81歳の母が最近は外出する気力があるのか、「温泉に行ってみたい」と言うので、車で1時間程度で行ける箱根に行くことにしました。にごり湯が良いというリクエスト。だったら強羅か仙石原だな、と宿を探して今回のお宿強羅温泉 強羅にごりの湯宿 のうのう箱根に決めました。動きが遅い老人なので、混雑は避けたいと思い金曜日に宿泊です。(2019年2月の旅です)
車で到着するとスタッフの方が出てきてくれて、駐車場を案内してくれました。暖簾をくぐった階が1階と思いきや、地下1階という設定。4階建てに見えますが、一番上の階は3階という設定でした。玄関で靴を脱ぎ、スリッパで館内を歩く方式です。
チェックインはロビーで行います。ロビーに入ったとたん、かすかに硫黄のにおいがして、温泉が楽しみになりますねー。
お部屋
今日のお部屋は3階の305号室。よぼよぼ杖をついて歩く母のペースに合わせてスタッフが部屋まで荷物を持ちながら案内してくれました。建物の感じからして、以前はどこかの会社の保養荘だったのをリノベした感じです。そういうお宿は一部屋の面積が結構広いように思います。今回も和室部分とベッドの部分に分かれていて、広さは十分でした。
ベッドがあるコーナー。右側の扉の先が出入り口です。
まずはお茶でも飲んで休憩しましょう。お部屋のお茶はティーバッグ式のお茶です。
お湯は電気ポットで都度沸かすタイプ。
ポットでお湯を沸かして入れてみたのですが、うーん、単に急須にティーバッグ入れただけでは緑茶の味がしてこない。色が出ているのかどうかも、湯のみの中が茶色のでわからない。緑茶を提供する場合は、湯呑みの内側が白い方が母も私も好きです。母は紙コップを湯上りの冷水器から持ってきて色のチェックをしていました(笑)。急須のティーバックをフォークみたいなものでつついてやると濃く出るようです。
冷蔵庫の中には一口サイズのチーズケーキが用意されていて、これがお茶請けなんですね。美味しかったです。
室内はwi-fi使用可能です。お食事処では使えないのですが、室内ではサクサク動きました。
館内やルームサービスなどの案内が書いてあるファイル。
いろいろ種類があります。
ボリュームがありそうなメニューも。
おにぎりは夜食の定番かも。
ドリンクメニュー。こちらは夕食の食事処にも同じものがありました。
お部屋の洗面台。アメニティは少なめです。
化粧水や乳液の用意は室内にはなく、ハンドと顔共用のフォーム石鹸とシェービングローションのみ。歯ブラシとブラシ、ヘアゴム・コットン・綿棒のセットはありました。もちろんバスタオル、フェイスタオルもありますよ。
部屋にはウォシュレット機能付きのトイレがあります。
室内にはテレビがありますが、DVDデッキもついています。
DVDのレンタルもあって、用意できるDVDのリストが部屋の案内の中にありました。おこもりするのなら、お気に入りのDVDを持ってくるという手もありそうです。
部屋のカギは1本しかもらえませんでした。同じ女湯に入る母と私なので、困ることもないのですが、最近は2本貸してくれる宿も増えたので、2本ほしいなー。それほど高い投資でもないと思うのですが。
客室のレイアウトはこんな感じで、専用の露天風呂がついている部屋が3階にはありましたが、部屋の中についているのではなく、一度部屋から出て露天風呂のカギをあけて入るスタイルのようです。なので部屋から裸になってドボンとはいかなそう
また眺望が良い部屋と眺望がない部屋とがあるのですが、私たちが泊まった305号室は眺望なしの部屋で、障子を開けると外には電信柱、という眺めです(笑)
部屋のエアコンは天井についているタイプ。
スイッチはリモコンではなく、壁についているタイプです。
温泉
夕食前にお風呂に行くことにしました。男女別の内湯と貸切露天風呂が2つあります。
内湯
女湯への入り口。
もともと部屋数が少ない宿なので、脱衣場も小さいです。脱衣籠が縦に並んでいるので、使う人が上下に重なってしまうと、ちょっと使いづらい。何人利用しているかはスリッパの数でわかるので、スリッパが2人分脱いであったら、ちょっと時間をずらして入りました。
洗面ボウルは2つ。イスが1つしか写っていませんが、ちゃんと2つありますよ。1つは今、私の母が着替えるのに使用中なんです。お年寄りのために、もう一つ椅子があるとなおよいのですが、狭い脱衣場だとちょっときついかな?
こちらには化粧水、乳液が用意されています。
こちらが浴槽です。母と二人でつかりましたが、余裕でした。でも4人一度に浴槽に入るとちょっと狭そうです。
強羅の温泉は、白濁したにごり湯を自慢にする宿が多く、こちらの宿も「にごりの湯宿」という冠がついています。確かにちょっと白濁している感じはします。
下の写真はピンボケですが、指先はお湯の中です。やや白濁している、という程度でしょうか。
濁っていないわけではないけれど、期待していたほどでもない、というところでしょうか。でも気持ちいい! 硫黄のにおいもかすかにします。PH2.2と酸性の湯。キュキュッとした感じのお湯でした。
洗い場は4箇所。シャンプー、コンディショナー、ボディソープの3本セットが用意されています。朝はシャワーがお湯にかわるまで、かなり時間がかかりました。到着時に使用した時には問題なくシャワーからお湯が出ました。
こちらが温泉成分表。源泉名を見ると、大涌谷 蒸気造成混合泉と書いてあります。蒸気造成? 地下から湧出している温泉ではなく、火山性のガスから作られている温泉のようです。ネットで調べてみると、地下から温泉水が湧出、あるいは組み上げているわけではなく、蒸気と水を混ぜてできた温泉とのこと。もともと湧出量が少ないのかしら?
湯温は42℃とあって、だいたいそのくらいかな。私にはやや熱いと感じます。加水はしていないけれど、加温、循環、消毒はありとのこと。でも硫黄のかおりもして、温泉に入った気分になりました。
出入り口の外には冷水器と無料のマッサージチェアがありました。入浴しにいった時、カップルがマッサージチェアを恍惚の表情で使用していました。ちょっと恥ずかしいので、目隠しのついたてとかがあると良いと思います。それを見てしまった私はなんだか使う気になれず・・・。
貸切露天風呂
今回の宿泊プランでは1部屋につき貸切露天風呂を無料で45分間使わせてもらえます。貸切露天風呂は2つあります。予約制でチェックインの時に希望時間を聞かれるシステムでした。今回は夕食の後入ることにしました。
貸切露天風呂は建物の外にあります。外用の下駄に履き替え外に出ます。駐車場の車が見えますね。駐車場と建物の間に設置されているお風呂なんです。
いきなり喫煙所。あ、でも部屋に灰皿ありましたから、部屋で喫煙できるようですよ。
貸切露天風呂への通路。この先にAとBの2つの貸切露天風呂があります。
貸切露天風呂はAとBの2つで、私はAが割り当てられていますのでAに入ります。
中に入ったら内側からカギをかけます。
脱衣場は結構狭くて、2人で同時に脱いだり・着たりはちょっと窮屈。脱衣かごも一つしかないので、カップルには良いけれど女子旅3人組、なんて時には困りそう。ガスファンヒーターがあり、これをつけると狭い分、すぐに暖まります。
木の湯船で、二人だと結構きつそう。母を連れてこなくて良かった。
一人でのんびりつかりました。お湯はほとんど透明だと思います。
露天風呂とありましたが、屋根もあるし、壁もあるし、外の空気は取り入れている感じはしますが、駐車場の横に無理やり作った、という感じの露天風呂なので、景色は何も見えず、露天風呂という趣は全くありません。洗い場もあるけれど、暖房はないのでたぶん寒くて洗っていられないと思います。内湯で体を洗い、寝る前の時間を予約してこちらで温まる、という入り方が良さそうです。
食事
食事は夕食・朝食共に食事処でいただきますが、プランや部屋によっては部屋食もあるようです。同じフロアの別の階のお部屋では部屋食のようでした。私たちは一番安いプランなので、食事処へ。
食事処の中は個室風。目線まで暖簾がおりるので、周囲の視線も気になりません。テーブルの下は掘りごたつ式。夕食時は気にならなかったけれど、朝食の時にはちょっと足元が寒かった。床暖房ではないようです。
内側から見るとこんな感じ。
夕食の時、まずはドリンクを頼みますが、母も私も飲まない人なので、「お茶下さい」とお願いしたら、「冷たいのと温かいのとどちらが良いですか?」ときかれました。そこそこ暖房が効いていたし湯上りということもあり、冷たいお茶をリクエスト。出てきたのが上の写真でストローが入っているグラスです。なんでこんなことを書いたかと言うと、ウーロン茶を頼むとお金かかるでしょ?でもこのお茶ならサービスなんです。なんだか得した気分。ちなみにドリンクメニューはお部屋に置いてあるものと同じでした。
夕食
本日の夕食、私の分のお品書きはこちらです~(字が小さくて読めませんね。ごめんなさい)。たくさん出てきそうで楽しみです。
「私の分の」お品書きと書いたのは、実は私は貝が食べられません。食べると吐いてしまうので、事前に宿に伝えて食材を変更してもらっています。通常はお品書きは皆さんと同じ内容で、貝のところだけ別の食材になっていて、口頭で教えてもらえる、というスタイルですが、こちらの宿では、私の分のお品書きと、貝が含まれている母の分のお品書きと別々に用意されていました。下の写真、上が母用、下が私の分です。鉢肴というところ、母にはサザエのつぼ焼きですが、私は筍。締めのご飯は釜めしですが、母はホタテ、私は金目鯛の釜めしでした。
では早速夕食スタートです。まずは食前酒から。小田原の梅を使った梅酒だそうです。そういえば、梅の季節ですねー。晴れていれば熱海の梅園に行っても良かったかも、などと話しながらいただきました。
食卓の上では釜めしを炊いています。40分くらいかかるそうです。その間に夕食を進める仕組み。
お造りは、マグロ、かんぱち、鯛。
続いて鍋物。豆乳の豚しゃぶです。ロースとバラ肉が出てきました。
次は「鉢肴」で、焼き魚です。この時に母にはサザエのつぼ焼きでしたが、私は筍がついてきました。
本日のメインでっしゅは、足柄牛と鳥の陶板焼き。ところで足柄牛ってのはどこにいるんだろう?
釜めしが炊けたようです。よくまぜていただきます。私のは金目鯛、母のはホタテの釜めしでした。釜めしに赤だしのお味噌汁、漬物がつきます。
母も私も釜めしは半分残してしまいました。宿の方も、食べきれないことを見越しているようで、「おにぎりにしましょうか?」と言ってくれます。私たちは食べられそうになかったのでおにぎりは辞退しましたが、夜食が欲しい方には良いサービスと思いました。最後にデザートがでて食事は終了です。
朝食
朝食も同じ会場でいただきます。時間は7:30か8:45スタートのいずれかから選びます。ずいぶん時間に差がありますね。8時ってのがあるともっと良さそうですが。
朝食は席につく、すでにプレートに9種類のおかずがのっています。
何が乗っているかは、スタッフの方が一つずつ説明してくれますが、覚えきれません。テーブルにはこんな写真が置いてあって、スタッフの説明を忘れてしまっても何が乗っているのかはわかるようになっています。なかなか気が利きます。
これにご飯やみそ汁、干物など温かい物も出てきます。
そして、テーブルには出汁の入ったポットと薬味も。ご飯をお出汁でお茶漬けにして食べることができるんです。
最後にお茶漬けでいただきました。わさびがぴりっときいて美味しい。
ごちそうさまでした!
館内その他
お部屋、お風呂、食事以外の部分をご紹介します。こちらはロビー。チェックインの手続きはこちらで行います。
ロビーにはカラオケ用の部屋が2部屋あります。有料で借りられます。温泉卓球はなさそうでした。
こちらはフロント。まだお客さんが朝ごはん食べている時間帯だったこともあり、誰もいませんが、チェックイン・チェックアウトの時には3人くらい座っていました。
フロントとロビーの間には売店があります。
日本酒が好きな人へのお土産に良さそうなお酒も売っていました。
カード使用不可
年老いた母との1泊2日は無事終了。チェックアウトする時に、カード不可、現金で、と言われちょっと焦りました。現金あったかな・・・? 無事お財布の中に足りるだけの現金はあったからよかったけれど、35,400円払ったら、お財布の中身がかなーり寂しくなりました。楽天トラベルからの予約確認メールにも「カード不可」とは書いてあったけれど、今どきの宿でクレジットカード不可って、珍しい。しかも箱根ですよ。ここは改善要な気がします。
全体を通して
おそらくはどこかの会社の保養荘をリノベした建物だと思いますが、きれいにされていて快適でした。ほぼバリアフリーなので、足がおぼつかない母も杖をつきながら自力で移動できましたた。何よりスタッフの皆さんが親切で気持ち良かったです。楽天などのサイトの口コミでは厳しい意見もありますが、部屋も広いし、部屋数は少ないし、滞在に大きな不満はありませんでした。温泉のお湯が白濁とかにごり湯の期待にはちょっと届かなかったけれど、硫黄のにおいもしてくつろげたし、母も喜んでくれました。箱根には宿が星の数ほどあるので、他の宿にも泊まってみたいから、次回は他の宿に泊まると思いますが、頑張っている宿だと思いました。
おまけ:深海水族館
金曜日の夜に宿泊し、土曜日の朝チェックアウト。金曜日の夜の天気予報では首都圏ょ中心に雪の予報。箱根は標高が高いので雪景色かも・・・と思いながら眠りにつきましたが、結果は全く問題なし。フロントガラスにちょっと積もっている程度ですみました。
けれど雪が降りそうな空だったので、チェックアウトした後は沼津方面に下りました。母の希望で沼津港にある深海水族館へ。
ちょっと珍しい趣向の水族館です。イルカやペンギンではなく、深海の生物の展示なので、館内は薄暗く、展示されている生物も、あまり美しいものではありませんが、中にはおいしそうなエビちゃんもいました。
こちらの水族館のウリは「シーラカンス」の展示かな。シーラカンスについてはいろいろな資料が展示されていました。シーラカンスの魚拓、なんてのも展示されていましたが、これってシーラカンスを捕獲したからこそ取れたんですよね。すごい。
こちらは冷凍のシーラカンスの展示。-20℃という表示がありました。本物なのかなー。
館内はそんなに広くないので、1時間もあれば十分な感じ。意外に混んでいてあちこちで行列だったのはびっくり。外に出たら通りの角に深海プリンなんてのが販売されていて、ついつい買ってしまいました。青いプリンがちょっと神秘的ですね。
プレーン、塩キャラメルとの3個セットを買いました。
なかなか美味しかったです。
母の希望を叶えることができて、近場だけど良い旅になったと思います。さぁ、次の旅の計画を立てなくては!
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