本州の北の果て龍飛岬で一泊した後、帰宅の途につきました。帰りは一気に新幹線で東京まで戻ります。「奥津軽いまべつ駅」が龍飛岬の新幹線の最寄り駅になります。新幹線の駅としては日本一乗降客が少ない駅だとか。それもそのはず、一日に7往復しか新幹線が停まりません。でも貨物列車が走ります。小さな駅なんだろうと思って行ったら大きな駅でとても楽しめる駅でした。
- 津軽線「三厩駅」から「津軽二股駅」へ
- 津軽二俣駅で下車
- 「奥津軽いまべつ駅」はかなり楽しい駅
- JR北海道の「北の大地の入場券」を本州で購入
- 「お先にトクだ値スペシャル」で奥津軽いまべつ駅から東京駅に戻るための購入方法
- 新幹線から海峡線をウオッチング
- 津軽線から海峡線ウォッチング
- まとめ
津軽線「三厩駅」から「津軽二股駅」へ
龍飛岬から静岡に戻るために、まずは津軽線「三厩駅」に向かいます。津軽半島最北端の終着駅ということもあり、なんとなく寂しい感じが漂います。
この駅にやってくる列車は一日5本。そのうち1本は青森駅からの直通運転でやってきます。
小さな終着駅ですが、男女別に簡易式の水洗トイレがあり、助かります。駅周辺を歩いたら、こんなマンホールを発見。風力発電とあじさい。これは龍飛岬がモチーフですね。
三厩駅は終点なので、この先線路はありません。非電化路線なので架線もなく、殺風景で寂しい感じもしますが、遠くまで来た~って感じがして、結構好きです。
私は三厩駅を12:37に出発する列車に乗ります。折り返し運転の列車がやってきました。懐かしい色の気動車です。
三厩駅には券売機がないので、折り返し運転の列車の車掌さんから出発前に切符を買っておきましょう。でないと、途中駅で降りる時にもたつくことになり、他のお客さんのご迷惑になります。それでは乗車します。
津軽二俣駅で下車
新幹線の「奥津軽いまべつ駅」に向かうには、「津軽二俣駅」で降ります。下りるともう隣には新幹線の高架が走っています。
津軽線の列車を見送った先に新しい跨線橋が見えます。あの跨線橋を渡って新幹線の「奥津軽いまべつ駅」に行くのです。
道に迷うことはないし、屋根付き歩道なので雨や雪でも安心して歩けます。
歩道の先には駐車場。屋根付きで広いし立派な駐車場です。奥津軽いまべつ駅は一日の乗降客が日本一少ない新幹線の駅なのに、ちょっとびっくり。ここから新幹線で新青森までは15分、乗り換えて青森駅までは約30分なので、通勤需要があるのかもしれませんね。レンタサイクルの貸し出しがあるようです。
「奥津軽いまべつ駅」はかなり楽しい駅
このまま屋内を通って改札にも行けますが、せっかくなので外に出てみました。駅前のロータリーは閑散としていて誰もいません。確かに乗降客が少ない駅というのもうなずけます。4階建てのビルのような駅舎ですが、この中はエレベーターと階段です。また反対側には出入口はありません。
先ほど列車を下りた津軽線の「津軽二俣駅」はJR東日本の駅ですが、こちらの「奥津軽いまべつ駅」はJR北海道の駅というのも、なんだか不思議な感じがします。「津軽二俣駅」を新幹線との接続駅と言いたいところですが、接続駅の扱いではないので、乗車券を通しで買うことはできません。津軽二俣駅から新幹線の改札までは歩いて5分くらいかな。
そうそう、新幹線ホームに行く前に大事なことを。奥津軽いまべつ駅には売店がありません。ここから新幹線に乗って東京に戻るとなると、3時間半以上乗ることになります。最近ははやぶさの車内販売も寂しくなりましたから、食料と飲み物は事前に購入しておきましょう。先ほど降りた「津軽二俣駅」には道の駅が併設されていて、食料・飲み物・お土産を購入できます。
エレベータで上がった先には跨線橋。ここからの眺めは最高ですよ。
まずは北海道方向。たくさん線路があります! 赤丸は津軽線の津軽二俣駅。さきほどおりた駅です。隣のオレンジ色の建物が道の駅。右端の白い建物は新幹線のホームです。真下の青丸にはトンネルが。よくみると線路が3本あります。これは保線用の車両が出入りする場所で、新幹線用と貨物用の保線車両が走れるように3本レールになっているのだそうです。緑の矢印は貨物列車が走る海峡線の下り線です。この先で新幹線のレールに合流し、3本レールで青函トンネルを走るわけです。見えているレールは2本とも下り用で、上り用の線路はホームの向こう側で跨線橋からは見ることができません。
トンネルのアップ。
振り返って青森方向を見てみます。真下が海峡線下り線。右側には保線区があります。トンネルからの三線軌条が海峡線用と新幹線用に分岐しているポイントが見えます。
そのポイントのアップ。一番右の線路は津軽線です。
ここまで来たら、海峡線を走る貨物列車を見たくなります。貨物列車の時刻表も購入できるようですが、こんなサイトを見つけました。ここに海峡線を走る貨物列車のダイヤが公開されていました。
http://f-kawasaki.sakura.ne.jp/diagram/hokkaido/01/
個人が作られたページですが、かなり参考になります。私は12:52に津軽二俣駅に到着し、この後13:35発のはやぶさで東京に向かうのですが、こちらのサイトで公開されているダイヤを見ると、13:00-13:10あたりで、北海道方向の下り貨物列車が通ることになっています。念のため駅員さんに聞いたら、あと5分ほどで下り貨物が通過予定とのこと。しばし待っていると、来ました来ました!
こんなに貨物列車を見て感動したこともないかも。これが上りの貨物だと駅舎の反対側で跨線橋からは見えないので、下りの貨物が来てくれて嬉しかったです。
この貨物列車は北の大地に向かったのでした。
JR北海道の「北の大地の入場券」を本州で購入
先ほど書いたとおり、「奥津軽いまべつ駅」はJR北海道の駅なので、JR北海道が発売している「北の大地の入場券」が買えます。本州でこの入場券が買えるのは、奥津軽いまべつ駅のみ。1枚200円なので記念に購入しました。
2021年2月末までに全駅制覇すると、記念品がもらえるキャンペーンをやっていますが、86駅もあるとなると、これはなかなか難しそうです。私はキャンペーンにはチャレンジしませんが、旅先で発売対象の駅に行った時には購入してみようかなと思います。
「お先にトクだ値スペシャル」で奥津軽いまべつ駅から東京駅に戻るための購入方法
2020年8月末から2021年3月末までJR東日本では「お先にトクだ値スペシャル」という大変お得な切符を発売しています。なんと半額で新幹線が利用できるのです。奥津軽いまべつ-東京間は割引なしで乗ると、乗車券と特急券の合計で片道19,510円と高額なので、是非とも半額で乗りたいところ。でも奥津軽いまべつ駅と東京駅の間では「お先にトクだ値スペシャル」の設定はありません。えきねっとで調べても、出てくるのは「トクだ値」のみで、これでは25%オフにしかなりません。これだと14,470円かかります。
ここであきらめてはいけません。奥津軽いまべつ駅と新青森駅、新青森駅と東京駅の間はそれぞれ「お先にトクだ値スペシャル」の設定があるので、区間を分けて購入するのです。①奥津軽いまべつ駅-新青森駅は1,610円、②新青森駅-東京駅は8,730円、合計10,340円で乗車できます。画面に表示された25%オフより4千円安いです。この差はお大きい。この時、①と②とで同じはやぶさの同じ指定席を指定して購入すれば、東京までずっと乗ったまま移動可能です。先に両区間で空席を確認しておき、①も②も同じ座席を指定して買いましょう。
降車駅では有人改札を通ること
「お先にトクだ値スペシャル」はICカード専用切符なので、奥津軽いまべつ駅の改札を入る時にはピッとやって入場し、通常なら降車駅でもピッと自動改札が通れますが、区間を分けて購入して、一気に乗ってしまう場合、私のケースだと新青森で改札を通った記録がないので、東京駅で改札を出る時には自動改札を通過できません。区間を分けて買ったけど、通しで乗る場合には、有人改札を利用してください。
新幹線から海峡線をウオッチング
奥津軽いまべつ駅では貨物列車が走る海峡線はホームの外側を通過していました。こちらの写真は新幹線ホームのはじっこから北海道方向を撮影しています。右側の2本の線路は貨物が通る海峡線の上り。左の3本は新幹線。下りの海峡線は柵のさらに向こうでここからは線路は見えません。
ホームがある部分では新幹線と海峡線は別々の線路ですが、駅の前後で合流します。貨物と新幹線ではレール幅が違うので、合流している区間では3本レール(三線軌条という)です。日本国内で三線軌条が見られる場所は少ないので、右側の座席を予約して、下り線のレールを見ていました。奥津軽いまべつ駅を出発してすぐに貨物が走るレールの分岐が確認できます。最初のトンネルを出た後に三線軌条は確認できましたが、すぐに次のトンネルに入ってしまうので、新幹線の中から確認できるのは一瞬です。でも新幹線と同じところを貨物列車が走るというのは不思議な感じがします。
津軽線から海峡線ウォッチング
津軽線からも海峡線を見ることができます。津軽線は青森駅と三厩駅を結ぶ路線です。青森と蟹田駅の間は電化路線ですが、蟹田駅から三厩までは非電化路線です。
海峡線が見えるのは、蟹田駅から先の非電化区間です。龍飛岬に向かう時に、青森から津軽線に乗車し、途中で海峡線への分岐を眺められたので紹介します。蟹田駅で乗り換える気動車は、なんとも懐かしい色のキハ40です。
2両編成で車内はボックスシートがあり、ローカル線に乗っている感が増します。進行方向右手に、この後貨物列車が走る海峡線が見えたり、海が見えたりするので、右側のボックスを確保しました。平日だし、2両編成だと座席数も多く、混み合いませんでした。
車窓は黄金色の穂が美しい田園風景。のどかです。
と車窓を眺めていると、右側にさらに線路が2本見えてきました。これが青函トンネルを走る貨物列車用の海峡線ですね。
さらに進むと、ATC投入なんていう標示も見えました。この辺りが新中小国信号場のようです。前面展望で見たら楽しそうです。
最初はすぐ右隣に見えていた線路が徐々に津軽線から離れていきます。
海峡線はやがて高架になり・・・
北海道新幹線の線路に吸い込まれていくのでした。
まとめ
奥津軽いまべつ駅に停まる新幹線は一日7往復。新幹線の時刻表というより、田舎のバス停の時刻表のようです(笑)。
が、本数も乗客数も少ないのに、駅そのものは保線区もあって大きな駅でした。乗り換えの1時間弱の間、楽しめました。 龍飛岬への行き帰りに「奥津軽いまべつ駅」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
龍飛岬への行き方や観光スポットはこちらにまとめました。日帰りで行く方が多いですが、のんびり宿泊にすると素晴らしい夕焼けを楽しめるチャンスもありますし、帰りに奥津軽いまべつ駅を楽しむ時間もできます。
龍飛岬には青函トンネルゆかりの場所もあります。海峡線は青函トンネルを通るので、海峡線ウォッチングとともに訪れてみるのも良いと思います。