2024年3月にエジプト10日間の旅に出かけました。エジプトと聞いてまずイメージするのが大きなピラミッドとスフィンクスでしょう。スフィンクスは通常の観光では少し離れたところから見るのですが、私が参加したツアーは足元観光という特別な観光が組み込まれていて、スフィンクスに触れることもできました。聞けば1時間貸切るのに3000USドルなんだとか。でも特別な分、足下観光でなければできないスフィンクス観光を楽しめ感動しました。
ギザのピラミッド
エジプトにはピラミッドと呼ばれるものが90個以上あるようですが、日本人の私達にとってピラミッドと言えばギザの三大ピラミッドをイメージするでしょう。最も大きなクフ王のピラミッドに加え、クフ王の息子のカフラー王、そのまた息子のメンカウラー王の3人のピラミッドが三大ピラミッドです。
三大ピラミッドの駐車場につくと、車で満杯という程ではなく、ガイドさんいわく、空いている方ですとのことでした。今回の旅では観光地がどこも割と空いていて、とてもラッキーでした。
ゲートで形式的なセキュリティチェックを受けてピラミッドエリアに入り、最も大きなクフ王のピラミッドに向かいます。参加したツアーではクフ王のピラミッドの内部にも入ります。
クフ王ピラミッドの内部に行くための注意点
- ピラミッド内部に入るには1日に300人までという入場制限がありました。私が参加したツアーでは現地ツアー会社が朝チケットを購入しておいてくれました。買いそびれたお客さんを狙って、ダフ屋もいるとガイドさんから聞きました。
- ピラミッド内部にスマホ以外のカメラの持ち込みは不可(今時スマホのカメラ機能はコンデジを凌駕すると思うのですが、なぜかスマホはOK)。私達はツアーの添乗員さんにコンデジも含めて預けました。内部はスマホでの撮影はOKです。
※古いガイドブックでは内部の撮影不可とありますが、2024年3月時点でスマホでの撮影はOKです。 - 門番さんの昼休み時間は入場できない。私達は午前11時半頃に入場し、玄室にいる時に「ぼちぼち終了です」みたいな感じで追い出されてきました。そのあと入場しに来た人は、入り口がCloseとなり、またあとで来てね、という感じでした。
クフ王ピラミッドの内部へ
クフ王のピラミッド内部に入るための入り口は、正規の入り口ではなく、盗掘のために開けられた穴から入ります。下の写真で中央のちょっと石が切妻屋根みたいになっている所が正規の入り口らしいですが、下の方の穴から入ります。
さぁ、内部へ入ります。12時で一旦午前の部が終了するので、気持ちは少々焦っております。
最初のうちは身長158センチの私はあまり苦労せずに通れる平坦な通路です。
しばらく進むと階段が現れました。ここから玄室に向かって上って行くことになります。双方向での行き来はスリム体型な人同士ならできそうですが、体の大きな人がいると行き違いができない狭さで、内部が渋滞する要因になります。私達もちょっとここで停滞。玄室までどれくらい距離があるのかわからなかったので、昼休み前までに玄室に行けるのかここでも焦ります。
この辺りは頭上も狭くて、窮屈な姿勢で急傾斜を上ります。ここが一番の難所でした。
難所を抜けると頭上の空間が広がりました。ここが大回廊と思われます。大きな石が積み重ねられたピラミッドの内部にこんな空間があるのが不思議でした。古代エジプト人の設計技術と土木技術には感心させられます。
両サイドを双方向で上り下りするのではなく、中央の通路を歩きます。ここも体の大きな人がいると停滞の要因になりそうですが、昼休み前だからなのか、それほど人は多くはありません。ただ欧米人は周囲を気にせず撮影タイムに入り、その都度行列が停滞しました。ここを上り切ると玄室です。
傾斜を上ると玄室への入り口。ここはかがまないと通れません。
こちらが玄室。いままで見てきた遺跡には、色が残る壁画が多数ありましたが、ここはかなり殺風景な印象でした。傾斜を上ってきたので、なんか蒸し暑く感じましたよ。
玄室にいる門番さんが、そろそろ出ていけというようなジェスチャーをしたので、午前中の見学時間が終了する感じでした。私達も先ほど通った第回廊を引き返し、そとに向かいます。この辺りで記念撮影している人は、午前中の部が終了することを知っているのか知らないのか・・・。
無事外へ。
周囲の親切な人には要注意
内部見学を終え、クフ王のピラミッドの撮影タイムです。大きな三角形の正面から撮るのも良いけど、対角線付近からの角度もなかなかステキ。完成当時は表面が花崗岩の化粧岩で覆われていたそうですが、さぞかし見事なピラミッドだったことでしょう。
ピラミッド周辺では多くの観光客が写真を撮っています。そこへ「写真撮りましょうか?」と親切そうに寄ってくる人がいます。上の写真の辺りにもいました。でも決してカメラもスマホも渡してはいけません。お金を払うまで返してもらえません。現地ガイドさんがかなりマジに「絶対渡さないで!」と注意していました。
よくラクダの写真を撮ると、餌代を請求されるなどと聞きます。この辺りにもラクダはたくさんいましたが、ガイドさんが「ここのラクダは撮影しても大丈夫」と教えてくれたので、遠慮なく撮影できました。ガイドさん、本当にありがとう。
ピラミッドとラクダはエジプトって感じがします。
9つのピラミッドが見えるレストランへ
三大ピラミッドを間近で見た後は、ランチを食べに展望レストランへ。途中にゲートがあり、レストランで食事をする人だけが行ける展望レストランで、その名も9ピラミッドラウンジと言います。
ギザには三大ピラミッドの王の家族のピラミッドが6個あり、全部で9つのピラミッドがあります。左のメンカウラー王のピラミッドの足元に3つ小さいのがあり、右側のクフ王のピラミッドの横にも実は3つあるのですが、写真だと見えないですね。
お食事をとる場所は室内と屋外両方にありましたが、私たちのツアーは屋内でした。外は風があってほこりが舞うし、野良犬が寄ってくるのでエアコンが効いている室内の方が私は助かりました。
こちらのランチは数種類のペーストをパンにつけて食べたり、ピラミッド型ライスが盛り付けられたプレートなどをいただきました。エジプトで出されたペーストの中でも胡麻のペーストはヘルシーな感じがして気に入りました。
スフィンクスにタッチもできる足元観光
ランチを食べて腹ごしらえした後は、スフィンクスの観光です。このツアーにはスフィンクスの足元エリアへの入場が確約されています。ガイドさんによると1グループ40人までで約1時間ほど貸切入場になるとのこと。そのために費用は3000ドルと言っていました。ゲートの鍵を開けて頂き、この地区の責任者の後について足元エリアに入場です。
足元エリアに入らない場合は、下の写真で人が立っている段の上からの観光となります。スフィンクスからはちょっと距離があります。
スフィンクスとご対面。足下入場だからこその近距離でのご挨拶ができました。
ピラミッドを入れて撮ると、これぞエジプトって感じがしました。左のピラミッドがカフラー王、右がクフ王のピラミッドです。
一般の観光エリアからだとスフィンクスの周りをぐるり一周はできませんが、足下入場だと一回りできます。
お尻はなかなか見られませんよ。
ということで一周してきました。
今までテレビやガイドブックでしか見たことがないスフィンクス。足元入場が確約されたツアーを選んで良かったと思えた1時間でした。
その他のピラミッド
ギザの三大ピラミッドの前に、近郊のピラミッドも観光しています。
サッカラの階段ピラミッド
ホテルを出てまず向かったのがサッカラの階段ピラミッドでした。ギザより南に約10キロの距離です。入り口を入ります。
入口から入ると、左右に柱が並ぶ柱廊がありました。
柱廊を抜けると階段ピラミッドがある中庭に出ました。
階段ピラミッドも中に入ることができます。
地下に入るとどの辺りをどっちに向かって歩いているのかよくわからないのですが、この柱は後から作ったものなのかな?私達ツアー客しかいなくて貸し切り観光状態。
奥には深い穴があり、穴の底が玄室になっているようです。ここにジェセル王の棺が納められていたのかもしれませんが、出てきたのは人骨のみだったそうで、財宝などはなかったらしい。
ウナス王のピラミッド
階段ピラミッドから歩いて5分ほどにあります。かなり崩れていて、ピラミッドなんだか小山なんだかわかりづらいですが、れっきとしたピラミッドで、中には貴重な資料がありました。この日は前日に雨が降ったこともあり、近隣のピラミッドが見えていますね。
こちらも中に入れます。
天井が低くて、かがんで歩きます。
狭い通路を抜けた先は玄室なのかな。石棺がありました。壁にはびっしりと文字が刻まれていて壮観。
天井には星が・・・。
私が持っていたガイドブックには、ウナス王のピラミッドの内部には入場できないと書かれていましたが、入場できて良かったです。
ウナス王のピラミッドの後は、階段ピラミッドに戻りましたが、その通路の途中にはコブラの装飾がある壁もありました。ガイドさんが教えてくれなければ見逃していました。
赤のピラミッド
赤のピラミッドは前述の階段ピラミッドやウナス王のピラミッドがあるエリアから少しバスに乗り、ダフシュールというエリアにあります。
屈折ピラミッド
高さ105mの途中で角度が変わっていることから、屈折ピラミッドと呼ばれています。石を積み上げていく時に、角度が急すぎてうまく詰めず、途中から角度を変えたと言われているそうです。
角の部分は結構ボロボロです。
というわけで、ギザの三大ピラミッド以外にも観光いたしました。
まとめ
スフィンクス、以前は誰でも足元まで入れたそうですが、いつから特別区間にしたのかな。保護するためにも足元エリアの入場を制限しているのだと思いますが、1時間3000ドル。今のレートだと45万円くらい?40人までは入れるそうなので、40人のツアーなら1人1万円、それくらいなら払う気持ちになります。
エジプトの遺跡ではあちこちで夜も観光客に来てもらうため、音と光のショーを開催していて、ギザのピラミッドとスフィンクスでもやっていましたが、私達のツアーでは音と光のショーはアブシンベル神殿のみでした。ガイドさんいわく、ピラミッドのは面白くないのだそうです。
エジプトと言ったらピラミッドとスフィンクス。今回のツアーではこの2つがツアーの最後に観光機会が組まれていました。スフィンクスは足元観光という特別な時間だったので、これが締めくくりという感じがして良い行程だったと思います。今から何千年も前に、クレーンもブルドーザーもない時代に、人の手でこんなに大きなものがつくられたことには本当に驚きです。
関連リンク
今回の旅の記事へのリンクです。
モハメッド・アリ・モスク
カイロ到着初日にはモハメッド・アリ・モスクを観光。建物と内装の美しさが際立っていました。
アブシンベル神殿
スーダンとの国境近くのアブシンベルにある神殿には、湖の上から、夜、朝と3回観光しました。
ナイル川クルーズのクルーズ船紹介
最近のエジプト周遊ツアーではアスワンとルクソール間のナイル川クルーズが組み込まれていることが多いです。クルーズ船の様子をまとめました。