鉄道と自転車でプチ冒険に出よう

主に鉄道で行く温泉を楽しみ、旅の記念にマンホールの捕獲を楽しんでいます。宿の宿泊記やマンホールカードを紹介しています。

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静岡市の宇津ノ谷峠、4世代トンネルとお蕎麦にスイーツ

古いトンネルに惹かれるものを感じる私は、静岡市の四世代トンネルを訪ねてみました。鉄道旅でもサイクリングでもないのでこのブログのテーマから外れちゃうけど、そこは大目に見てください。昔の宿場町で保存地域になっていることもあり、風情のある街並みとトンネルを楽しみつつ、美味しいお蕎麦やスイーツも食べられるウォーキングコースでした。

歩いたのはこんなコース

峠、なんて書くと2時間くらいのハイキングを連想してしまいますが、今回は片道20分程度のお散歩コースです。

 

車は道の駅に停める

宇津ノ谷峠は、今も国道1号線が通っていて車の往来も激しい、つまり昔の東海道です。豊臣秀吉が小田原征伐のために大軍を通すのに開拓されたもの、と道の駅の看板に書いてありました。静岡市側から国道1号線を車で走ると、峠の手前に道の駅があるので、そこに車を停めます。けれどハイキングに行く方は川沿いに停めてくださいという案内があったので、駐車枠が書いてないけれど、こちらに縦列駐車してレッツゴー。

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ハイキングの行く人は川沿いに駐車する

さっそく「つたの細道」という看板が出ていて、ハイキングコースになっているらしい。

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つたの細道 ハイキングコースになっているそう

道の駅の看板に地図が出ていたけれど、結構距離がありそうです。

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宇津ノ谷峠周辺の地図

後ほど寄った甘味処の方の話では、1.5時間くらいで歩けるらしいですが、今日は単独行で、もしも捻挫や骨折なんてことになると助けに来てもらえそうにないので、パスです。(別の冊子によると、約3.8kmとのこと) 道に沿って歩くと、前方の立体交差を渡ります。

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前方の立体交差を渡る

道を歩いていくと、お蕎麦屋さんの看板が。雑誌などにも登場しているので、今日のランチは十割そばを出してくれるこちらのお蕎麦屋さんに行きます。

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お蕎麦屋さんの看板

立体交差の上に行くと、平成のトンネル昭和のトンネルが見えました。

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手前が平成のトンネルで下り線

こちらは昭和のトンネル。どちらもコンクリートの坑口で趣がないです。

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昭和のトンネル

立体交差を渡ると、山里に入ってきて静かな空間です。道路のわきを小川がちょろちょろ流れています。

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小川の脇を歩いていく

車もほとんど通りません。サイクリングにも良さそうです。

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静かな空間

宇津ノ谷の集落

宇津ノ谷の集落の入り口に来ました。道の駅からは徒歩5分くらい。近いですね。明治のトンネルに行くには左に進みます。右の道路の先には大正のトンネルに続く道。

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宇津ノ谷集落の入り口

2月23日に行ったのですが、桜が咲いていました。河津桜かな?

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桜がきれい

案内表示もしっかり出ていて、整備されている印象です。

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案内表示

しかも石畳。お金かけているねー、静岡市! でもこういう取組みは、観光にくる人にとっては嬉しいです。明治のトンネルに向かうには、石畳の方の通りを歩きます。

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風情ある石畳の通り

隣を流れる小川には鴨がいたりして、のどかな感じ。

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小川には鴨

集落の中に入ると、それぞれのお家に「車屋」とか「魚屋」など木の看板で屋号がかかっていました。案内の冊子によると、今でも屋号で呼び合っているんだとか。街並みは保存地域に指定されているので、洋風建築は不可とのこと。タイムスリップしたみたい。通りの奥の山には梅か桜が満開の様子。楽しみです。

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レトロな宇津ノ谷集落の街並み

明治天皇がお休みされたのでしょうか?記念の碑が立っています。

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明治天皇・・・と記された碑

この碑が立っているのは、御羽織屋という屋号のお宅。石川さんというお家のようです。秀吉が与えた陣羽織が所蔵されているとのことですが、この日は「拝観中止」の貼り紙がしてありました。ここまで道の駅から徒歩7分くらいです。

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御羽織屋

通りを進むと急な階段にぶつかります。お蕎麦屋さんに行くには、階段を上らずに、石畳の道を道なりに右にカーブしていきます。

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明治のトンネルに向かう階段

そうするともうすぐ目の前にお蕎麦屋さんの「きしがみ」が見えます。サイクルラックがあるのでサイクリングの方も寄るのでしょう。店の前には4台分くらい駐車スペースがあります。歩いてきた石畳の通りを車で入ってくることもできますが、宇津ノ谷集落の入り口を石畳の方ではなく、普通のアスファルトの道を車で上がってきても、このお店に来ることができます。

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サイクルラックもあるお蕎麦屋さん

こちらがサイクルラック。

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サイクリスト歓迎の記し、サイクルラック

十割そばの「きしがみ」は美味!

きしがみ」さんは11:00~営業開始。ちょうど11時に着きました。人気があるとガイドブックに出ていたので、あまりお腹が空いている感じはしなかったけれど、先に食べることにしました。

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十割そばを食べさせる「きしがみ」

入り口の看板。どちらのそば粉を使用しているかも表示されていました。

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入り口の看板

入り口で靴を脱いであがる形式の店内。窓の向こうには集落の屋根が見えます。

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店内からの景色

店内は椅子とテーブル。4人がけのテーブルが6個あったので24人が定員かも。テーブルの下には足温器がありました。2月ではまだ足元が寒いもんね。薪ストーブが燃えていました。

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低めの椅子にテーブル

お蕎麦は冷たいのも温かいのもありました。せいろがオススメらしいので、舞茸の天ぷらがついたマイタケ天せいろを注文しました。1400円です。

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冷たいお蕎麦のメニュー

さぁ、でてきました、マイタケ天せいろ。天ぷらは舞茸以外に菜の花と蕎麦饅頭も添えられていました。

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十割そばと舞茸の天ぷらのセット

十割そばと言うと、色が濃い目で太目のお蕎麦というイメージがあったのですが、こちらのお蕎麦は細めで色もそんなに濃くないです。十割そばにもいろいろあるようです。触感もぼそぼそした感じはまったくなくて、とても食べやすく、美味しいです。

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美味しい十割そば

甘味もそろっているので、デザートに食べても良いし、お茶しに寄っても良さそうです。

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甘味メニュー

スタッフもとても気さくで、気持ちの良いお店でした。また来ようと思います。

明治のトンネルに向かう

ランチの後、本日の目的地、明治のトンネルに向かいます。店の前の道を上って行っても良いし、来た道を戻り階段を上っても同じところに出ます。自転車の場合は階段避けた方が良いですが、本日は徒歩なので、階段をあがりました。しだれ梅がきれいに咲いていました。

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階段を上る

階段をあがると、先ほどのお蕎麦屋さんの前の道を上がってきた通りにぶつかります。

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階段をあがったところ。階段の距離は短い

明治のトンネルはこの坂を上っていきます。この辺りは自転車でくると苦しい上りなのかも。

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さらに坂を上る

上の写真の坂を上ると、案内表示が立つT字路に出ます。左に行けば明治のトンネル。右に行くと、大正のトンネルにつながっている道路に出ます。

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この案内表示を左へ

坂の右手の石垣の上には梅と桜が満開でとてもきれい。

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白とピンクの花がとても美しい緩い上り坂

上の写真の前方のコーナーを右にあがったら、明治のトンネルにほぼ到着です。

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間もなく明治のトンネル

早速トンネルに向かいました。明治のトンネルに自動車は入れません。自転車は通れそうですね。真っ直ぐなトンネルのようで、向こう側の出口が見えます。

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真っ直ぐなトンネル

今は真っ直ぐなトンネルですが、広場の案内板によると、明治9年当時はまだ測量技術が未熟なこともあり、「く」の字型のトンネルだったとか。またその時にはほとんどが角材でできていて、カンテラ失火により焼失し一時廃道になりました。その後くの字を直線にして、明治37年、今のレンガ積のトンネルになったという歴史があるとのことです。その歴史が書かれた案内板はこちらです

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広場の案内板

レンガ積みの凜とした坑口が美しい。ゾクゾクします。

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美しい坑口

 扁額に「宇津谷隧道」の文字が見えます。

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宇津谷隧道と書かれた扁額

中もちょっと神秘的。(心霊スポットでもあるらしい・・・)

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神秘的な照明

何個のレンガが積まれているのか・・・

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レンガの手触り

長さは200mくらいなので、ちょっと歩くと反対側(岡部側)の出口に到着。

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トンネルの出口

美しいレンガ積みのトンネルは、もちろん有形文化財

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有形文化財の銘板

 明治トンネルを岡部側へ抜けた後、道なりにくだって行くと、片側2車線の道路に出ます。この道路が以前は国道1号線だったのでしょう。ここが天下の大動脈だったとすると、渋滞する難所だったんだろうなと思います。今は片側2車線のバイパスができてほとんど車が通らない道路なので、自転車で走るのは安全そうです。この道路のためのトンネルは大正のトンネルと言います。

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コンクリート作りの大正のトンネル

コンクリートのトンネルでちょっと味気ないので、明治のトンネルで静岡市側に戻ります。

明治のトンネルの静岡市側には小さな公園があり、3台ほど車を停められる駐車場があるので、車でここまで入って来ることができます。公園内には男女別のトイレもありました。様式の水洗トイレでした。

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こんな山奥なのにトイレがある

この周辺の立体模型まであって、なかなか力が入っています。

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周辺の立体模型

山道上って梅と桜を楽しむ

私が訪れた時は梅と河津桜と思われる桜が満開。宇津ノ谷の集落からも咲いている様子が見えて美しかったので、木が植えられている場所までいってみることにしました。

先ほどお蕎麦を食べたあと上ってきた階段を降りずに通過すると、山を登っていく道があります。つたの細道ですね。

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最初は階段のつたの細道

出だしは階段。階段上がったらすぐに梅と桜並木の場所だと思ったら、山道はぐっと右にカーブして竹林の中へ。えー、どうしよう・・・と未舗装の上り坂を前に一瞬ひるんだけれど、時間に制約はないしせっかく来たので、もう少し歩いてみることに。

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竹林の中を上る

途中、こんな案内が出ていました。40メートルならすぐなので行ってみました。

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お弘法さんという案内板

でもすぐに後悔。大変な道でした。ここで転けて骨折しても発見してもらえなさそうなので、慎重に歩きました。

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所々崩れた急な細い道

お弘法さんに手を合わせて来た道を戻ります。でもなぜこんな場所に?

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お弘法さん

再び先程のつたの細道を上って行くと、梅と桜が見えてきました。お弘法さんに寄らなければ、つたの細道の入り口から10分かからない程度の距離でした。

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梅と桜が見えてきた

素晴らしくきれい。上ってきて良かった。 

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満開

桜の木の間から見える宇津ノ谷の集落も趣があります。

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桜の間から宇津ノ谷の集落

梅の香が漂っていました。この先もつたの細道は続きますが、軟弱な私は一休みしたら引き返します。

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この先も続くつたの細道

締めはスイーツ

これで本日の目的は果たしたのですが、つたの細道を下りたあと、階段方向ではなく石畳の道をそのまま下っていくと、道のコーナーに新しいけど古風な外観の建物が。

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古風な外観だけど新しい建物

今昔という看板が出ていて、どうやらカフェのようです。

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今昔はカフェでした

外に出ていたメニューがおいしそうだったので、ついつい入ってしまいました。

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美味しそうなメニューがズラリ

中はなんと畳。入り口で靴を脱いで上がります。山道をちょっと歩いたこともあって、座ろうとしたら足がつりました。しかたないので足を投げ出して座ることに。カフェのママさんが椅子出そうか?と気遣ってくれました。

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中は畳

メニューには美味しそうなスイーツがずらり。

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今昔イチオシのメニュー「たまて箱」

うーん、迷う。

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どれもおいしそう

ドリンクメニューはコーヒーと紅茶。

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コーヒーなどのドリンクメニューもある

季節限定につられて「いちごづくし」をチョイス。

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季節限定に弱い私

結構なボリュームのいわゆるパフェです。アイスたっぷり。

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いちごづくし

とっても美味しかったです。 この「今昔」さんは、先ほどお蕎麦を食べた「きしがみ」さんから目と鼻の先。下の写真は「今昔」さんの前から「きしがみ」方向を撮影したものです。お蕎麦の看板が見えますね。3軒くらい離れている程度でしょうか。

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今昔さんの前の石畳の道

「今昔」さんの隣にはもう一軒、食事ができるお店がありました。こちらは釜めし屋さんだそうです。

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釜めし屋さんは「今昔」さんのお隣さん

宇津ノ谷は思っていた以上に素敵な場所でした。明治のトンネルも含め、案内がしっかりしていて、道の駅からも迷わず行けるようになっています。石畳にしてあるのも風情があって良いですね。歩くのが大変な人は、トンネル前まで車で行けるよう駐車場もあり、水洗トイレも整備されているとは、ずいぶん静岡市は力を入れてこの景観を保護しているという印象です。食事処やカフェもあり、古い街並みは時間がとまったような感じで、素敵な空間でした。隣の丸子宿にはとろろを食べに何度か来たことがありましたが、丸子からそんなに遠くない宇津ノ谷はいつも高速道路で通過するばかりだったので、今回歩きに来られて良かったです。

公共交通機関でのアクセスは、JR静岡駅から静鉄バスで40分くらい。1時間に2本くらい出ているようですが、念のため時刻表を確認してみてね。

次回は用宗港あたりからサイクリングでアクセスしてみたいです。カフェのママさんが「自転車の方もよく見えますよー」とおっしゃっていましたが、自動車の数も少ないので、サイクリングも良さそうです。ただ山にはたくさんの杉が植えられていて、花粉対策せずに出かけた私は、その日の夜はくしゃみと目のかゆみに悩まされたのでした。