隠岐の海士(あま)町に2021年7月にオープンしたEntô別館。松本潤さんのこんな記事で話題になりました。
雑誌などでも紹介されています。
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— casabrutus (@CasaBRUTUS) June 8, 2022
巣ごもり生活を脱して旅行気分がようやく戻ってきた今、雄大な自然に囲まれてリフレッシュしてみませんか。2022年、ライフスタイルホテルは、都会から自然の中へ——。#casabrutus pic.twitter.com/FMLCjtBfvK
メディアで見かけてからとーっても泊まってみたいと思っていた宿でした。今回の隠岐への旅はこの宿に泊まることが目的だったと言っても過言ではありません。期待通りの素晴らしい宿でした。
Entôの概要
- 本館と別館とがあり、雑誌などで紹介されているオシャレな建物は別館。
- 1人部屋から家族で活用できるコネクティング可能な部屋まである。
- Wifiや枕元のコンセントは完備。エアコンも各部屋にあり個別に温度調整可能。ただしテレビはない。
- 港から徒歩3分の好立地。部屋からの眺めも抜群です。
- 予約するとコンシェルジェからメールが届き、滞在中のプランを相談できる。このサービスがとても助かった。是非利用すべし。
- 連泊の際、この日は夕食をホテルで、この日は外を選べるのが便利。
公式サイト
今回宿泊したお部屋
EntôにはBaseと呼ばれる本館と、2021年7月にオープンしたNestと呼ばれる別館があります。下の写真で、右側の5階建ての建物がBase、左手の3階建がNestです。
Nestのお部屋には、ビューバスやテラス付きのスイートやデラックスタイプもあり、ホントはそちらに泊まりたかったのですが、私たちの日程で3連泊取れなかったので、今回は2人用のNest 2というお部屋に滞在しました。1階に位置しています。広さは27㎡。部屋の入り口に玄関ぽいスペースはなく、ドアを開けるといきなりお部屋です。
反対側から見るとこんな感じで、クローゼットはなく、壁にハンガーがかかっているのみです。とってもシンプルなお部屋ですが、使い勝手は悪くありません。
Nestのお部屋はすべてオーシャンビューで、1階のお部屋でもこの眺めです。
お部屋の奥行きがあまりないので、ベッドに寝ながらでも海が目の前。建物が東向きなので、カーテンを開けたままにしておけば、朝日で目覚めることもできます。
金庫や電気ポット、冷蔵庫はベッドサイドにコンパクトにまとめられています。
冷蔵庫の中には飲料水のボトルが冷えています。ペットボトルではなく、洗って何度も使えるボトルでの提供なのは、ごみを削減する取り組みなのだと思います。飲料水は1本500mlほどで、足りないときはフロントにお願いすると新しいボトルをいただけます。
お茶はティーバッグでの提供。ティーバッグは毎日補充してくれますが、お菓子はチェックインの時のみです。コーヒーは別料金で用意があるようですが、今回は持参したドリップバッグで淹れました。
Nest 2と一人用のNest 1にはトイレはありますが、お風呂はなく、シャワーのみです。大浴場があるので、シャワーは使いませんでした。洗面台のボウルがちょっと使いにくかったのが残念。
洗面ボウルの上に、歯ブラシなどが置ける台がついているのですが、前かがみになるとこの台に頭が当たってしまい、せいせいと顔をあらったり、口をゆすいだ水を吐き出すにも少し気を遣いました。
壁にかかっている袋の中にはタオルが入っています。こちらのタオルは部屋でシャワーを浴びる時のためのもので、大浴場にはバスタオルも体を洗うタオルも用意があります。布のバッグは大浴場に行く時に着替えを入れるのに便利で何度も使わせていただきました。
お部屋にはパジャマの用意があり、大浴場との行き来はパジャマでも大丈夫です。レストランはパジャマ不可です。
大浴場
お部屋にバスタブはないけれど、Baseの1階に男女別の大浴場があります。夜11時になると暖簾がかけ変わる方式で、片方は割と広めの浴室で、もう一方は4~5人用で使う感じの浴室です。
こちらは宿泊初日に女湯になっていた狭い方の大浴場の脱衣所です。籠が4つしかないということは、浴槽の大きさもそのくらいの人数が適切なのがうかがえます。
脱衣所内には洗面台もあり、ドライヤーや冷水器の用意があります。
初日は夕食を食べてからお風呂に行ったので、窓の外はもう暗いですが、小さい浴室は眺望はありません。
翌朝は大きい方の浴室が女湯で、こちらは内海を見ながらの湯あみを楽しめます。
湯口から注がれているのは実は温泉なんですよ。残念ながら源泉かけ流しとはいかず、加温・加水・循環・消毒いずれもありのお湯ですが、ハイキングの後などに手足を伸ばしてお湯につかれるのはありがたいですし、夜中も入れるので、早朝に朝日を見ながら入れるのも幸せです。
ホテルのレストラン
館内にレストランがあり、朝食・夕食を食べることができますが、3泊したので、真ん中の2泊目は夕食をつけないプランにして、外で食べました。ネットからの予約でもこの日は夕食をホテルでとる、取らないが選べるのは便利です。レストランはBaseの建物内にあり、窓からは海を見渡せるロケーション。サンセットや時々行き交う船を見ながらのお食事です。
夕食
夕食は18:30からと19:30からの2回制です。席に着いたらまずはドリンクを。アルコールのメニューはワインなども含めて豊富でしたが、私達はアルコールは飲まないので、ノンアルコールメニューから、炭酸系の飲み物をいただきました。
私達は、ふくきソーダと柿酢はちみつソーダを注文しました。見た目はどっちも似たような感じです。柿酢はちみつソーダはちょっと酸っぱかったです。ふくぎソーダの「ふくぎ」とは「くろもじの木」というクスノキ科の落葉樹なんだそうです。島根では「くろもじの木」を"福が来る木=福来"「ふくぎの木」とよんでいたとのこと。隠岐ではハーブティーとしても販売されていました。
上の写真、夜7:45頃ですが、窓の外がまだ薄明るいですね。さすが西日本という感じがしました。
初日のメニューはこちらです。
イトヨリはお魚だと想像がつきますが、2つめのキャベツってなんだろう?と思いました。サラダかなとも思ったのですが、サラダは4つめに記載があるし・・・。と不思議に思いながらまずは一品目のイトヨリです(ピンボケですみません)。カルパッチョでの提供でした。
続いて謎だったキャベツですが、スープでの提供でした。一緒にパンも出てきました。メニューには「つなかけのパン」と書いてありましたが、「つなかけ」はお店の名前で、Entoがある海士町の隠岐神社の向かい側にあるお店です。パンはお代わり可能です。
続いてサラダです。島の中でとれる野菜を使っていることから「散歩道のサラダ」という名前をつけているそうです。
島を回っていて、野菜を作っている畑に気が付かなかったのですが、Entoがある海士町にはドイツから移住されてきた方が野菜を作っていて、Entoにも卸しているのだそうです。まさに地産地消です。こちらがそのファームです。
つづいて魚料理。初日はイカを使ったお料理です。イカは隠岐ではよくとれるようですし、島の入り江にはたくさんのイカが押し寄せてくるのだとか。なお、通常だとこの魚料理では岩ガキやサザエが提供されるようです。私達は貝やカキが苦手だったので、別の食材に変えてもらったので、イカが提供されました。柔らかく調理されていました。
次はメインの隠岐牛のステーキですが、その前にお口直しのシャーベットが出てきました。一口サイズでかわいらしいです。
ではステーキを。
最後にデザートが出て終了です。コーヒーは追加で頼めば持ってきてくれると思いますが、ここまでですっかり満足したので、私たちはコーヒーは注文しませんでした。
夕食のメニューは日替わりのようで、3日目にレストランで食べた時には、スープはキャベツで初日と同じでしたが、後は食材や調理方法が初日とは異なりました。こちらが3日目のメニューです。
サラダの名前は初日と同じく「散歩道のサラダ」となっていますが、材料か初日とは異なりました。
魚料理は「丸子」という魚で、成長するとブリになるようです。島の近海で島の漁師さんがとってくるお魚です。
メインは隠岐牛ですが、3日目は赤ワインで煮込んでありました。
朝食
朝食は6:45~と7:45~の2回制。朝食も夕食同様、隠岐の素材を使った献立です。
トレーにご飯、具沢山のお味噌汁、3種類の小鉢とお魚料理が載ってきます。連泊の場合は、みそ汁の具やお惣菜の内容が変わります。
ドリンクは、カウンターの上に用意されていて、リンゴジュース、オレンジジュース、牛乳、お茶、コーヒー、紅茶などをセルフサービスでいただきます。
Entoの館内
展示室Geo Room "Discover"
Entoはジオパークの拠点施設も兼ねているので、Nestの1階に地球と隠岐の成り立ちがわかる展示室が設置されていて、こちらは入場無料で宿泊客以外も見学が可能です。展示室内はこんな感じで3つの台に分かれていますが、これは島前の3つの島を表現しています。
隠岐は後鳥羽上皇や後醍醐天皇が流された島としても有名です。高貴な方を島流しにした時に、すぐ亡くなられてしまうと、たたりがあると言われていたそうです。隠岐には豊富な水と水産資源があり、そうすぐには亡くならないだろう、ということで隠岐が選ばれたのだとか。
島前はEntoからある中の島、摩天崖がある西ノ島、赤壁が有名な知夫里島の間には湖のように静かな内海がありますが、ここってカルデラなんです。その成り立ちの説明もされていました。
Geo Lounge
展示室の前にはGeo Loungeというスペースがあります。大きくとられた窓からは隠岐の美しい景色を眺められる場所で、私達が訪れた時には「後鳥羽院遷幸800年記念花展」が開催されていました。化石と生け花と言う異色の組み合わせでしたが、ラウンジ全体にきれいに飾られていました。
山陰地区の新聞でも紹介されていますね。
ライブラリー
Baseの1階にはライブラリーがあります。ミステリーやビジネス書、小説など結構な数の本が揃っていて、宿泊客は部屋で読むこともできます。雨で外に出かけられない日は、こちらで本を借りて過ごすのも良いかも。
本棚の横にはソファとテーブルがあるので、ここで読むことも可能。壁際にはコーヒーのドリップバッグやティーバッグとカップの用意があり、セルフで淹れることもできるようになっています。有料です。お部屋でコーヒーを飲みたい場合は、ここから買って持っていくこともできますね。
ランドリー
嬉しいことに洗濯機・乾燥機の用意があります。マリンスポーツを楽しんだ後などは、水着の洗濯と乾燥もできます。連泊には嬉しいサービスです。
自販機と製氷機
自販機もライブラリーの近くに設置されています。
自販機の反対側には製氷機と電子レンジがありました。
ゲストサービス
滞在中のアクティビティはコンシェルジェに相談できる
Entoの予約が完了すると、コンシェルジェさんから滞在中のアクティビティプランについての案内メールが届きます。こちらからこんな風に過ごしたいというリクエストを伝えると、情報量たっぷりの返信メールがあり、そこからチョイスする感じで希望を伝えました。最終的にプランがまとまると、観光タクシーなど予約が必要なものは、すべてコンシェルジェさんが手配して下さり、とてもありがたかったです。
Ento Walk
ジオパークのスタッフが毎日夕方、Ento周辺を歩きながらEntoの建物や、周辺の自然について解説をしてくれます。予約不要で無料のサービスです。隠岐の成り立ちやEntoについて学べるおススメのサービスです。1回30~45分くらいです。隠岐のサザエは他の海よりも角がしっかりしている、なんてことは、Ento Walkで知りました。
連泊の場合のお掃除とタオル交換
極力環境に優しいホテルでありたいということで、3泊までの連泊の場合、基本的にはシーツの交換と部屋の清掃はありません。タオル交換とごみの回収は、希望すると毎日実施してくれます。まったく入室不要という選択肢もありました。
Entoに泊まって外食する
Entoのレストランで夕食を食べることはもちろんできますが、徒歩3分ほどの場所に隠岐牛の焼き肉やしゃぶしゃぶを食べられるレストランや、体に良さそうな材料を使った食事ができるレストランがあるので、外食することも可能です。ただし食事ができるお店と席数が限られるので、夕食の場合は予約した方が良いです。
島生まれ島育ち 隠岐牛店
こちらは店内で隠岐牛も売っているお店で、ランチ時間と夕食時間に営業しています。
私達は2日目の夕食は、こちらのお店で焼肉をいただきました。
ドリンクの写真もメニューの写真も撮ったのに、肝心のお肉の写真を撮り忘れました。私達が注文したのは2980円の特選3品盛で、だいたい200gくらいの量のお肉が出てきました。小食な私たちはこれで十分だったので、追加はご飯のみ。2人で5600円ほどだったので、ホテルで夕食を食べるよりずいぶんと安く済みました。
宿からは徒歩3分と近いのでとても便利です。
HPはこちらです。
きくらげちゃかぽん
こちらもランチとディナーの時間帯に営業しているレストランです。
私たちは3日目のランチをこちらでいただきました。店内はそれほど広くなく、団体さんが予約されていて、空いている席がなかったのですが、ちょうど2人席のお客さんがあけて下さり、無事ランチを食べることができました。ハンバーグ定食をいただきまして、ご飯は白米か玄米をチョイスできます。体に良さそうな食材での提供で美味しくいただきました。1600円くらいだったので、ホテルで食べるよりかなり安上がりです。
こちらの記事がわかりやすいです。
こちらもEntoからは徒歩3分ほど。隠岐牛店のすぐ近くです。
レストラン 船渡来流亭 (せんとらるてい)
こちらはEntôがある中の島のフェリーターミナル2階にあるレストランです。
私達は3日目にサイクリングから戻って来てからこちらでお茶しました。本当はアイスを食べたかったのですが、オーダーの時間に間に合わず、ドリンクだけならできます、とのことで、アイスコーヒーを飲みました。
まとめ
ということで、Entôの宿泊記をまとめました。特にNestは外観と部屋からの眺めが素晴らしいだけでなく、ホテルスタッフのおもてなしも良かったです。首都圏など、島根県外から移住してきた方も多いようで、皆さん、隠岐の魅力に惹かれて集まってきたんだな、ということを感じました。そんなスタッフのおかげでとても思い出に残る滞在になりました。お値段も連泊の場合は、2泊目、3泊目は割引が効くので、今回泊まったNest 2は3泊4日でレストランの夕食を2回含めて、1人65,000円ほどでした。ということは、1泊あたり22,000円ほどでなので、コスパは良いと思います。とはいえ、次回はテラスやビューバスがついたお部屋にも泊まってみたいです。事前にコンシェルジェさんとのメールのやりとりで、アクティビティの手配までお願いできるので、充実した島Stayを楽しむことができるのがありがたかったです。是非再訪したいと思うジオパークの宿でした。
関連リンク
隠岐へのアクセス
島後には空港があり、飛行機で行くこともできますが、Entoがある海士町は船でのアクセスのみです。隠岐汽船の高速船かフェリーを利用します。私は今回の旅では伊丹空港からの飛行機を利用しましたが、静岡に住む私がこのルートを利用するのはあまり得策ではないと思いました。次回行く時のためにも他のルートも検討したので、こちらにまとめました。
隠岐での観光情報
こちらのサイトに隠岐でのアクティビティも含めて情報がまとまっています。
Entô経営者のtwitter
Entôを経営されている青山さんのtweetです。冒頭の松本潤さんの記事に登場される方です。Entoの名前の由来は、「遠島」、「遠灯」、「縁島」と意味はいろいろ。だから感じではなく、アルファベットなんだと思います。
ー Entô
— 青山 敦士 (Aoyama Atsushi) / Entô (@teamamana) June 8, 2022
かつては罪名だった「遠島」という言葉を、この島では誇りに思っているし、遠いことが価値となってきた時代になったと信じている。
隠岐の魅力を世界へ発信する拠点として設立してもうすぐ1年。信じられない出逢いの舞台となってきた。https://t.co/B2YED2P4MU#Entô #隠岐 #海士町
私の隠岐Stay
3泊4日の滞在の中で、最も印象に残ったのが、西ノ島にある摩天崖です。素晴らしい絶景でした。隠岐に行ったら是非!