雲仙宮崎旅館は長崎県の雲仙温泉の宿です。雲仙温泉には硫化水素臭のガスや温泉がポコポコ湧き出ている荒涼とした「地獄」があり、温泉街に入るとすぐにその匂いに気づきます。日本で最初の国立公園の指定を受け、かなり前から外国人の避暑地としても人気があったそうです。白濁の湯はいかにも温泉、という感じがするので以前から雲仙温泉を訪れたかったのですが、なかなか機会がなく、2024年10月、やっと雲仙温泉を楽しめました。
雲仙宮崎旅館の概要
- 創業は1929年の老舗宿。現在の建物は2022年に新築されていて館内はどこも新しくて快適
- 部屋数は楽天のサイトによると39室。全室テラス付き。通常のツインタイプ以外に、源泉かけ流しの半露天風呂がついたお部屋もある
- 館内でWifi利用可。ベッドサイドに電源もある。
- 館内着とワンピースタイプのルームウェアあり。
- 日曜日の夜に2人で泊まって2食付きで1人35,000円くらい。ひとり旅プランは2024年10月時点では見当たらなかった。
公式サイト
チェックイン
チェックインタイムの時間帯は、エントランスにスタッフがいてくれて、到着すると荷物を下ろすのを手伝ってくれます。
ロビーに座ってウェルカムドリンクとスイーツを頂きながら、チェックイン手続きをします。
ロビーの大きな窓からは宿のお庭を見渡せます。こちらのお庭にも地獄があるんですよ。のちほどご紹介します。
客室
スタッフの方が荷物を台車に乗せてお部屋まで案内してくれます。私達のお部屋は3階で、この宿では一般的なツインのお部屋です。
お部屋にはテラスがついていて、宿のお庭と奥にある源泉がある地獄などを眺められます。
火山性ガスが出ている地獄が近くにあるような温泉旅館では、金属が腐食しやすいので、電化製品最小限のものしか置いていない宿もありますが、こちらの宿はテレビもありました。コーヒーメーカーはないですが、ドリップバッグの用意がありました。ペットボトルのお水もサービスです。
冷蔵庫にはビールとお茶が冷えていて、こちらは無料でいただけます。1人3万円くらいの宿だと、こういうサービスがある宿に出会います。ただお酒を飲まない我が家には、ビールの代わりに、ご当地サイダーみたいなのが入っていてくれると嬉しいです。こういう時って、リクエストすれば交換してくれるのだろうか・・・。
こちらのお部屋にはお風呂はないですが、シャワーブースがありました。源泉かけ流しの大浴場があるので、シャワーブースは使いませんでした。温泉旅館のお部屋に、温泉ではないけどユニットバスがついているお部屋は今でもけっこうありますが、結局使わないんですよね。最初からシャワーブースのみ、とか水回りはトイレと洗面のみ、と割り切っちゃった方がお部屋が広く使えると思うし、お掃除も楽なのでは、と思います。
洗面台には基礎化粧品や拡大鏡、手を拭くためのタオルが用意されています。
大浴場にバスタオルも体を洗うタオルも用意があります。クローゼットには湯籠の用意がありました。
上下セパレートタイプの館内着に加えて、ワンピースタイプのパジャマが用意されています。
部屋の鍵はフロントにお願いすると予備の鍵を貸してくれます。2人で泊まる時には鍵が2本あると助かりますね。
源泉かけ流しの温泉
大浴場は1階にあります。ロビーから続く廊下の先の暖簾の奥が大浴場の入り口です。
大浴場の「麒麟の湯」は男女別で時間で暖簾が入れ替わります。中には内湯が1つ、露天が1つあります。深夜時間帯の入浴はできません。貸し切り湯は有料だったので、使いませんでした。
脱衣所にはバスタオルと体を洗うタオルが用意されているので、部屋からは手ぶらで来ることができます。ロッカーは鍵付きです。
お風呂の様子は公式サイトの写真をお借りしました。白濁の湯が満たされていて、いかにも温泉と言う雰囲気。
(公式サイトの写真をお借りしています)
内湯は大きく窓が取られていて、内湯に入りながらも外の景色を楽しめますが、隣接する地獄を眺めながらというわけにはいきません。塀で仕切られていました。
洗い場は6人分くらいで、隣の人との間には仕切りがあるタイプです。混雑する時間帯は洗い場もいっぱいになってしまいます。
こちらの浴室にはサウナと水風呂もあります。
泉質
脱衣所に掲示してある分析表によると「単純酸性温泉」と表示されていました。pHは2.6とのこと。硫化水素の匂い、よく言う卵のにおいがして温泉らしいです。
源泉は宿に隣接する地獄の1つ「邪見温泉」とのこと。源泉地が近いので、温泉も新鮮な感じがします。
湯上り処
ロビーから大浴場に向かう通路脇にライブラリーがあります。麦茶の用意があり湯上り処としても活用できます。
お食事
夕食・朝食ともに1階の食事処でいただきます。
夕食
まずはドリンクのオーダーから。ノンアルコールのメニューが豊富で大変良かったです。3杯も飲んでしまいましたよ。他のお宿も是非ノンアルコールメニューの充実をお願いしたいです。
乾杯用に私はスパークリングワイン、旦那さんは温泉レモネードです。
夕食のお品書きはこちらです。
まずは前菜から。マツタケや栗が使われていて秋を感じさせます。
椀物は鯛の潮汁。
お造りは近海の海の幸です。半透明なヒラメの身が美しい。
続いて蓋物は里芋をつかったお料理。
次は魚料理で、私以外の人は鮑でした。
私は鮑が食べられないので、エビのお料理が運ばれてきました。見た目がカラフルで、見た目にも実際のお味も美味しかったですよ。
肉料理の前に、お口直しのシャーベット。
メインの肉料理は長崎牛のフィレステーキです。とても柔らかく焼き加減も絶妙でした。
お肉の隣についている特製ディップソースはお肉だけでなくご飯にも大変よくあい、ご飯がすすみました。お肉は塩でいただきました。
最後のデザートはアイス最中です。
朝食
朝食も夕食と同じ会場・同じテーブルでいただきます。夕食の時にはすでに暗くてお庭の様子は見えませんでしたが、朝食の時には窓から庭園を見ることができました。
朝食用にもお品書きが用意されていました。テーブルのお箸の横には今日の天気予報も。
まずは目覚めの一杯で、キウイと小松菜のスムージー。ジュースじゃなくてスムージーが出てくるの、とても好きです。
テーブルに用意された箱の蓋をとるとこんな感じにお料理が盛り付けられています。
その他に色鮮やかな野菜サラダや、焼き魚、蒸し物としてお豆腐が運ばれてきました。
地獄めぐり
宿の地獄
タイトルにも書きましたが、こちらの宿は地獄の上にたっているそうです。そんなわけでお庭にも地獄が露出しています。
下からポコポコと温泉が湧いています。70℃以上あるそうで、決して触れないで下さいと宿の方から注意されました。
この辺から宿の方を振り返ると、建物がこんな感じで見えます。全室テラス付きなんです。4階建てで2階以上に客室があり、4階には温泉付きのお部屋や、クラブラウンジもあるそうです。源泉かけ流しのお風呂がついているのは泊まってみたくなります。
周辺の地獄
雲仙地獄めぐりは、宿の近くに遊歩道の入り口があり30分くらいで回ってこられます。遊歩道の入り口にはこんなレトロな照明がありました。
ちょっと階段や坂道はあるけど、高低差はたいしたことないです。途中途中にガスが出ていたり、温泉が湧いている場所があります。
もぉもぉと湯気が上がっているのが、大叫喚地獄。宿のスタッフによると、日中、えんま大王さまがここで一生懸命働いているのだとか。
なんで大叫喚地獄と言うかというと、噴気孔の音がアーとかオーとか、地獄からの叫び声のように聞こえることからついたようですね。
えんま大王さまのお隣には邪見地獄があり、宮崎旅館はこちらのお湯を引湯しているのかな。こちらはサタンが夜勤で働いていると、宮崎旅館のスタッフの方が教えてくれました。なかなか楽しいスタッフでした。
荒涼とした景色の雲仙地獄。
いろんな地獄があわさって雲仙地獄を形成しているのですね。こちらはお糸地獄。
雲仙観光ホテル
雲仙にはクラシックホテルがあります。こちらのホテル、泊まってみたいと思っていましたが、なかなか空室がなくて断念しました。私達が泊まった宮崎旅館から近かったので、外観だけ見学してきました。
まとめ
1929年創業と言う歴史ある宿ですが、建物がリニューアルしたばかりなので、大変快適な滞在でした。1人3万円以上という価格帯は、私にとっては高級旅館の価格帯です。外国人スタッフもいましたが、とても親切で接客も心地よい宿でした。
庭園内にも地獄があり、宿のスタッフの方が言っていたように、本当に地獄の上に立っている感があります。そのせいかエレベーターの中が暖かく、こんな貼り紙がありました。もしかしたら夏はエアコンが効きにくいとかあるのかも?温泉はやっぱり空気がひんやりしている時期が良いと思いました。
泉質は申し分なく、温泉も楽しめましたが、部屋数に比べて洗い場の数がやや少ない印象です。混み合う時間帯は洗い場がいっぱいになることもあるので、もうちょっと余裕があるといいなーと思いました。
行ってみたかった雲仙にやっと行けて、満足な旅となりました。全体の旅行記はこちらです。