コロナ自粛明けに県境を越えない旅を、ということで奥大井地区の絶景ポイントをマイカーで巡りました。静岡県民の私にとっては日帰りも可能ですが、「美女づくりの湯」ともいわれる寸又峡温泉を楽しみたくて、宿泊で出かけました。寸又峡温泉はpH9を超えるアルカリ性。トロトロっとした泉質で、入浴すると肌がツルツルすることから「美女づくりの湯」の名がついているんだとか。日帰りの町営の露天風呂と宿泊利用した翠紅苑の様子をご紹介します。
※2022年10月の大雨などで寸又峡の夢のつり橋に向かう遊歩道が崩落し、つり橋を渡ることはできませんが、温泉は健在。お得なキャンペーンもやっています。
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トロトロとした美容液のような温泉
インスタ映えスポットとしても人気の夢のつり橋への入り口にあるのが寸又峡温泉。夢のつり橋に向かう遊歩道の入り口に手湯があるので是非さわってみて下さい。さわった瞬間からお肌がツルツルしてくるのがわかります。
町営の日帰り露天風呂「美女づくりの湯」
もちろん手湯だけでなく、日帰りで温泉に入ることもできます。だれでも利用可能な町営露天風呂「美女づくりの湯」が遊歩道入り口近くにあります。
遊歩道入り口から坂を上った先にあるのが町営露天風呂です。
券売機でチケットを買うシステムで、入浴料は大人400円。お風呂で使う手ぬぐいを販売しているのでタオルがなくても大丈夫。タオルは200円です。ただバスタオルはありません。
脱衣所内に鍵がかかる無料のロッカーが設置されているので、安心して入浴できます。この時はお客さんが誰もいなくて、係の人が写真撮って良いよと言ってくれたので、撮影させていただきました。4~5人程度用の湯船でしょうか。脱衣所も4~5人いたら結構いっぱいかも、というサイズです。露天のみで内風呂はありません。洗い場もついています。本当にトロトロした温泉なので、湯船の周りや湯船の中もツルっと足が滑るので気を付けてはいりましょう。
湯温は39度くらいかな。かなーりゆっくり入っていられる温度です。こちらは温泉の成分表です。泉質は単純硫黄泉。
使用条件は掲示がなくてわからなかったのですが、4キロほど山奥から源泉を引いてきているそうなので、加温はしているかも。係の方が「濾過はしています」とおっしゃっていたので、濾過はしているのでしょう。無色透明のお湯ですが、湯船の中には湯の花がかなり舞っています。この時宿泊した旅館のお風呂よりずっと湯の花の量が多かったです。またかすかに硫化水素の匂いがするのも温泉らしいです。夢のつり橋の散策を終えた人がひと風呂浴びようかと入るケースが多いようで、午後は混雑することもあるんだとか。温泉目当てなら9時半からの営業開始とともに行くのが空いていて良さそうです。
寸又峡温泉の宿情報
寸又峡温泉街には数軒の旅館や民宿、ペンションがあります。20室以下のこじんまりした宿が多いのですが、今回は私には珍しく一番大きな旅館をチョイスしました。
老舗旅館 翠紅苑
翠紅苑は寸又峡温泉の中では最も大きな旅館です。それでも部屋数は39室。寸又峡温泉の中では歴史ある旅館です。
玄関わきには立派な水車がありました。暖簾をくぐってチェックイン。
フロントで宿帳の記入をした後、係の人にお部屋まで案内していただきました。
客室
こちらの宿は建物が藍染館・竹翠館・紅葉館に分かれています。私たちが泊まったのはどの建物か忘れちゃいましたが、和室のお部屋でした。10畳の本間に広縁がついて広々としたお部屋です。
室内には茶香炉が置かれていて、川根茶の香りが漂っていました。
部屋の中にテレビがない!? と思ったのですが・・・
こんなところに隠れていました。
部屋からの眺望はありません。でもね、鶯など野鳥の声が本当によく聞こえました。
部屋には洗面所、ウォシュレット式のトイレがあり、お風呂もついていますが、お風呂は大浴場に行くので使用せず。
洗面台にはヘアブラシや基礎化粧品(POLAの化粧水と乳液)、シャワーキャップ、旅館のタオルを入れて帰るビニールの巾着が用意されています。
ドライヤーもあります。やや風量が弱いタイプです。
お部屋に用意されているお茶は緑茶のみ。コーヒーカップの用意はありません。
部屋のポットは沸かせるタイプでいつでも熱いお湯が手に入ります。
部屋には小型の冷蔵庫があります。中は空なので持参した飲み物を入れて冷やしておきましょう。冷凍庫はありません。
お茶をのんで一息ついたら、浴衣に着替えてお風呂に向かいます。
お風呂
浴室は露天風呂が併設された大浴場が2つあり、時間帯によって男女入れ替え制です。夜中でも入れます。
外の光が入る明るい浴室で気持ちよく入れました。お湯の温度が40度くらいで、ゆっくりつかっていられるのも私には嬉しかったです。
上の写真だと洗い場が2か所しか映っていませんが、左側に5人分あり、全39室の宿ですから、混み合うこともなさそうです。
泉質は先ほど紹介した町営露天風呂の源泉と同じなので、こちらもかすかに硫化水素臭がするトロリとした温泉です。でもね、湯の花の量が町営露天風呂より少ないです。源泉の場所からの距離が遠いせいかな。宿のHPによると大浴場のお湯は循環式だそうです。
大浴場の出入り口には冷たい川根茶のサービスがあり、湯上りに美味しくいただけました。
食事
食事は夕食・朝食ともに食事処でいただきますが、朝食の会場は夕食とは別の会場でした。こちらの写真は夕食の会場です。
まずは夕食から。この日の献立はこちら。食前酒から始まり、お造りは湯葉やこんにゃくなど、山奥の温泉場らしい盛り合わせ。メインは豚と牛のしゃぶしゃぶです。
食事処に行くと、前菜が用意されています。籠盛りでかわいいです。
食前酒をいただいてから夕食のスタートです。
お造りは山間の温泉場らしい盛り合わせ。
イワナの塩焼きは頭からバリバリいけます。
メインのしゃぶしゃぶは、お茶が入ったお出汁でしゃぶしゃぶします。
品数は多すぎず少なすぎず、といった感じ。若い人だとちょっとカロリーが足りなく感じるかもしれませんが、私はこれくらいで十分です。味も良かったです。特別珍しい食材や、見た目がすっごくきれい、というお料理はないですが、山奥の温泉旅館としてはとても立派な献立と思いました。
朝食はこんな時期だからなのか、セットメニュー。食後のコーヒーはセルフサービスで飲むことができます。会場の感じからして、コロナがなければビュッフェだったのかも、と思いました。
翠紅苑のまとめ
静かでのんびりできる温泉旅館でした。特に鶯の声に癒されました。温泉はとろりとした泉質で、あまり熱くないのでのんびり楽しめます。支払いはクレジットカードが利用できました。Wifiがないのが残念でした。
宿のサイトによると、2020年7月現在一人泊プランもありました。一人で大井川鉄道の旅を楽しみながら、夢のつり橋と温泉も楽しむということもできます。
※宿泊プランは変更になることもあります。一人泊プランがあるかどうかは、宿のホームページで確認してください。
寸又峡温泉街での食事
温泉街というほど大きな町ではありませんが、数軒の旅館と土産物や、お蕎麦屋さん、カフェなどがあります。夢のつり橋に向かう遊歩道の入り口に足湯があるカフェ「晴耕雨読」があるのですが、私が出かけたのはコロナの自粛明け直後だったので、まだ休業中で残念。WEBサイトによると、ゲストハウスがあるようなのでお泊りもできるようです。
私はランチに「紅竹」さんでおそばをいただきました。
冷たいおそばも温かいおそばもあります。
「渓流そば」が名物らしいので、注文しました。するとお店の奥さんが「いなごが乗ってますが大丈夫ですか?」と確認してくれます。 私は昆虫系は苦手なので、「いなごは外してください」とお願いしました。で出てきたのがこちらです。ヤマメのから揚げや山菜の天ぷらが乗っていて、かなりボリュームがあります。いなごが乗っているところはキクラゲに交換されていました。こちらで1300円です。美味しかったです。
紅竹さんは、夢のつり橋の入り口から徒歩5分程度。午前中につり橋にでかけて戻ってきてからランチでも良いし、お店が混む前にランチを食べてからつり橋に向かうのも良いと思います。
まとめ
寸又峡温泉のトロっとした泉質はなかなか魅力です。湯の花が舞い、硫化水素の匂いもあって温泉を楽しめます。絶景路線の大井川鉄道と組み合わせて宿泊で楽しむのも良さそうです。秋の紅葉の時も良さそうです。
寸又峡温泉の絶景ポイントである夢のつり橋についてはこちらにまとめました。
大井川鉄道の絶景駅「奥大井湖上駅」はこちらに書きました。
新型コロナの影響で、外出の自粛が長らく続いていましたが、いよいよ県境を越えての移動が解禁になりそうです。静岡県の山奥ですが良い温泉と絶景を楽しんでみて下さい。