鉄道と自転車でプチ冒険に出よう

主に鉄道で行く温泉を楽しみ、旅の記念にマンホールの捕獲を楽しんでいます。宿の宿泊記やマンホールカードを紹介しています。

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明知鉄道の寒天列車と沿線の古い街並みを散策した2024年4月の旅

明知鉄道は季節ごとにイベント列車を運行していて、2024年4月は地元の名産物の1つ、寒天をふんだんにつかったランチをいただける「寒天列車」を運行しています。明知鉄道にはまだ乗ったことがなく、鉄道に乗りながらランチが食べられるのなら、私が大好きな鉄道旅じゃん、ということで乗ってきました。

明知鉄道はどこにある?

明知鉄道と聞いて、どの辺りを走っているかご存じですか?明知鉄道は岐阜県恵那市に本社があり、JRとは中央線の恵那駅で接続していて、終点の明智駅までの25.1kmを結んでいます。かつては国鉄の路線でしたが、今は第三セクターの路線です。

以下の路線図は明知鉄道の公式サイトからお借りしています。

https://www.aketetsu.co.jp/wp-content/themes/aketetsu/images/railwaymap/railwaymap.png

明知鉄道の「明知」と終点の「明智」は漢字が異なるのですね。

寒天列車とは

明智鉄道では四季折々のイベント列車が走っていて、寒天列車もその一つです。一日に一往復のみ急行列車が走っていて、この急行列車を活用しています。2両編成の列車の2両目が食堂車になっていて、寒天をふんだんに使用した懐石風のお料理をいただきます。寒天列車は4月から6月に走ります。夏には冷酒列車、秋にはきのこ列車が走ります。

www.aketetsu.co.jp

まずは予約から

寒天列車は予約が必要です。予約は公式サイトからできるのですが、代金の支払いはWEB決済ではありません。御覧のように封書で予約の確認書と郵便局で使用する振替用紙が入ってくるので、乗車の3日前までに支払いが必要です。私は平日にも休みがあるので問題ないのですが、フルタイムで働いている人にはちょっとめんどくさそう。クレジットカードでの決済ができると良いのに、と思いました。

支払い手続きは郵便局で

寒天列車の料金は運賃込みで、1人5500円です。この金額には1日フリー切符の金額、1380円も含まれています。

乗車前の手続き

明智鉄道はJR中央線の恵那駅で接続しています。まずは名古屋経由で恵那駅に向かいました。

左がJR、右が明知鉄道の恵那駅

まずは乗車手続きのために、明知鉄道の恵那駅内の切符売り場に行きます。係の方に自分の名前を伝えて予約してあることが確認できると、この日は一日乗り降り自由のフリー切符をいただけます。

フリー切符をもらいます

寒天列車は座席指定です。どの座席かは掲示板に掲示してある、という仕組みです。支払いと言い、座席指定と言い、なかなか懐かしい方法だと思いました。

自分の座席は掲示板で確認する

明知鉄道の駅舎の中には待合室があり、コインロッカーもあります。寒天列車に荷物を持って乗ることはできますが、帰りに途中下車して街を歩く、なんてことを考えると、大きな荷物はコインロッカーに預けるのが正解と思います。

待合室のコインロッカー

寒天列車で出発

寒天列車の出発時刻が近づいてきたので、改札を通りホームに向かいました。寒天列車がヘッドマークをつけてやってきました。この列車、回送されてきたわけではなく、明智駅から急行列車として恵那駅まで営業運転しているので、お客さんが乗っています。となりの線路では特急しなのもやってきました。

寒天列車がやってきました

寒天列車の車両

恵那駅から折り返しで明知に向かいます。2両編成で後ろの1両が食堂車となっていて、食堂車は寒天列車の予約者しか乗れません。先頭の1両は普通の車両として一般のお客さんが乗ります。

寒天列車の1両目

食堂車はロングシートの車両で、通路部分にテーブルを置いて、乗客は向かい合っていただくというスタイルです。各自、あらかじめ掲示板で確認した座席に座りますが、座席にも名前の表示はありました。また席が分からない人には、アテンダントさんがサポートしていました。

食堂車の車内

お料理

寒天料理はあらかじめテーブルにセットされています。3段重ねです。開けるのが楽しみです。箱の右側にあるのは、ところてんです。

寒天料理がつまったお重

まずは寒天ジュースで乾杯。

寒天ジュースで乾杯

今回のお料理のお品書きです。季節の果物以外のすべてのお料理に寒天が使用されています。

お品書き

3段重ねの重箱を開ける前に、まずはところてんを自分で作っていただきます。

容器に入っている寒天を押し出してところてんを作る

小鉢にはあらかじめタレが入っていて、自作のところてんを美味しくいただきました。

ところてん

ではいよいよ重箱をあけてみましょう。品数がすごいことになっていてびっくり。果物以外にはすべて寒天が使用されているとは感激です。目移りしちゃって何から食べようか悩んでしまいます。

寒天列車のお料理

寒天を使ったお料理はどれもたいへん美味しく、お食事にとーっても満足できました。

乗客が食べている間も、列車は明智駅に向かって進んでいきます。車内ではアテンダントさんが明知鉄道についての知識や、沿線情報を案内してくれます。

遅い急行

寒天列車は時刻表では急行となっています。でも普通列車よりも時間がかかります。恵那駅から明智駅まで、普通列車だと49分で到着できるのに、急行列車は54分かかります。急行列車は途中速度を落として走ったりするので、普通列車よりも時間がかかるんだそうです。

日本で最も勾配が急な場所にある駅

恵那駅を出て2つ目の駅である飯沼駅は、日本で最も勾配がきつい坂の途中にある駅として有名です。急行列車の寒天列車は停車しませんが、乗客の皆さんにじっくり見て頂こうと、徐行運転しながら通過してくれました。

鉄道の法規上、坂の途中に駅を作ってはいけないそうですが、2か月間テスト走行して安全を確かめた後、国に特別申請して認められたのだそうです。

33パーミルの急こう配にある飯沼駅

待合所の足元にはここが急勾配であることを示す黄色の標識があります。動いている時に撮ったのでぶれていてすみません。

急こう配を示す黄色の標識

飯羽間駅

寒天列車は飯羽間駅を通過してしまいますが、飯羽間駅周辺の景観は、日本一の農村風景に指定されています。アテンダントさんから案内がありました。

日本一の農村風景に指定されたところを通る

極楽駅

なんともかわった名前の駅です。かつてこの辺りにあった極楽寺に由来しているそうです。駅名もありがたいですが、待合所や椅子なども、なんだか御利益ありそうなデザインです。待合室の中には観音様もいらっしゃいました。列車が近づくと、三波春夫さんが歌う極楽音頭が流れるそうです。

ご利益ありそうな極楽駅

隣の岩村駅で、極楽駅行きの硬券切符を買うことができます。極楽に行けるよう、切符を買いました。お土産にもよさそうです。

岩村駅で帰る極楽駅行きの硬券切符

唯一列車交換できる岩村駅

極楽駅から一つ明知寄りの駅が岩村駅です。岩村駅は明知鉄道の中で唯一列車交換が可能な駅なので、構内もある程度の広さがあります。ホームも上り・下り別々にありました。

列車交換ができる岩村駅

岩村駅には懐かしい腕木式信号機が残っています。

懐かしい腕木式信号機

腕木式信号機はすでに引退はしていますが、操作することは可能です。1回300円ということで、やってみようかなとも思ったのですが、還暦過ぎのおばさんが一人夢中になって動かしている姿もちょっと滑稽かもと思い今回はやめました。

1回300円で操作体験ができる

個人でも出せるつり革広告

明知鉄道のつり革には誰でも広告料を支払えば広告が載せられるそうです。

つり革広告

www.aketetsu.co.jp

街並み散策

明智駅周辺

明智駅

寒天列車が明智駅に到着するのは13時19分。その後、恵那駅への折り返しの列車は13時52分発で30分ほど時間があります。明智駅周辺には日本大正村などレトロな街並みがあるので、少し歩いてみました。

日本大正村

こちらは大正路地。なかなか雰囲気があります。

大正路地

マンホールも捕獲します。

明智町のマンホール

こちらは村役場。

村役場

明智駅からずっと上り坂を上って行くのですが、坂の上には大正浪漫館があります。建物の中にも入れるのだと思いますが、私は13時52発の列車に乗りたかったので、明智駅での散策はここまでとしました。

大正浪漫館

なお明智駅でもっとたっぷり時間を取りたい場合は、もう一本後の15時23分発に乗ると良いでしょう。

また折り返しの列車まで歩きたくない方には、駅舎の横にカフェがあるので、こちらでのんびりするのも良いかも。

明智駅隣のカフェ

岩村駅周辺のレトロな街並み

明智駅を13時52発の列車に乗ると、岩村駅には14時10分頃に到着します。次の岩村駅から恵那に向かう上り列車は15時44分なので、1時間半ほど時間があります。

岩村駅で途中下車

岩村駅の近くには古い城下町がありますので、歩いてみることにしました。

岩村駅周辺の案内

古い町並みの入り口までは駅から徒歩3分くらいです。

街並みの入り口はこんな感じ。通りは奥に向かって緩い上り坂です。一番奥には岩村城跡がありますが、そこまでは行かず、街並みだけ散策して、途中で休憩もして岩村駅まで戻るつもりで歩き始めました。

古い町並みの入り口

この街の玄関には青い暖簾がかかっているお宅が多いです。

玄関にはそろいの青い暖簾がかかる

この青い暖簾には一か所白抜き部分があり、女性の名前が入っているお宅が多いのです。岩村城は織田信長の叔母にあたる女性が城主だったこともあり、女城主の里と呼ばれています。そんなわけで暖簾にはそのお家の女性の名前が記されているそうです。

女城主の里にちなんで女性の名前が入る暖簾

マンホールの蓋にも女城主の文字。

岩村町のマンホールにも女城主の文字

勝川家は先ほど駅の観光案内にも写真がありました。こちらでは映画「銀河鉄道の父」の撮影も行われたそうです。

昔の家屋が保存されている勝川家

中には映画に宮沢賢治の役を演じた菅田将暉さんの直筆の書がありました。

菅田将暉さんの直筆

古い町並みがいい感じです。

雰囲気のある街並み

軒下に並ぶ大きな看板もなかなかです。

大きな看板もいい感じ

街中にはカフェもあって、駅へ戻る前にちょっと休憩しました。

カフェで休憩

だいたいこの辺りを往復しました。

恵那駅でマンホールカード

明知鉄道とJRとの接続駅は中央線の恵那駅です。恵那駅に併設の観光案内所では恵那市のマンホールカードを配布しています。

恵那駅隣の観光案内所でマンホールカード

カードと同じデザインの実物の蓋も観光案内所の目の前の歩道に設置されていて、捕獲も楽チン。

デザインマンホールの実物

まとめ

寒天列車は品数がものすごく多くて、そのほとんどに寒天が使われていて素晴らしかったです。味も美味しかったし、かなりおススメの列車と思いました。車内ではその寒天も販売しているのですが、私は寒天列車の翌日は馬籠から妻籠へのハイキングだったので、量のあるお土産は買いづらく今回は断念しましたが、もし日帰りで寒天列車乗車だったら、一束買っていたかも。天草100%の寒天なのだそうです。

明知鉄道に乗ってきたと言っても私の周囲でどこにある鉄道か知っている人は少ないですが、のんびりした景色の中を走る非電化路線は、いかにもローカル線という雰囲気で、こういう感じの鉄道が好きな人にもファンも多そうな感じがしました。

明知鉄道は非電化路線

今回散策した岩村駅近くの古い町並みもとても良かったです。馬籠も妻籠もたくさんの人(特に欧米人)がいたけれど、岩村駅は人もまばらでした。ちょっとした穴場なのかも。

今回の旅は明知鉄道に乗車した後、中津川まで中央線で移動し、駅近くの宿に一泊。翌日は馬籠から妻籠までハイキングして一泊という旅でした。珍しく温泉が絡まない旅でした。そちらの旅はまた別記事で。

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