2021年7月は猛暑の中、東京オリンピックが開催された月です。まだまだコロナの感染拡大が続いているので鉄道での旅はお預けして、①自分の車で②涼を感じられる場所に、③運動不足解消に歩けるコースを探して出かけてきました。行き先は長野県の美ヶ原と霧ヶ峰です。どちらも日本百名山で、車で行くと1日で百名山に2座登れてしまうのです。標高も霧ヶ峰は1500m、美ヶ原は2000m前後なので、下界の蒸し暑さとは無縁の快適さでした。
霧ヶ峰の最高峰(車山)はリフトで楽ちん登山
霧ヶ峰は長野県の茅野市、諏訪市、諏訪郡下諏訪町にまたがる火山で、日本百名山の一つです。 構成する山は車山、蝶々深山、鷲ヶ峰などいくつかあり、一番高いのが車山で、標高は1,925mあります。
2,000m近い標高ですが、歩きたくない方には嬉しいリフト登山が可能です。2本目のリフトを降りると山頂に設置された気象レーダーがすぐそこに見えていて、階段または斜面を3分ほど登れば山頂に到着です。リフトは往復で2400円。
山頂には気象レーダーだけでなく、展望テラスや三角点もありますよ。
晴れていれば八ヶ岳や富士山も見えます。
展望テラスには足元が金網張りの部分もありスリルも味わえそうですが、実は谷底が見えるという感じでもなく、あまり怖くはありません。
車山のリフトやアクセス方法についてはこちらをご参照ください。リフト乗り場前に無料の駐車場があります。
車山は冬はスキー場になるのですが、遠い昔、妹とスキーに来てその日最初のリフトに乗ったら、この地域全体が停電になり、リフトが途中で泊まるアクシデントにあいました。1時間以上、搬器に座ったままでした。スキー場のパトロール隊員の皆さんが、釣り竿のような器具を使って一人一人を下ろして救助してくれたのを思い出しました。
自分の足で登るなら「ころぼっくるひゅって」で腹ごしらえ
今回は1泊2日でこの界隈に出かけていて、上記のリフト登山は2日目に登った時の様子です。初日はちゃんと自分の足で登っています。私でも1時間かからずに登れました。 車山肩の駐車場に車を停めて登りますが、その前にころぼっくるひゅってで腹ごしらえ。ひゅってはちょっと奥まった所にあり、駐車場からは直接は建物が見えません。バイオトイレ方向に斜面を上がると見えてきます。
ころぼっくるひゅっての名物は数量限定の厚切りトースト。ほかにもボルシチセットやケーキセットなどが他の方のブログやSNSで紹介されていてどれも美味しそう。この日は平日だったせいか店内も空いていて、厚切りトーストがまだありました。外のテラスでいただきました。
ころぼっくるひゅってでは、サイフォンで淹れてくれるコーヒーも名物なのですが、私はコーヒーを飲むとトイレに行きたくなるので、山歩きする前はコーヒーを避けているのです。ころぼっくるひゅってについてはこちらをご参照ください。
https://www.instagram.com/korobokkuru_hutte/
腹ごしらえが済んだら、車山の山頂に向けて歩きます。
夏の霧ヶ峰って、ニッコウキスゲがたくさん咲いているイメージがあったのですが、どうやら鹿の食害が進んでいるようで、電気柵の中だけ残っていました。
今年は尾瀬沼にもニッコウキスゲを見に行きました。尾瀬沼も鹿柵で対策をしていて、なかなか楽しめましたよ。
車山の山頂に向かう登山道は、傾斜はきつくないのですが、石がゴロゴロしていて、ちょっと歩きづらく感じました。
この日はガスがかかって眺望があまり良くなかったのですが、たまにガスの切れ目から見える景色はなかなか良いです。
登り始めて45分ほどで山頂に到着です。
来た道を戻るのはつまらないので、別ルートで車山肩の駐車場に戻ることにしました。この後蝶々深山に登る場合もこちらのルートになります。まずはリフトの山頂乗り場方向に斜面を降ります。
リフト乗り場に向かって左手に下に下りる結構急な階段があるので、この階段を下りて行きます。階段を下りる時にはリフトは右側に見えています。晴れていれば正面に白樺湖が見えます。
階段を下りた後、もう少し未舗装路を下ったところが「車山乗越」に向かう分岐点です。赤い丸のところが分岐点です。ここを見落として道なりに下ってしまうと、リフト乗り場に下りてしまい、車山肩の駐車場に戻るにはバスを利用するなど時間がかかります。
赤い丸の所まで来ると、こんな標識があるので、八島湿原・蝶々深山の方向に進みます。
青い丸の所が車山乗越というポイントで、道しるべがあります。八島湿原・蝶々深山方向に進みます。
さらに進むと、八島湿原や蝶々深山方向に進む道と、車山肩に向かう分岐があるので、車山肩方向に進みました。次は蝶々深山(赤い矢印の山)にも行ってみようかな。眺めが良さそうです。
ここからは歩きやすい木道です。対面から人が来ると行き違いには気を使う幅ですが、この日は1組とすれ違っただけで快適に歩けました。
ということで車山肩の駐車場に戻ったのでした。この日はガスがかかっていて、あまり眺望が楽しめませんでしたが、ガスがなければかなりの絶景を楽しめるハイキングコースと思います。標高も1500m以上あるので真夏でも割と涼しいのも嬉しいです。ビーナスラインという快適なドライブウェイがあるので、車の旅にはもってこいのコースです。
百名山もう一つ、美ヶ原
霧ヶ峰の車山に登った後、美ヶ原に移動しました。美ヶ原は長野県の松本市と上田市にまたがる高原です。美ヶ原という名称ですが、百名山の一つです。先ほどまでいた霧ヶ峰からは快適な絶景ドライブルートを走ること40分くらい。案外近いのです。かつて有料道路だった頃は有料道路代が高かった記憶がありますが、無料開放されて良かったです。センターラインがある片側1車線の舗装路で、美ヶ原の手前は急な上りのカーブが連続しますが、難しい場面はないです。
日帰りの場合は、ビーナスライン美ヶ原線の舗装路の終点にある「山本小屋ふるさと館」前の駐車場に車を停めます。
この日私は「山本小屋ふるさと館」よりさらに400mほど未舗装路を進んだところにある「美ヶ原高原ホテル山本小屋」という山小屋に泊まったので、より王ヶ頭に近い山小屋の駐車場に車を停め、チェックインしていらない荷物を部屋に置いて歩いて王ヶ頭まで歩いて往復しました。
美ヶ原(王ヶ頭)-2021-7-29 / ままこさんの王ヶ頭(美ヶ原)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
日帰り客用の駐車場に停めたとしても、すでに標高が1,940mあり、最高峰の王ヶ頭の標高は2,034mなので、標高差は100mもありません。距離が片道2.5キロくらいなので往復1時間ほどで百名山に登れてしまうわけです。牛の向こうにたくさんの電波塔が立っているところが王ヶ頭です。
駐車場からは牧場の中の未舗装路を歩きます。花もたくさん咲いていました。
王ヶ頭が近づくと、少し道路に傾斜が出てきます。立派な建物は王ヶ頭ホテルです。眺めの良い所に立っているので、泊まってみたいのですが、一人泊プランがないので今回も泊まれませんでした。
※2022年1月8日追記
一人旅プランがないので、夫婦で出かけて宿泊しました。
この未舗装路、一般車の通行はできませんが、この区間にある宿の車など、許可を受けた車は通ります。こちらのバスは王ヶ頭ホテルのお客さん用の送迎バスです。
最後の登りを上り切って、王ヶ頭ホテルに到着。間近で見ると立派なホテルです。1階にカフェがあり、疲労感があって寄りたくなりましたが、すでに午後3時を過ぎていたので、今回はあきらめました。
まさに雲上のホテルという感じで、ホント泊まってみたいです。
王ヶ頭の山頂はホテルの横を通り過ぎた先にあります。ホテルに宿泊している人は、ここまで送迎バスで来れて、ホテルからは徒歩1分という感じ。なんて楽に登頂できる百名山なんでしょう。
こちらが山頂です。晴れていれば八ヶ岳、富士山、南アルプスなども見えそうです。眼下の町は松本市かな?
三角点の頭にはケルンも。
この日は車山を車山肩駐車場から自分の足で上り、続いて王ヶ頭まで歩いたので、結構足がくたびれました。帰りは来た道を宿まで戻ります。遠くに見える青い屋根がこの日の宿です。片道2キロちょいの距離です。高低差があまりないのがこの写真からもわかりますね。
帰りは道端の花を眺めたり、闊歩する牛さんたちを眺めつつ宿に戻りました。
この日の宿
美ヶ原の中には3軒の宿があります。料金の高い順に「王ヶ頭ホテル」、「山本小屋ふるさと館」、そして今回泊まった「美ヶ原高原ホテル山本小屋」です。私が行った日に1人で泊まれるプランが出ていたのは「美ヶ原高原ホテル山本小屋」だけだったんです。名前からは、ホテルなのか山小屋なのかはっきりしませんが、かなり山小屋に近い宿ですが、温泉あり、水洗トイレあり、食事は旅館風という感じ。どなたかがホテルと思って行くとがっかりだが、山小屋と思って行けば天国、と言っていましたが、まさにその通りという宿でした。
宿の宿泊記はまた別エントリにまとめようと思います。料金は一人でバストイレ付きの部屋に泊まって1泊2食付きで15,000円くらいでした。ちなみに温泉の大浴場もあります。夕食の写真も貼っておきます。
翌朝は王ヶ頭のさらに先にある王ヶ鼻まで行く無料のバスツアーがあるのはとても魅力(ただし他のホテルもこのツアーは実施しています)。
宿泊記をまとめました。
公式サイトはこちらです。
まとめ
中央高速の諏訪インターからも近く、ビーナスラインというドライブルートが整備されていることもあり、車で行くには気持ちの良い場所で、学生の頃からよく出かけていましたが、霧ヶ峰と美ヶ原が百名山だったとはつい最近知りました。車を運転される人は、日帰りでも同日に2座登頂できると思います。私は一人旅で帰りに眠くなると嫌なので、宿泊しました。冒頭のリフトで車山に登った部分は2日目に美ヶ原からの帰りに寄ったもので、つまり2日連続して車山に登ったことになります。
車山はリフトを使えば歩くのはほんの5分くらいだし、美ヶ原は高低差があまりない牧場の中の道をとにかく歩けば王ヶ頭に到着できるので、どちらも私でも行ける百名山なのでした。
ちなみに、私が初めて上った百名山は東北にある八幡平です。雪解けの頃、ドラゴンアイという珍しい現象がみられることでも人気があります。こちらも山頂とほぼ同じくらいの標高まで車、または路線バスで行けるので、30分くらい歩くと山頂に行けます。