宮城県の鳴子峡は東北の紅葉の名所の一つです。峡谷の中を陸羽東線という鉄道路線が走っているので、鉄道に乗りながら紅葉を楽しめます。近くには鳴子温泉があり、秋には紅葉と温泉の両方を楽しめる場所でもあります。2018年10月27-28日に鉄道旅で訪れた時の様子をご紹介します。
鳴子観光協会では紅葉情報を発信しています。
10月18日朝の鳴子峡
— 鳴子温泉郷観光協会 (@naruko_onsenkyo) October 18, 2020
地元の方より写真提供いただきました。
今日は天気も良くいい日でした。#鳴子峡 #鳴子温泉 #紅葉 #中山平温泉 #大崎市 #鳴子温泉郷 pic.twitter.com/Hl4ihPoBBa
東北新幹線の古川駅で陸羽東線へ乗り換え
鳴子温泉駅がある陸羽東線は、東北新幹線の古川駅で乗り換えができます。
ただ、古川駅始発の列車ではないため、紅葉シーズンに古川駅から乗車すると座れないこともあります。私が乗車した時はそんな紅葉シーズンの土曜日でしたが、車内は立っている人も多かったです。古川駅を出ると車窓には稲刈りが終わった田んぼの景色が広がります。
非電化路線なのでディーゼルカーです。架線がないので、写真を撮った時にスッキリ撮れます。上り坂を上る時のごぉ~っという音も非電化路線ならでは。
山が近づいてきたら、なんと雨雲が。この後、一時土砂降りになってしまいました。天気予報では午後には回復の予報だったので、通り雨だと思いたい。
古川駅から約50分で鳴子温泉駅へ到着。到着した時には幸い雨があがっていました。
鳴子温泉駅の駅舎です。写真だとわかりづらいですが、せり出した2階部分の下に2箇所、足湯があり、列車に乗る前のお客さんがたくさん足湯を楽しんでいました。列車の時間と関係ない時間に入ればもう少し空いているかも。
鳴子温泉駅近くでランチ
鳴子温泉駅に着いたのはちょうどお昼時だったので、駅の近くのお蕎麦屋さん「ふじや」さんで昼食をとることに。鳴子温泉の駅前はすぐにこうした食堂やお土産物屋さん、旅館が並んでいるので、食事するにも困りません。
温かいおそば・うどんの方が早くできますよ、といわれ、山菜きのこそばを注文。
こちらが山菜きのこそば。美味しかった!
鳴子ダムへ
お昼を済ませていざ観光へ。鳴子峡までは歩くには遠く、路線バスは列車に合わせて運行されているので、お昼を食べてしまった私たちは路線バスに乗るには1時間ほど待たなくてはならず、観光タクシーをチョイスしました。1時間7000円とちょっと高いけど、鳴子ダムと鳴子峡の両方に行くことができたので良しとしましょう。駅併設の観光案内所で予約してもらいました。駅前からタクシーに乗って、10分くらいでダムに到着。日本で一番古いアーチ式ダムだそうです。
人力のみで建設されたそうで、長い年月の末に完成したとか。こんなに大きな建造物を人力で完成させてしまう日本人てすごいです。
私が訪問した時には、実は見学会が行われていました。ダムを下から見上げられる機会なんてそうそうないので、参加したかったなー。
10/27・28 紅葉の鳴子ダム直下見学ツアー(限定公開) | 新着情報・イベント | 鳴子温泉郷観光協会公式サイト/宮城県大崎市鳴子温泉
また5月頃にはすだれ放流というのが行われるようで、こちらも見に行ってみたいです。なかなか圧巻の放流ですね。
絶景の鳴子峡
1時間の観光タクシーなので、ダムではあまりゆっくりできず、写真だけ撮って、鳴子峡へ移動しました。紅葉の時期は鳴子峡に向かう道路は大渋滞します。そうなるとバスだろうがタクシーだろうか時間がかかるのですが、この日はさっきまで雨が降っていたので人出が少なく、渋滞にも会わずラッキーでした。タクシーの運転手さんが大深沢橋の手前でおろしてくれたので橋を歩いて渡り、鳴子峡の景色を楽しむことに。
大深沢橋からの景色。日が傾いて、橋の影がうつっています。
青空が出ると更に美しい。岩と紅葉、緑の木とのコントラストが本当に美しいです。
ポスターにもなった陸羽本線も見ることができます。トンネルはレストハウスの後ろからも眺めることができるので、後程紹介します。
大深沢橋を渡ると、左手に鳴子峡入口の看板があり、ここから中に入ります。奥はレストハウスの駐車場で、大型バスなども停まっています。
遊歩道の看板。以前は川沿いにずっと歩いていけたようですが、地震の影響か落石があり、遊歩道は途中で折り返してこないとなりません。
急な階段を下りて行きます。帰りはこれを上って来なくてはならないのがちょっと不安。
階段を少し降りたところから、大深沢橋を撮影。
渓流沿いに遊歩道が設置されていて、紅葉を楽しみながらさらに階段を下りて行きます。
このあたりが谷底です。ここから先は落石の危険があるため、柵がしてあり、先には進めないようにしてあります。川沿いの遊歩道、歩けたら素敵だろうなー。
来た道を戻ります。今度は延々上りです。
上の方にレストハウスが見えます。あそこまで上らないとなりません。
頑張って歩いて往復で30分程度でしょうか。私の歩く速度は、女性としては普通の速度です。休み休み行く人や、途中で写真撮ったりするのなら、もっと時間をみた方が良いでしょう。階段は急ですが、手すりもあり、高齢な方も歩いていました。転ばないように気を付けて歩けば、下まで行って帰ってこられます。
レストハウスの奥には展望台があり、陸羽東線のトンネルが見えます。こちらの展望台や、大深沢橋の上から鳴子峡を渡る列車の写真を撮りたい人がたくさんいました。ただ陸羽東線は本数が少ないので、列車の写真を撮る場合は、事前に時刻を調べて行かないと、かなり待つことになります。
「リゾートみのり」で鳴子峡を抜ける
今回の旅はこの鳴子峡を実際に鉄道で抜けてみたいと思っていたので、鳴子峡を訪れた日は鳴子温泉に一泊し、翌日は鳴子温泉から観光列車「リゾートみのり」に乗って信条に向かいました。
「リゾートみのり」は仙台駅始発の観光列車で、お客さんのほとんどが鳴子温泉駅で降りてしまい、車内はがらんとしていました。
こちらのトンネルは前日、鳴子峡から見えてトンネルの出口です。
そのトンネルを出ると目の前には素晴らしい紅葉が。昨日橋の上から見下ろしましたが、その橋の上はものすごい人です。
本当に見事な紅葉でした。
ちなみに、この時のリゾートみのりは、風っこを連結していました。
鳴子温泉を楽しむ
鳴子は紅葉だけでなく、たくさんの源泉と泉質が楽しめる温泉地でもあります。宿のお風呂や街中も足湯も楽しめます。
旅館すがわら」
宿は「旅館すがわら」に泊まりました。こちらの魅力はなんと言っても温泉が素晴らしいこと。自家源泉からの無循環・無濾過・かけ流しのお湯は新鮮そのもの。
メタケイ酸が多く、ちょっと青みがかったお湯が特徴です。
こちらの宿は料理も自慢の一つで、ものすごい品数が並びます。でもほぼすべての料理を一度にお部屋に持ってきてくれたので、熱々のものがちょっと冷めてしまったのが残念でした。
足湯
鳴子温泉街では気軽に足湯や手湯も楽しめます。たとえばこちら。駅からは徒歩5分くらいです。
隣には共同浴場などにお湯を供給している源泉があり、もうもうと勢いよく湯気を噴き上げていて温泉情緒たっぷり。
こちらの源泉から直接お湯を引いていて、温度調整は湯路の蓋をあけたらしめたりして行うそうです。
JR東日本の大人の休日倶楽部のCMで吉永さゆりさんも入った足湯としても有名ですが、実は源泉からの配管にヒビが見つかり、2018年11月からこちらの足湯は使用できないとのこと。そう考えると私はギリギリ楽しむことができたわけですね。
湯めぐり回廊の手湯
下の写真は駅前の坂を上がったところにある湯めぐり回廊という場所。
こちらの建物内には手湯があり、つけると手がツルツルになりました。
湯めぐり回廊は駅から徒歩1分という近さです。
鳴子温泉近隣にも温泉宿がある
鳴子温泉がある陸羽東線には「奥の細道ゆけむライン」という愛称があり、沿線には鳴子温泉以外にもたくさんの温泉があります。以下は私が泊まったことがある宿で、どちらも鳴子温泉のような栄えた温泉街はないですが、その分静かに滞在できます。
まとめ
鳴子峡の紅葉は本当に素晴らしいの一言でした。今回は運よく土曜日にも関わらず午前中に雨が降り、人手が少なかったので渋滞に巻き込まれずにたどりつけましたが、これ、渋滞になったら観光タクシー1時間ではきかなかったでしょう。かといって自転車や徒歩だとちと遠いです。それでも必見の紅葉スポットと思うので、時間に余裕を持たせてお出かけください。鳴子温泉もとても良いお湯だったので、また是非温泉を楽しみに行ってみたいし、鳴子ダムの放流も見に行ってみたいです。