2023年3月に3泊4日で四国に出かけた時に、750段の階段を上って参拝する金毘羅さんにお参りし、参道から歩いて行ける琴平花壇に宿泊しました。創業400年と言う歴史も格式もある宿ですが、一人でも泊まれる宿です。客室数は42室なので、こじんまり感はないものの、バスツアーの団体が泊まるような大型旅館という感じでもない宿でした。食事はビュッフェではないので、一人旅でも落ち着いていただけました。宿泊棟が3つあり、私は「山翠閣」という建物のお部屋をチョイスしましたので、ご紹介します。
琴平花壇の概要
- 客室数42室。部屋タイプは露天風呂付のお部屋もあれば、和室、和洋室など数種類ある。
- PW付きのWifiが用意されているが、私が宿泊したお部屋は少し電波が弱い時があった。
- 食事は食事処だが、一人客にも配慮したレイアウト
- 最寄りの琴平駅から徒歩15分。無料送迎あり。金毘羅さんの参道入り口からだと徒歩10分くらい
- 木曜日に1人で泊まり2食付きで24,000円くらい
公式サイト
宿泊したのは山翠閣のお部屋
琴平花壇の客室は3つの建物に分かれています。予約する時にどの建物のお部屋に泊まるか選びます。私は窓から宿の日本庭園が見えて、リノベ後まだ新しい山翠閣のお部屋を選びました。赤枠が山翠閣の建物です。大浴場は青線で囲った富士見台という建物にあります。フロントは緑色の線で囲った松月テラスという建物にあります。
フロントでチェックイン手続きをした後、スタッフの方に案内されて山翠閣に向かいました。こちらが山翠閣の玄関です。
山翠閣の玄関です。ここで自分の靴をお部屋ごとの鍵のかかる靴箱に入れ、スリッパに履き替えてお部屋に向かいます。自分の靴をいつでも取り出せるので、早朝に散歩に行きたい時など、いちいち係の方にお願いして靴を出していただかずとも済むので、便利だと思います。
宿泊したお部屋は2階のお部屋です。一人でこれだけの広さだとかなり余裕があります。写っていませんが、テレビももちろんあります。窓の向こうには日本庭園が見えています。
窓からは宿の日本庭園や遠くの景色も見えますが、この日は雨が降っていて、眺望が今一つ。正面の薄い緑色の屋根の建物がフロントがある建物です。
窓からの景色に癒されますが、お部屋のレイアウト上、他のお部屋からこちらが見えそうです。なので障子を閉めて過ごす時間もありました。お庭のピンク色の花をつけた木に春を感じます。
お部屋にはトイレと洗面所がついていますが、トイレと洗面所の位置が離れているのがちょっと不便でした。トイレのタンクの上に手が洗えるようになっていますが、どうせ洗うなら広い洗面所で石鹸つけて洗いたくなるのです。
基礎化粧品もあるし、アメニティも歯ブラシ、コットンセットなど揃っています。ドライヤーもありました。


こちらのお部屋、バスタブはないのですが、シャワー設備がありました。ただ排水管からの臭いなのか、臭いが気になりました。
チェックイン前に金毘羅参りをしてきまして、階段750段を上り下りして足が疲れました。まずは一息ついて、そのあと温泉に入りに行こうと思います。お部屋には緑茶の用意がありました。
温泉
大浴場
大浴場は富士見台という建物にあるので、山翠閣に宿泊している場合は、一度履物を履いて歩いて行く必要があります。宿泊した日はときおり雨が降っていました。傘は各建物に用意されている宿の傘を借りられますが、強い雨の時は足元も濡れますので、お風呂に行くのも億劫になりがちです。
夕食前の時間だったので割と混んでいました。脱衣所からまず内湯があり、その奥に露天風呂があるレイアウトです。露天風呂は屋根がないので、雨の時はちょっと敬遠してしまうかも。内湯は宿の規模に対して、浴槽が小さいなと思いました。浴室の様子は公式サイトをご覧ください。
泉質や使用状況
成分表は掲示してあったのですが、写真を撮り忘れました。公式サイトのFAQによれば、単純弱放射能冷鉱泉とのこと。泉温は19℃ほどなので、温泉の使用状況も加温・循環・消毒ありでした。実際湯船につかると、なんとなく塩素のにおいがして、温泉らしさをあんまり感じなかったのですが、きちんと消毒されているお湯で安心と言えば安心です。
貸切風呂
山翠閣には山翠閣のお客さんが無料で利用できる貸切風呂があり、チェックインの時に時間を予約して入ります。1回45分です。周囲が見える朝の時間帯を予約しました。フロントで鍵を借りる必要はなく、時間になったら浴室に向かい、扉の表示を入浴中にして、内鍵をかけて利用するスタイルです。
入口の扉を開けると脱衣所なんですが、かなり広々しています。以前は客室だったのでしょうか。テレビまでありますよ。
こちらがお風呂です。「杜の湯」というだけあって、周囲を森に囲まれていて、気持ち良いです。休憩できるチェアの用意もありました。
大浴場はなんとなく混雑感がありましたが、こちらは一人でのびのびお湯につかれてとても気持ち良かったです。
お食事
お食事もなかなか良かったです。夕食・朝食ともに食事処でいただきます。個室ではないですが、うまく他のお客さんとの間に仕切りがあり、1人旅にも配慮されている印象がありました。ただ隣のグループの話し声はどうしても聞こえます。これは仕方ないですね。
夕食
まずはお品書きです。
ノンアルコールのドリンクメニューも豊富で飲めない私には嬉しいです。
私は和三盆サイダーを注文しました。炭酸飲むとなんか食欲が増すように思います。
ドリンクにつづいて前菜、お造りと一品ずつ運ばれてきました。


続いて椀物はおすましではなくポタージュスープみたいな感じです。一口しかなかったのですが、美味しかったのでもう少し飲みたかったです(笑)
続いて焼き物、蓋物が運ばれてきます。お料理を食べ終わるとすぐにお皿は下げられて、次のお料理が運ばれてきてテンポも良いです。


強肴はオリーブ牛を卓上コンロで蒸したものです。ゴマダレがいただきます。


この後お食事が運ばれてきて、夕食もそろそろ終わりです。私にはちょうど良い量でしたが、食べ盛りの方だとちょっと量が足りないかも、と思いました。
そして最後にデザートです。
運んで来てくれたのは東南アジア系のスタッフでしたが、難しい材料の名前や調理方法なども説明してくれました。どうやって日本語覚えるんだろう。海外の方って、ホント努力家です。
朝食
朝食も夕食と同じ食事処ですが、席は違う場所で、外が見えるカウンター席でした。品数豊富でどれも美味しくいただきました。左のコンロの鍋は湯豆腐、右のコンロはアジの一夜干しを焼いていただきます。ご飯は白米か雑穀米を選択できました。
宿内の施設など
庭園
こちらの宿は敷地が広く、宿泊棟は日本庭園を囲むように建っています。山翠閣のお部屋に泊まると、大浴場に行くにしろ、食事処に行くにしろ、庭園を通って行くことになります。3月中旬でしたが、2023年は桜の開花が例年より早く、こちらの日本庭園でもピンクの花が満開できれいでした。
歴史ある宿らしく、庭園内には古い建物もあります。公式サイトを見ると、こちらの建物にも宿泊できるようです。
ラウンジと足湯
フロントや食事処がある建物にはラウンジがあります。宿泊客は無料でラウンジの利用ができますが、一般客室の宿泊客はコーヒーなどの飲み物は基本有料のようでした。
タイ古式マッサージ
タイ古式マッサージを受けるための専用建屋が庭園内にあります。全国旅行支援のクーポンが2000円あったので、金毘羅参りで疲れた足をマッサージしてもらえば良かったかもと、後から思いました。


アクセス
最寄り駅の琴平駅からは徒歩15分ほどです。宿にお願いすれば無料で送迎もしてもらえます。私はチェックイン前に金毘羅さんの階段を上り、お参りしてから徒歩で宿に向かいました。
宿の近くには文化財と思われる屋根がついた見事な橋も。鞘橋と言います。神事専用の橋なので、通常は渡ることはできません。


金毘羅さん参り
金毘羅さんは海上交通の神様ということで、今年は船旅を予定しているのでお参りしてきました。
いやー、750段の石段はきつかったです。駅から徒歩で向かいました。途中に宿があれば先に荷物を預けていきましたが、宿は参道より遠い場所だったので、荷物を預けそびれました。
石段を500段ほど上ったところに、資生堂パーラーが営業しているオシャレなカフェ「神椿」があります。もうここで休まずにはいられず、こんな豪華メニューを注文してしまいました。
階段750段はつらかったけれど、無事幸せの黄色いお守りを購入し、目的を果たせました。
参道沿いは桜も咲いていて、お花見も楽しめました。
宿泊した琴平花壇の庭園からも金毘羅さんの参道に出られるようでした。先に宿に行って荷物を預けて、こちらの道から向かっても良かったのかもしれません。
まとめ
四国まで、静岡からはるばる出かけて行くので、金毘羅参りの後にこちらに宿泊し、その後は四国を鉄道で旅しています。
私が宿泊した山翠閣は2019年リニューアルでまだ新しく快適でしたが、大浴場や食事処まで庭園を抜けて行かなくてはならず、雨が降っていたので、傘をさしての移動はちょっと面倒でした。温泉はあまり温泉らしさを感じませんでしたが、一人旅でも宿泊できて、食事処のレイアウトには配慮が感じられる宿でした。宿のスタッフは東南アジア系の方が多かったのですが、皆さん日本語が堪能で、接客もすばらしく、感動しました。今の日本の旅館では、こうした海外のスタッフなしではもうやりくりできないのかもしれないな、と思いました。一方で、こうした海外人材も獲得はこれからは難しいのかも。円安だし。そのうち宿泊料金も値上げラッシュになるかもしれないし、行けるうちに旅は行っておこうと思った次第です。
この時の旅では、翌日はJR四国の人気の観光列車、四国まん中千年物語に琴平駅から乗車しています。
その後、ごめん・なはり線に乗ってチューリップを見に行ったり。
高知からは予土線の新幹線風車両で愛媛まで移動しています。
鉄道旅を楽しめる3泊4日でした。