2023年6月にやっと念願かなってスイスに出かけることができました。私がスイスと聞いてまず思い浮かべるのが、天を衝くように聳えるマッターホルンとハイジの世界です。マッターホルンの街ツェルマットでは、標高3100mの高所にあるクルム・ゴルナーグラードホテルに2連泊という日程で、2泊3日で滞在しました。真ん中の日は、終日自由行動日だったので、自分たちのペースで絶景を眺めながらのプチハイキングや、標高3883mの展望台に行くなど楽しめました。スイス旅の旅行記4回目はツェルマット滞在記です。
- ツェルマットはどこにある?
- 登山鉄道で標高3100mのゴルナーグラート展望台へ
- 登山鉄道沿いをプチハイキング
- 3883mのマッターホルン・グレッシャー・パラダイスへ
- 今回は行けなかったけど、ロートホルン展望台
- 最終日にやっと会えたマッターホルン
- ツェルマットの地図やゴンドラの営業情報
- 乗り放題パス
- ツェルマットの街
- まとめ
- 2023年6月のスイス旅 その他の記事
ツェルマットはどこにある?
ツェルマットはスイスの地図の左下の方にあり、イタリアに近い場所に位置しています。
今回の旅ではサンモリッツから氷河特急に乗り、8時間をかけてツェルマットに到着しました。
登山鉄道で標高3100mのゴルナーグラート展望台へ
氷河特急でツェルマット駅に到着した後、通りを挟んで反対側の、ゴルナーグラート鉄道の駅から登山鉄道に乗り、終点のゴルナーグラート駅へ向かいます。新しい感じがする車両でした。
ツェルマットの標高は1600mほどですが、終点のゴルナーグラートは3100mです。この標高差を30分くらいで結んでいます。ツェルマットの駅を出発して2分くらいすると、進行方向右手にマッターホルンが見えてきます。初めてご対面するマッターホルンは、上3分の1は雲の中でした。ツェルマットを離れるまでに、穂先まで見えると良いなと思いつつ登山鉄道に乗っていました。
登山鉄道はアプト式でぐいぐいと急勾配を上って行きます。
終点のゴルナーグラート駅に到着です。すでに標高は3000mを越えていますが、特に空気が薄いという感じはしませんでした。
サンモリッツからの長旅で疲労もたまっているので、まずはホテルにチェックインしました。憧れのクルム・ゴルナーグラートホテルです。
お部屋の様子などは、別の記事でご紹介することにして、こちらの記事では自由行動日の様子をご紹介します。
登山鉄道沿いをプチハイキング
ゴルナーグラートには2連泊で、2日目は終日自由行動でした。朝食を食べたのち、登山鉄道の1つ下の駅であるローテンボーデン駅まで鉄道で下りて、その下のリッフェルベルグ駅までの間をプチハイキングしました。途中、逆さマッターホルンが見える湖もあります。
まずはゴルナーグラート駅から鉄道に乗ります。私達が乗る列車が下から上がってきました。マッターホルンは穂先はこの日も雲の中です。
こちらが1つ下のローテンボーデン駅です。標高は2815mです。登山鉄道の改札は写真右下のような無人改札で、グレーのボードのようなところにパスをあてた後、バーを体で押して出ます。
歩くコースとしては、Google mapの2.3km 31分と表示されているルートが私の歩いたルートに近いです。
ここからもう一つ下の駅、リッフェルベルグ(Riffelberg)駅まで歩きます。案内表示を見ると、リッフェルベルグへは右なら30分、左方向は1時間の表示がありましたが、私たちはどっちを歩いたんだろう?とりあえず、この案内板の横の扉をあけて、ハイキングコースに入りました。
トレイルがついているので、道なりに下って行けば大丈夫そうです。標高2800m付近ですが、服装は秋のハイキングの服装でちょうど良かったです。下るだけでしたから、汗をかくような場面もありませんでした。
ちなみに私が着ていたのは、肌着としてファイントラックのドライウェア、スマートウール150のベースレイヤー、その上に赤いソフトシェルを着て、首には今治のコットンマフラー、手には手袋、パンツはノースフェイスのアルパインパンツです。
足下には花が咲き始めていました。


ケルンもありました。奥の山は、ブライトホルンだと思います。右の小さなとんがった山は、マッターホルン・グレッシャー・パラダイスがあるクライン・マッターホルン(小さなマッターホルン)です。
逆さマッターホルンが見られるリッフェル湖ですが、この日は湖面に波が立ち、またマッターホルンも雲の中で、絶景はおあずけでした。
トレイルを下ります。正面はマッターホルンですがすっぽり雲の中で残念です。晴れていればこの付近は絶景でしょう。
足下にもこんな案内表示がありました。
ここで旦那さんがマーモットに気が付きました。下の写真の中にも写っています。
もうちょっとズームしてみました。
その先には鹿のような動物も。ちょっと歩いただけで野生の動物に会えるとは驚きです。
マッターホルンは見えなくても、4000m級の山が連なる景色を見ながら歩くのは、日本ではできない体験です。
またしてもマーモット。
何度も何度も足を止めて写真を撮ってしまうので、距離の割に時間がかかります(笑)
眼下にゴールのリッフェルベルグ駅が見えてきました。
ゴールしました。9時くらいから歩きだしたので、だいたい1時間くらいで下ってきたことになります。
リッフェルベルグ駅の標高は2582m。この時の気温はプラス15℃と表示されていました。
この後は、標高3883mのマッターホルン・グレッシャー・パラダイスに向かうため、登山鉄道でツェルマットまで下りました。
今回のプチハイキングは、YAMAPでもログを取ってみました。鉄道に乗っている時からログスタートさせてしまっているので、最初の速度がやけに早い部分は鉄道に乗っている時間帯です。
3883mのマッターホルン・グレッシャー・パラダイスへ
プチハイキングを終えた後は、次なる目的地のマッターホルン・グレーに向かいます。先ほどのハイキングコースからも見えていました。下の写真でロープウェイの支柱が確認できます。よくよく見ると、芥子粒よりも小さいですが、ゴンドラが2台写っています。よくもあんな場所にロープウェイを作ったものです。
ツェルマットの駅から歩いて10分ほどのゴンドラ乗り場からスタートです。
目的地のマッターホルン・グレッシャー・パラダイスに行くまで、ロープウェイを3つ乗り継ぎます。1つめは8人乗りのゴンドラです。
1つめのロープウェイで標高1867mのフーリ(Furi)まで行きます。
7月以降になると、先ほどハイキングのゴールにしたリッフェルベルグからフーリまでゴンドラが稼働します。今回は6月だったので、一旦鉄道でツェルマットの街まで下りてからフーリに来るので、少し時間がかかります。
フーリについたら次のロープウェイに乗り換えます。
フーリから次の乗換駅、トロッケナー・シュテークまでは125人乗りの2台のゴンドラが行き来する方式なので、タイミングによっては少し待ち時間が発生します。トロッケナー・シュテークの標高は2939m、1867mのフーリから一気に標高を上げていくことになります。ゴンドラから外を眺めると、あぁ、このあたりが森林限界なのね、という景色があったり。たぶん標高2500mくらいと思います。
さらに高度があがると、今朝出発してきたゴルナーグラート展望台も見えてきました。あの位置が標高3100mです。
トロッケナー・シュテークからは28人乗りのゴンドラに乗ります。こちらのゴンドラは、デザインをフェラーリやマセラッティの設計で知られるピニンファリーナ社が担当しただけあって、なかなかスタイリッシュです。
山頂駅の標高は3883mということで、ここから標高が1000mくらいあがりますが、10分くらいでついてしまいます。
山頂が近づいてくると、風でゴンドラが揺れます。ゴンドラから見える景色もものすごい迫力で、怖い感じもしました。もう出てくる言葉は「すごい」の一言です。
氷河の上に人がいました。氷河を歩くツアーがあるのかもしれません。


山頂は雲に覆われていて、あの中に乗っているゴンドラが突っ込んでいくかと思うと、かなり怖く感じます。
その後も強風にゴンドラは揺れながら静かに山頂駅に近づいていきます。ものすごい急傾斜の場所にロープウェイが設置されていて、びっくりです。よくこんな所に設置できたと感心しました。
山頂駅に到着しました。かなりゴンドラが揺れたので怖かったですが、到着して安心しました。3883mまでツェルマットの町から1時間かからずに到着できてしまうとは、恐れ入りました。建物の上に金属製の階段がついています。
websiteのライブカメラを見ると、階段を上った先に展望台があるような映像があったので、気象条件が良いと上れるのかもしれません。
山頂駅の外に出てみると、そこは雪景色。マッターホルンはどこに見えるのかさっぱりわからないのが残念でした。山頂駅内にはレストランやお土産物を販売するお店が入っています。こちらのトイレは有料で、2CHFでした。展望台は強風でクローズでした。
3883mの展望台は、こちらに来る前に行ったユングフラウヨッホのスフィンクス展望台は3571mなので、こちらの方が高い場所にあります。アルプスの有名な展望台の一つに、モンブランのエギーユ・デュ・ミディがありますが、あちらは3842mなので、このマッターホルン・グレッシャー・パラダイスがスイスアルプスの展望台としては最高地点だと思います。
実は強風で運行が一時停止していた
最初にマッターホルン・グレッシャー・パラダイスに向かった時、フーリから乗る2つめのロープウェイが強風で運行を取りやめていて、フーリまで行ったものの一度ツェルマットに引き返しました。その後動いている、という情報を聞き、ランチを食べた後、もう一度乗り場に向かったのでした。3883mまで行けて何よりでしたが、かなり到達までに時間を要してしまいました。
今回は行けなかったけど、ロートホルン展望台
マッターホルン・グレッシャー・パラダイスに行くのに時間がかかってしまい、予定ではもう一つ、ケーブルカーに乗って行ってみたい場所がありましたが、時間の都合で断念です。
同じツアーの方で、私達より早くホテルを出発した方は、ゴンドラの運休と言うハプニングにも合わなかったそうで、ハイキングもマッターホルン・グレッシャー・パラダイスも、ロートホルン展望台に向かう途中のブラウヘルトまで行けたそうなので、1日あると主だった展望台は回れそうです。
最終日にやっと会えたマッターホルン
さて、終日自由行動の一日は、マッターホルンは結局終日雲の中で、朝のプチハイキングの時が一番よく見えました。到着日にしろ、自由行動日にしろ、マッターホルンの穂先を拝むことはできませんでした。ですが、2泊3日でツェルマットに滞在したおかげで、最終日、ツェルマットを離れる日の朝は天を突きさすようなマッターホルンを見ることができました。
グリンデルワルトの朝の時のように、モルゲンロートを期待しましたが、朝焼けにはならず、そこは残念ですが、お隣の展望台方向は今から日が昇ります、という感じがとてもきれいでした。
ツェルマットの地図やゴンドラの営業情報
夏のツェルマットの地図はこちらにあります。ロープウェイは6月だとまだ動いていないところもあり、グリーンシーズンは7月からが本番なのでしょう。
乗り放題パス
ツェルマットにはたくさんの展望台と、その展望台に行くための鉄道やロープウェイ、ケーブルカーがあります。いちいち切符買って乗るのは手間です。私達のツアーには3日間乗り放題のパスがついていて、とても便利でした。
こちらのパスは、ツェルマット・ピークパスというパスです。私が添乗員さんからいただいたのは3日間有効のパスで、204CHF(約32,000円!)です。
公式サイトで価格をチェックすると、普通に3日間買うと272CHFと表示されました。私のパスが204CHFだったのは、ハーフフェアカードとか、スイスパスをツアーが用意していたからなのかもしれません。こちらのサイトからオンラインで購入が可能です。
ツェルマットの街
ツェルマットの街中はホテルや飲食店などが立ち並び、大変活気がありました。ユングフラウヨッホ観光の起点になるグリンデルワルトよりも街が大きく、人の数も多く感じました。
ツェルマットにはガソリン車が入ることができず、街の中を走れるのは電気自動車か馬車とのこと。


駅前で待つこちらの馬車は、グランドホテルのお客様の送迎用の馬車です。
上の写真の左端に-bellという標示が見えますが、ここにモンベルのお店があり、ツェルマット限定のご当地デザインのTシャツなども売っています。売り場面積も広くて、品数も豊富でした。
まとめ
同じホテルに2連泊の日程で、終日自由行動日があったので、自分たちのペースでツェルマットを楽しむことができました。3883mのマッターホルン・グレッシャー・パラダイスへは途中運休のアクシデントもありましたが、運行再開を知ることができて無事到達できました。まるまる1日あると、アクシデントがなければ、もう一つの行けなかったスネガ方面の展望台にも行けたと思います。6月は日が長いので、行動できる時間も長くとれますからね。
それにしても、スイスは本当にいろいろな山に鉄道・ロープウェイ・ケーブルカーなどが設置されていて、頑張って登らなくても山頂付近まで到達できてしまうのが、すごいなーと思います。富士山よりも高い場所に1時間かからずに到達できるのは、私のような人にはとっても助かります。けれど、トイレなど汚水の処理はどうしているのだろう?とマンホーラーの私は考えてしまいました。
ツェルマットは街中にホテルも飲食店も多くて、便利な印象でした。ちょっとチューリッヒから遠いのですが、スイスと言えばマッターホルン、というわけで、また訪れてみたいと思いました。
2023年6月のスイス旅 その他の記事
10日間の日程だったので、旅行記はいくつかに分けて書いています。以下に記事へのリンクをまとめました。
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