ゴールデンウィークという大型連休中の鉄道旅はどこなら混雑せずに楽しめるか?と考えて出した答えが、山陰本線完全乗車旅でした。この時に乗った特急「スーパーおき」は、ディーゼルエンジンをうならせて、ガンガン走ることでも有名。どうせ乗るなら前面展望かぶりつき席がオススメ。でも新山口行きの「スーパーおき」の前面展望席は1つしかありませんので、何号車の何番の席をとれば良いのかもご紹介します。(情報は2019年5月時点のものです)
倉吉駅にて
倉吉駅から「スーパーおき」に乗りました。倉吉駅は結構立派な駅舎ですね。しかも新しい。
駅のバスロータリーも大きい。我が家の最寄駅よりずっと立派な駅でした。
駅前にこんな像がありました。打吹童子と言います。羽衣を隠された天女の子供たちです。天が忘れられない天女はついに夫が隠していた羽衣を見つけ、子供を置いて天に帰ってしまったのです。子供は母を呼び戻そうと笛や太鼓を鳴らすのですが、ついに天女は戻らなかったという、ちょっとかわいそうなお話の像です。
この日は長時間乗車するので、乗車前にお昼を調達です。駅舎の中にはコンビニもあるし、お土産物屋さんにもパンなどを売っていました。また駅舎の2階にはカフェまでありましたよ。
駅前で足元を見たら、ちゃんと倉吉市のデザインマンホールがありました。市の木であるつばきがデザインされています。残念ながら2019年5月時点ではマンホールカードは発行されていません。
観光列車「あめつち」をお出迎え
無事ランチのパンを調達し、ちょっと早いけれどホームに降りました。だってこの日は「あめつち」の運行日ですから、お迎えしなくっちゃ。「あめつち」は鳥取から出雲市までを走る山陰本線の観光列車の一つです。特急券は不要ですが、全席指定でグリーン料金が必要。
ブルーのボディにシルバーのラインがお洒落です。ブルーは日本海や青い空を、シルバーのラインは、山陰の山並みを表しています。エンブレムもカッコいい。
車内には海側を向いているカウンタータイプの座席もあり、一人で乗るのも良さそう。
ステキなデザインの列車なので乗りたかったのですが、観光列車だけあって、ゆっくり走ってくれるんですねー。この日は山口県の東萩駅まで行きたかったので、時間が合わずに断念しました。「あめつち」の情報はこちらからどうぞ。
「あめつち」に気を取られていたら、隣のホームになんだかかっちょいい列車が入線していました。「スーパーはくと」のようです。こちらの特急には是非乗りに来たいと思います。
「スーパーはくと」の乗車口の表示をみたら「増2号車」と書いてあります。「増2号車」ってどういう意味?連休中で通常の編成に車両を足しているってことなのかな?
スーパーおき 初乗車
さて、私が乗車するのはこちらの特急「スーパーおき」。ここは日本海側ですが、終点は瀬戸内海側の新山口駅。始発の鳥取と終点の新山口の間は、約370kmもあるので、長距離を走りぬく特急なんですね。今日は途中の益田駅で下車します。
さぁスーパーおきが到着しました。今日は3両編成ですが、2両編成で走っている日もあるそうです。短い編成ですが、名前にスーパーって、なんとなくアンマッチ感を感じるのは私だけでしょうか。
何やらかわいいキャラクターをまとっている車両。「いわみキャラクタートレイン」のスーパーおきがやってきましたよ。
ボディにもキャラクター。なんかかわいい。
私の指定席は1号車1番D席です。1号車の乗車口は車両の後方にしかありませんので、後ろから1番前の席まで歩いていきます。GWの連休中ですがあまりお客さんは乗っていません。
新山口行き「スーパーおき」の前面展望席は1号車1番D席です。1か月前の予約開始日に予約したら、めでたくその前方展望席を確保できました。益田駅まで前方の景色を楽しみます。
「スーパーおき」の指定席は、中央に通路があって、両側に2座席ずつが並ぶレイアウトです。D席が日本海側なので、仮に1番D席が取れなくても、D席を選べば宍道湖や日本海を楽しめます。
ちなみに私の隣の席は1番C席ですが、1つ位置が違うだけで、前面展望はまったく望めません。2人で1番C席D席並びで予約する時には要注意です。
1番A席B席は運転士側でやっぱり前方の眺望はありません。しかも1番A席B席の頭上にはなにやら機材があって、網棚も使えないという、ちょっと悲惨な席でした。
前面展望は運転士視点で景色が楽しめるのが魅力です。非電化区間なので架線がなくすっきり。
うねうね線路もよく見えるし。
先ほどお見送りした「あめつち」を、途中で「スーパーおき」が抜きます。さすが特急。
こちらは特急「やくも」。山陰線本はいろいろ特急が走っていて楽しめます。そういえば、いつの間にか頭上に架線がある。このあたりは電化区間なんですね。
前面展望席にももちろん横に窓があります。横の窓からは宍道湖や日本海の景色を楽しめます。
宍道湖を過ぎると右から一畑電車の線路が合流。
出雲市駅を出てしばらくすると、また非電化区間となりました。非電化区間は電柱や電線がなくて、より景色を楽しめます。が、時間がたつにつれ、前面の窓ガラスにはりつく虫の数も増えてきました。
田儀駅にとまりましたが、客扱いはなし。やってきたのは上りの特急「スーパーおき」でした。
前面展望席だとトンネルの入り口もよく見えます。このあたりのトンネルはレンガ積みのようです。
いくつかトンネルが続きます。トンネルの合間から素晴らしい日本海の景色が見えます。このあたりは海沿いの断崖に線路が敷かれているのでしょう。「スーパーおき」のスピードが速くて、写真はブレブレですが、自分の目ではしっかりと絶景を楽しみました。
波が穏やかで、海の底まで見る透明度です。絶景路線です。
白砂の海岸もありました。海の青と白い砂浜のコントラストがとても美しい。
そうかと思えば岩場の海岸もありました。
さて、間もなく益田駅です。倉吉駅から「スーパーおき」に乗って3時間ちょい。他の方のブログで紹介されている「スーパーおき」の乗車記を見ると、ディーゼルエンジンをうならせながら、がんがん飛ばしていく特急で、振り子式車両のせいか、中には気持ち悪くなった人もいるみたいなのですが、私には心地よいスピードと乗り心地でした。確かにカーブで車体が傾きますが、その方がより安定している印象もあります。
益田駅から東萩へ
益田駅で「スーパーおき」を下りた後は、6分の待ち合わせで、東萩駅方面に向かう普通列車に乗り換えです。乗り継ぐ列車は跨線橋を渡った先のホームにすでに停車中でした。まだ日本海の景色は見たいので、窓側に座りたい!と思い、写真も撮らずに跨線橋へ。跨線橋は列車の後ろの方にあったので、前面展望席からは一番遠い場所でしたが、走って移動しました。生憎ボックス席の日本海側はすべて埋まっていたので、トイレの後ろにある3人掛けのロングシートに着席。海の景色は振り返ると見える、という座席位置となりました。それにしても、混んでいる。地元の方が多いのですが、そこに連休中なので観光客も混ざり、列車は1両ということでほぼ満席状態でした。列車は定刻通り出発。相変わらず日本海の絶景路線が続きます。
そして間もなく私が楽しみにしていた場所、惣郷川橋梁を渡りました。橋梁そのものがややカーブしているので、渡りきった頃に振り返ると、少しだけ橋梁が見えます。
自分が列車に乗っていると、惣郷川橋梁のダイナミックさはつたわりませんね。餘部橋梁は下から見上げることができましたが、惣郷川橋梁の近辺には駅がなく、アクセスは車のみ。さらに東萩方面に列車が進むと、遠くに惣郷川橋梁を眺めることができました。
列車の中から撮った写真ではまったく良さが伝わらないので、どなたかブログで紹介している人がいないかと探してみたら、いらっしゃいました!惣郷川橋梁の写真をたくさん紹介されています。夕日の時間帯の橋梁は本当に素敵です。
ストリートビューでも見ることができました。
餘部橋梁も惣郷川橋梁も、人の心に残る鉄道の橋梁だと思います。とても美しい。今回の旅では両方の橋梁を渡ることができ、とても満足。
東萩駅に到着
朝9時過ぎから乗り始めた鉄道旅は14:38に東萩駅に到着して、この日の行程を終えました。まだ時間が早いので、宿に行く前に萩市内の観光に出ました。東萩駅の駅舎内にある観光協会の窓口にお願いすると、手荷物をその日に泊まる宿に送っておいてくれる無料の手ぶら観光サービスがあります。チェックイン前に観光したい方にはとてもありがたいサービスで私も利用しました。ちゃんとホテルの部屋に入っていました。(このサービスでの荷物の受付は15:00までです) このサービスはオススメです。詳しくはこちら。
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萩では1泊してレンタサイクルで観光を楽しみました。
翌日は萩から観光列車「〇〇のはなし」に乗り、下関に向かいました。こちらも絶景路線です。
それでは皆さまも良い旅を~