2023年6月に旅行会社のツアーを利用してスイスに出かけました。私は国内も海外も、自分で計画して、チケットの手配や宿の予約も自分で行う人ですが、スイスは初めてだったこと、あちこち行きたい場所が点在していること、還暦過ぎたシニアで体力低下を実感していたことなどから、旅行会社のツアー、中でもグレードの高いツアーを利用しました。私がツアーを選ぶ時に重要視したポイントは、シニアの皆さんにも参考になると思い、ブログにまとめました。併せて、今回選んだツアーの良かったこと、私にはちょっといまいちだったことをまとめました。
要件を満たそうとするとグレードの高いツアーになってしまった
旅行会社各社がスイスへのツアーを販売していますが、ツアーを選ぶ時に私が重視したのは以下の3点です。
- 予約が難しい観光列車、人気の山岳ホテルが含まれている
- スイス直行便のビジネスクラスが確約されている
- 極端な早朝出発や夜遅い時間帯のホテル到着がない
この3つを実現しているツアーは、結局のところグレードの高いツアーになってしまったのです。ビジネスクラス利用というところで、かなりツアーは絞られますね。スイスは直行便利用でも長時間フライトなので、シニアには移動の負担を減らすためにもビジネスクラス利用をおススメします。
グレードの高いツアーを利用して良かったこと
今回私が選んだツアーは、前の章で書いた3点の要件が満たされている以外にも、素晴らしい点がたくさんありましたので、ご紹介します。
ベテラン添乗員さんの絶大なサポートが得られる
今回のツアーでは、日本出発時から添乗員さんが同行するタイプのツアーでした。正直日本から添乗員さんが同行しなくても、出国・搭乗・入国くらいは自分でできると思っていましたが、出発の3日前に添乗員さんから直にお電話があり、ご挨拶とともに、何か疑問点などないか、と聞いてくれました。私は移動の際の荷物の取り扱いについて、パンフレットを読んだだけではわからないことがあり、その点を出発前に確認することができ、大変助かりました。
添乗員さんはすでに20回以上スイス旅行の経験があり、情報の引き出しがとても豊富でした。おススメのレストランはもちろんのこと、街中にトイレがどこにあるのか、なんてことも頭に入っていて、大変助かりました。次の観光地に着く前に、観光地の情報をたっぷり提供してくれ、あらかじめ見どころを把握できます。ガイドブックではなかなか入手できない情報もありました。もし自分たちだけの個人旅行だったら、まったく充実感が違ったことでしょう。個人旅行も良いけれど、こういうベテラン添乗員さんとの旅も自分たちでは気づけないことを教えてもらえて良いな、と実感しました。
そんなベテラン添乗員さんも、入社当初は安いツアーから担当するのだそうです。経験豊富なベテラン添乗員さんが担当してくれるのも、グレードの高いツアーのメリットです。
専用バスは1人で2席利用
スイスは鉄道網が発達しているとはいえ、鉄道だけではどうしても時間がかかってしまうルートがあります。絶景路線の鉄道にも乗りつつ、移動に時間がかかる区間はツアー専用のバスで移動できるのは、個人旅行ではできない芸当です。
ゴッタルド・パノラマエクスプレスに乗車した後、サンモリッツに移動する行程は、公共交通機関だと、バスや鉄道を乗り継いでいくことになりますが、ツアー専用バスならば、乗り換えなしでサンモリッツに到着できました。こちらの記事で紹介しています。
しかも利用するバスは1人2席が確約されていました。3時間くらいバスに乗っている区間もありましたが、1人で2席使えると、ゆったり座れるし、手元に置いておきたい荷物を隣の席に置けるのはとても便利でした。
参加人数が少ない
今回のツアーの参加者は私たち夫婦を含めて14名でした。この人数だと添乗員さんの目も届きやすく点呼もしやすいですし、集合時間に遅れるような人もいません。全員で食事するにもパっと席につくことができます。これが30人のツアーだと集合時間になっても現れない人がいたり、食事するにも、ホテルのチェックアウトにも、交通機関の乗り換えにもいちいち時間がかかると思います。参加人数が少ないと、時間の有効活用につながり、旅の満足度も向上します。
荷物を自分で運ぶ必要がほとんどなかった
空港からホテルへの移動、ホテルから駅まで歩いて移動する時など、いろいろな場面でポーターさんが手配されていて、自分でスーツケースをゴロゴロ引いて歩くという場面はほとんどありませんでした。これはグレードの高いツアーだったこともあるかもしれませんが、大変助かりました。ホテルが坂の上にある時などはポーターさんがとてもありがたかったです。
予約が難しい観光列車も人気のホテルも手配済
スイスと言えば、氷河特急や、ベルニナ急行などの観光列車に乗りたいし、ホテルも標高3100mに位置するゴルナーグラートホテルに泊まってみたいと思う方多いでしょう。でも人気の観光列車やホテルは予約が取りづらいものです。ツアーであればすべてが手配済み。特に今回利用したツアーは観光列車は氷河特急、ベルニナ急行、ゴッタルド・パノラマエクスプレスの3つが含まれていて、中でも氷河特急は座席数がとても少ないエクセレントクラスでした。個人旅行ではなかなか実現が難しいと思います。氷河特急のエクセレンスクラスについてはこちらにまとめました。
こちらは標高3100mの高地に立つ高級ホテル、クルムホテル・ゴルナーグラートの宿泊記です。部屋数が少ないこともあり、連泊で予約を取るのはなかなか厳しいです。
グレードが高いツアーでも私にはあわなかったところ
至れり尽くせりのツアーでしたが、私にはあわなかったところもありますので、その点もご紹介します。
食事の時間が地味に苦痛
今回のツアーの参加者は14人。自由行動で食事する時以外は、基本的にこの14名+添乗員の15名で食事をします。4~6人掛けのテーブルに皆さんで座っていただくことが多く、夫婦2人だけのテーブルとはいきませんでした。普段一人旅が多い私は、おしゃべりしながら食事をするのに慣れておらず、かなり気疲れしました。
また現地のレストランは15人それぞれが自分の飲み物分を個別会計するのは迷惑がかかりますので、自分の飲み物代は添乗員さんに現金でお渡し、添乗員さんが15名分をまとめて1回の会計で済ませる方式でした。私はスイスで現金が必要なのは、チップと有料トイレぐらいだと思っていて、あまりスイスフランを持って行かなかったので、ちょっと困りました。個人旅行なら食事代も飲み物も自分のクレジットカードで払えば良いので、この会計方式がちょっとストレスでした。
価値観の異なる人たちとの団体行動
価格が高いツアーということもあり、周囲に迷惑をかけるような方はいなかったのですが、一度ツアーの参加者と添乗員さんとの間でウェルカムドリンクの扱いについてもめたことがありました。私にしたら「そんなこと、どうだって良いじゃん」と思ったことだったので、そのお客さんが添乗員さんに抗議している間、することもなく待たされている時間が苦痛でした。
座席が選べない
ツアーだと旅行社で飛行機の座席を割り振るので、希望の座席を選ぶことはできません。個人旅行なら予約の時に座席を指定することができますので、翼の上を避けて予約することができます。私達夫婦は行き帰りとも翼がからむ座席だったのが残念でした。
ただ飛行機は窓側席に座れても、行きはずっと海の上。帰りは黒海やカスピ海上空を飛びますが、高度が高いせいか、下を見てもよくわかりませんでした。唯一、日本の上空に来てからは富士山を見ることができたのは良かったです。
ちなみに氷河特急やゴッタルド・パノラマエクスプレスの観光列車の場合は、ツアー参加者でくじ引きして座席を決めました。旅行社側としてはどのお客さんにも平等に接する必要があるのでこのような施策なのだと思いますが、個人旅行だと自分で座席が選べます。とはいえ、スイスの観光列車は予約そのものが難しいので、個人旅行では乗車することすらできない、ということもあり得ます。
関心が低い観光スポットも含まれることもある
私達夫婦は全くアルコールを飲みません。なのでワインの試飲ができます、という観光地は正直あまり関心がありません。レマン湖ほとりのラヴォー地区の眺めは素晴らしかったけれど、ワインセラーよりもモントルー近くのシヨン城に寄れた方が嬉しかったかも。これはツアーを選んだら仕方ないことです。
ジュネーブについた後、モンブラン観光がありましたが、この日はツアー参加者の中で「モンブランよりスイスの鉄道を楽しみたい」とお一人参加の方が別行動をしたことがありました。この自由度は良かったと思います。
シニア向けスイスツアー検索ポイント
実際にスイスに旅してみて、ここは私にとっては重要ポイントだと思ったところを紹介します。
直行便のビジネスクラス利用プランを選ぶ
日本からスイスに行くツアーには、直行便利用と乗り継ぎ便利用がありますが、私は直行便をおススメします。直行便でも14時間半のフライトで、これ、本当に長いです。経由便だとスイス到着までにさらに時間がかかります。全10日間というプランでも、乗り継ぎ便利用だと、スイスでの観光日数が短くなるので、直行便のプランを選ぶことをおススメします。ただし、スイスへの直行便はJAL/ANAとも飛ばしておらず、スイス航空のみです。座席数がパリやロンドンに行く時より少ないです。
また直行便でも14時間半のフライトです。14時間半をエコノミーで過ごすのは、それこそエコノミー症候群になりかねません。スイス航空のビジネスクラスは座席がフルフラットになり、体への負担が軽減できます。特にシニアの皆さんには、スイス到着前に疲れてしまっては元も子もないので、直行便かつビジネスクラスが保証されているツアーを選ぶことをおススメします。
到着後最初の宿はどこか?
直行便のビジネスクラス利用でも、チューリッヒ到着後に3時間バスに乗ってサンモリッツまで移動するプランを提供する旅行会社もありました。チューリッヒ到着は夕方の6時半頃です。夏の間は9時過ぎまで明るいとは言え、到着したその日にサンモリッツまで移動するのは、夕食をどこで取るのかも含めて、少々大変なようにも思います。
今回私が利用したツアーは、チューリッヒ空港到着後はチューリッヒの街中のホテルに宿泊だったので、体力的にとても助かりました。明るいうちにホテルにチェックインでき、夕食も食べられます。移動のストレスが少ないのは、旅行期間中の体調を整えるうえでも大切なことと思います。
乗りたい列車の乗車クラスと泊まりたいホテルは含まれているか?
スイスを代表する観光列車の氷河特急は、初めてスイスに行くのなら、鉄道ファンでなくても乗ってみたい列車の一つだと思います。氷河特急はエクセレンスクラス、1等車、2等車とクラス分けされていて、選ぶツアーには氷河特急乗車が含まれているのか、それは希望するクラスなのか?を確認しましょう。ホテルもツェルマットを代表する山岳ホテルのクルムホテル・ゴルナーグラートは部屋数が少ないのに超人気ホテルです。個人手配ではなかなか難しくても、ツアーなら旅行会社が早くから押さえているので宿泊できるツアーが発売されています。自分が乗りたい列車や泊まりたいホテルが含まれているか、確認しまょう。
まとめ
今回の旅に求める要件がすべて満たされていたツアーで、出発前からサポートしてくださるカリスマ添乗員さんのおかげで、旅の満足度はとても高い旅になりました。特に年をとって体力にも自信がなくなると、重たい荷物を引いて歩くのも大変になるのですが、あちこちでポーターさんが手配されていて、荷物の心配がなかったこと、3時間くらい乗るバスも1人2席でのびのび乗車できたのは、とても良かったです。その分お値段も高いのですが、安全に旅を楽しむための必要コストと思います。
初めてスイスに行くとか、予約が難しいホテルや観光列車を組み込みたいのならツアーを利用するのが良いと思いました。次回スイスに行く時には個人旅行で行ってみようと思います。
2023年6月のスイス旅で気づいたこと
こちらのブログでは2023年6月スイスでの気候や、持って行って良かったものなどをまとめてあります。