明治維新後の遷都により活気を失いつつあった京都の再生に大きく貢献した「琵琶湖疏水」は、琵琶湖の水を京都に引くための人工の水路です。この水路を船で行く「びわ湖疏水船」は、春は桜、5~6月は新緑、秋には紅葉を楽しめるとともに、明治初期の一大土木事業を学ぶことができ、なかでも真っ暗なトンネルを船で抜けるのは、ちょっとしたアドベンチャー気分を味わえます。季節限定での運行ですが、一度は乗る価値ありますよ。どんな船旅なのかはすでにアップしたエントリを見ていただくこととして、こちらのエントリでは乗船場近くのランチスポットをご紹介します。
大津閘門付近の「お食事処にしお」は予約が無難
びわ湖疏水船で京都に向かう場合は、大津閘門の乗船場から船に乗ります。13時前後に出発する疏水船に乗ろうとすると、大津閘門近くでランチを食べたいですね。そこでおススメなのは「お食事処にしお」です。
「お食事処にしお」は、びわ湖疏水船の乗船場である大津閘門から徒歩2分程度。最寄りの鉄道駅「三井寺駅」からも徒歩3分と抜群のアクセスです。
メインストリートに面していませんが、一つ角を曲がればこの看板が見えますので迷うことはないでしょう。
ご家族のみで経営されているこじんまりしたお店で、店内はテーブルが5つ程度。10人入るともう一杯、という雰囲気です。なので予約した方が安心です。私が食べている間に3組くらい来店していましたが、満席で断られていました。また仮に席の確保はできたとしても、ご主人だけが調理を担当されているので、混んでいる時間は料理が出てくるのに時間がかかります。なので時間に余裕をもっていく方が良い食事処です。
メニューはうどん・そばから、ドリアまで幅広いです。
土曜日ですがランチセットがありました。ドリアにサラダ・デザート・コーヒーがつくセットです。チキンドリアを注文しました。
ドリアはオーブンで焼くのでどちらのお店で注文しても少し時間がかかるメニューですが、この日は他のお客さんの注文が一段落していたこともあり、それほど待たずに出てきました。でもこの後8人くらいのグループが来店し、そこからは麺類の注文でもかなり時間がかかる状況となりました。
味はまずまずです。家族経営なので忙しい時はちょっと回転が悪くなりますが、時間に余裕をもって行けば疏水の乗船場に近いので助かるお店です。
琵琶湖の名物と言えば「鮒ずし」
鮒ずしは、琵琶湖でとれるニゴロ鮒とお米を漬け込んだ発酵職の保存食です。独特の香りがするので、苦手な方もいるかもしれませんが、ブルーチーズなど、においのきついチーズが好きな人には好まれる食品だと思います。「美味しんぼ」という漫画でも初期の頃に題材にしたストーリーがありました。
元祖阪本屋
「元祖阪本屋」は乗船場から徒歩圏内にある鮒ずしの老舗です。店構えも歴史を感じさせます。
一口に鮒ずしと言っても、数百円のものから数千円のものまでいろいろあります。ちょっと高いと思うかもしれませんが、2000~3000円あたりが大きさもちょうど良いように思います。初めて買うなら、スライスしてあるのを買うのが自宅に持って帰ったあと、食べやすいと思います。
乗船場である大津閘門の最寄り駅は京阪電車の三井寺駅ですが、一つ大津寄りのびわ湖浜大津駅で降りると、元祖阪本屋で鮒ずしを買いながら、大津閘門に向かうことができます。こちらの地図はびわ湖浜大津駅から元祖阪本屋までの道のり。徒歩8分です。元祖阪本屋から大津閘門までも徒歩8分程度です。
元祖阪本屋の公式サイトはこちらです。
マンホールカードをもらいに行こう
大津市のマンホールカード
大津市はマンホールカードを発行しています。琵琶湖と遊覧船と大津市の花・木・鳥などもりだくさんのデザインです。
マンホールカードを配付しているのは、大津市 水再生センターという場所です。最寄り駅は京阪電車の錦駅。錦駅からは徒歩15分くらいです。
これと言って目印がない道路をてくてくと歩いて行くので、方向音痴の方はグーグルマップを見ながら、自分が正しい方向に歩いているかな、と確認しつつ行くのが良いでしょう。水再生センターが近づいてくると、隣に建っているプリンスホテルが目印になります。
こちらが水再生センターの建物です。ドアを開けて中でマンホールカードをもらいます。
ここまでくると琵琶湖はもう目の前。せっかくなので琵琶湖のほとりまで行くのも良いですよ。
近所の公園にはSLが保管されていました。
SLの近くではモノクロ版のデザインマンホールが設置されていました。
なおカラーのデザインマンホールは、びわ湖浜大津駅の交差点の歩道上に設置されています。
この駅で降りたら、是非捕獲してみてね!
ひこにゃんのマンホールカードをもらう手もある
滋賀県のマンホールカードというと、「ひこにゃん」のマンホールカードが有名です。
こちらは彦根市のマンホールカードで、彦根駅から徒歩20分ほどの「ひこね食賓館四番町ダイニング」でもらうことができます。
疏水船の出発時間までに余裕があれば、ひこにゃんのマンホールカードをもらうのも手ですね。彦根駅が最寄り駅。首都圏から新幹線でアクセスするのなら、米原駅で琵琶湖線に乗り換えるて5分程度です。彦根駅の駅前にはひこにゃんのマンホールが設置されています。
こちらのエントリには彦根市のマンホールカードをもらった時の模様をまとめました。
最後に
琵琶湖疏水は明治18年に着工しました。それまでの日本の土木工事は海外から招いた外国人技師の指導を受けながら行っていましたが、琵琶湖疏水は23歳だった田辺朔郎氏の指揮のもと、日本人だけで完成させた工事です。琵琶湖疏水は明治維新で都が東京に移り、退廃しつつあった京都を復活させた意義ある水路です。この水路を船でたどる旅は当時の工事の大変さに思いをはせるとともに、季節折々の景色を楽しめる絶景ルートでもあります。京都にふだんは鉄道でアクセスする方も、一度は乗船してみることをおススメします。京都に到着すると、周辺には疏水関連の施設や遺構がありますので、こちらも是非見学してみてください。以下の記事に簡単にまとめました。