群馬県の静かな温泉地、四万温泉。草津の湯畑のような観光スポットはないけれど、山間を流れる川にそって温泉宿が建つ風景はとても癒されます。そして山間の川と言ったら、やはり見どころはダム!!!(そんなの私だけ?) 四万温泉街を流れる四万川には上流に「四万川ダム」、下流側には「中之条ダム」があります。上流側の「四万川ダム」は美しいダム湖が有名。ということで行ってきました。
四万川ダム
四万川ダムの完成は1999年。ダムの種類としては、重力式コンクリートダムと言うのだそうで、堤防の高さは89.5m、幅は330mあります。4月末に行ったのですが、この時期は雪解け水の影響なのか、ダム湖はほぼ満水。そのせいか絶賛放流中でした。放流中のダムってあまり見たことないので、かなり感動。
上の動画はダムの下にある「日向見公園」内から撮影していますが、画像を見ていただくと、川の水面すれすれから撮れています。そうなんです、放流された水が流れている川まで下りて行けちゃうんです。下の写真の階段の一番下の段が川と同じ高さです。
踏み出せばもうそこは四万川の中。気持ち良いけれど、子供があやまって川に流される、なんてことはないのでしょうか。柵がないのがちと信じられませんが、自己責任なのかも。
ダムに到着した時には雨が降っていて、これでは四万ブルーは拝めないかなと思っていたのですが、なななんと、晴れ間が出てきました。ということで、ダムの上に戻りましょう。
奥四万湖の四万ブルー
こちらが四万ブルーと名高いダム湖の奥四万湖。本当に真っ青です。雨があがり日がさしてきて、風がないと、周囲の山並みが湖面に映りこんでとても美しい。酸性の水で魚が住んでいないのでこのような色を呈するとか。青空と湖面の青、癒されます。
ダムの天端(堤防の上の部分)は車で通れる
天端は車で通行可能ですが、一方通行です。ダム湖を時計回りに回って走ると天端を走ってもとに戻ります。
堤高が89.5mありますから、上から眺めると足がすくむ高さです。
天端から下を眺められるよう、ところどころにテラスが設けられています。サービスの良いダムですね。
上の写真よりもっと突き出た展望台もあります。
先ほどいた「日向見公園」を見下ろしたら、こんな文字が書いてあります。「世のちり洗う四万温泉」。これは群馬県の郷土かるたの「上毛かるた」でうたわれているそうです。
四万川ダムは地域に開かれたダムに指定されていて、地域の皆さんに親しまれるダムを目指しているそうです。その活動の一つとして、地元の子供たちが作成した陶板画が天端の両側にはめこまれていました。
ダム湖一周
ダム湖の周囲には道路がついていて、車でぐるっと回れます。そんな大きなダム湖ではなく4キロくらいでしょうか。途中には公園もあり、散策が楽しめます。
ダム湖はほぼ満水。公園の遊歩道すれすれまで水がきていました。
ゴールデンウィーク中ですが、桜が咲いていました。ダム湖の向こう岸に周遊道路のガードレールが見えます。
ダムカード
天端の脇にダムの管理事務所があり、そちらでダムカードをもらえます。
天端の両側に建物があり、どちらが管理事務所なのかぱっと見ただけではわかりづらいですが、車で時計回りにダム湖を回るのであれば、ぐるっとダム湖を回り、最後に天端を渡る手前にある建物がダムカードを配布している管理事務所です。下の地図のBの場所が管理事務所です。
四万温泉からのアクセス
四万温泉街のマップを見ると、四万川ダムもマップの中に出てくるし、観光協会のウォーキングモデルコースにも載っていて、温泉街からダムの下にある「日向見公園」までが30分とあります。距離はそれくらいかもしれませんが、勾配がありますからねー。私は車でアクセスしたのですが、温泉場からはずっと上りでした。歩くと案外大変そうだと思いながら運転していました。
中之条ダム
四万川の下流側には「中之条ダム」というダムがあり、四万温泉に向かって道路を走ってくると左手に見えます。道路わきに駐車場がありますし、10mくらい下ったところにはトイレもあるので、休憩場所としても便利です。堤高は42m、幅は118.2mと、四万川ダムより小ぶりですが、それでも下をのぞくと吸い込まれそうなゾクゾク感でした。
中之条ダムのダム湖も青いですが、魚はいました。
ところで、四万川のダムとダム湖の名称が私にはちょっとややこしい。上流にあるのは、四万川ダムでダム湖の名前は奥四万湖。下流にあるのは中之条ダムでダム湖の名前は四万湖。奥四万ダムで奥四万湖、四万ダムに四万湖の方がわかりやすいのに、と思うのは私だけでしょうか。ナビで行先セットする時に毎回「あれ?なんていうダム湖だったっけ?」と思いました。まぁ間違えてところで、同じ道路上にあるのでさして問題にはならなかったのですが。
四万の甌穴群
四万温泉近隣の観光スポットとしてもう一つ、「甌穴」があります。水流によって川底の岩にできる丸い穴のことなのだそうです。四万温泉以外の地域にも見られ、中には国の天然記念物に指定されている場所もありますが、四万温泉の甌穴群は群馬県の天然記念物に指定されているそうです。道路を上っていくと、看板があるので、すぐわかります。
駐車場は無料。ここに車を停めて道路沿いに上流方向へ30mくらいあるくと、甌穴への入り口があります。
入り口からは川に向かって階段を下ります。雨が降っていたのでちょっと滑りそうな会談。慎重におりました。
階段の最後の部分は踏板が金網になっていて、雨だとますます滑りそう。手すりを持ちましょう。
階段を降り切ってみてみましたが、うーん、どれが甌穴なのか私にはよくわかりません。この水が溜まっているところがそうなのかな???
看板によると全部で8つの穴があるようで、大きなものだと直径が3m、深さが1.5mあるような穴もあるようです。
上から眺めてみると、穴のようなものが見えますが、それが甌穴なのかどうか・・・。レイアウト図みたいなのがあるとわかりやすいかも。
甌穴群の前にはバス停があるので、公共交通機関で四万温泉に来る方も立ち寄り可能です。
こちらは四万温泉から中之条方面行の時刻表ですが、1時間に1本程度あるようですね。
甌穴群付近の散策は15分もあればできちゃうので、もしバスの時間を待つのであれば、駐車場内に洒落たカフェがあるので、こちらで時間をつぶすという手がありそうです。
まとめ
四万温泉近辺の観光スポットといっても、ダムだったり甌穴だったりと、こういう構造物や自然現象に興味のない方には観光スポットとは言えない地味なスポットです。草津温泉の湯畑みたいなものがあると、観光客がどっと押し寄せるのかもしれませんが、そういう有名スポットがない分、四万温泉は静かな温泉場を保てているのかもしれません。静岡からアクセスするには鉄道にしろ、車にしろ時間がかかり大変なので、1泊2日で行くのはちょっともったいない、と思い今回は長野県の渋温泉にも寄りました。四万温泉と長野県の温泉を組み合わせて、志賀草津道路の絶景ドライブを楽しみながら回るのは良いルートではないかと思いました。そういうルートで群馬県の温泉と長野県の温泉を2泊3日で回る旅はまた出かけたいと思います。
志賀草津ルートの絶景はこちら。
四万温泉では有形文化財の宿「積善館」に宿泊しました。素晴らしい宿でしたよ。宿泊記はこちらです。