2021年8月の夏休み、雨の上高地を後にして、私たち夫婦が向かったのは白骨温泉の泡の湯です。沢渡バスターミナルからは車で15分くらいなので、上高地を散策してから向かっても余裕です。白濁の湯を楽しめる大露天風呂は泡の湯の代名詞ですが、炭酸ガスを含んだぬる湯が楽しめる内湯も素晴らしいです。泡の湯に泊まるのは2回目です。前回泊まったのは30年くらい前だと思いますが、ポスターで見かけた泡の湯の大露天風呂に惹かれて泊まったのでした。当時はにごり湯=泡の湯という図式が私の頭の中にありました。久しぶりの宿泊です。
建物
前回宿泊した時には、木造3階建ての本館に泊まり、廊下を歩くとギシギシきしむような音がした記憶もあります。たぶんこちらの建物に泊まったのだと思います。
今回は本館の奥にある鉄骨の新館のお部屋に泊まりました。エレベータも完備されていて、廊下を歩いていてもまだ新しい感じがします。本館のフロントで名前を告げると、係の人が荷物を持ってくれて、お部屋まで案内してくれました。
新館のお部屋のグレードは3段階
こちらの新館にはお部屋のグレードが3つあります。今回は一番リーズナブルな「萌黄」というお部屋をチョイス。それでも10畳の客間プラス広縁にバストイレ付きというかなり贅沢な造りです。Wifiも問題なく使用でき、コンセントの数も複数個所あり、充電には困りませんでした。写真に写っていませんが、テレビもあります。
「萌黄」は泡の湯の標準的なお部屋ですが、新館の3階と2階では同じ「萌黄」でも、少しアメニティに差があるようです。こちらがアメニティ。シートマスクや、ちょっと良さげなシャンプーやボディソープのセットもついていました。
また3階のフロアにはドリンクコーナーがあり、インスタントコーヒーやティーバッグがサービスされています。
お部屋にはミネラルウォーターが1本/人サービスされています。お茶は緑茶のみ。冷蔵庫は中身は空ですが、用意があります。
ちなみに夕食の間にお布団を敷いてくれますが、その時にポットに入った冷水と、お夜食用に小さなおにぎりが届いていました。
温泉
名物の大露天風呂は混浴だがハードルは低い
泡の湯の名物は何と言っても大露天風呂でしょう。この露天風呂の写真を見て、白骨温泉を訪れる人も多いのではないでしょうか。私もその一人です。夜に入ったら、満天の星空を楽しみながらの湯あみもできました。
大露天風呂は混浴ですが、御覧の通りのにごり湯で、湯につかってしまうと体のラインは見えません。脱衣所は男女別になっていて、女性はピンクの暖簾の奥から湯につかりながら露天風呂に入場できるので、混浴と言ってもハードルは低いです。湯あみ着の用意もありましたが、私は湯あみ着を使用せず、堂々と(?)入りました。
以前はこんな出入り口はなく、脱衣所からタオルで隠して入った記憶がありますが、この出入り口は便利ですね。ただ露天風呂用の女性の脱衣所は狭くて、5人いるとかなり密でした。男性は大浴場からそのままこちらの大露天風呂に出てこられますが、女性の大浴場とはつながっていません。
内湯では泡付きを実感
宿には男女別の大浴場があり、内湯と内湯からそのまま行ける小さな露天風呂があります。カメラの持ち込みは不可なので、廊下に掲示してある図を載せておきます。
男女とも造りはほぼ同じで、加温したちょっと熱めの浴槽と、加温していないぬる湯の浴槽があります。白骨温泉の源泉は透明なお湯で、加温していない浴槽は透明なお湯があふれています。加温浴槽は白濁です。ぬる湯の方も白い湯の花がふわふわしていて、温泉らしいです。またこちらの源泉には炭酸ガスが豊富に含まれていて、ぬる湯につかっていると、いつの間にか肌に泡がついていました。
大浴場の手前には卓球台があり、これも温泉宿らしさなのかも。
泉質
こちらが温泉の成分表です。泉質は含硫黄-カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉(硫化水素型)で、駐車場に到着した時からぷ~んと硫化水素の匂いが漂っていました。
お風呂の写真は宿の公式サイトをご覧ください。
お食事は温泉旅館らしい献立
夕食も朝食も半個室でいただくので、他のお客さんとの接点はありません。完全な個室ではないので、大きめの声でのおしゃべりや、子供の甲高い声などは聞こえてきます。
夕食も朝食も温泉旅館らしい献立でした。こちらは夕食のお品書きです。あまり変わったものはありません。前回は広間に部屋ごとの囲炉裏が用意されて、囲炉裏で食材を焼きながら食べた記憶があります。なんだか以前の方が印象に残るお食事だったように思います。
食前酒はワインが出てきました。
メインの石焼きは、牛か豚かを予約時にチョイスしました。こちらは私がチョイスした牛肉です。かなり厚切りなのが嬉しい。
他にもお造りやイワナの塩焼きなども運ばれてきます。
食後のフルーツはなんとスイカでした。なかなか珍しいかも。
つづいて朝食です。個室に入る前にドリンクコーナーがあり、トマトジュース、牛乳、飲むヨーグルトが用意されていて、宿のスタッフの方がグラスに注いでくれます。
籠の中にはいろいろなご飯のお供が入っていました。
泡の湯の名物料理は温泉粥です。前日の夕食の時に、朝食の時のご飯を普通のご飯にするか、温泉粥にするかを選択します。私は温泉粥をチョイスしました。
ロケーション
泡の湯がある白骨温泉は、上高地や乗鞍高原と近く、白骨温泉だけを目指していくよりは、2泊3日などで周辺の景勝地を巡れると、旅が充実するでしょう。私は上高地・乗鞍岳登山と組み合わせて行きました。上高地の様子はこちらです。
今回の旅では、前日は上高地に泊まっていて、上高地を午前中散策し、お昼を食べてから沢渡のバスターミナルに戻ってきた後、白骨温泉まで車で移動しました。下の地図の道路で行けばバスターミナルからは15分足らずで到着です。
が、この日は前日の大雨で上記ルートが通行止めになってしまい、乗鞍高原経由で向かいました。それでも40分弱で到着です。乗鞍高原から泡の湯の間は交通量も少なく、落石や路肩の崩れが心配な道路ですが、無事通行できました。お猿さんが道路わきに座っていました。
まとめ
泡の湯といえば、白濁の大露天風呂が有名ですが、内湯の加温していない透明なお湯は、炭酸ガスの泡付きと、硫黄の香が楽しめて最高です。熱くないので、ふやけるほど入っていられました。周囲に温泉宿は何軒かありますが、温泉街はないので静かなのも良いです。食事は温泉宿らしい献立で美味しかったけれど、特に印象に残るお料理というのはなかったです。スタッフは皆さん親切で、朝食の時に水筒に氷をお願いしたら対応していただけました。一方で夕食の時に「翌日のお弁当を作ってもらえますか?」という質問には回答が来ませんでした。
お値段は2人/室、2食付きで1人33,550円でした。お部屋を2階のお部屋にすると2000円くらい安いようです。もし2000円がバスアメニティとドリンクコーナーの差なら、安いお部屋でも良かったもと思いました。上高地、乗鞍と近いので、1泊2日で行くよりは、この辺りの景勝地を回る2泊3日くらいのプランでお出かけすると旅が充実すると思います。私はチェックアウト後に乗鞍岳に登りました。その様子はこちらです。