静岡市北部の温泉である梅ヶ島温泉に日帰りで行ってきました。梅ヶ島温泉は、pHが高く、トロリとしたアルカリ性の温泉で、お肌がツルツルになります。静岡市街からちょっと離れていて、穴場な温泉という印象。梅ヶ島温泉には旅館が数軒あり宿泊でも温泉を楽しめます、しかも安いのですが、今回は日帰り専門の「湯元屋」に行ってきました。温泉に入りたいけれど、泊りで行くには予算と時間が気になる時には日帰り温泉がお気楽レジャーで良いですね。
梅ヶ島への道
一口に梅ヶ島温泉と言っても、大きく4つに分かれていて、それぞれ源泉が違います。今回行ったのは一番奥にある「梅ヶ島温泉」です。新東名のおかげで、新静岡インターから車で50分程度。自宅からなら1時間半くらいで到着できるのも嬉しい。新静岡インターを下りたら標識に従って走ります。
梅ヶ島は安倍川の一番上流というロケーションなので、ほとんど安倍川に沿って山奥方向へ向かいます。信号も通行量も少ないので、田舎の山道の割に飛ばす車も多い気がします。この日はお天気が良くてドライブも楽しい。
ところどころ工事中。というのも、大雨が降ると、たまーに土砂崩れで道がふさがることがある道路なんです。静岡県内のニュースでたまーに聞きます。
砂防ダムが途中にあります。
こちらのダムはよく見かけるダム湖ができるようなダムはありません。ということは、貯水能力がないので、雨が少なかった今年の冬には「瀬切れ」と呼ばれる川の水が途中で切れてしまうという現象が安倍川に発生しました。
道の途中には梅がところどころ咲いていて、車から降りると良い香り。バイクの人は「梅の香りがしたね」と言っていました。
日帰り温泉施設「湯元屋」
新東名の新静岡インターを降りてから50分程度で梅ヶ島温泉に到着。通り沿いに本日の目的地、日帰り温泉施設「湯元屋」があります。10時から16時までの営業です。
駐車場は建物前の道路の反対側に3台くらいの枠が書いてあります。下の写真のオレンジの円のところです。青い矢印の建物が「湯元屋」です。
「湯元屋」の前の路上駐車スペースは長時間もOKなのかどうかわからなかったので、梅ヶ島温泉の無料駐車場に停めました。「湯元屋」から徒歩1分程度です。下の写真のオレンジの丸の部分が無料駐車場です。
温泉
「湯元屋」は食堂と売店併設の日帰り温泉施設です。売店のレジで受付をします。入浴料は大人700円。
受付を済ませたら、階段を上って2階へ。階段には手すりがついています。杖をついたお年寄りもゆっくり上がっていました。階段を上がると右が女湯、左が男湯です。温泉の名前は「虹乃湯」というのですね。
「虹乃湯」の文字の下に、こんな表示が書いてあります。「入浴時間 一回一時間以内、二回OK」 温いお湯で長湯しがちですが、湯船が小さいので1回1時間までなのでしょう。その分2回入れるので、お風呂から上がって近くを散歩した後に入ることもできるんです。
暖簾をくぐったらまず靴を脱いで下駄箱へ。この時点で何人入っているかわかります。下駄箱の横の扉はトイレです。和式トイレなので、和式がつらい方は、駐車場から「湯元屋」に歩いてくる途中にあるトイレを使うと洋式のウォシュレットで快適です。
脱衣所はかなり狭く、大人が3人で脱ぎ着していたら、次の人はしばらくお待ちください状態です。狭いけど、こういう椅子があるのは、お年寄りが座りながら着替えたり、ちょっと荷物を置く時とかに便利で助かります。
ロッカーは鍵付き。ちょっと壊れそうな鍵付きロッカーでした。
さっそく温泉につかりましょう。常にお客さんがいたので、写真はあまりありません。温泉は、内湯と露天と両方あります。内湯は4人も入ればいっぱいという感じで、露天はさらに小さく2人でいっぱいと言う面積。
「虹乃湯」は源泉に最も近い入浴施設です。硫黄のかおりが漂い、pHが9.6というアルカリ船の湯はトロリとしたお湯で気持ちいいです。もともと梅ヶ島温泉の源泉温度はそれほど高くないので、加温されていますが、私にはちょうど良い温度。40℃くらいでしょうか。ゆっくり使っていられる温度です。
塀で囲まれているので、眺望はよくありませんが、青空と少しだけ山の木々が見えます。
露天には内湯のお湯が穴を通して注がれる仕組みなので、露天のお湯の温度はかなりぬるいです。体温くらいかな。
受付でこちらのご主人が言っていましたが、毎日湯を抜いてお掃除されるそうです。なので露天に温泉が溜まるには時間がかかるとのこと。私が一回目に入ったのは10時半くらいでしたが、あまり溜まっていませんでした。午後1時頃にもう一度入った時には、ほぼ満杯状態だったので、露天に入るのは1時頃が良さそうですが、ご主人は「うちは内湯がメインです」とおっしゃっていました。確かにその通りだと思いました。
洗い場は3人分。シャワーもついています。
毎日お掃除されているだけあって、とてもきれいです。
温泉成分表
こちらが脱衣所に掲示されている温泉の成分表です。泉質は単純硫黄泉。低張性アルカリ性の温泉です。pH9.6が光ります。
温泉の使用状況の表示はなかったのですが、加温ありですが、あとは加水も消毒もしていない源泉かけ流しかな、という印象でした。
食事
「湯元屋」には食堂もあります。テーブル席と座敷席半々で、30人くらいは入れそう。小さいながらテラスもありました。
メニューはこちら。ヤマメやイワナの塩焼きのような、安倍川の上流らしいメニューや、鹿肉のたたきなんていう山らしいメニューもありますね。
こちらのウリはなんといっても、秘伝のたれで煮込んだ「静岡おでん」でしょう。真っ黒な煮汁が特徴です。どれでも1串100円と言うわかりやすいお値段です。
こちらは大根。静岡おでんは具が串に刺してあるのも特徴。
山菜とろろそばをいただきました。お蕎麦は普通のお蕎麦以外に、プラス200円で手打ち蕎麦もあるので、今回は手打ちを選択。ちょっと細切れで食べづらかったので、次回は手打ちじゃない方にしようと思う。出てきてびっくりだったのは、本わさびがついてきたこと。1200円程度のお蕎麦で本わさびがつくって、さすが静岡です。本わさびは鼻にツンとくるけど、まろやかな辛みは癖になりますね。
こちらのお店でびっくりなのは、Wi-fiが使えること。結構な山奥な感じですが、このサービスは嬉しいです。
梅ヶ島散策
安倍川の起点
梅ヶ島温泉は安倍川の起点になっている場所です。安倍川は静岡県を代表する大きな川ですが、意外に長さは短いのですね。静岡県内の大きな川というと、天竜川や富士川がありますが、天竜川も富士川も起点は県外ですからね。安倍川のような大きな川の起点が梅ヶ島だったとは、この日初めて知りました。
安倍川の起点は先ほど温泉に入った「湯元屋」からは徒歩3分。道なりに歩いていくと上の写真の通り、起点の表示板があります。下の写真のオレンジの矢印方向に歩きます。
砂防ダムの上にかかっている橋を渡ると、起点の表示がありました。
砂防ダムの奥の方を見たところ。ここが安倍川の起点なのだと思うと感慨深い。
普段高速道路や新幹線で渡る安倍川の川幅は広く、橋もおそらく1キロくらいあると思いますが、川の起点ともなると川幅は狭く、橋の長さも短いです。
お湯のふるさと公園
「湯元屋」の前には安倍川の向こう側に「お湯のふるさと公園」という公園があります。橋を渡って行きます。
かつてこの場所には市営の温泉施設がありましたが、今は移転してしまい、その跡地を公園にしています。園内に遊具はありません。サイクリストがここまで上がってくるようで、サイクルラックが設置してありました。園内にはベンチ、東屋、湯之神社があります。
せっかくなので階段を上って湯之神社にお参りしましょう。
階段を上ってから50mくらい?園内にあるのでそんなに歩きません。
鳥居が新しいですね。
湯之神社の裏側に回ると、こんな場所があります。小さな滝と岩風呂への入り口です。岩風呂はかつては本当に入浴できたようですが、今は鍵がかかっていて扉を開けることはできません。
ここが梅ヶ島温泉の源泉で、ここから旅館に供給されているとのこと。そう書いてあるとガラス戸の中の岩風呂に入りたくなりますね~
公園の外ですが、慰霊碑が立っています。湯元屋と無料駐車場の間くらいです。昭和41年9月、台風による鉄砲水被害で26名の人命が奪われるという災害が発生したのです。
慰霊碑の隣には公衆トイレがあります。外観はふるぼけた感じで、いかにも和式トイレのようなマークがついていますが、中は新しいウォシュレット機能付きのトイレです。2つ個室があって、左側は車いすでも使用できるトイレ。右側が男女兼用となっていました。
安倍川の起点やら公園やらを歩きましたが、それほど広範囲を歩いたわけではなく、20分もあれば十分な感じです。この梅ヶ島温泉には旅館や民宿などの宿泊施設が10軒程度あります。ひなびた山の中の温泉宿なので、どの宿もリーズナブル。2食付きで1万円以下からあります。あまり混雑しているイメージもないので、一人でのんびりするには良さそうです。
黄金の湯
梅ヶ島温泉は安倍川の一番奥に位置する温泉ですが、その手前に梅ヶ島新田温泉という温泉地があり、こちらには日帰り温泉施設の「黄金の湯」があります。梅ヶ島温泉とは違う泉質なので、今度寄ってみようと思います。食事処もあってランチが食べられます。
手湯がありました。
3月上旬、梅が咲き始めてきれいでした。もう一週間あとだと満開かも。
次回は黄金の湯に入りに来てみようと思います。
アクセス
アクセスは車が一番です。東名高速の静岡インターよりも、新東名の新静岡インターの方がより上流にあるので、高速を使うのなら、新東名が便利です。JR静岡駅からのバスもありますが本数は多くありません。梅ヶ島温泉がひなびた雰囲気を保っているのは、アクセスがあまりよくないからなんだと思う。寸又峡のような絶景スポットもないので、訪れる人数も多くなさそう。あまりに少ないと温泉街がなくなってしまいますが、トロリとした温い温泉は、根強いファンがいそうなので、これからもあまり派手にならずに続くといいな~と思った次第です。