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2022年の夏に取り組んだ我が家の省エネ・断熱リフォーム その2 工事と効果

2022年7月、我が家のリフォーム工事が行われました。工事期間は10日ほど。こちらのエントリでは工事の状況とその後の効果を記録しようと思いますが、まだ工事が終わったばかりなので、まずは工事の様子をご紹介し、効果は後日書き足します。我が家は壁の補修があったので、壁の断熱強化もしましたが、断熱目的で何か手当てしようとするのなら、熱の出入りが一番多い窓対策が有効です。いろいろな対策方法があり、障子の太鼓張りのように安いものから今回我が家が選択した高性能な窓に変更するまでいろいろです。エネルギー価格高騰対策として窓の改修を考えている方に参考になれば嬉しいです。

リフォームの概略

我が家は25年前に新築で建てた2階建てました。今回リフォームするのは1階のリビング、ダイニング、キッチン、和室です。リフォームの内容はその1に記載しました。以前飼っていたワンコがあけた壁の穴の補修とクロスの張替え、断熱強化のために断熱材の入れ替えと窓改修です。

www.frostmoonweb.com

工事期間

工事期間は2週間ほどでしたが、この2週間の中には仮設トイレや産廃ボックスの設置・撤去日も含まれていて、実質リフォームに要した日数は1週間でした。

工程表

壁の断熱リフォーム工事

断熱リフォームをするのなら、窓対策が有効ですが、我が家は壁の対策も実施していて、工事の順番としては先に壁の工事を行いましたので、ブログも壁の工事から紹介します。

壁の解体

今回、リビング・ダイニング・キッチン・和室の壁の中で、外に面している壁については断熱の補強をします。和室は壁の解体はなく、今の壁の上に断熱材を貼るだけですが、リビング・ダイニング・キッチンは壁を解体して、中に入っている断熱材を入れ替えますので、まずは壁の解体から始まりました。

壁の解体がスタート

壁が壊されると、新築時に壁の中に入れていた断熱材が出てきました。

新築時の断熱材

新築時に入れていた断熱材はマグウールと言う商品で、グラスウールを使用した断熱材でした。触るとあとで痒くなると大工さんが言っていました。昔の断熱材はガラスの繊維が肌に刺激を与えて痒くなるそうですが、最近の断熱材はそういうことはないそうです。

昔の断熱材は痒くなる

こちらの黄色い包みの中は、今回使用する新しい断熱材でアクリアマットという商品です。いくつか種類がありましたが、我が家の壁の中に入れられる厚さは10センチなので、10センチの商品の中から、密度が16kg/㎡の断熱材を使いました。

新しい断熱材

断熱材にはいくつか数字が表示されています。私にはこの数値の意味はわかりません。熱抵抗値とか、熱伝導率とか。ガラスになると熱還流率なんてのもあります。

断熱材の数値の意味

中身はこんな感じで、綿のようにふかふかしています。

新しい断熱材

古い断熱材を撤去したところです。

古い断熱材も撤去されました

西側の壁も断熱材が撤去され、筋交いも見えます。我が家は2年ほど前に、ベランダが雨漏りで落下寸前となり修理しました。その際、どれくらい雨漏りが家の内部まで浸入しているか気になっていましたが、この状態を見ると、心配することはなさそうです。まだエアコンが残っていますが、翌日エアコンや天井の照明は外されました。

西側の壁

静岡県は南海トラフ地震が来る来ると言われているので、新築時に筋交いをたくさんいれました。今回の工事で露出した筋交いについては、きちんとボルト止めされているかも確認してもらいました。

ついでに筋交いの確認も

新しい断熱材を入れる

解体が完了した壁から順に、新しい断熱材を入れていきます。

新しい断熱材を入れていく

断熱材を入れたら壁になる石膏ボードを設置する前に、防湿シートを設置していきます。こちらのサランラップの大きいのが防湿シートです。

防湿シート

この防湿シートは、室内の水蒸気が壁の中に入り込み、結露してグラスウールをダメにしてしまうことを防ぐために設置するとのこと。この点は竹内先生のVoicyでも紹介されていましたが、我が家の施工は大丈夫かな・・・。壁の中にキノコが生えませんように、と祈っています。

voicy.jp

防湿シートは透明のフィルムなので設置してあるかどうか、パッと見ただけではわかりませんが、こちらの壁は設置済みです。換気扇の口の周りは気密テープというテープで止めています。

防湿シートを貼り終わった

こちらがそのテープ。

気密テープ

和室の壁の断熱強化

リビング・ダイニング・キッチンの壁は、壁を壊して断熱材を入れ替えましたが、和室の壁は薄くて断熱材を入れることができないとのこと。なので内側からスタイロフォームを貼ることにしました。

和室の壁はスタイロフォームを貼る

壁の設置

断熱材の手当てが済むと、石膏ボードを取り付けていきます。

壁となる石膏ボード

壁が設置されるとこんな状態になり、もう断熱材は見えなくなります。この上にクロスを貼っていきます。

壁ができたところ

工事中はすべて外食

今回のリフォームは室内の工事なので、誰か家の人がいなくてはなりません。在宅勤務しようかと思いましたが、光ケーブルを切断しそうで心配、という大工さんの声にこたえて、光ケーブルを外してしまったので、ネット環境がなくなってしまったので、結局3日間はお休みしました。また1階は家具やキッチンは養生シートがかかってしまい、エアコンもないため生活はできず、すべて外食しました。

エアコンもテレビもない生活

キッチンカウンターの下に棚をつける

キッチンとダイニングを仕切る壁の中には、奥行きのある空間がありまして、ここを壁で塞ぐのはもったいないと思っていました。そこで大工さんにお願いして簡単な棚をつけてもらうことにしました。ここは断熱材が入っていない壁なので、棚が不要なら壁を壊す必要もなかったのですけどね。

この空間に棚をつける

壁を取り去った後、間柱を切って棚板を載せられるようにします。右側は間柱からボルト止め。左側は?

間柱の一つを切って棚板を載せられるようにしている

左側はこのようにして棚を支えています。

棚板を載せられる状態になった

こちらが棚板です。

棚板

ほぼ完成。あとは棚板に塗装をして完成です。

塗装が終われば完成

クロスを貼る

大工さんのお仕事は壁の解体と断熱材の入れ替え、壁の設置でほぼ終了しました。壁の解体が始まってから4日目、ここからはクロス屋さんの出番です。まずは天井の古いクロスをはがして、新しいクロスを貼っていきます。2組の脚立に渡された板の上を足元も見ずに、そっくり返って天井にクロスを貼っていくのは、まるで体操選手の平均台の演技を見ているようでした。

クロスは天井から

こちらの職人さん、とても手際がよく、仕事がきれいで感動しました。天井が終わると今度は壁です。今回は旦那さんの希望で横貼りでお願いしました。もともとは縦じまのクロスなのですが、横向きに貼ることで、横じまになるわけです。

壁のクロスは横貼りで依頼

和室の壁紙と襖も張り替えました。

和室

畳も変えていなかったので、この機会に表替えをしたので、畳を撤去中の和室。

畳を撤去中の和室

窓の断熱リフォーム

窓の手当てが最優先

断熱リフォームで一番手当てしたいのは実は窓です。夏も冬も窓からの熱の入出量がとても大きいからです。以下の図はYKK AP 窓の教科書より引用しました。

 

https://www.ykkap.co.jp/consumer/mado_textbook/insulation/img/ilst_01.png

 

断熱建築の専門家、竹内先生のVoicyでも、窓からの熱の出入りについて放送されています。

voicy.jp

我が家の窓はアルミサッシの単板ガラスなので、断熱性能としては最悪です。熱還流率の数値は小さいほど断熱性能が高いと理解すればよいです。

サッシとガラスの種類 熱還流率
アルミサッシ+単板ガラス 6.51
アルミサッシ+ペアガラス 4.65
樹脂サッシ+Low-Eペアガラス 1.67

ということで、リビングにある3か所の窓の手当てをすることにしました。

内窓がつく窓には内窓を

リビングには出窓が2か所、掃き出しの窓が1か所あり、出窓には内窓が設置可能だったので、内窓をつけることにしました。

内窓をつける前の出窓

内窓の設置は工事時間は2か所でも30分程度。費用も1か所65,000円ほどです。出窓の内側に内窓用の窓枠が設置されます。

内窓用の窓枠を設置

あとは障子をはめて完成です。

障子をはめて完成

内窓はLow-E複層ガラスなので、もともとあった出窓のガラスを入れると3枚ガラスの窓になりました。

出窓はガラス3枚の窓に

今までのアルミサッシ+単板ガラスの出窓の時は、日中窓の近くに手を当てると外の熱が伝わってくるのがわかりましたが、内窓の室内側に手を当てても外の熱はあまり感じません。温度計で測ってみると、内窓の中と外では2度くらい差がありました。

内窓の外と中は2度くらい違う

我が家がつけた内窓は、リクシルのインプラスという商品です。

www.lixil.co.jp

内窓がつかない窓はカバー工法の断熱窓に交換

掃き出しの窓は床暖房の工事をした影響もあり、内窓がつきません。既存の窓枠に一サイズ小さな窓枠をつける方法の窓をつけました。

掃き出し窓

ここは工事時間も費用もかかります。といっても朝8時半くらいから工事が始まり、15時までには終了しました。まずはもともとついていた窓の障子を外した後、新しく設置する窓枠のための何やら部品が設置されました。

工事開始

新しい窓枠をつけますが、かなり大きなものですね。

新しい窓枠

新しい窓枠が収まりました。掃き出しだった窓が掃き出しでなくなってしまったのは、少々残念ではあります。新しい窓がついてから一度テラスに出ようとした時、掃き出し窓のつもりで体が動いてしまい、この窓枠に躓いて転びそうになりました。体に染みついた感覚は恐ろしいです。テラスに出る時には気をつけないと。

窓枠が収まった

障子も入り完成です。思っていたより重厚な窓でびっくりしました。開け閉めしてみると、なんだか高級ホテルの窓のようです。

立派な窓

こちらもLow-E複層ガラスの窓です。

Low-E複層ガラス

こちらの窓はYKK APのマドリモという商品を使いました。内窓はリクシルで、リクシルにもリプラスという同じような窓があるのに、なぜYKK APにしたかと言うと、リクシルのリプラスは室外側がアルミで室内側が樹脂と言う複合素材の窓だったんです。YKKのマドリモは外側も内側も樹脂だったので、YKKの商品を選択しました。その分お値段もよく、工賃込みで25万円くらいしました。高性能の窓なので満足していますが、まだまだ高いですね。

www.ykkap.co.jp

寝室の大きな窓も交換を考えていますが、マドリモが結構高いので、寝室はリプラスにするかも。マドリモとの価格差は45,000円くらいです。

www.lixil.co.jp

Low-Eガラスについて

出窓につけた内窓も、窓交換した掃き出し窓もガラスはLow-E複層ガラスです。Low-Eのガラスには日射遮蔽型と日射取得型があり、どちらを選択するか迷いました。静岡は冬はそれほど寒くなく、むしろ工事が暑いさなかだったので、日射遮蔽の方が良いのかなとも思ったのですが・・・。

www.lixil.co.jp

竹内先生のVoicyや、東京大学の前先生の著書を拝見すると、南の窓は冬に太陽熱を室内に取り入れられるよう、日射取得型が良いとのこと。

というわけで、今回はすべて日射取得型にしてしまったのですが、もしかすると西側の出窓は日射遮蔽の方が良かったのかもしれません。ただ、西側の窓は夏の間はよしずを立てかけて、窓の外側で日射を遮っているので、これで良いことにしました。

窓交換も内窓もつかない窓には断熱ブラインド

内窓をつけたり断熱窓に交換できない窓もありまして、ここは断熱ブラインドの設置を予定しています。

この窓は断熱ブラインドを予定

断熱ブラインドと言う商品があることを知ったのも、建築家の竹内先生のVoicyでした。こちらのVoicyのチャプターに貼ってあるリンク先には社員入りで取り付けの様子が紹介されています。ホント、竹内先生のVoicyは勉強になります。

voicy.jp

不器用な私は、まだ電気ドリルも使ったことないので、今回はクロス屋さん採寸・注文・取り付けまでお願いします。いろいろなメーカーから断熱ブライドが発売されていますが、私はハニカム構造がダブルになっているセイキの断熱ブラインドを設置します。

www.seiki.gr.jp

和室の障子はどうする?

和室にも窓があり、ここは今回改修をしていません。和室の窓は室内側に障子があります。障子は通常、外側に障子紙を貼り、室内側から見ると障子の桟が見える状態ですが、室内側にも障子紙を貼る、たいこ貼りというのをDIYでやってみようかなと思っています。この方法も竹内先生のVoicyと記事で知りました。

ondankataisaku.env.go.jp

ということで、さっそくトライしてみました。まずは障子の枠の内寸を測り、DIY店でポリカーボネイト板をその寸法通りにカットしてもらいます。下の写真は買ってきたぽれカーボネイト板を障子の枠に乗せて、ちゃんと寸法があっているかどうかを確認しているところです。ちなみにポリカーボネイト板の厚みは3mmのものを使っていますが、4mmでも良いかも。

障子の枠の内側に収まるサイズのポリカーボネイト板を購入

障子の桟に障子紙を貼る時に使う両面テープを貼っていきます。

障子の桟に両面テープを貼る

まずは下穴をあけてビスで止める方がしっかり固定できますが、不器用な私にそんな細かい技は無理なので、両面テープにしました。両面テープで止める方法は、Voicyで断熱教室を放送して下さっている竹内先生に教えて頂きました。こちらの放送です。

voicy.jp

桟に両面テープを貼ったら、先ほどのポリカーボネイト板についていた保護フィルムをはがして、障子に乗せます。

ポリカーボネイト板を貼ったところ

ホントはこのポリカーボネイト板の上に、細い角材を貼りつけて、ポリカーボネイト板の上に障子紙を貼りたかったのですが、障子枠の寸法との関係で、かなり細かい作業になりそうだったので、一旦ここまでとしました。下の写真の右側がポリカーボネイト板を貼った断熱障子、左側はまだ何もしていない普通の障子です。

断熱化のBefor(左)とAfter の障子

もともと貼ってあった障子紙とポリカーボネイト板の間に1つ空気層ができ、ポリカーボネイト板そのものにも3mmの中空層があるので、今までの障子1枚よりは空気層が増えたので、断熱性能が高くなったのではないかと思います。

ポリカーボネイト板の中空層

実際、真夏の蒸し暑い日に、ポリカーボネイト板を貼っていない側の障子と貼った後の障子に手を近づけてみると、伝わってくる暑さが断熱障子の方が少なく感じました。仕上がりもなかなか気に入っていて、今回その他の断熱工事をお願いした業者さんも「きれいに仕上がっていますね」とほめて下さいました。

リフォーム後の効果

断熱リフォームで期待したいのは、エネルギーコストの削減です。電気もガスも価格が上昇していて、Before/Afterを金額で比較するとわかりづらくなるので、使用量で比べてみようと思っています。まだ工事が終わったばかりなので、効果はおいおい書き足して行こうと思いますが、今のところエアコンの温度を27~28度設定でもリビング・ダイニングは快適な温度になっていると思います。

まとめ

今回のリフォームでは、壁も対策しましたが、壁の断熱強化は壁を壊すことになるので、時間も費用もかかります。熱の出入りの量を考えると、まず窓から対策するのがコスパの面から考えても優先順位は一番だと思います。

リフォームを決めたのは5月頃でしたが、職人さんの確保などで着工は梅雨明けの7月になってしまい、エアコンを撤去しての作業だったため、職人さんには大変暑い中工事をしていただきました。もっと季節の良い時にお願いした方が良かったのかも。本当にありがとうございました。

脱炭素にも期待

断熱性能を向上させることで、冷房も暖房もエネルギー使用量が減ることを期待するとともに、我が家は屋根に3.7kwと小さいながらも太陽光発電が乗っているので、太陽光発電をうまく活用して、化石燃料由来のエネルギー使用量を減らせると良いなと思っています。具体的にはエコキュートをソーラーチャージタイプに換えるのですが、注文から2か月たってもまだ納期すらわからない状態で、こちらの効果報告はだいぶ先になりそうです。