リッツ・カールトン・リザーブは高級ホテルのリッツの中でも最上級ブランドのホテルで、私が宿泊した2022年4月時点では、このブランドのホテルは世界でまだ5軒とのこと。日本では北海道のニセコにあります。コロナがなければニセコは大半が外国人という街なので、その外国人観光客が戻る前に、大人の休日倶楽部パスを利用しての鉄道旅の途中に泊まってみることにしました。楽天トラベルから一番安いお部屋を予約していましたが、ちょっとしたホテル側の事情により、羊蹄スイートに変更となり、ほぼ23時間のお籠り滞在したので宿泊記をご紹介します。
東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブの概要
- リッツの中で最上級ブランドのホテルで日本ではニセコのみ
- 部屋数は50室。
- 館内の無料Wifiはもちろんのこと、室内にもベッドサイドにもコンセントあって寝ながらスマホも問題なし。
- 天然温泉の大浴場があり、露天風呂とサウナも併設
- 専用の送迎バスではないが、倶知安駅からニセコビレッジのシャトルバスがあり、無料で乗車可能
- お値段は1泊朝食付きでレギュラールームだと7万円ほど。2人で泊まってもほぼ同じ料金なので、2人で泊まると1人当たりの価格は下がります。
公式サイト
チェックイン
函館本線の倶知安駅からのシャトルバスでホテルエントランスに到着すると、スタッフがお出迎え。1泊2日の滞在が始まります。ホテルの外観に派手さはなく、目立つ看板もないのですが、そこがまた重厚な印象の建物です。
まずはロビーに案内され、チェックインの手続きです。ロビーの本棚には日本語の本は見当たりませんでした。さすが、外国人が多いニセコです。
ウェルカムドリンクは梅干しが入ったハーブティーです。こちらのホテルのバーは「うめラウンジ」という名称で、梅にちなんだドリンクというわけです。甘さと酸っぱさが絶妙でした。
ウェルカムドリンクを楽しんだ後は、専属のスタッフが2人もついてくださり、お部屋への案内です。大きな荷物はウェルカムドリンクをいただいている間に、お部屋に運んでくださいました。3階のお部屋なのでエレベータで3階へ。エレベーターは部屋のカードキーがないと行き先ボタンを押せないセキュリティを採用していました。
羊蹄スイートの室内
その名の通り、部屋からは羊蹄山が目の前にドーンと見えるお部屋で、スイートなので、寝室とリビングがセパレートされています。広さは89m2とのこと。3階フロアのレイアウト図を見ると、通常のお部屋のほぼ倍の広さ。建物の両サイドにあるようです。
リビング・ダイニング
広いですねー。こんなに広いお部屋は初めてです。広すぎてレンズに収まりきらないので何枚かに分けて撮影しました。まずは入り口入ってすぐのところから。窓の向こうに羊蹄山が見えます。
窓からは羊蹄山がドーン。羊蹄山の右側に白い点々が写っていますが、これはリビングの照明がガラスに反射しているものです。
窓側から撮影するとこんな感じです。
椅子がたくさん並んでいるのは8人掛けのダイニングテーブルです。1人なのに椅子がたくさんです(笑)。
チェックインした時にまだランチを取っていなかったので、ルームサービスでサンドイッチを注文しました。写真に写っているイチゴはウェルカムフルーツ、リンゴジュースはお部屋の冷蔵庫にある無料サービス品です。
ちなみにこちらがルームサービスメニューです。ランチに良さそうなメニューをピックアップすると、今回頼んだサンドイッチは3,000円。ターキークラブサンドは4,000円、和牛ハンバーガー5,500円、和牛のボロネーゼパスタ4,500円というラインナップです。ランチとしていただくなら、サンドイッチが価格的にも良いかなという感じがします。夕食は後程紹介しますが、5,500円でハンバーガー食べるのなら、15,000円のコースを頼もうか、という感じになりました。
寝室
寝室にはリビングから10歩ほどあるかないと行けません。
寝室はこちら。キングサイズのベッドがどーんと置かれています。こちらにもテレビがあるので、ゴロゴロしながら見ることも可能。
寝室にもお仕事できるテーブルやくつろげるソファがあります。窓の向こうには羊蹄山が見え、こんな場所でワーケーションできるのならやってみたい!
デスクの上にはウェルカムメッセージとともにウェルカムスイーツがありました。お菓子だけでなく、苺も用意されていました。
バスルーム・パウダールーム
寝室の奥にはパウダールームとバスルーム、トイレなどの水回りがあります。
洗面台に用意されているアメニティは一つ一つパッケージに入っています。
バスルームはこちら。
お部屋のバスは温泉ではないのですが、羊蹄山を眺めながら入れる絶景ビューバスです。浴槽の広さも十分で、洗い場があるタイプでした。
バスソルトは甘いミルクの香。
バスルームの反対側にはトイレがあるのですが、実はこの部屋にはトイレが2か所あります。もう1か所は入り口入ってすぐのところ。もともと一人で過ごすためというよりは、他の部屋に泊まっているゲストなどとリビングで過ごすことを前提にしているのだと思います。他の部屋からのお客様には出入口のトイレを、バスルームのトイレはこの部屋に泊まる人が使うのでしょう。
お部屋の飲み物
コーヒーはお馴染みネスプレッソマシン。カプセルは3種類が2個ずつの計6個。なくなれば、電話でお願いすれば持ってきてくれるし、夕食を食べている間のターンダウンサービスの際、お願いしなくとも補充してくれてありました。私はコーヒーが好きですし、お籠り滞在だったことあり、1泊2日の間で5杯くらい飲んでしまいました。
お茶類はティーバッグでのサービスで、紅茶・緑茶・ハーブティーが用意されています。
冷蔵庫の中には、炭酸水やビール、アップルジュースが入っていまして、こちらは無料です。
ミネラルウォーターはここまでの写真の中にもあちこちに写っていた通り、ベッドサイドやデスク周辺、洗面台にも用意がありますが、リビングにもまとめて用意があります。下の写真の左端にちょっと写っていますが、簡単なシンクもこのカウンターにはありました。コーヒーカップ洗ったりするのに便利です。
Wifiなど
Wifiはもちろん館内どこでも使用できます。室内にコンセントも多数、スピーカーもあり、スマホ経由で好きな音楽をかけておくことも可能です。
お部屋のカーテンは電動です。
ベッドサイドにはスイッチ類が集中。寝室内の照明やカーテンをまとめてコントロールできます。
クローゼットとルームウェア
寝室の横には広々としたクローゼットがあります。この面積だけでもかなりの広さ。ドレッサーもここにありました。
ドレッサーには部屋着とスリッパの用意があります。部屋着は上下セパレートタイプ。着やすくてこれを着て寝ました。こちらのホテルには1階に大浴場があり、部屋と大浴場の行き来のみなら、部屋着とスリッパOKでした。助かります。
温泉大浴場
こちらのホテルには天然温泉の大浴場があるのも魅力。14時から入浴できます。ランチを食べてコーヒー飲んで一息ついてから行ってみました。1階の通路を奥に進んでいくとひっそりとした入り口があります。温泉旅館にあるような「女湯」という暖簾はないので、見過ごしてしまいそうな入り口です。部屋のカードキーで開錠して入るシステムです。
脱衣所はそれほど広さはありませんが、この日はいつ行っても貸切状態だったので特に狭さは感じませんでしたが、3人着替えていたら、ちょっと狭く感じるかも。バスタオルも体を洗うタオルも脱衣籠に用意されているので、手ぶらで行くことができます。
こちらが浴室です。奥のガラスの向こうで湯気がたっているのが露天風呂です。温泉に入れる最初の時間ということもあり、独泉で床も乾いていて、最高です。
内湯と露天以外にサウナもありました。
内湯・露天ともにお湯の温度がなかなか絶妙で、熱すぎずぬるすぎず、ゆったり湯につかるには良い温度なのが大変嬉しかったです。露天風呂の塀の向こうには羊蹄山があるのですが、女湯は木があって、ちょっと見づらいかも。この日は羊蹄山も雲に隠れがちで絶景とはいかなかったのですが、良い眺めを楽しみつつ湯あみができそうです。まだ寒いので虫はいませんが、虫が出る季節でも内湯からガラス越しに景色が見えるのも良いと思いました。
お食事
ホテル周辺に徒歩で行ける距離にレストランなどはないので、チェックイン時のランチ、夕食、翌日の朝食全てをホテル内でとりました。
夕食
ロビー・バー・レストランは壁の仕切りがないオープンスペースですが、バーの奥がレストランゆきばな。ここで夕食をいただきました。着席した時には他のテーブルにまだ誰もいませんでした。下の写真の奥の方には寿司カウンターが見えています。
天上には特徴的なシャンデリア。鹿の角みたいなデザインです。
メニューにはアラカルトメニューもコースメニューもあります。私は一番安いコース料理(15,000円ほど)をチョイス。ドリンクはノンアルコールのカクテルをリクエストすると、係の方がオリジナルのカクテルを作ってくれました。
アミューズから順にサービスされてきます。
前菜1つめ。サーモンを使ったサラダ風のお料理です。
パンも出てきて、ハーブが入っていたり、味噌風味だったりと工夫されたバターが数種類と岩塩が用意されました。
前菜の2品目はエビを使ったお料理です。もともとはホタテを使ったお料理なのですが、私は貝が食べられないのでここは変更していただきました。こういうお願いは突然でもスマートに変更していただけます。
メインは真狩ポークのロースをソテーしたものです。羊蹄山の麓にある真狩村のブランド豚のようです。お肉がちょっと赤いけど、こうやってサービスされてくるくらいですから、心配なくいただけるのだと思い、そのまま食べました。柔らかくて美味しかったです。
最後はデザートにコーヒー・紅茶・ハーブティーです。
今回チョイスしたのは、前菜2品にメインと言うコースで14,000円ほど。ほかにもメインが2種類や、前菜も3品になるコースなど全部で3つのコースがありました。アラカルトメニューもあるので、おなかのすき具合に応じてオーダーすれば良いでしょう。最近の私はすっかり小食でこちらのコースでおなか一杯になりました。このころちょうど満月に近い月がのぼりまして、羊蹄山のすそ野が幻想的に見えました。
また私が席を立つ頃に、奥の寿司カウンターに1組のご夫婦と思われるお客さんが来ました。私が食事をしていたレストランゆきばなは貸し切り状態でした。
朝食
朝食付きのプランだったので、夕食と同じレストランでいただきました。ついていないプランだと、朝食は6,350円です。今まで食べた朝食の中で最も高額だったかも!左側のメニューからは好きなものを好きなだけ選び、右側のボックスの中からは1つチョイスなんだと思います。
レストランのスタッフは日本人ではなく、「May I have your room number?」などと聞かれてしまい、昨日まで日本語でくつろいでいた私は一気に緊張してしまいます。部屋番号くらいは答えられますが、料理の説明はちと難しかったですが、なんとかオーダーしました。羊蹄山の方向から日が昇るので、朝はきらきらと眩しいです。
羊蹄山が良く見える窓際のテーブルに案内された時には、陽射しもありちょっと暑く感じたのですが、特に私がリクエストせずとも空調を調整してくれて、すぐに快適な温度にしてくれました。さすがです。
まずはメニューの左側から選んだものがサーブされます。
こちらはチーズや生ハムなどの盛り合わせ。
その後エッグベネディクトにタラバガニをあしらった卵料理です。なかなかボリュームがあります。
食後に季節のフルーツをお願いしました。
6,350円の価値あるか?と聞かれると、夕食が15,000円だったことを考えると少々高い感じもしますが、リッツの最上級ブランドホテルで取る朝食なので、まぁこれくらいのお値段になるのでしょう。ビュッフェだといちいち席をたって自分で取りに行かなくてはなりませんが、サービスしてもらえるとその手間がなく、落ち着いて食べられます。朝食も一人で貸し切り状態でしたが、他にお客さんがいる時のビュッフェは他のお客さんの行き来もなんとなくせわしなく感じてしまうのです。その分ほこりもたつしね。
ちなみに大阪のマリオットで食べた朝食は4,500円でした。こちらで紹介しています。
館内施設やホテル周辺
スキーロッカー
ニセコと言えばスキーのメッカ。こちらのホテルはアンヌプリ山の麓に立っていて、目の前には高速リフトの乗り場もあります。4月になるとアンヌプリのスキー場はクローズするゲレンデとGWまで営業しているゲレンデがあります。リッツが面しているのは南側のゲレンデなので、4月はもうリフトの営業はしていません。ホテルの地下にはスキーロッカーも完備されていました。かなり立派なロッカーです。
ロッカーから外に出ると、今までガラス越しの羊蹄山が、ガラス無しで見ることもできました。
ジム
こうした高級ホテルにはよくあるジムも館内にあります。羊蹄山を眺めながらランニングマシンで走る、なんてこともできますが私は利用しませんでした。
周辺を歩いてみた
ジムで歩くより、大自然の中を歩きたくなるので、外に出てみました。歩いたのは以下の往復なので、たかだか15分程度の散歩ではありますが・・・
道路の両サイドは林があるのみで、お店など人がいるような場所はありません。この辺りのスキー場もクローズされているのでホントに人がいなくてただただ静けさがあるのみ。
到着時には雲に隠れていた羊蹄山が散歩の途中で頭を見せてくれました。下の写真の左端の建物は、ヒルトンニセコビレッジです。
600mほど歩いて、リッツの入り口まで来ましたが、周辺には何もないそうなので、引き返しました。
アクセス
このクラスのホテルに宿泊される方は、レンタカーなど自分の車でいらっしゃる方が多いと思います。私が到着した時には、エントランスにはフェラーリが停まっていて、まだ雪の残るニセコにフェラーリで来るとはすごいなーと思いました。私は、今回はおとなの休日倶楽部パスを利用して鉄道で旅をしていて、前日泊まった札幌から鉄道に乗り、小樽経由で函館本線の倶知安(「くっちゃん」と読む)駅まで来ました。
倶知安駅からはニセコビレッジのバスが1日2往復出ていて、宿泊者は無料で利用できます。このバスで行くのが便利ですが、運行されていない時期があるのと、チェックインタイムにちょうど良いかと言うとやや時間はビミョー。詳しくは以下リンク先の時刻表をご参照いただきたいのですが、行きの場合、倶知安駅を11時15分発の次は16時50分なんですよね。15時くらいにホテルに到着できるバスがあると良いのにね。
乗車時間は30分くらいです。こんな立派な大型のバスがやってきます。この日は私一人で貸し切りでした。とぼとぼとバスに近づいて行くと、ドライバーさんが「リッツにご滞在の○○さまですね」と声をかけてくれました。事前にホテルと当日の交通手段について相談していたから、ホテル側が予約をしてくれていたのだと思いますが、なぜ私を「○○さま」と特定できたのか、謎。とてもリッツにお泊りするような身なりではなかったんですけど。他に歩いてくるお客さんがいなかったからかな。
こちらのバスは駅を背にして右手に停まります。駅を背にして左手には路線バスのバス停もあり間違えないようにしましょう。なお駅舎内に待合室があり、バスのドライバーさんは念のため待合室にも声をかけてくれるので、天気が悪い時などは待合室で待っていても乗り遅れる心配はなさそうです。
最寄り駅はニセコ駅
鉄道の最寄り駅は倶知安よりも函館寄りにあるニセコ駅です。帰りはニセコビレッジのバスだと時間が合わなかったので、ホテルにタクシーを手配してもらい、ニセコ駅までタクシーで出ました。時間は10分くらいで料金は2000円くらいです。
リッツに向かう時も最初はニセコ駅まで鉄道で来て、タクシーで向かうことを考えていたのですが、駅前にタクシーがいつもいるわけではないんです。思っていたよりひっそりとした駅でした。ホテルの方に相談する中でニセコビレッジのシャトルバスについて教えていただけたので、行きは倶知安から向かったというわけです。小樽からだと倶知安までは割と列車の本数もあるのですが、ニセコまで到達できる列車は限られています。
コロナ禍で外国人の比率は急減
ニセコは海外からの移住者・観光客に大変人気で、タクシーの運転手さんが言うには、町の8割くらいが外国人だったとのこと。なのでホテル内も英語が主流の所が多く、海外ブランドホテルのリッツも当然英語が標準語という宿泊記も見かけました。コロナ禍で海外からの観光客が今はいないこともあって、今回は朝食の時以外は日本語で過ごせて良かったです。
まとめ
富士山にそっくりな羊蹄山がドーンと見えて、自然豊かな場所です。グリーンシーズンには周辺の山の登山やハイキング、もちろんゴルフも楽しめるとのこと。北海道の宿には冷房がない宿もありますが、リッツのような高級ホテルはその心配もなく、四季おりおりいつでも快適に過ごせそう。グリーンシーズンにも訪れてみたいと思いました。今回は思いがけずスイートに宿泊でき、ほぼ23時間ほど滞在していました。普通に予約すると1泊18万円くらいします。こんな経験は二度とないでしょうから良い思い出になりました。
今回は大人の休日倶楽部パスを利用しての旅でした。全体の行程はこちらです。