にっぽん丸の2023年「飛んでクルーズ北海道」のBコースに参加しました。タイトルに救命ボートと書きましたが、遭難したわけではありません。通常はテンダーボートと言い、クルーズ船が着岸できないように小さい港や浅い港で、お客さんを上陸させるために使う船です。もちろん非常時には救命ボートとしても活用されるのです。3日は知床観光です。
- 目覚めると知床岬
- テンダーボート(救命ボート)乗船
- ホエール・ウォッチング
- 3日目の午後は食べっぱなし
- 船内アクティビティにも参加
- さようなら、知床
- 加藤登紀子さんのコンサート
- 3日目の夕食
- まとめ
- 関連リンク
目覚めると知床岬
3日目の朝5時頃、目が覚めて部屋のテラスにパジャマのまま出てみると、目の前に知床岬が見えました。海面は鏡のような水面、とまではいきませんが、とても穏やかで、滑るように船が進んでいきます。
位置としてはこんな感じに岬をまわって、国後島と知床半島の間に海に入ります。
岬には灯台らしきものも見えます。知床岬の先端部分は道なき道を歩いて行くしかなく、実質一般人が行くことは無理です。その灯台の立つ岬をこうして海から眺められるのは感慨深いものがありました。
漁船でしょうか、一隻明かりがついた船が見えました。
進行方向左手には山並みが見えますが、あちらは国後島です。
テンダーボート(救命ボート)乗船
この日は羅臼港に上陸するのですが、にっぽん丸は港には入れません。乗客はテンダーボートというクルーズ船備え付けの小型船に乗り換えて羅臼港とにっぽん丸の間を行き来します。テンダーボートは非常時には救命ボートにもなります。救命ボートに乗る機会なんて、クルーズ船の旅に参加しないとなかなか機会がないと思うので、これも貴重な体験というか、私にとってはアトラクションの一つでした。
ボートをおろしていきます。
まもなく海面に到着。乗下船口も用意されています。
海面に到着して、ケーブルから切り離されました。
当たり前ですが、ちゃんとエンジンがついています。
大勢のスタッフが関わっていることがわかります。
私達は羅臼港から出発するホエール・ウォッチングのオプショナルツアーを申し込んであったので、朝食を済ませた後、このテンダーボートに乗って羅臼港まで移動しました。船内は椅子が整然と並んでいて、130人くらい乗船できるようでした。
ほぼ満席でにっぽん丸を出発しました。スタッフの皆さんが手を振ってお見送りしてくれました。羅臼のツアーに行ってきます。
この日は2隻のテンダーボートが行き来していました。
ホエール・ウォッチング
羅臼では、いくつかオプショナルツアーが用意されていて、私と妹はホエール・ウォッチングのツアーに申し込みました。午前中3時間ほどのツアーです。
テンダーボートを下りてすぐに観光船に乗船して出発です。観光船に乗る時に、1人一つ救命胴衣を渡され着用しました。
羅臼の観光協会の方に見送りを受けて羅臼港から出港です。
観光船の上では、これから見ることができる海洋生物の解説が始まりました。こんな水しぶきがイルカを探す時のポイントとのこと。
でも素人がいくら海面を眺めていても、見つけるのはなかなか難しいです。スタッフの方が双眼鏡でイルカやクジラの姿を探します。
間もなく、2時の方向に水しぶきがあがっています、とアナウンス。目をこらすと見えました! イルカです。
目が慣れてくると、だんだんと探せるようになり、スタッフさんのアナウンスの前に「あそこだ」とお客さんから声が上がることもありました。
でもこの日のお目当てはもう一つ、クジラです。この時期はマッコウクジラを見ることができるのですが、マッコウクジラは40分くらい潜水していられて、息継ぎのために海面にいるのは7分くらいとのこと。クジラの出す音を聞いて、近くにクジラがいないか探します。
周囲には同じ目的の観光船がいて、お互いに連絡を取り合ってクジラをさがしているようです。
クジラの潮吹きを発見。マッコウクジラがいました。
静かにクジラの方向に近寄ると、背びれが見えました。この後尾びれをあげて潜水していきましたが、揺れる船の上から撮影するのは至難の業で、尾びれは撮り逃しました。
当日の模様は観光船を運営している会社のブログでも紹介されています。こちらの方が写真が鮮明です。
この後は雨が降ったり、しぶきがかかったりするので、船内に入ってしまい、海洋生物の探索は終了、羅臼港に戻りました。羅臼港に戻る間、船長さんが乗客の方を向いて、知床観光船事故の話などをしてくれたのですが、その間全然前方を見ていません。船も自動航行なんだそうです。
羅臼港に到着した後、テンダーボートに乗り換えてにっぽん丸に戻りました。
この時は近くを漁船が通り、その波のせいかめちゃくちゃテンダーボートが揺れまして、大海を航行中にテンダーボートに乗り移って避難することになったら、どうなっちゃうんだろう? と思いました。そういう経験ができたのは、とても貴重でした。
3日目の午後は食べっぱなし
昼食
ホエールウォッチングから戻った後、2階の「瑞穂」でランチをいただきました。この日のランチはテーブルサービスでお刺身とお食事がサーブされ、あとはビュッフェで好きなものを取る形式です。
羅臼産の食材が並ぶランチとなりました。下の写真の左上が「羅臼すけ子(タラコ)」です。
デザートもしっかりいただきました。
おやつその1 リドテラスのハンバーガー
ハンバーガーがおやつかよ、という突っ込みは横に置いておいて、ランチの後は7階にあるリドテラスのハンバーガーをいただきました。
部屋で食べたいというと、紙袋に入れてくれたので、お部屋の冷蔵庫に用意されていたリンゴジュースと一緒にいただくことに。
せっかくベランダ付きのお部屋にしたので、1回位はベランダを使わないと。ずっと雨か飛沫でチェアやテーブルが濡れていたので、やっとチェアに腰を下ろすことができました。
おやつその2 アフタヌーンティー
船内のカフェではアフタヌーンティーが提供されています。5つ星ホテルのような3段プレートではありませんが、優しいお味のケーキと紅茶をいただきました。
おやつその3 羅臼カフェ
この日は7階のラウンジで「羅臼カフェ」がオープンしていて、飲むヨーグルトと羅臼産のこぶを使用した昆布茶がふるまわれていました。7階のラウンジは船の前方にあり、前面の眺望がとても素晴らしいラウンジです。
飲むヨーグルトも昆布茶も両方いただきました。
昆布茶は小さな昆布片が入った紙コップにお湯を注いでもらうだけの飲み物ですが、とても良い味になっていました。
船内アクティビティにも参加
3日目の午後は夕食まで時間があったので、スタジオでのストレッチ体操と、ラウンジで開催されていた足つぼマッサージ教室にも参加してみました。足つぼ教室の講師はクルーズディレクターの森さんでした。ご自身も足つぼにはまり、学校に通って資格もとったのだとか。なかなか勉強になりました。この森さん、以前は「ぱしふぃっくびーなす」というクルーズ船でも、クルーズディレクターを務めていた方のようです。
こちらの方です。
さようなら、知床
船内でおやつを食べまくっている間に、いつの間にかにっぽん丸は羅臼を出発していて、ストレッチのレッスンを受けていたら、操舵室から「まもなく知床岬です」という放送が入りました。
朝はお部屋のベランダから見た知床岬ですが、帰りは朝とは逆側が知床岬側なので、デッキに出て知床岬に別れを告げました。
知床半島の北側が見えます。観光船の事故があったのはこちら側。思わず合掌。写真中央の山頂付近が白っぽくなっている山は、知床硫黄山のようです。
クジラにもお別れ
知床岬を眺めていたら、クジラを見つけました。午前中のツアーでクジラを見ていたので、クジラの背びれだと気づけました。ほぼ同時に「左舷にクジラがいます」と館内放送が入りました。
加藤登紀子さんのコンサート
知床を訪れた夜のイベントは、「知床旅情」などの楽曲で有名な加藤登紀子さんのコンサートです。コンサートの前にカクテルパーティがあり、私達もノンアルコールタイプの「リトルクレーン」というカクテルをいただきました。
カクテルパーティの後はいよいよ加藤登紀子さん登場ですが、コンサート中の写真撮影は不可なので、写真はありません。40分ほどのコンサートでした。夕食の時間帯が指定されているお客さんのために、同じ内容で2回コンサートを行うんですよね。なかなか大変だなと思いました。
3日目の夕食
にっぽん丸での夕食も、この日があっと言う間のFinal Dinner。
夕食の洋食メニューには通常コースとヘルシーコースの2つがあります。初日も洋食だったので、ヘルシーコースがありましたが、なんとなく毎度通常コースを選んでしまいます。
ということで、最後のディナーも通常コースにしました。
2番目のお皿はヴィシソワーズか、鮑と雲丹の磯焼からの選択だったので、私はヴィシソワーズを選びました。
お魚料理は「柳の舞のグリル」とあるのですが、柳の舞ってどんな魚でしょう?さすがにフィリピン人スタッフには日本語での質問も回答も難しいと思い、日本人スタッフが通りかかった時に聞いてみたところ、メバルのような魚とのことでした。いつもなら手元のスマホでチャチャッと調べますが、海の上では通信手段がなく調べられないのでした。
お口直しはリンゴのシャーベットの後は牛フィレのトリュフ風味のソースという大変ゴージャスな一品でした。
この後はデザートとコーヒーでディナー終了です。にっぽん丸でのお食事も、残すところ明朝の朝食のみとなりました。
まとめ
雨女の旅は3日目もどんよりしたお天気でしたが、無事マッコウクジラを見ることができて良かったです。羅臼港との行き来には、緊急時にも使用するテンダーボートを使って乗船客を運びます。こういう方式を通船というそうで、小さな港ではよくある光景のようです。頻繁にテンダーボートを使う機会があると、乗組員の皆さんにとっても避難訓練を実施しているような感じで、いざという時にも心強いなと思いました。私の職場の避難器具なんて、もう何年も使用されておらず、誰も正しい使い方を知らないと思います。
関連リンク
にっぽん丸の旅1日目
今回利用したデラックスベランダのお部屋や1日目のディナーを紹介しています。
にっぽん丸の旅2日目
利尻島に上陸予定でしたが、天候が悪く入港できず、稚内港に行き先が変更になりました。
にっぽん丸の公式サイト
今回利用したホエールウォッチングの観光船のサイト
沖縄でのホエールウォッチング
2月の沖縄ではザトウクジラを見ることができます。出産のために沖縄近海にやってくるので、たいてい母子セットで見ることができます。