あまり知られていないのですが、沼津市を流れる狩野川には「我入道の渡し船」が運行されています。沼津駅から沼津港に行く時に利用すると便利です。乗船料100円なので、バスより安い! 「我入道の渡し船」は、かつては地元の足として活躍していましたが廃止されました。が、最近になって観光目的で復活したんです。地元の船大工さんが作った和船で進む狩野川は、堤防の上からの眺めとは一味違いなかなかレアな体験。20分弱の船旅ですが、今時100円で楽しめるレジャーはそうそうありません。かねてから乗りたいと思っていたのが実現できたのでご紹介します。また沼津市にはラブライブサンシャインのマンホールが設置されていて、マンホール鑑賞も楽しめます。
令和4年度からは女性の船頭さんが登場すると地元の新聞にも掲載されていました。令和4年の運行は4月2日が初日です。
運行時期と時刻表
とても風情ある船なのですが、実は運行時期はとても限られています。冬や真夏の8月は運行されません。また土日祝日のみです。なので乗船したい方は事前に運行時期を確認してから出かける必要があります。
そして運行本数も少ないんです。午前中に2往復、午後に2往復程度です。乗船する場合は事前に時間を調べてから行きましょう。運行時期、時刻表ともに沼津市の観光情報に掲載されています。
乗り場
渡し船の乗り場は3か所あります。
沼津駅から徒歩約10分「あゆみ橋」の乗り場
沼津駅から一番近い乗り場は、駅から徒歩10分程度の場所にある中央公園にから狩野川を渡る「あゆみ橋」の下にあります。Googleマップで見ると「沼津城本丸跡」と書かれていますが、ここが中央公園です。下の地図だと沼津駅を出てからやや右方向に歩いて行くルートを示しますが、駅からまっすぐの道を歩いて行けばよいです。
中央公園の入り口です。
公園に入ると、狩野川を渡る橋が見えます。こちらが歩行者・自転車専用の「あゆみ橋」です。
橋の上を歩くと川を渡る手前に螺旋階段がありますので、螺旋階段を下りたらそこが乗り場です。「あゆみ橋舟のりば」の看板が出ています。
橋の上から乗り場を見たところ。「我入道の渡し」ののぼりがぽつーんと立っています。
沼津港の乗り場
沼津港の乗り場は地図で見るとこちら。沼津港の海鮮料理などのお店がひしめくエリアからは徒歩5分くらいの場所です。
ただ、大きな目印がなく、ちょっとわかりづらいです。以下の説明を参考にしていただければと思います。
沼津港の東側にある食堂街や深海水族館のある道路を河口方面に堤防に突き当たるまであるきます。堤防に突き当たったところは上の地図の②の場所。こんな感じの場所です。下の写真の矢印のように、スロープをあがって堤防の上に上がります。写真に写っている車は、右方向にある沼津港の水門「びゅーおー」方向に向かう車です。
突き当りのスロープをあがって堤防の上に出たら、河口とは反対方向に向かって堤防の上を上流に向かって少し歩きます。100mくらいでしょうか。
堤防から河原に下りるスロープがあるので、このスロープを下りて河辺に下ります。
「我入道の渡し船」の幟がたっています。こちらが乗船場です。
ここが重要ポイントなのですが、ただ待っているだけでは船に乗ることはできません。船は対岸の我入道から出向しますが、沼津港の乗船場に乗客がいる時だけここに船が寄る仕組みなので、対岸の船頭さんに「乗りますよー」という合図をしなくてはなりません。そのために、幟のそばに黄色の旗が置いてあります。これを対岸の船頭さんに向かって振って下さい。船頭さんが「わかったよ~」という合図をくれたら通じた印です。
通常はこのタイル張りのところまで船が来てくれるようなのですが、前月の台風で乗り場が土砂で埋まってしまい、この日はもう少し上流側に臨時の船着き場ができていました。対岸から船頭さんが「もうちょっと上流側に移動してください」と教えてくれたので、移動しました。
こんな具合に船がつきます。桟橋があるわけではありません。
我入道の乗り場
今回は我入道にはいかなかったので、写真で紹介はできないのですが、沼津港の乗り場のちょうど対岸です。
料金は出港後に集金
乗船料100円は船に乗ってから船頭さんに支払います。事前にチケット購入などはありません。お金を払うとこんな乗船券をいただけます。
乗船中の様子
それでは船の上からの眺めをご紹介しますね。歩み橋の乗り場から出発です。
しばらくは船頭さんが艪で漕ぎます。こんなシーンを見ることもなかなかないですよ。
夏には狩野川の花火を楽しむ御成橋の橋脚には、台風で流されてきたごみがひっかかっていました。この高さまで水が来ていたとは、堤防すれすれですね。
御成橋を通過するあたりまでは、川の流れにのりつつ、艪漕ぎで進みますので、とても静かに船が進みます。船頭さんの日に焼けた笑顔がなかなか素敵です。
このあたりからエンジンに切り替えて船は進みます。
水辺にはカルガモやカワウがいます。
こちらはカワウ。たまに水中にもぐって鮎を捕まえてくることもあるんだとか。
沼津港側から乗ると、上流方向に晴れていると富士山が見えますが、この日は雲の中でした。
ちなみに富士山が見えるとこんな景色。素晴らしい絶景です。
あゆみ橋を出発して約20分。沼津港の乗船場に到着です。
ここで下船し、我入道に向かう船を見送りました。ありがとうございました。
沼津港のおススメスポット
沼津港と言えば、海鮮料理や深海水族館など、賑わいを見せている一角です。熱海ほど洗練されてはいないけれど、漁港が隣にあるので、鮮度のよい海鮮料理は魅力なのでしょう。
が・・・ここではあえて、海鮮以外をご紹介します。
沼津港深海水族館
水族館と言えば、カラフルな熱帯魚やイルカのショーを思い浮かべますが、沼津港にあるのは「深海水族館」。駿河湾は水深2500mもあるので、駿河湾の深海生物を展示しています。展示の目玉はシーラカンス。もちろん生きたシーラカンスではないですが、なかなか迫力がありました。
美味しそうなエビも展示されていました。
入館料は大人1600円です。展示の詳細などは公式サイトをご覧ください。
港八十三番地 (PORT83)
沼津港の飲食店街の中ではちょっと異色なコーナーです。海鮮を食べられるお店もありますが、イタリアンレストランやカフェもあり、おしゃれなスポットです。
ランチは済ませてしまっていたので、こちらのカフェでコーヒーを飲んでいくことにしました。ジャパンバリスタチャンピオンシップ2017優勝の石谷貴之さんがプロデュースしているのだそうです。
ブレンドコーヒー1杯450円(税抜き)と安くはないですが、目の前でドリップコーヒーを淹れてくれます。
お天気が良かったので2階のテラスでいただきました。
こちらのエリアにはこれだけのお店があるようです。深海水族館もこのエリアの一角のようですね。
公式サイトはこちらです。
あんぱん専門店 恵比゜
沼津港エリアの近くにあるあんぱん専門店です。とてもやさしい味のあんぱんが美味。沼津港に来たら是非寄ってみてください。作っている量が多くはないので、夕方だと売り切れのことも多いです。
小倉、こしあん、まっちゃ、チーズなどなど、種類も豊富です。ちょっと小ぶりなので、ぺろりと食べてしまいます。
沼津港のエリアからは横断歩道を渡ってすぐです。
マンホール鑑賞
通常デザインのマンホール
沼津市はデザインマンホールを採用しています。こちらで通常のモノクロ版。駿河湾、富士山、愛鷹山、沼津市の花のハマユウがデザインされています。
沼津港エリアにはカラーのデザインマンホールが設置されていて、沼津市で唯一のレアなマンホールなんです。カラーだととても見栄えがするデザインだと思います。
設置場所はPORT83のすぐとなりです。下のストリートビューで、男性がたっている付近に設置されているのが見えます。
マンホールカード
また沼津市はマンホールカードを配付しています。
マンホールカードの配布場所は沼津市の水道部ですが、ちょっと沼津港からは離れていまして。むしろ「我入道の渡し船」にあゆみ橋の乗船場の方がむしろ配布場所には近いんです。
ラブライブサンシャインのマンホール
沼津市にはラブライブサンシャインのマンホールが設置されていることでも実は有名なのです。沼津港エリアにもモノクロ版ですが設置があるようです。
沼津港から沼津駅まで歩いていたら、いくつか見つけました。






まとめ
観光目的で復活した「我入道の渡し船」。一回100円と超リーズナブルなお値段で、狩野川の川面を散歩できるのはとても魅力的。湿度が低くなってくる10月後半から11月は富士山が見える機会も増えるので、ますます絶景となりそうです。最近は沼津港も賑わいを見せているので、JRで沼津駅までやってきて、船に乗って沼津港に行くというのはなかなかおつな楽しみ方と思います。乗ってみようと思う方は、運航スケジュールをご確認ください。真夏と冬の間はお休み。営業期間中も土日祝日のみ、本数も一日4往復程度です。