駅という印象です。でも2番線の隣は5番線なんですよね。昔はその間に3,4番線のホームがあったのかも。

伯備線を走る特急「やくも」も新見駅には停車

私が乗る姫新線を走る気動車がやってきました。

姫新線を走る気動車

1両のみですが、始発駅からの乗車ですし、そもそも乗客が多くないので、ボックス席を確保できました。車内はロングシートとボックス席混在でした。

姫新線の車内

私が乗車した列車は津山駅行です。途中は絶景! というわけではないですが、岡山県の山あいをのんびり走るローカル線という感じがしました。緑のトンネルを何度も抜けながら進みます。

緑のトンネル

時々川にも沿います。

川沿いも走る

新見駅から1時間半ほど走って、津山駅に到着です。

津山駅に到着

津山駅も大きな駅で、近くには扇形車庫があり「津山まなびの鉄道館」という施設になっています。

津山駅ホームからの眺め

「津山まなびの鉄道館」は行ってみたい施設の一つなのですが、接続する列車の乗り換え時間が45分とビミョーな時間。駅から「津山まなびの鉄道館」までは歩いて10分くらいで、近くまで歩いてみたのですが、入り口は線路を渡ってぐるりと回らなくてはならず、ゆっくり展示物を見ている時間がないと思い、今回は訪問をあきらめました。扇形車庫の壁を見ると、かなり大きな車庫であることがわかります。

扇形車庫

津山駅の駅舎の中に扇形車庫のミニチュアが展示してありました。

扇形車庫の模型

「津山まなびの鉄道館」には、いつか訪れたいと思います。公式サイトはこちらです。

www.tsuyamakan.jp

津山駅前はリニューアルされたばかりな感じでした。SLやら銅像があり、B'zのヴォーカル稲葉浩志さんゆかりの地ということで、ポスターも掲示されていました。写真撮るの忘れたので、Googleマップの写真をお借りしておきましょう。

こちらは津山駅前に展示されているSLです。

津山駅前

津山駅から姫新線の旅は続きます。静岡に帰るだけなら津山線で岡山に出て新幹線に乗るのが早いのですが、今回は姫新線を完乗しようと出てきたので、引き続き気動車でゴトゴト行きたいと思います。次に乗るのは津山駅始発の佐用駅行きです。

佐用駅行きの気動車に乗車

1時間ほどで佐用駅に到着です。佐用駅は智頭急行線の駅でもあり、鳥取と岡山や関西を結ぶ特急も停まる駅です。乗り継ぎ時間が1時間以上あったので、駅前にカフェがあれば何か冷たいものでも、と思いましたが、それらしいお店はありませんでした。

佐用駅

姫路に向かう姫新線の列車を待っていたら、特急がやってきました。静岡に戻るだけならこの特急に乗る方が早く帰れるのですが、頑張って姫路まで姫新線に乗ることにします。

スーパーはくと

佐用駅で1時間以上時間をつぶし、やっと姫路方面行きの姫新線の列車がやってきました。色合いは新見駅から佐用駅まで乗ってきた列車と似ていますが、車両そのものは新しい感じがします。

姫新線の列車

播磨新宮駅で姫路駅行きに乗り継ぎます。ここからはどっと人が増えて、車内は混雑。編成も2両に増えていたと思います。学生さんの通学の足にもなっているようでした。

播磨新宮駅で乗り継ぎ

列車は揖保川を渡ります。素麺の揖保乃糸というのが有名で、近くには資料館もあるようです。水がきれいな川です。

揖保川

播磨新宮駅から30分ほどで終点の姫路駅に到着しました。新見駅から何度も乗り継いで長かったですが、なんとか姫新線完乗です。

姫路駅に到着

旅のまとめ

今回は日本海側と瀬戸内海側を結ぶ路線を気動車でゴトゴト乗ってきました。木次線でおろちに乗れなかったのはちょっと残念ではありますが、車窓はおろちにのっても普通車両でも変わりませんので良しとしましょう。おろちに乗れると、木次線と芸備線を乗り継ぐ備後落合駅でたっぶり乗り継ぎ時間が取れるのが魅力ではあります。

以前からこの路線は乗ってみたいと思っていたのと、本文中ではご紹介しませんでしたが、今回乗車した路線の沿線に学生時代の友人が住んでいまして、久しぶりの再会も果たせて、大変充実した鉄道旅ができました。

津山まなびの鉄道館を訪れるという宿題が残っていますので、まだ乗ったことがない津山線を活用して次回は出かけてみたいと思います。

にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 その他趣味ブログ マンホールの蓋へ
にほんブログ村