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主に鉄道で行く温泉を楽しみ、旅の記念にマンホールの捕獲を楽しんでいます。宿の宿泊記やマンホールカードを紹介しています。

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オーロラ初体験の記録:2023年12月カナダ・イエローナイフの旅。スマホでもオーロラは撮れる

私の旅の目的の一つに、一度はオーロラを見てみたい、という願望があります。2023年12月にカナダのイエローナイフでオーロラ初体験ができたので、オーロラの様子や旅の全体像を記録しておきます。

イエローナイフはどこにある?

イエローナイフはカナダの北の方に位置し、緯度で言うと北緯60度付近にあります。日本の最北端の宗谷岬が北緯45度くらいなので、かなり北極圏に近い場所です。

イエローナイフは人口2万人ほどの小さな町ですが、オーロラが出るオーロラ帯のほぼ真下に位置しているので、オーロラ観光の旅行客がたくさん訪れる町です。雨女の私が無事オーロラが見えたのか、そこからレポートしていきます。

私の初オーロラ体験

結論から言うと、イエローナイフに4泊して2勝2敗でした。

初日は飛行機の中からも見えた

日本からイエローナイフに向かう場合、バンクーバーでイエローナイフ行きの国内線に乗り継ぎます。バンクーバーからイエローナイフまでは2時間くらいです。

私のオーロラ初体験は、バンクーバーからイエローナイフに向かう飛行機の中でした。下の写真の下の方に光っているのは、飛行機の翼のランプです。

機内から見えたオーロラ

でもね、オーロラはカメラで撮ると緑に輝いて見えますが、肉眼だと白っぽく見えるので、初めて見る時にはこれがオーロラなのか、雲なのか、はたまた窓の汚れなのかわかりませんでした。写真に撮って初めてオーロラとわかりました。

到着後、深夜にオーロラビレッジにて

日付が変わる頃にイエローナイフ空港に到着した後、私達ツアー客はツアーバスで一度ホテルに向かい、あらかじめ各自の部屋に用意されている防寒着に着替えて再びロビーに集合し、バスで30分ほど揺られて、オーロラビレッジと言う周囲に灯が全くない施設に向かいました。深夜1時半くらいから1時間くらいオーロラビレッジにいましたが、大変すばらしいオーロラを鑑賞できました。

初日のオーロラ(スマホで撮影 ISO:3200, 露出時間4秒)

この日のオーロラはとても動きがあり、カーテンのようにひらめいていたかと思うと、空の一番高い所から、液体が流れ落ちてくるかのような動きを見せたりと、とても活発なオーロラでした。

天空から流れてくるようなオーロラ(スマホで撮影, ISO3200, 露出時間8秒)

私の写真技術ではその素晴らしさが伝わらないのが残念。

ツアー参加者の中に星の写真を撮影されているプロのような方がいらっしゃり、その方の写真を許可をいただいて掲載させていただきます。この日はふたご座流星群の日で、なんとオーロラに流れ星まで写っていました。すばらしいの一言です。

オーロラと流れ星

初日は気温もこの時期のイエローナイフにしては暖かく、マイナス10℃くらい。マイナス10℃程度だと、カメラをいじる時にちょっとだけ手袋を外してもなんとかなる気温でした。これがマイナス20℃を下回る気温だと、ホント、素手になった途端に凍傷になりそうだ、という感じがしました。

2日目と3日目の夜は見えず

初日のオーロラ鑑賞は実質2日目に突入していたわけで、ホテルに戻ってきたのは深夜3時頃でした。そこから寝る支度してベッドに入り、朝10時のモーニングコールで起きて、11時からランチを取りました。2日目はその後市内観光、3日目はランチの後は全くの自由時間でした。2日目以降は毎日夜9時頃ホテルを出発してオーロラビレッジでオーロラの出現を待ちましたが、2日目と3日目は空が曇ってしまい、オーロラは見えませんでした。

こういう時は暇なので、オーロラビレッジのスタッフが、極寒実験なるものを披露してお客さんを楽しませてくれました。濡らしたタオルを振り回すと瞬時に凍る(この日はマイナス15℃くらいで30くらい回したら凍った)とか、凍らせたバナナでの釘打ち体験などをお客さんも参加しながら10分くらいで見せてくれます。

極寒実験

最終日に望みをかけて

初日に感動的なオーロラが見えたので、ツアー参加のお客さんはもう一度見たい! という思いになっています。果たして4日目の夜はいかに。日中は晴れていましたが、夜オーロラビレッジに出発する頃になって雪がちらつき、少し嫌な雰囲気でしたが、オーロラビレッジに到着すると星も見えなかなか良い感じでした。

オリオン座とオーロラ(スマホで撮影, ISO3200, 露出時間4秒)

北の空には北斗七星も見えていました。

北斗七星とオーロラ(GF9で撮影, ISO1600, 露出時間6秒)

ミラーレス一眼で撮るより、スマホの方が良く撮れるように思いました。これは私の準備不足のせいでもあります。撮影方式をシャッタースピード優先にするだけでなく、電子シャッターをメカシャッターに変えたり、オートフォーカスをマニュアルフォーカスにする必要がありました。最終日は夜が更けるにつれ、オーロラが活発になってきました。

丘の上からのオーロラ(スマホで撮影)

丘からオリオン座方向のオーロラ

初日と最終日のオーロラは、どちらも活発に動くオーロラで大満足となりました。

撮影準備は入念に

オーロラの神秘的な光を自分のカメラやスマホで撮影しよう、と思う方は準備をしていきましょう。スマホでも夜景モードなどで撮影可能とのことですが、三脚がある方が安定して撮れます。こんな感じのやつ。

私のスマホは夜景モードがなかったので、マニュアルにしてISOと露出時間を調整しながら三脚に固定して撮りました。現地は周囲に光がなく、手元はほとんど見えないので、設定変更などは日本で練習してから行くのが良いと思います。

周囲が暗いので、ハイキングで使うヘッドライトを持参しましたが、他のお客さんの迷惑になるということで、LEDライトやフラッシュ撮影は厳禁です。赤い光にしていても、NGと注意されました。手に持って足元を照らしながら歩いたり、カメラの設定を変える時だけちょっとつけたり、という感じで使いました。

ただこちらのヘッドライトは充電電池を使用しています。飛行機の預け入れ荷物にはできないので、機内持ち込み荷物に入れるのを忘れないようにしましょう。

マイナス20℃なんていう環境でカメラを使った後、そのままティーピーの中にカメラを持ち込むと、結露する可能性があります。ジップロックのような密封できる袋を持参し、外の撮影が終わったら、ティーピーに入る前に袋の中にカメラを入れる方が良いそうです。日本からカメラが入る大きなジップロックを持参しました。

オーロラビレッジ

私達がオーロラを鑑賞していたのはオーロラビレッジと言う施設です。私は大手旅行会社のツアーに参加しましたが、イエローナイフでのホテルとビレッジ間の送迎や、防寒着のレンタルなど、すべてオーロラビレッジが実施していました。個人旅行で来ている方も、オーロラビレッジのツアーに申し込んでいて、ビレッジとホテルとの間を行き来するバスもツアー客も個人客も混乗でした。

auroravillage.com

ビレッジ内にはティーピーと呼ばれるテントがあり、この中でオーロラが出るのを待ちます。

ビレッジ内のティーピーの中でオーロラ出現を待つ

同じツアーの人たちだけのティーピーの日もあれば、個人客の方と一緒の時もありました。ティーピーの中にはテーブルと椅子があり、私たちが利用していたティーピーは、テーブルが4つ、椅子が24脚用意されていました。テントの中には暖炉があり暖かいです。持参した温度計を見たら20℃くらいでした。テントの中では防寒着のコートは脱いで過ごせました。お湯とコーヒーや紅茶、ココアなどの用意もあります。私は夜は緑茶や紅茶は避けたい人なので、ほうじ茶のティーバッグを持参しました。深夜まで起きているのでお腹がすきます。私はワッフルのような少しお腹にたまるお菓子も持って行きました。

ティーピーの中には暖炉があって暖かい

防寒着はレンタル

12月のイエローナイフは日中でも氷点下。オーロラ鑑賞時間はマイナス20℃以下のこともあり得ます。でもご心配なく。この時期のツアーだとレンタル防寒着もついていました。防寒着は、コート、オーバーパンツ、ブーツ、手袋、フェイスマスクの5点セットで、フェイスマスクはお土産にもらえます。コートはめっちゃくちゃ重くて、これ着て歩くだけでも体力が必要です。

防寒着の上下

シューズはこんな感じで、インナーブーツがあるタイプです。毎晩ホテルに帰ったら、インナーブーツを抜いてよく乾かすように指示がありました。

シューズ

手袋はミトンなので、カメラの操作などはこのミトンを外して行います。マイナス20℃くらいだと、素手になると指先から凍傷になりそうな冷たさを感じたので、薄手の手袋をしていましたが、それでも手が冷えます。ミトンをしていると、手も冷たくはなかったです。

ミトン

防寒着の下は何を着る?

レンタルの防寒着の下に何を着るかは悩みました。極寒地は外は寒いけど室内は暖かい、と聞いていて、ティーピーの中で汗をかくようでは困るなと思っていたからです。こういう時に便利なのは登山ウェア。汗冷え対策ウェアが揃っています。以下は私の場合です。

上半身は、素肌の上に、下着としてミズノのブレスサーモの薄手タイプ。その上にsmartwoolのウール100%のウェア。その上にモンベルのシャミースというフリースを着てから防寒着にしました。モンベルのシャミースは前がジッパーで全部開くのでカーディガン代わりに冬の旅には持ち歩いています。防寒着を脱いでも暑ければシャミースを抜いで調整します。

 

www.lostarrow.co.jp

下半身は、素肌の上にsmartwoolのタイツをはいた上に、ユニクロのスエットパンツをはき、その上に防寒着のオーバーパンツをはきました。ティーピーの中では、コートの防寒着は脱いでいましたが、オーバーパンツははいたまま過ごしていました。

オーロラ鑑賞時の課題

レンタルした5点セット(コート、オーバーパンツ、防寒靴、ミトン、フェイスマスク)を着用していると、マイナス20℃の中でオーロラを見ていてもあまり寒さは感じませんが、眼鏡が曇るのが困りました。曇ったそばから凍り付き、指先でこすりたくてもミトンの指先は眼鏡と目の間には入らずこすれません。ミトンを取って素手でこすっても、凍り付いているので簡単には曇りがとれません。フェイスマスクをしなければ曇らないのですが、そうすると出ている顔がメチャ冷たい、というわけです。

眼鏡の曇り止めとしてはこちらの製品がお気に入りで、入念にケアしてから出かけた夜はまずまずな感じでした。

 

コンタクトレンズをお持ちの方は、オーロラ鑑賞する時はコンタクトで臨むというのも、一つの対策と思いました。

オーロラを見ていないときは何をする?

オーロラ鑑賞は夜の名で、イエローナイフ滞在中は昼夜逆転生活となります。11時からツアー客全員でホテルのレストランでランチを取り、その後は自由行動ですが、私は部屋でお昼寝したりゴロゴロしていることが多かったです。

現地のオプショナルツアーに申し込む

オーロラビレッジでは犬ぞり体験や、スノーシューでのハイキングといったツアーも用意しているので、元気のある方はそういうツアーに申し込むのも良いでしょう。

私達のツアーには市内観光がついていて、到着した翌日の昼間に2時間ほど、イエローナイフ市内をバスで観光しました。市内観光では、州議事堂や博物館などを回りました。

州議事堂内部 本来は床に白クマの毛皮が敷かれている

パブに行く

町のパブで軽く飲んだり食べたりされているお客さんもいました。こちらのTHE BLACK NIGHT PUBでは、バイソンの肉を使ったハンバーガーが名物だそうで、地元でも人気のお店のようです。

バイソン肉のハンバーガーが食べられる人気のパブ

ビジターセンターで北緯60度到達証明をもらう

イエローナイフは北緯62度付近にあります。なかなかこんな高緯度まで来る機会はありません。ビジターセンターに行くと、到達証明書みたいなものと、イエローナイトのピンバッジをもらうことができます。

北緯60度到達証明とピンバッジ

ビジターセンターの場所はこちらです。

ビジターセンターの入り口はこんな感じです。

ビジターセンター

オーロラ予報

オーロラにも天気予報のような予報サイトがあります。私は出発前からこの予報サイトを訪れては、やきもきしていましたが、私の今回の印象ではあまりあてにならないのかも、という感じでした。

というのも、出発前に見た予報では、オーロラは見えるけど活発ではないという感じの予報でしたが、現地に着いてからはかなり予報が変わり、結局晴れていればよく見えたという嬉しい結果だったのです。

こちらのサイトにいろいろな予報サイト情報がまとまっていて、参考にしました。

hokkyokunavi.com

他にもこんなサイトとか。

aurora-alert.nict.go.jp

こんなサイトとか。

auroraforecast.com

ここ2年くらいは太陽の活動が活発で、太陽活動に影響されるオーロラは鑑賞のチャンスが多いようです。となるとあとはお天気ですね。どんなに上空でオーロラが出現していても、曇りではどうしようもないのです。そういうわけで、オーロラ鑑賞は晴天率の高い時期を狙うのが大事です。

オーロラは冬以外も見える

オーロラ鑑賞というと、極寒の地の深夜に寒さに震えながら見るイメージがありますが、オーロラは年中出現しています。ただ周囲が暗くないと見えません。北緯60度付近は、夏場は白夜で夜が暗くならないのでその時期は鑑賞には向きませんが、9月くらいだと夜は暗くなるのでオーロラが見えます。9月くらいだとイエローナイフでもマイナス20℃なんてことはなく、普段日本で来ている防寒ウェアで事がたりますし、手袋無しでカメラを触っていても、凍傷になるようなこともありません。オーロラビレッジの池も凍っていないので、逆さオーロラが見えることもあります。

冬場に比べて暗くなる時間は遅いですが、真冬よりは快適な環境でオーロラが見えるのではないかと思います。9月くらいだとイエローナイフの前後にカナディアンロッキーあたりを巡るプランも良いと思います。

イエローナイフまでの道のり

私達のツアーは羽田からとバンクーバーの間はANAの直行便を利用しました。羽田からバンクーバーまでは8時間ほどのフライトです。今年はスイスまで15時間というフライトを経験していましたので、あまり長くは感じませんでした。ただこのバンクーバーに向かう便は夜10時頃の出発です。日付変更線を超えるため、バンクーバーには出発した日のお昼過ぎに到着するので、初日がとーっても長いです。バンクーバー空港でイエローナイフ行きの飛行機に乗り継ぎますが、便数が少なく、7時間くらい待ち時間がありました。

待ち時間の間に空港外に出ることができます。幸い、イエローナイフ行きの便の手荷物預け入れがすぐできたので、私たちはトラムに乗って、バンクーバーのダウンタウンに出かけました。

乗り継ぎの待ち時間にトラムでダウンタウンへ

空港内のフードコートで夕飯を食べて、やっと搭乗時間になりました。

バンクーバーに13:45に到着してもイエローナイフ行きは20:50発

バンクーバーからイエローナイフまでは2時間ほどのフライトです。イエローナイフに到着する頃、やって日付が変わります。

イエローナイフ空港

イエローナイフ空港はボーディングブリッジがないので、厳寒の中歩いてターミナルビルと飛行機の間を行き来します。ここで滑って転んで骨折、なんてことがないようにしましょう。

イエローナイフ空港にはボーディングブリッジはない

初日が長いので、バンクーバーまでの機内ではなるべく眠っておくのが良いのですが、機内食が2回出てくるので、あまり寝ていられませんでした。

まとめ

旅の全体としてはイエローナイフに4泊、そのあとバンクーバーに1泊していますので、5泊7日のツアーでした。同じホテルに4連泊する海外旅行は今まであまり経験がなく、荷物の出し入れをしなくて済むので、大変楽ちんでした。

4連泊したエクスプローラーホテル

肝心のオーロラが見えないと、ツアー全体がお通夜のように沈んでいると聞きましたが、私たちは幸い2晩素晴らしいオーロラに出会えて、ツアー参加のお客さんのテンションも高かったです。

写真で見るほど色鮮やかには肉眼では見えず、えっ!? これがオーロラ?と最初は思いましたが、薄く光る白い雲みたいなものが、みるみるうちに姿を変えていく様は自然の神秘で、一生に一度は見ておきたい自然現象だと思います。

2023年の旅を人生初オーロラで締めくくることができ、大変満足度の高い旅でした。

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