五能線は絶景路線のベスト5に、たいてい入ってくる路線です。鉄道旅をする人なら一度は乗ったことがある、あるいは乗りたいと思う路線でしょう。かくいう私も鉄道旅を始めてすぐに五能線に乗ってきました。なかでも「リゾートしらかみ」は絶景を楽しめるよう窓が大きく、シートも快適な観光列車です。リゾートしらかみに乗って、十二湖を訪ねる旅に行って来たのでご紹介します。2016年9月の旅です。
新青森駅からリゾートしらかみに乗車
2016年9月2日の朝、自宅を出てから、東海道新幹線と東北新幹線を乗り継ぎ約5時間後、やっと新青森駅でリゾートしらかみ4号に乗車。編成は7月にデビューしたばかりの「橅」編成。ホームには私と同じようにこの列車に乗ることを楽しみにしている乗客がたくさん。
全席指定席で私の席は4号車2Aでした。秋田に向かう場合は4号車は一番後ろの車両です。日本海の景色を楽しめるA席が確保できたのは嬉しいこと。新青森駅を出てからしばらく、リンゴ畑を見ながら進みます。シートがカラフルで、気分があがります。
通常の座席の他にボックス席もあるのは家族連れには良さそうです。
弘前駅から次の川部駅までは列車の進行方向が変わり4号車が先頭です。観光列車なので運転席の後ろはガラスになっていて、運転士目線を楽しめる。お上りさんの私はその目線をもちろん楽しみました。鉄橋だ!鉄橋だ!
新青森駅を出て約1時間ほどたつと、右手に日本海が見えてきます。大きな窓いっぱいに広がる景色を堪能しました。リゾートしらかみ4号は千畳敷という駅で15分停車。乗客は海岸に降りることができます。
日本海というと荒波でしぶきが飛んでくるイメージがあるけど、この日は穏やかでした。
ちなみにこの千畳敷で殺人事件がおきるミステリーを西村京太郎さんが書いていますね。「五能線の女」というタイトルです。
ちょっとお腹がすいたので、列車内のバーカウンターで枝豆アイスを購入。景色を眺めながらのおやつはとっても美味しい。
千畳敷駅を出た後もずっと日本海を右手に見ながら列車は進みます。時々大きな岩が点在する海岸(行合崎海岸)では列車が徐行してくれて、私も含めて乗客の皆さんがシャッターを切ります。
こんな景色を楽しむには、絶対海側の席が良いですね。山側と料金が同じでは、山側の席から文句が出そうです。ちなみにリゾートしらかみは快速列車なので、特急料金はかからず、運賃に指定席券だけでとてもお得。グリーン扱いにして、少しでも売り上げに貢献しても良さそうです。列車の改造や除雪などに費用がかかっているはずですし。
リゾートしらかみの公式サイト
「リゾートしらかみは」のサイトでは2016年当時にはなかったモバイルオーターの情報もあります。モバイルオーダーで注文しておくと、沿線の名物お弁当も食べることができます。詳しくは公式サイトをご覧ください。
リゾートしらかみに乗るなら日が長いうちが良いと思う
東京を出発してその日のうちにリゾートしらかみに乗車するとなると、秋田発にせよ、新青森から乗るにせよ、13時頃からの乗車となります。夏の間は日没が遅いので、景色がよく見えますが、冬の北国は日没が早く、12月の終わりだと夕方4時半くらいに日が落ちてしまいます。今回私が乗ったスケジュールだと、千畳敷の辺りではもう暗くなり始めていると思います。五能線を旅される時には、日没時間を気にしながらプランを立てるのが良いと思います。
アオーネ白神十二湖に宿泊
新青森駅から約3時間、列車は十二湖駅に到着。駅前に数軒お店はありましたが、営業しているのか?私は宿であるアオーネ白神十二湖のバスで宿に向かいました。チェックイン後、時計は17:30。この日の日没は18:12だったので、部屋をでててくてく徒歩10分くらいの場所で、海に沈む夕日を鑑賞。残念ながら海上に雲があって夕日は雲の中に沈みましたが、とても美しい景色を堪能できました。
このお宿にはコテージタイプと和室タイプがあって、私は一人旅のせいか和室。
でも十分です。夕飯は食堂で。とてもたくさんの品数で美味しい。幻の魚、イトウのお寿司もありました。
お風呂は部屋にもついていますが、手足がのばせるアオーネの湯がおすすめ。平日のせいか空いていました。ぬるめの湯が好きな私にはちょっと温度が高くて、ゆっくりつかるというわけにはいかなかったけど、ずっと鉄道にのっていた一日だったので、こわばった筋肉がほぐれる感じがしました。こうして初日を終え明日に備えておやすみなさい。
十二湖をハイキング
翌日の朝、6時から開いているアオーネの湯につかり、7時からバイキングの朝御飯。その後チェックアウトして、8:30に宿を出るバスで十二湖に向かいました。宿からバスに乗って行けるのはとても便利です。このバスは宿泊者専用で、路線バスより早く十二湖に到着できます。十二湖に来たら必ず訪れるのが青池だそうで、ここへ来る前にいろいろな方のブログや観光サイトで見ました。実際行ってみると、期待値が高すぎたのか、ちょっとあれ?と言う感じ。きれいなんだけど、朝早く(と言っても9時くらい)、日の光が池の中に射し込んでいないせいか、吸い込まれそうな青とまではいきませんでしたが、それでも美しい湖面をしばらく眺めていました。
遊歩道が整備され、森の中を歩きながら青池以外の池を楽しみます。
十二湖には実は33の湖があるそうですが、白神山地から見たときに12の湖見えるので十二湖となったとか。青池のあとはブナ林を抜けて沸壺の池に。その後道路に出ると茶店で沸壺の池から流れてくる清流の水でたててくれる抹茶のサービスがあります。サービスでも心付けボックスに少額でも入れましょう。
茶店の前にも池があり、この日は鴨の親子がいました。自然の風に吹かれて静けさの中、こんな景色を眺めながらお茶を頂けるなんて、贅沢。日本にはまだまだ素晴らしい場所があります。
お茶を飲んだら道路を歩いてくだります。すると十二湖ビジターセンターに到着。このセンターの裏には幻の魚「イトウ」の養殖場がある。「イトウ」って漢字でかけますか?魚へんに、鬼だって。このイトウは1mくらいの大きさでした。思っていたより大きいです。
10:50に十二湖を出る路線バスに、十二湖ビジターセンターの前から乗車。バス停以外でも手を上げればどこでもとまってくれるそうです。親切ですね。二時間弱の十二湖滞在でしたが、主要ポイントは十分回れます。このバスで十二湖駅に向かう訳です。
リゾートしらかみ号で帰宅の途につく
ここからは帰宅への道。最初に乗るのは、リゾートしらかみ2号です。くまげら編成。昨日乗ったブナ編成より古い列車です。でも景色を楽しめるのは変わりないですね。お昼ご飯は車内販売で買いました。
相変わらずの絶景路線。
秋田新幹線に乗車
秋田からは、秋田新幹線のこまちに乗車。新幹線とはいっても在来線なので秋田新幹線は正式名称ではないらしい。こまちが出発するといきなりバックしてビックリ。最初の駅で進行方向が変わるとアナウンスがありました。新幹線でスイッチバックっておもしろい。
盛岡に向かって左側の座席(A席)からはこんな渓流の景色が見えました。
盛岡からははやぶさと連結し、猛スピードで一路東京へ戻りました。
絶景路線の上位にランクインするのも納得の路線でした。次回は冬の荒波が打ち寄せる時に乗ってみたいです。
五能線2回目の旅
絶景路線の五能線には何度も行ってみたくなります。2021年に大人の休日倶楽部パスを利用して乗車しました。この時は秋田発のリゾートしらかみに乗車して、途中の不老ふ死温泉に宿泊しています。