2022年11月に長崎県の壱岐を初めて訪れました。透明度の高い海がとても美しく、かつ濃い温泉も楽しめる魅力の島です。今回は離島唯一の5つ星ホテルの壱岐リトリート海里村上に2連泊したので、宿泊記をまとめました。
こちらの宿は2020年春にリニューアルし、全12室の客室全てに、源泉かけ流しの露天風呂がついている宿です。雑誌にも時々紹介されています。食良し、お湯良し、景色良しのご褒美旅や記念日旅にもオススメの素晴らしい宿でした。
記事内の情報は宿泊した2022年11月時点のものです。
壱岐リトリート海里村上の概要
- 長崎県壱岐島の湯本温泉にある高級宿で、全12室。趣や広さが異なる5つのタイプのお部屋がある。すべての部屋に源泉かけ流しの温泉を楽しめる露天風呂がついている。
- 壱岐牛や近海でとれる海の幸、壱岐の畑で取れる野菜など、新鮮な食材をつかったお料理も美味しい。
- お部屋で使える無料Wifiあり。
- 事前にお願いしておけば、港や空港から無料送迎あり。
- 一人旅プランあり。平日の夜に1人で泊まり、2食付きで1泊5万円くらいから。
公式サイト
チェックイン
チェックインは玄関入ってすぐのロビーで行いました。ロビーの窓の向こうには静かな湯本湾が広がります。この椅子2脚の写真はよく雑誌にも登場しています。
湯本湾を見つめる椅子に案内され、ウェルカムスイーツとドリンクがサービスされます。
チェックイン手続きや館内の説明を聞いた後、お部屋に案内していただきました。
一番小さなコーナー和室に宿泊
こちらの宿には120㎡もあるスイートタイプから、一間のお部屋まで5つのタイプのお部屋があります。今回は一人旅だったので、一番コンパクトなコーナー和室に宿泊しました。コーナーのお部屋なので、建物のいちばんはじっこにあります。
一番コンパクトと言っても、テラス含めて67㎡、客間も15畳もある広々したお部屋です。窓の向こうには湯本湾が広がり眺めがとても良いお部屋です。
窓の方から見るとこんな感じ。メインの客室と玄関の間に次の間があります。コーナー和室ですが、2面に窓が開けているというお部屋ではありません。
1人だと8畳でも十分な広さですが、15畳もあるとお布団敷いても、普通に座卓と座椅子でくつろげます。
源泉かけ流しの露天風呂があるテラスにはデイベッドもあり、リゾート感たっぷり。テラスの露天風呂については後程詳しくご紹介します。
テラスの露天風呂はつかるのみです。石鹸で体を洗いたい場合は、お部屋の内風呂を使うか、大浴場に行きます。お部屋の内風呂は温泉ではありません。私は大浴場に行ったので、お部屋の内風呂は使いませんでした。
お部屋の水回りの設備の続きで、洗面台。椅子付きは歯磨きする時など重宝しますが、ここスペースが少々狭くて、トイレに行くのにちょっと邪魔な感じもしました。あとビミョーに鏡までの距離が遠いので、目元のお化粧をする時に使えるような拡大鏡みたいなのがあると良いなと思いました。
洗面台の引き出しの中には歯ブラシやヘアブラシ、コットンセットなどのアメニティが入っています。ソーイングセットもありました。
基礎化粧品は、クレンジング、洗顔フォーム、化粧水、乳液の用意がありました。
クローゼットの中には、上下別々タイプの作務衣と、パジャマ、バスローブの用意があります。作務衣はレストランなどもOKです。
バスローブは外からの視線が気になるテラスの露天風呂でさっと羽織るのに便利でした。
部屋の探検を終えてまずは一息つきます。テーブル上にはお菓子の用意があります。1人泊ですが2つ用意されていて嬉しい。翌日は別のお菓子が用意されていました。
お部屋のコーヒーマシンはUCCのものでした。のちほど紹介しますが、宿のラウンジにはいつでもコーヒーが飲めるようになっていたので、2泊3日の滞在中、お部屋のコーヒーマシンは1回使ったのみでした。
冷蔵庫の中の飲み物は無料です。地元のみかんジュースも入っていて湯上りにいただきました。
サービス飲料の定番、ミネラルウォーターがないと思うかもしれません。冷蔵庫の隣にはウォーターサーバーがありました。
そして忘れてならないのが、ルームサービスです。ズラリと並んだメニューの先頭に、無料でいただけるアイスがあるのです。チェックインの時に案内されるわけではないので、気が付かないと食べる機会を逸してしまいます。
フロントに注文すると、スタッフがお部屋まで運んで来てくれます。さっぱりとした味の美味しいアイスでした。2日続けて食べてしまいました。
こちらの宿の客室のレイアウトは下の写真の通りで、2階も3階も全室オーシャンビューです。
お部屋でWifiは問題なく使用できました。コンセントは数はありますが、たいてい部屋の隅の方にあります。15畳にお布団敷くと部屋の真ん中あたりにお布団が用意されるので、枕元付近にコンセントがないんです。私は寝ながら充電して、しかも目覚まし時計もスマホなので、枕元にコンセントがあると助かるのです。
また部屋の天井の照明はリモコンで消せて便利だと思ったのですが、天井の照明を消しても、コーヒーメーカーの棚の照明はリモコンでは消せなくて、壁のスイッチで消さないと暗くなりません。壁のスイッチで部屋の明かりを消してしまうと、今度は真っ暗です。部屋が広いので、お布団まで歩いて行くのがちょっと見えづらかったので、枕元灯ががあると良いと思いました。枕元灯はフロントにお願いしたら延長コードと一緒に持ってきてくれたので、2日目の夜は問題ありませんでした。
エアコンはお部屋で温度調整できそうなタイプでしたが、今回季節として暑くも寒くもなく、一度も使わなかったです。集中制御ではないことを祈ります。
お部屋の露天風呂について
各部屋に用意されている源泉かけ流しの露天風呂についてご紹介します。穏やかな海の景色を眺めながら24時間いつでも温泉につかれるのはとても贅沢なのですが、いざ入ろうとすると外の視線が気になります。
テラスに出るとこんな景色が見えますから、堤防沿いを散歩している人からもたぶん丸見えだと思いますが、私が滞在中は一度人を見かけませんでした。
視線が気になる方のために、手動式のブラインドがついています。5つ星ホテルならば電動タイプを、とリクエストしたいところですが、海に近いので機械製品は錆びてしまうのかも。かといって閉めたままではこの景色を部屋から眺めることはできないので、面倒でもお風呂を利用する都度、ブラインドを上げ下げしてはいりました。が、そもそも堤防沿いを歩いている人って、ほとんどいなくて、2日目以降は気にせず入ってしまいました。
こちらの露天風呂はチェックインした時にはお湯は張ってありません。自分が入りたい時にこちらの給水栓を開けてお湯をためて入ります。上が温泉、下は水です。温泉は源泉の温度が高いので熱いお湯が出てきますので、水とうまく調整します。
この温度調整がなかなか難しかったです。源泉温度は60度以上ありますが、早朝は配管が冷えているので、最初はそんなに熱いお湯は出てきません。しばらく待つと温度が上がってきます。ぼちぼち良いかな、と思いお湯をため始めたら、陶器の湯船もかなり冷えていて、お湯が張れたので入ろうとしたら、ぬるくて入れませんでした。一度湯船の栓を開けてお湯を少し抜いてから、さらにお湯を足しました。今度はお湯の温度がちょうどよくなったので、お湯につかりましたが、陶器の湯船はなかなか温まってくれず、湯船にもたれかかると背中が冷たく感じました。湯船が温まるくらいにかけ流しにしておくのが良いのかもと思い、2回目に入る時には上手に使うことができました。
テラスの露天風呂にシャワーがついていますが、シャンプーやボディソープの使用はできません。茶褐色のお湯なので、湯上りの衣類に色がつかないよう洗い流すためのシャワーです。
外からの視線のことを書きましたが、実際、堤防の方からどう見えるかと言うと、こんな感じでした。興味があってじろじろ見たい人には見えちゃうかもしれませんが、下からだとかなり見上げる感じです。上見て歩いているとかえって不自然なので、あんまり視線は気にしなくても良いのかもしれません。
大浴場
お部屋に源泉かけ流しの露天風呂がついているとはいえ、大浴場で手足をせーせーと伸ばして入るの良いものです。客室数が少ないので、混み合うこともなく湯あみを楽しめます。大浴場は地下1階にあります。夜は夜中の12時まで、朝は6時から使えます。
引き戸を開けたところでスリッパを脱ぎます。スリッパクリップはなかったけれど、利用者少ないので間違うこともなさそうです。
脱衣スペースです。籠方式でした。洗面台もあります。
バスタオルもお風呂で使うタオルも脱衣所に用意があるので、手ぶらで来られるのが良いです。
では浴室内へ。広々とした浴槽に茶褐色のお湯が満たされています。洗い場は隣との仕切り付き。シャンプー類もそろっていますが、唯一洗顔フォームだけがないのが残念。脱衣所の洗面台には洗顔フォームがあるのですが、私はどうせ洗顔するのなら大浴場の方で洗いたい人なので、浴室内にも洗顔フォームを置いてもらえると嬉しいです。でも、世の中の女性は浴室入る前に、脱衣所の洗面台でメイクも落として洗顔まで済ませているのかな・・・。仕方ないのでボディソープで洗顔しました。
内湯からそのままドアを開けて露天風呂に行くことができます。露天風呂の中に立ち上がると、外を歩く人と目が合いそうな感じですが、この時は誰もいませんでした。
海辺の温泉は塩分があるので、ホント、温まります。11月は温泉に何度でも入って体を温めたくなる気温なので、温泉好きには良い季節。かといって、凍えるような寒さではないので、露天風呂に行くのもそれほど勇気がいらないのも良いですね。湯上りはお肌ツルツルです。
露天風呂の縁も真っ赤っか。
こちらの温泉の泉質は、海に近い温泉らしく、ナトリウム-塩化物泉と表示されていました。特徴的なのは成分量です。溶存物質が16.9g/kgというのはメチャ濃い温泉です。10gを超えると高張性の温泉となります。私達が普段入る温泉は、成分量が多いと言っても10gを超えることはめったになく、たいていは低張性で、高張性の温泉はなかなかお目にかかれません。
こちらの宿は自家源泉を保有していて、64度という高い温度の源泉が自噴しています。湯量も多いので、各お部屋に露天風呂をつけても大丈夫なのでしょう。
壱岐の食材を使った美味しいお料理
温泉を楽しんだら次のお楽しみは食事です。今回2泊しましたが、1泊目と2泊目は献立ががらりとかわりました。お食事は食事処でいただきます。
1日目の夕食
1日目の夕食は会席料理で、カウンターの席でいただきました。お品書きはこちら。伊勢エビもあれば壱岐牛もあります。ちなみに私は貝が食べられないので伊勢エビになっていますが、貝OKの方は伊勢エビのところが鮑だと思います。(となりの男性は鮑でした)
ノンアルコールドリンクのメニューもいろいろあり、炭酸系のドリンクをいただきました。旅割のクーポンは飲み物にも使えるので、気前よく2種類も頼んでしまいました。
前菜が終わると茶碗蒸しが運ばれてきました。
続いてお造りです。小皿が3つ出てきて、お醤油、ポン酢、壱岐塩でいただきます。壱岐塩は何にでも合い、食材を引き立ててくれるお塩です。
続いて箸休め。
続いて焼き魚はクエです。添えられた落花生は茹で落花生でした。私の故郷では落花生は茹でて食べるのが一般的なので、懐かしく感じました。
続いて、すごいお料理が運ばれてきました。伊勢エビです。味噌もたっぷり。
つづいて壱岐牛のすき焼きです。卵の黄身がとーっても濃くて美味しかったです。
お食事は炊き込みご飯かお寿司からのチョイスで、私はお寿司をいただきました。すでにお腹いっぱい状態です。
最後にメロンが出て初日の夕食はおしまいです。(写真撮り忘れました)
2日目の朝食
朝食も同じ会場でいただきます。夕食時にはすでに日が沈んで窓の向こうの景色は見えませんでしたが、朝食時は穏やかな港の風景を眺めることができます。
朝食もお品書きがありました。
まずはグリーンスムージーを飲んで、胃腸を目覚めさせます。
朝食は揚げ物以外は一度に運ばれてきました。
揚げ物は目の前で職人さんが揚げてくれます。熱々サクサクで美味しかったです。
2日目の夕食
2日目の夕食は前日の会席とはうってかわって、鉄板焼きでした。鉄板焼きは食事処の奥の方にコーナーがあり、他のお客さんと一緒に鉄板を囲んでいただくスタイルでした。全部で5人座っていましたが、うち3人は私も含めて一人旅のお客さんでした。
こちらが鉄板焼きで使用される食材です。左奥が壱岐牛。手前には昨日に続いて伊勢エビが。
ブドウジュースをオーダーして、まずはアミューズと一緒に。壱岐牛のジャーキーです。
続いて前菜が運ばれてきました。ここにも壱岐牛が。今日は壱岐牛をとことん楽しめそうです。
続いてお魚料理です。
そして伊勢エビも。2晩続けて伊勢エビを食べるなんて、ちょっと贅沢すぎますね。
ここでポタージュスープが出てきました。
そしてメインの壱岐牛。焼き加減を一人一人聞いていただけます。
お食事も壱岐牛のお寿司でした。
最後のデザートには私の還暦をお祝いして下さるメッセージプレートが添えられていて、感激しました。
3日目の朝食
チェックアウトする日の朝食です。献立は前日とは変わります。目覚めのジュースはトマトジュースでした。
この日は納豆があって嬉しい私。
この日も職人さんが目の前で天ぷらをあげて下さいました。壱岐塩でさっぱりといただきます。
館内
ライブラリー&バー
ロビーの隣にライブラリーがあります。湯本湾に面して大きく窓が取られていて、海を眺めながらくつろぐことができます。朝6時から夜12時までオープンしています。
ラウンジ内にはコーヒーマシンがあり、オープンしている間であればいつでもコーヒーが飲めます。一緒にクッキーも置いてあるので、軽いおやつにも良いです。
夕方にはシャンパンとオレンジジュースもサービスされます。
ジム
こちらの宿にはジムがあります。有酸素系のマシンなどがあります。
貸し出し用のシューズなどの用意もありました。
アクセス
壱岐リトリート海里村上は長崎県の離島、壱岐にありますので、まずは壱岐に渡ることが必要です。壱岐へは博多港からの船が一般的です。福岡空港までの飛行機の便、博多駅までの新幹線の本数を考えても、一番便利な交通手段になるでしょう。博多港からは時間はかかるけどお値段は安いフェリーか、費用はかかっても時間が短い高速船を選ぶことができます。壱岐の芦辺港か郷ノ浦港が船の発着する港です。時間や料金などは九州郵船のサイトをご覧ください。ネットで予約ができますが、フリーメールでは登録できないのがやや不便でした。
壱岐には空港があり、長崎空港から20~30分程度の空の旅で到着することもできます。オリエンタルエアブリッジという航空会社が運行しています。私は行きは飛行機を利用しました。古い飛行機を修理しながら大切に飛ばしているのと、CAさんがとても親切で好感が持てました。
船・飛行機いずれで到着しても、宿に事前にお願いしておけば、無料送迎してもらえます。
まとめ
お部屋からの景色、濃い温泉、そしてお食事のどれをとっても素晴らしい宿でした。その分お値段も良いですが、お値段に見合う内容と思います。お客さんの数に対してスタッフの数が多く、サービスも行き届いている印象を受けました。お部屋の照明のスイッチや、トイレの窓のカーテンがレースのみは改善されるともっと良いのに、と思う点もありましたが、滞在に影響はなく、2泊3日の壱岐の旅を存分に楽しむことができました。また泊まりに行きたいです。
関連リンク
壱岐の観光
壱岐ではこんな場所を観光しています。レンタカーで回りました。
系列の宿の宿泊記
こちらの宿は安藤忠雄氏設計の「瀬戸内リトリート青凪」の運営をしている温故知新という会社がかかわっている宿です。「瀬戸内リトリート青凪」にも宿泊しています。