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主に鉄道で行く温泉を楽しみ、旅の記念にマンホールの捕獲を楽しんでいます。宿の宿泊記やマンホールカードを紹介しています。

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2023年6月スイス旅#6 ルツェルンからゴッタルド・パノラマエクスプレスの旅

2023年6月のスイス旅で乗車した「ゴッタルド・パノラマエクスプレス」の乗車記です。この列車はランチクルーズとセットになった列車です。ゴッタルド峠手前のヴァッセン付近では、線路が何度も蛇行して標高を上げていくので、同じ教会が高さを変えて見えることでも有名です。

ルツェルン旧市街

ゴッタルド・パノラマエクスプレスはルツェルン中央駅前の桟橋から出発します。前日宿泊していたグリンデルワルトからツアーの専用バスでルツェルンへ。1時間ちょいの行程でした。

ルツェルンはスイスの大都市の一つです。旧市街が残っていて、ゴッタルド・パノラマエクスプレスの旅の前に街を少し散策しました。

瀕死のライオン像

ルツェルンに行ったら是非見ておきたいのが、瀕死のライオン像です。今でこそ豊かな国となったスイスも、かつては岩山ばかりの土地に大した産業もなく、稼ごうと思えば自身を投げ出す傭兵くらいしかなかったとか。時にはスイス人同士で戦うこともあったという悲しい歴史もありました。

こちらの像はわき腹に矢が刺さり瀕死のライオンです。フランス革命の際、ブルボン王朝を守ろうとして力尽きたスイス人傭兵たちを悼んで造られたものです。

瀕死のライオン像

カペル橋

カペル橋はルツェルンを代表する観光スポットです。この橋は湖側から侵入してくる敵から街を守る城壁の一部なのだそうです。完成は1333年で木造の橋としてはヨーロッパ最古の橋とのことです。

カペル橋

旧市街はいかにも建物に装飾が施されていたり、教会があったり、異国情緒たっぷりの街並みでした。

ルツェルンの旧市街

ホーフ教会

土曜日だったのでマルシェが開かれていて、フルーツがとても美味しそうに見えました。

マルシェ

ゴッタルド・パノラマエクスプレスの旅

旅はランチクルーズから始まる

さて、この日のメインイベントはスイスの観光列車の一つ、ゴッタルド・パノラマエクスプレスの乗車です。この列車、ランチクルーズから始まるので、まずはルツェルン中央駅前の桟橋から船に乗船します。

こちらはルツェルン中央駅。ヨーロッパの駅には風格があります。

ルツェルン中央駅

こちらの船に乗船します。

クルーズから始まる旅

こちらの船は外輪船のようで、船体に取り付けられた水車のような推進器や、その水車を回す部分が見えるようになっていました。

推進装置

ルツェルンから乗船してフリューエレンまで2時間半ほどかかります。この間にランチを食べたり、周辺の景色を楽しみます。

ランチの一部

お天気が良かったので、景色も楽しめました。

クルーズ船からの眺め

船はいくつかの街に寄りながら進んでいきます。

湖畔の街

ルツェルン湖周辺にも展望台があったり、オードリーヘップバーンがかつて結婚式を挙げたリゾート地があったりするので、ルツェルンに滞在して周辺を観光するのも良いと思います。

フリューエレンからパノラマ列車に乗車

フリューエレンで船を下りると、すぐ目の前に列車が待機しています。この列車に乗車します。

列車に乗り換え

天井まで窓が取られているパノラマ列車です。

パノラマ列車

下の写真にはスイスで人気の観光列車が走るルートが表示されています。ゴッタルド・パノラマエクスプレスは、赤い丸で囲ったLuzernからクルーズ船に乗り、Fullueren(フリューエレン)駅で鉄道に乗り換えました。そして上下を結ぶ青い線のルートを通り、青い丸で囲ったBellinzona(ベリンツォーナ)に向かいます。この路線図を見ると、サンモリッツとツェルマットの間を走る氷河特急の路線(左右を結ぶ水色の線)ともアンデルマット駅付近で交差しているのがわかります。アンデルマットがアルプスの十字路と言われる所以なのかも。

路線図

シートは3列なので、シート幅がゆったりしています。

1等車は3列シート

ヴァッセンの教会は何度見える?

冒頭でこの列車のハイライトは何度も同じ教会が見えるところ、と書きましたが、その教会がヴァッセンの教会です。以下のGoogle mapでクネクネしている部分がありますが、そのあたりがヴァッセンです。

ヴァッセンから南に向かうところは標高差が大きく、線路は何度も蛇行しながらこの標高差を越えていきます。列車のパンフレットも以下のように何度も蛇行していることがわかります。(地図の20番付近)

ヴァッセン付近

川沿いの線路を走行していると教会が線路より上に見えます。

一番下の線路から見える教会

ぐるりと回って、先ほど上に見えていた教会が、やや下方向に見えてきました。

教会の方がやや下に見えます

そしてもう一度ぐるっと回って標高を上げたところで、教会がかなり下の方に見えてきました。写真の下の方には先ほど通ってきた線路が見えます。

3回目のヴァッセンの教会

やがて列車はゲシェネン駅に到着し、ここでしばらく停車時間がありました。

ゲシェネン駅でしばし停車

この先ゴッタルド峠を前方にあるトンネルで通過します。

前方にゴッタルドトンネルの坑口が見える

ゴッタルドトンネルは全長15キロ。1872~1882年にかけて工事が行われましたが、そんな昔に15キロのトンネルを掘っていたなんて、とここでもスイスの技術力にびっくりしました。日本の丹那トンネルは着工が1918年でしたからね。ゴッタルドトンネルはそれよりさらに昔で、亡くなった方も多数いたようです。トンネルの南側のアイロロ駅には慰霊碑があります。

ゴッタルドトンネル工事の殉職者慰霊碑

私達が通過したゴッタルドトンネルの下には、ゴッタルドベーストンネルが完成しています。新しいトンネルは全長が153.5キロあり、青函トンネルを抜いて世界最長の鉄道トンネルとなりました。

ベリンツォーナまでも蛇行とループで標高を下げていく

トンネルで抜けるゴッタルド峠がこの路線で最も標高が高い場所なので、この先ベリンツォーナに向けてどんどん標高を下げていきます。峠手前と同様、ループや蛇行する線路が続きます。なのでこんな具合にこれから向かう線路が眼下に見えたりします。

蛇行する線路で標高差を稼ぐ

アテンダントさんが乗車

車内ではアテンダントさんが回ってきて、見どころを説明してくれたり、飲み物の注文もできます。説明は英語です・・・。

車内でドリンクの注文もできる

スイス鉄道の父も乗車

私達が乗車していたパノラマカーは1等車で窓が開きません。2等車の車両は窓が開くので、窓の反射を気にせずに景色を撮影できます。ということで2等車に行ってみたら、スイスの鉄道の父と呼ばれるアルフレッド・エッシャー氏が乗車していました。

スイス鉄道の父

アルフレッド・エッシャー氏はチューリッヒ中央駅の正面にもいらっしゃいました。

チューリッヒ中央駅

ベリンツォーナに到着

ゴッタルド・パノラマエクスプレスはスイス南部のルガノ(Lugano)まで行きますが、私たちはベリンツォーナで下車し、ツアー会社が用意してくれたバスでサンモリッツに向かいました。

ベリンツォーナ駅

ユリアス峠を越えてサンモリッツへ

ベリンツォーナからはバスで約3時間かけてサンモリッツへ向かいました。どういうルートを通ったのかわからないのですが、途中でユリア峠を越えました。おそらく以下のルートだと思います。

ユリア峠に行く前にも山越えが何か所かあったのですが、バスがトラブル。警告音がピーピーとなったまま走り続けます。ドライバーさんも異常を認識していて、路肩にバスを止めてエンジンを停止したりしていました。添乗員さんとドライバーさんの会話を聞くと、どうもエンジン回りに異常があったようなのですが、特に修理をすることなくもとに戻り一安心。だってさ、こんな場所でバスが走れなくなったら、どーしましょーって感じです。

ユリア峠に向かう

やっと峠です。ここまでベリンツォーナから長かったー。

ユリア峠

ここからサンモリッツに向けて下ります。ここまでくればサンモリッツまでは30分ほどです。

ユリア峠からサンモリッツへ下る

まとめ

ルツェルンからサンモリッツまで、時間はかかりましたが、鉄道旅が好きな私にはたくさんのループやカーブした線路が連続する路線で楽しめました。ベリンツォーナからユリア峠越えでサンモリッツは、トイレ休憩までが長くてちょっと大変でしたが、このルートを個人で旅するのはたぶん無理。ツアーのありがたみを感じました。パノラマエクスプレスが走るルートは普通の列車も走っています。こちらのサイトもどうぞ。

www.myswitzerland.com

途中ゴッタルドトンネル手前のゲシェネン駅からは、アルプスの十字路、アンデルマットへ向かえる路線もあり、そちらも行ってみたいなと思いました。アンデルマットは氷河特急に乗った時に停車した駅です。

www.frostmoonweb.com

サンモリッツに夕方に到着し、翌日はベルニナ線を堪能しました。こちらはベルニナ連山や氷河など、ダイナミックな車窓が楽しめました。

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2023年6月のスイス旅記事リンク

その他のスイス旅の記事のリンクです。

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