2024年6月、私は人生2度目のスイス旅に出かけました。前年に旅行社のツアーで初めて夫とスイスを訪れ、アルプスの山並みに圧倒され、絶対もう一度行こうと思い、帰国後すぐに今回のスイス旅行の計画を立てました。前年のツアーではスイスのメジャーな観光地を回り、氷河特急やベルニナ急行などの観光列車にも乗れて大変満足度が高い内容でしたが、ここはもっと時間を掛けたいと思う場所もありました。今回は個人旅行にして自分が滞在したい場所に思う存分滞在することにしました。
まずは前回の旅では1泊しかしなかったグリンデルワルトに4連泊し、グリンデルワルトから日帰りで行ける周辺のハイキングを楽しむことに重きを置きました。
こちらの記事ではグリンデルワルト滞在2日目に出かけた高山植物を見ながらのハイキングについてまとめました。
2024年の旅の全体行程
今回のスイス旅はスイスに8泊しています。チューリッヒ到着日は夕方7時頃の到着なので空港近くに1泊、その後グリンデルワルトに4泊、そのあとツェルマットに2泊。このツェルマットはいろいろトラブルがあって大変でした。そして帰国の前日にチューリッヒに1泊という行程です。
グリンデルワルトってどんな所?
スイスは国の大きさがだいたい九州位の大きさとよく紹介されています。日本からの直行便が到着するのは、チューリッヒと言う街です。スイスの首都はベルンですが、首都ではない街に国際線の発着する空港があるのはちょっと珍しいかも。
グリンデルワルトはチューリッヒから直線距離で100kmくらいの位置です。鉄道だとぐるっと迂回ルートを走るので、移動距離としてはもうちょっとあります。
グリンデルワルトに4連泊もしようとした理由は、なんといってもスイスアルプスの景色に前回の旅で感動したからです。グリンデルワルトはアイガー、ユングフラウヨッホなどの4000m級の山並みを楽しめる場所なのです。
晴れていればこんな景色を毎日見ることができるなんて。住人の皆さんが羨ましい。
ガイドさんと最も人気のあるハイキングコースを歩く
グリンデルワルトに到着した日はかなり強い雨に加えて雷も鳴っていましたが、翌朝起きてみると、予報よりも良い感じのお天気です。アイガーが青空に聳えているのがよく見えます。
この日の行程
この日から2日間連続で、現地のガイドさんをお願いしてありました。ガイドさんの情報は後述しますが、NHKや旅サラダでスイスを取り上げる時にはガイドとして登場されるほどの有名売れっ子ガイドさんに案内していただきました。
ガイドさんとホテルの前で8時に落ち合い、この日はグリンデルワルトから出発するハイキングとしては最もメジャーなコースの一つであるメンリッヒェン(Männlichen, 2289m)から、クライネシャイデック(Kleinen Scheidegg, 2061m)を歩きます。
時差ボケの私は3時頃目が覚めてしまうので、もっと早い時間帯でも良かったのですが、ゴンドラが動き始めるのが8時半からということで、8時集合となりました。
現地サイトの案内へのリンクはこちら。
こちらにも情報があります。
必要な切符を購入
クライネシャイデックでランチを食べた後、鉄道でグリンデルワルトに戻ってきます。そのためのチケットをグリンデルワルト駅の窓口で購入します。鉄道の駅ですが、本日乗車するゴンドラの分も含めたチケットが購入できました。ハーフフェアカードの恩恵で半額の1人37.8CHF(180円換算で6804円)です。支払いはクレジットカードが使えます。
グリンデルワルトで購入するチケットはどれもこんな風にどこを経由してくるのかが明記されていて、良い記念になりました。
メンリッヒェンまではゴンドラで空中散歩
まずはグリンデルワルト駅からインターラーケン方向に向かう鉄道で隣のグリンデルワルトターミナル駅に向かいます。グリンデルワルトターミナル駅からは、アイガーグレッチャーに向かうアイガーエクスプレスとというゴンドラも出発していますが、この日私達が乗車するのは、メンリッヒェン行きのゴンドラです。
ゴンドラが標高を上げていくと、ヴェッターホルンを背景にグリンデルワルトの村が良く見えました。
こちらのゴンドラ、結構距離があり20分くらい乗っていたと思います。山頂駅に着く頃には雲の中に入ってしまいました。山頂駅からは氷河で削られたU字谷の中に広がるラウターブルンネンの村が見えるはずなのですが、この日は真っ白で残念。
山頂駅付近はすでに2200m。こんな場所にもホテルがあるんですよ。晴れていればユングフラウ三山の眺めが抜群だと思います。
いつか泊まってみたいので、宿のリンクも貼っておきましょう。
山頂には高山植物が咲いていたり、霧で油断していたのかマーモットもいました。
ハイキングスタート
ラウターブルンネン側は霧で真っ白でしたが、グリンデルワルト側はそこそこ見えています。午後は雨の予報なので早めに歩きだします。下の写真のゴンドラに乗って村から上がってきたわけです。
メジャーなハイキングコースということもあり、多くの人が歩いていて、たまに日本語も聞こえました。
歩き始めると次から次へと花が目に入ります。
これはオキナグサだったかな?
これもお花の1つで、ホモジネアルピナと言います。植物と言うよりなんか動物っぽい。
鮮やかなブルーの花はリンドウの仲間だったと思う。
晴れていればアイガーを見ながら歩けるコースですが、雲の中です。でも気持ちいいー。
お花を堪能しながら歩いて行くと、ルートの途中に作業車が放置されていました。リュックが乗っていてつい今まで誰かが乗っていた感があるのに、誰もいません。作業車をよけて進むと、なんだかちょっと足元が怪しくなりました。辺りには土砂の臭いが漂います。なんと土砂崩れ現場でした。昨日の大雨で崩れたのですね。
コースの奥からはパワーショベルがやってきました。クボタのパワーショベルでした。スコップを持ったお兄さんも現れて、先ほど放置されていた作業車を運転してきた方のようです。
ここには土砂崩れの危険を知らせる標識があり、その通り崩れていました。なかなかこんな現場に出くわすことはないです。でも他のハイカーは気にせずどんどん進んでいきます。このあたりは自己責任で楽しみなさい、ということなのかも。
その後は道も安定し、標高がスタート地点より下がってきた感じがします。周囲に咲いている花も少し雰囲気が異なります。こちらはブルーベリー。
花にも元気があふれている感じがします。
ガイドさんに撮っていただきました。花が手前に入ってハイキングコースの奥行きもでて、さすが撮り慣れているガイドさんです。
お花畑も出現。
アイガーの下の方は霧が晴れ、登山電車の雪崩よけのトンネルも見えます。
さぁ歩き始めて2時間ほど。今日のハイキングのゴールであるクライネシャイデックが見えてきました。
クライネシャイデックに下りる前にこちらのレストランでランチを取りました。
ガイドさんが一緒なので、こちらの食べたいものを伝えるとドイツ語のメニューの中からおススメを選んでくれます。おかげで大変美味しくいただけました。
ランチを終えてクライネシャイデックに下りる時に、ガイドさんから新田次郎さんの作品を読んだことがあるか?と聞かれました。新田次郎氏と言えば山岳小説が有名です。今回スイスに来る前に、私も新田次郎氏執筆の「アイガー北壁」を読んできました。なぜこのタイミングでガイドさんが新田次郎氏の作品の話を出してきたのか。それはこの地に新田次郎氏の記念碑があるからなのです。新田次郎氏の奥様が氏が亡くなった後、アイガーを望むこの地に新田氏のメガネや万年筆などを納めました。新田氏の山岳作品には情景が目に浮かぶような描写がたくさんあり、私もいくつか拝読しましたので、手を合わせてきました。
こちらの列車でグリンデルワルトに戻ります。
グリンデルワルトに向かって列車は勾配を下って行きます。車窓から見える景色は牧草地の斜面に放牧されている牛、チーズ小屋や民家など、ハイジの世界を思わせる風景でした。
今回お願いしたガイドさん
私は初めての場所をがっつり観光したりハイキングする時にはガイドさんをお願いすることがままあります。お金はかかりますが、それ以上の価値を毎回感じています。
今回お願いしたガイドさんはこちらのガイドさんです。
なぜこの会社を知ったかと言うと、NHKでグリンデルワルトを特集する番組が放送されていて、その時に現地ガイドを務めたのがこちらの会社だったからなのです。
NHKがお願いする会社であれば問題ない、と思いお願いした次第です。当日はNHKの放送にも登場された、矢鳴 菜都さんが案内して下さりとても感動しました。矢鳴 菜都さんはすでに20年以上スイスに住んでいて、ドイツ語も堪能です。高山植物にも詳しいし、美味しいレストランもご存じだし、さすがベテランガイドさん、と思う場面が多々ありました。ガイドをお願いした2日間以外にも、いろいろトラブルがあり相談に乗っていただき、助けていただきました。
写真も上手に撮って下さいます。是非公式サイトのブログやストックフォトをご覧ください。素晴らしい写真の数々です。写真の撮り方のレッスンも受けてくるんだったと思いました。次回スイスに行く時にもガイドをお願いしたいと思います。
最後に
グリンデルワルト2日目のこの日は午前中はなんとかお天気が持ち、歩きたかったコースを楽しくハイキングできてとても良かったです。3日目、4日目の様子はまた別記事に書きたいと思います。